テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

今回はおふざけ回。
え? いつもふざけている?
ごめんなさい、そうすると今回もっとひどいかもしれません・・・・・・。

まぁさておきどうぞ!


『stage8:〇〇〇〇が死んだ!!』

 

 

 

「馬鹿じゃないの?」

 

「うぐぅ」

 

 胸に突き刺さる何かを幻視しながら床へ座り込む俺。

 しかし、目の前の鬼は冷ややかな目のまま俺を揺る気も無く、追撃を放つ。

 

「もう一度言うけど、馬鹿じゃないの?」

 

「もうやめて!? ライフゼロだから! その口撃だけで死にそうだから!!!」

 

 ゴフっと己の口から吐血の様な魂の様な物が出てきた気がするが、このまま床に居ても仕方がないので、イリヤの対面にあるソファーへと戻る。

 そんな俺を見て溜息を吐くイリヤ。

 それも地味にダメージあるから勘弁してつかぁさい。

 

 さて、今俺が居るのは間桐邸におけるリビングだ。

 そして間桐邸へと戻ってイリヤに報告している途中で、時代的にそもそもUSBメモリを使えないことに気付いてしまった。

 報告しながらも何とか誤魔化そうとしたのだが、一瞬の間をあけてしまった所為か表情に出ていたのか、結局イリヤに話すことになってしまった。

 その結果の冷たいお言葉なのだが、少し待ってほしい。

 

「いやだってさ、スマホが普通に使えるもんだから感覚がね?」

 

「それでも普通は気づかないかしら? あそこにあるテレビの形分かるかしら。ブラウン管なの」

 

 イリヤが向ける目線の先には、紛うことなきドでかい立体がある。

 間桐家もかなりの旧家だし、テレビも結構な大きさのものを揃えたのだろう。

 今居るこのリビングに入るだけでも目に付くと言うものだ。

 

「ソッスネ」

 

 でも忘れてたんだから仕方ないじゃん? 

 作業はマイルームでやってたんだから仕方ないじゃん?

 つまり俺は悪くない。

 

「スマホもそうだけど、マイルームからして空中投影型ディスプレイとか普通にあるから感覚が狂ったんだよ。そう、それだけ。そこにこの時代でも普通に使えるスマホがあったから意識がね」

 

「まあ、あの部屋に居ると確かに時代感覚は狂うけれど・・・・・・」

 

 何とか納得してくれそうで良かった。

 そうでなければどうせまた罰ゲームとか言い出すところだったし。

 

 そんなことを思いながら内心で一安心していると、突如スマホがメールの着信を知らせた。

 イリヤに目線をやれば、どうぞと目配せをしてくれたので遠慮なく取り出して中を見る。

 転生直後から何かとおちょくってくれていた携帯電話さん(現スマホさん)。

 今回の事も、俺の力経由で電波を発信しているから起こった事故であり、俺だけが悪い訳じゃない筈。

 前の世界でいつの間にか進化していたスマホさんではあるが、前はあれだけ色々してくれたんだし、多少はこっちから仕掛けても許される筈。

 

 そう思いつつ、メールを開いてみた。

 

 

 

 

 

『冤罪です。絶対許早苗。これから圏外になりますね』

 

 

 

 

 

「ごめんなさい」

 

「何を突然スマホに謝っているのよ」

 

 スマホの画面を見ながらそこに突如謝り出した俺を見てイリヤが冷ややかな目を向けてきた。

 でも仕方ないんだ。

 やっぱりスマホさんには勝てなかったよ。

 

「それで、当然新しいデータを持っていくのよね?」

 

 俺がスマホを握りながら漢泣きをしていると、イリヤは突然そんなことを言い出した。

 それに対して俺は頷く。

 勿論俺はこのまま置いておくつもりはない。

 

 俺はふと気になって、久しぶりにスマホさんで調べ物をする。

 すると、出てきたのは中々に驚きの情報だ。

 この時代では、未だUSBメモリなんてものは普及しておらず、記憶媒体と言えばフロッピーディスクが主流なようだ。

 そもそもがパソコン自体もデスクトップもかなり大きい割に処理は遅いし、ノートパソコンなんて物は未だ出てきていないようだ。

 そんなことまで分かってしまうスマホさん、さすがはアカシックレコード疑いのある子である。

 ・・・・・・等と内心で煽てつつ、再び調べていく。

 

