テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

7 / 162
どうもonekouでございます。

さっそく感想を頂けて、テンション上がりまくりです。
やはりいつになっても感想を頂けると嬉しいし、待っている間はドキドキします。評価もそうですがなんかこう、ホワァ!って叫びそうになりますw いや上げませんけども、ぎりぎり。

さて置き続きをどうぞ!


『stage6:できること、やりたいこと』

 

 

あの後は色々と大変だったぜ。

 

 

 

 俺が撃ったスターライトブレイカーは、かなり遠くまで威力が落ちることなく、地形を壊しながら突き進んだ。正直な話、大気圏突破したんではなかろうか…?

 山とか消し飛んだんで地図を書き換えなければならないレベルらしい。

 

 ここまでならまだよかった(本当はよくないが)。

 

 一番問題なのは、アインツベルンの地を守る結界もぶっ壊してしまったことだ。

 

 確かに撃った後でパリーンッと何かが割れた音はしてた。

 お城のガラスでも割れたのかな〜なんて考えてたんだけどさ、いきなり武装したメイドさん達が城からぞろぞろと出てきたんだよ。

 イリヤが訳を聞いたら、結界が壊れたから何事かと出てきたらしい。

 

 すいません、俺のせいです。

 

 しかもだ。詳しい話を聞くと、結界を維持するために使っていた龍脈も一緒にダメージを受けていて、アインツベルンの魔術的防御とかがズタズタなんだって……。

 

 思わず土下座をした。

 謝り続けた。

 それはもうひぐらし的な感じに…。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい―――――」

 

「顔をあげなさいコウジュ」

 

 さっきまで黙ってたイリヤが優しく話しかけてきてくれた。

 許してくれるのかな…。なんて、嬉しくなりながら顔を上げると――。

 

「あれだけの術が使えたんだから、直せるわよね?」

 

 鬼だ…。

 口は笑ってるんだけど、目が笑ってませんよイリヤさん? 俺のせいだけどさ、なんだかイリヤからの風当たりが冷たい。

 でも、イリヤも了解してくれたじゃんとかきっと言ってはいけない。

 

「えっと、直せなi……」

 

「できるのよね?」

 

「イエス! マム!!」

 

 自分を信じるがどうとか言ってられねぇ…。

 やらなきゃ!! 殺(や)られる!!

 

 

「はあ…ため息ばかりついてる気がするわ。

 コウジュ? あなたを煽った私の責任でもあるから、手伝いはできないけど一緒に居るわ」

 

 そう言って、イリヤはメイドたちに持ち場へと戻るように言った。

 

 

 

 

 

 

 

「それで、私もさっきはあんなことを言ったけど、できるのよね?」

 

 メイドさんたちが城内に全員入ったのを確認したイリヤは、腕を組みながらそう聞いてきた。

 

「できる…かな?」

 

「なんで私に聞くのよ…?」

 

 呆れたように言われてしまう。

 でもしゃーないやん。中の人はチート歴まだ数時間なんやから…。

 でもまぁ、スペック的にはできると思う。問題は俺の心しだい。

 

「能力的には十分可能だとは思うけど…、やったことないからさ…」

 

 それでもつい言い訳じみた言い方をしてしまう。やっべ、ビビってきた。

 

 そんな風に思っていることがイリヤに伝わってしまっていたのか、彼女はこちらを見ながら微笑んだ。

 

「あなたならできるわ」

 

 その笑顔についドキリとしてしまう。

 何の疑いもなくそう言ってくれたことが嬉しかったのか、内心を見抜かれてしまった気がしたからか、それとも別な理由なのかわからないが、下がり気味だったテンションがまた上がり始める。

 

「どうして、言いきれるんだ?」

 

 ちょっと、声が震えてしまう。それでも聞かずには居られなかった。

 俺が召喚されてからまだそれほど経った訳ではないのに、

 

 俺の問いに、イリヤはまた一段と笑みを深くし答えてくれる。

 

「だってあなたは私が召喚したんだもの。だからできてもらわないと困るわ」

 

「……」

 

 何このイケメン。

 さっきまで超かわいいと思ってたけど、今はかっこよすぎる。攻略されそうですぜ…(/ω\ *)

 

 こほん、ごめんなさい。急なシリアス展開に素直に身を任せることができませんでした。

 でも、うれしい。

 出会ってそんなに時間が経った訳ではないが、本当に信じてくれているのが分かる。パスを通じて流れ込んでいるのだろうか? そしてそれが心強い。

 

 そんな風に心の中に熱いものを感じていたが、ふとイリヤが何も話さないことに気付いた。真っ赤になってた。やっぱ可愛いw

 どうやら俺が何も続きを言えなかったことで、一人我に返って恥ずかしくなったようだ。

 

「あのさ……」

 

「…なに?」

 

「恥ずかしいなら言わなければよかったんじゃ……」

 

「…うるさい」

 

 顔を少し紅く染めながらそっぽを向くイリヤ。

 

 でも…。

 

「ありがとうな。できる気がしてきたぜ。なんたってイリヤのサーヴァーントだからな」

 

 おかげで出来る気がしてきた。

 頬をパチンっと一叩きして気合を入れる。

 

「よっしゃ!!」

 

「っ!? い、いきなりどうしたのよ大きな声をあげて」

 

「ちゃっちゃとやってしまうためにも、気合を入れないとな」

 

「はいはい…」

 

 等閑な返事をしながら、呆れたような表情をするイリヤ。なんだよぅ…。

 俺がむすっとするのを見て、今度は笑みを漏らす。なんだよぅ…。

 