 そうして色々知ることが出来たが、ジェネレーションギャップというやつが今更ながらすごい。

 なにせ、よくよく考えてみれば1990年初期と言えば、生前で言えば俺が産まれた位の頃のことだ。

 小学生位の時でも、家にあったのは嵩張るデスクトップパソコンだったし、携帯電話も親が着メロを携帯電話に本を見ながら打ち込んでいた気がする。

 そう思うと、技術の進歩ってすげぇなと改めて思う。

 特にここ20年。

 いや、今の時代からで言うとここから先に20年なのだが。

 

 そんな余談はさておき、そのことを見た上で俺はもう印刷して紙で渡すことに決めた。

 俺のパソコンには既にフロッピーディスクを使う機能は無いし、パソコン用のCD-Rも未だ使われていないようだからね。microSDとかこの世界だとゴミにしかならない。

 そんなわけで、俺は愛用のノートパソコンとプリンタを取り出した。

 紙もあるし繋ぐ線だってあるからこれでもう大丈夫。

 

「それも、この時代ではオーバーテクノロジーなのよね・・・・・・」

 

「はっ!? これをもし電機会社的な所に持ち込んだら、俺ってば大金持ちなのでは!?」

 

「冗談でしょうけど、止めておいた方が良いわよ。世界中の人があなたを捕まえに来るでしょうし」

 

「デスヨネー」

 

 人の夢と書いて儚いと読む・・・なんてよく聞くけどほんとその通りだな。 

 変に持ち込んでターミネーチャンみたいなの送り込んでこられても困るし。

 いや物理的にも勝てるけどさ。

 

 そんなことを考えていると、イリヤが対面のソファーから身体を乗り出し、ノートパソコンを越えて俺に顔を近づけてきた。

 その顔はとても良い笑顔をしており、更に言えばどこか艶を感じる美しいものだ。

 

 俺は、嫌な予感がした。

 

「と、こ、ろ、でぇ・・・・・・」

 

「・・・・・・なんでせうか?」

 

 イリヤの表情は、端的に言えば何か悪戯を思いついた時の表情であった。

 俺は顔を引き攣らせつつ、イリヤに問う。

 するとイリヤは、ニヤァと笑みを深めて続ける。

 

「あのね、確かにあなたのスマホとかもあって気付き辛かったのは一理あるとは思うのだけど、それとは別に罰ゲーム的なのが必要だと思うの」

 

「(必要)ないです」

 

 俺は真顔でそう言うがイリヤは首を振り、続けた。

 

「いいえ、きっとあるわ。あなたが自身に流れてくる願いを聞けば、そこにもきっと“罰ゲームが必要だ”って有る筈よ。前の世界でもそうだったじゃない?」

 

「あいつらは懲りずに何度も何度も薄い本を作ろうとしていた連中だよ!?」

 

「まぁ、貴方の薄い本を作ろうとすればあなたを召喚できるのだから作りたくもなるわよ」

 

「今明かされた衝撃の真実!?」

 

 どうりで物理的に薄い本のデータを削除しに行こうとしたら、俺が出現した瞬間に拝まれる筈だよ。

 途中からはむしろデータ消されて喜ぶようなやつも居たし、不思議に思っていたんだが、これで謎が解けた。

 知りたくなかったけどね!!!

 

「まぁそういうわけで」

 

「どういうわけで!?」

 

 俺が突っ込むも、イリヤは馬の耳に念仏ではないが聞く耳持たず、刑を告げた。

 

「今回は流石に令呪は使わないけど、タマモキャットの恰好でもしてその印刷した分をお城に持って行きなさいな。上手く行けば誰にも見られないし、扉はお城に繋げられるんでしょう?」

 

 確かに扉のカードで繋げることはできる。

 どうやら、時代は違っても知っている場所である事には違いないようで、冬木のアインツベルン城にも扉を繋げることはできた。

 勿論、この時代にしかない扉には無理なようだが、それでも破格の性能だ。

 そしてそれを使えば、密かに印刷し直したデータを持って行くことは可能だろう。

 ただ、可能ではあるけどだからといってそれをやるかどうかという話は別だ。

 

 しかし、それを言おうとした俺を察したのか、俺の言葉よりも先にイリヤが言う。

 

「私ね、思うの。あなたは度々そういううっかりを起こすじゃない? そういうのは凜だけで良いと思うの。それにあの子のうっかりは規模が小さいけれど、貴方のうっかりは規模が大きいことがままあるわ。私はそれを無くすべきだと思うの」

 

「・・・・・・ハイ」

 

「まぁそれが可愛い所でもあるのだけれど、それでも、少し痛い目を見れば意識は変わると思うのよ。どうかしら?」

 

「・・・・・・ソウデスネ」

 

「というわけで―――」

 

 イリヤはそう言いながら立ち上がり、部屋から出ていった。

 俺は疑問に思いながら待っていると、数分の後に何かを手にして戻ってきた。

 その手には、丈の短いフリルとにくきゅーが可愛らしい白いエプロンがある。

 

「やっぱり最終?」

 

「モチロン」

 

「わふん」

 

 

 

 

 タマモキャット、それは玉藻の前より分離したタマモナインのうちの一人。

 何がしたいのか分からない上に、何を仕出かすかも分からず、しかも基本的に会話が成り立たない野生の(キャッツ)を自称する犬の手足と耳と尻尾が特徴の半人半獣の女性色物サーヴァント。

 基本自由気ままな割に、突如冷静に助言をしたかと思えば場を掻き乱したり、滅茶苦茶ではあるが各方面から愛されているキャラだ。

 そんな彼女が登場するのは前世界で生み出されていたFGOというゲームの中だ。

 俺自身はゲームのストーリーが終わる前にあの世界を後にしたからその後どうなったかは分からないが、まぁ数居たFGOサーヴァントの中でも群を抜いていろものだった。

 だって、どこぞの良妻狐の如く最初は色違いの赤だけど着物を着ていたのに、霊基再臨(レベル上限上昇)をする度に、メイド服、裸エプロンと姿が変わっていくのだ。

 

 そして今、イリヤはその裸エプロンをしろと御所望である。

 

 

 

 

 

 

「お情けで、中に水着を着ることは許すわ」

 

「・・・・・・もう好きにして」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 罰ゲーム実行の次の日、俺はマイルームへと来ていた。

 俺がアインツベルン城から帰ろうした時にアイリさんと目があった気がしたが、恐らく気のせい多分きっとめいびー。

 

 さておき、既にマイシップというべきかもしれない俺の中にあるリゾートコロニー型宇宙航空艦『クラッド6』へと来ていた。

 そしてその中でも、ビーチエリアへと訪れていた。

 勿論、遊ぶためではない。

 ここにはとある人物たちが居るのだ。

 

「見つけたぞバーサーカー!!」

 

「ひえ、そんな睨まないで欲しいんだけど・・・・・・」

 

 ビーチエリアに入るなり、砂浜を土煙を巻き上げながらこちらへと向かってくる影があった。

 そしてその男は、その勢いのままに俺を睨みつけ、その双槍(・・)を構えた。

 

「ディルムッドさんや、話せばわかる」

 

「我が主は見つけ次第斬れと仰せだ。幼子の容姿といえど其方も英雄であろう。覚悟しろ」

 

「幼い言うな! ・・・・・・ったく、でも良いのかな? 俺が死ねばここは空間ごと消え去ると思うよ?」

 

「くっ、卑怯な・・・・・・」

 

 苦々しい表情で言うランサー。

 グリリバボイス“くっ”を頂きました。

 流石カッコいい。

 でも爆発しろ。

 

「とりあえず、あんたの主たちは何処? ちょいといい話が有って来たんだ」

 

「・・・・・・案内しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アロハシャツって、結構エンジョイしてるねケイネスせんせー」

 

「これしかなかったからだ!!!!」

 

 ビーチエリアにある高級ホテルまで来たら、当然無人ではあるが備品が揃っているそこのラウンジにケイネスせんせーたちは居た。

 そして近寄ってみればソラウ女史はマーメイドタイプのドレスを着ており、けいねすせんせーはアロハシャツだった。

 その為、先の発言をした訳だがどうやらアロハシャツは気に入らないようだ。 

 それなら他に・・・・・・ってそういえば遊ぶのに使う場所だしってことでアロハシャツばっかり搬入していたっけ。

 女性物はイリヤや他の女性メンバーが好き勝手に各々注文していたし、その中から良さ気なものを選んだようだ。

 