「ふふ、ごめんなさい。あまりにも…いえ、何でもないわ」

 

 き、気になるぜ続きが。でも聞かない方が俺のためのような気がする。

 

 そんなことを考えていると、イリヤがそう言えばと話を切り出す。

 

「あなたって龍脈を感じることはできるの?」

 

「たぶん可能」

 

 ああ、龍脈が何故関係あるのかっていうと、アインツベルンの結界は龍脈を利用して構成されているらしいのだ。

 

 細かい仕組みをイリヤが教えてくれたがよく解らないのでさて置き、結界を直すためには龍脈の異常から直す必要があるとのことだ。ヒエー…。

 でもまぁいずれかの武器に込められたチート概念を利用してしまえば何とかなるんじゃなかろうか。

 むしろ詳しいことを知ってしまうと変に難しく考えて苦手意識みたいなものが生まれて失敗しそうだ。

 龍脈の方も流れを調整してほしいだけだってことらしいし…。

 うん、イケルイケル!

 

 というわけでさっそく武器選び…なんだけど実はもう決まってたりする。

 

 まず、龍脈はヒトの体で言うところの血管だ。つまり、大地の命の源が流れている。

 そして、こじ付けかもしれないが、命とは未来だ。未来を創るために必要なもの。

 

 そう仮定し、ある武器を思い浮かべる。

 よく使った武器の一つで、破格の概念を持つ物の一つ。

 

「来い。聖剣エルシディオン!」

 

 現れたのは、聖剣の名にふさわしい聖なるオーラをまとった一本の剣。

 一応片手剣にカテゴライズされるが結構な大きさがあり、黄金の柄に、光で形成されているかのような透き通った輝きを放つ刃を持っている。

 

 内包された概念は、未来を創る力を持つという、聖なる心の宿る究極の片手剣。

 

 この剣を使って、龍脈が正常で、結界も復活しているという未来を描く。

 

創造(イメージ)開始―――――」

 

 エルシディオンを地面に刺す。

 

「龍脈よ、連なる結界よ…元に戻れ……戻れ……」

 

 カチリと、何かが自らとつながる感覚が生まれる。地面から、エルシディオンを通して身体の内側へと何かが流れ込む。

 

 何か? いや、これが龍脈を流れる命の本流なのだろう。今の俺はなぜかわかる。

 けど、龍脈が荒れ狂っているからか、溢れ出てきた何かは俺の中にも入ってきて暴れだす。

 やばい、なんか、こう、漏るってこれ…。弾けそう…。うえっぷ…。

 

 このままだと自分がアボンしちゃうので、その荒れ狂っているものが清流のように穏やかになるよう改めてイメージ…。

 

 次第に、体に来ていたものが穏やかになる。

 

「再度イメージ…、元に戻った大地…」

 

 外へ出てきたときに見た、幻想的な白銀の世界。

 

「すごい…」

 

 集中していた俺の意識を、イリヤの声が浮上させる。

 

 集中するために目をつぶっていたが、イリヤが何を見てそう言ったのか気になり目を開ける。

 小並感と言われるかもしれないが、たしかにこれはすごいとしか言いようがない景色が目の前に広がっていた。

 

「これは…すげぇな…」

 

 辺りを埋め尽くす光の粒子が、空へ昇っていく幻想的な風景。

 雪だけで彩られていた山も大地も、浮き上がる光を反射して視界のすべてが輝いて見える。

 そしてその光たちは、時に集い、形を構成していく。

 

「直って…いってる…?」

 

「コウジュスゴイわ!! こんなこともできるなんて!!」

 

 イリヤがクルクルと光の中で踊っている。

 その足元の地面から溢れ出す光は留まるところを見せず、まだまだ空へと昇っていく。

 時折イリヤへもその光は触れるがそのまま透過するように、イリヤ自身やその綺麗なプラチナブロンドをうっすらと照らす。

 

 くさいセリフだが、まるでその姿は妖精のようだ。

 

「いや、これは俺も予想外だわ。まさかこんな風になるとはな…」

 

「よくわからないけど、これはあなたが起こしたのでしょう? まるで魔法だわ」

 

 魔法…か…。

 

 それはこの世界で特別な意味を持つ言葉。人の手では決してと言ってもいいほど届かない、真理の欠片。

 並行世界の運営や魂の物質化がこれに当たる。

 そして魔術師ってのは『根源の渦』を目指して、自らを、その血筋を、様々なものを犠牲にしてでも目指す者達だ。

 魔法は、至ったその結果か、至るための手段であるそうだ。

 

 だから俺は、原作を知った時からこの世界の魔術も魔法も嫌いだった。

 けど、この世界にいる以上は自らに関わってくる事柄だろう。正直勘弁してほしいけど。

 

「うん、でもまぁこれが魔法だってんなら、嫌いじゃないな」

 

 口に出してから恥ずかしいことを言ったと自覚し、照れて視線を少し下げる。

 

 あかん、この身体になってからポロポロと恥ずかしいセリフが漏れ出す。

 恥ずかしいセリフ禁止!!(セルフ)

 

 そんな俺を下から楽しそうにイリヤが覗き込んでくる。 

 

「ふふ、何それ。素直じゃないんだから」

 

「…むぅ」

 

 素直になれないお年頃なんだよ、ほっとけ。

 

 




いかがだったでしょうか?

ここまで後書きが短いですが、以前のやつをご存知の方が見ると調子悪いのかって思うかもしれませんねw
無駄に長いことに定評がある私でしたからw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。