 そもそも、何で二人が着替える必要があったかというと、まぁ簡単に言えば俺の所為だろう。

 魔術工房(笑)をチートで突破し、あの部屋に突入したのは良いが暴れられても困るので泥で纏めて絡め取ったのだが、その時にあまり傷つけないようにしつつも逃がさない様にという絶妙な力加減をしていたのだが、予想外の抵抗に合い、ちょっと強引に御連れした。

 その際に、身体は治療したのだが服は破けていたので、気絶した3人をそれぞれ部屋に放り込んで、枕元に好きな服を着てくださいとメモを残しておいたのだ。

 ちなみに、ランサーは最後まで気絶させることは出来なかったので適当に同じビーチエリアに放り込んでおいた。

 

「バーサーカー、我々を拉致してどういうつもりだ?」

 

 俺にツッコミをするために息を荒げていたケイネスせんせーは、一度大きく息を吐いて整えた。

 そして俺に疑問を投げ掛けた。

 

 まぁ、その質問は当然であろう。

 自身はホテルの最上階に居た筈なのに、気付けば閉鎖された空間でありながらビーチでもある謎空間に押し込められていたのだから。 

 しかも目覚めれば真っ裸。

 そして服を探し出してもアロハシャツに短パン―――――、

 

「―――ブフッ」

 

「ええい何を笑っているのだ!! ランサー! いますぐこの小娘を始末せよ!!」

 

 思わずアロハシャツに短パンなのに真剣な顔をしているケイネスせんせーを見て吹き出してしまったのだが、どうやらオコになったようだ。

 顔を真っ赤にしながらランサーに命じるケイネスせんせー。

 しかし言われたランサーは、先程俺が言ったことを気にして自身の主を止めに入った。

 

「しかし主よ! この娘を倒せばこの空間ごと御身が消滅してしまう可能性があります!! どうか落ち着いて下さい!!」

 

「ぐぅ、ぬぅ・・・・・・、背に腹は代えられんか」

 

 ランサーの言葉を聞き、額に血管をめっちゃ浮かび上がらせながらも何とか我慢するケイネスせんせー。

 なんだろう、こんなに面白い人だったっけ。

 いや、うん、俺の所為だって自覚はあるけど、それにしてもこの人を弄るのがなんだか楽しくなってきた。

 あ、普段弄られる事ばかりだし、それで余計に楽しく感じるのかね?

 

 ・・・・・・自分で言ってて悲しくなってきた。

 

 さておき、このままでは話が進まないので、進めるとしよう。主に俺の所為だけど。

 俺は彼らが座っていたソファーの対面に回り座り込んだ。

 

「さて、そいでは話し合いと行こうじゃないかケイネス・エルメロイ・アーチボルト」

 

「・・・・・・聞いてやろう」

 

 先程までの事が嘘の様に俺がまじめな話に入ったからだろうか、ケイネスせんせーは顔を引きつかせながらも俺の話を聞く事にしてくれたようだ。

 水銀の真ん丸いのを出してくるかと思ったが、どうやら温存するようだ。

 

 それを確認した俺は、ケイネス、ソラウ、ランサーと目をやり、話を持ち掛けた。

 

「あんた達には聖杯戦争を辞退してもらいたい」

 

「なんだと!?」

 

 俺が告げると同時に、ケイネスは立ち上がった。

 怒りを露わにしながら俺を睨みつける彼だが、俺は気にせずに続ける。

 

「正直に言えば、ランサーを打倒して勝ってもいいんだ。だけど、それよりも建設的な意見を持って来たんだよ」

 

 ドウドウと俺は手で座るように促すと、チッと舌打ちをした後ケイネスは座った。

 どうもヤサグレてしまったけど、まぁ仕方ないね。

 

「そもそも、とある事情から今回の聖杯戦争においての聖杯は正直に言って使えない。穢れに穢れて、毒しか齎さない代物に成り下がっているんだよ。信じるかどうかは別としてね」

 

「何?」

 

「その事情に関しては言えないんだけど、穢れてるってことには変わりない。その上で取引さね」

 

「ふん、私はそもそも聖杯を求めてこのような極東に来たわけではない。聖杯戦争という大儀式においての勝利こそが我が目的よ。それに値する取引など―――」

 

 そこまでケイネスが行ったところで、俺はニヤリとする。

 予想通りの展開だ。

 俺はあんたがそういうと思った。

 だからこそ、俺はあんたを取引の相手に選んだんだ。

 

「魔法」

 

 俺がボソリと言った言葉に、ケイネスはピクリと反応した。

 そして言葉を止め、こちらへと疑問を返してきた。

 

「――――それが何かね?」

 

「あんた達魔術師の目標は根源に至る事だ。そしてその為の手段として、魔法を欲している。違う?」

 

「・・・・・・確かにそれは我々魔術師の悲願だ。根源に至り魔法を得るのでも構わない。魔法によって根源へと至るのでも良い。どちらにしろ、先祖代々より受け継がれし命題は確かに根源へと至ることにある。しかしそれがどうしたというのだ。まさかそれが対価だとでも?」

 

「That's right! さすがはせんせーをしているだけはある。そう、その魔法に触れることが対価だ」

 

 俺が渡せる対価の中で、聖杯が無くとも実現でき、そして彼らが欲しがりそうなものと考えるとそれが出てきた。

 いつしかキャスターは言っていた。俺の力は出鱈目だと。魔法に至っていると。

 俺自身はそれをイマイチ理解できないし、今の俺にとって大事なのは“出来るか出来ないか”でしかない。

 だけど、それが役に立つというのなら幾らでも利用しようじゃないか。

 

 しかし、俺の言葉を聞いたケイネスは机へと拳を叩き付けて声を荒げた。

 

「馬鹿馬鹿しい! 私を愚弄するのも大概にしておけ!! 対価が魔法? 容易に至れぬからこそ魔法と言うのだ馬鹿者めが!! そもそも魔法と言うものはだな――――――」

 

 そこから何故か始まったケイネスせんせーの講義。 

 せんせー、眠たくなるので止めてください。

 そう思うも、彼はついつい熱が入り始めたのかマシンガンの如く次から次へと言葉を紡ぐ。

 横に居るソラウ女史がちょっと引いてるぞー、ケイネスせんせーさんよ。

 ランサーはランサーで、そんなケイネスせんせーの言葉を聞きながら、「流石は我が主、博識である」みたいな感じに誇ってるんじゃないよ。

 

 はぁ、仕方がない。俺自身で止めよう。

 

 俺は立ち上がり、ランサーへと近づく。

 そして、胸元からカードを取り出した。

 

「――――であり、・・・・・・おい貴様聞いているのか!!!」

 

「何だバーサーカー、我が主の御言葉を遮る気か」

 

 そんなことを俺に言って来るが、これ以上聞いていたら眠くなってきそうだから許してほしい。

 

 というわけで―――、

 

 

「えいっ」

 

「ぐほぁ!? 何をするバーサ―――」

 

「そい」

 

「ぐふぅっ!?」

 

「いやああああああああ!!!? ランサーぁぁぁ!!!!!!」

 

 俺はカードを握った手でそのままランサーへと貫手を放った。

 ランサーは、それを避けられず、また双槍も持っていなかったためにそのまま貫かれた。

 俺自身に殺気も無かったし、そもそもあの近さだとランサーも流石に反応しきれなかったのだろう。

 ただまぁ、ただの貫手だけだとランサーがまだ動けそうだったので早く命を落としてもらうために影を使って追撃を放った。

 あんまり痛みを与え続けるのも可哀そうだし、仕方ないのだ。

 

 そんな俺達を見て、呆気にとられるケイネスはさておき、横に座っていたソラウ女史が悲鳴を上げながら慌ててランサーへと駆け寄る。

 しかしランサーは既に致命傷であり、既に身体は形を崩し始めていた。

 そして消えるケイネスの令呪。

 

「バーサーカー! 貴様!!!」

 

「・・・・・・許さない。許さない許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

 

「ま、まぁ待って。事後承諾になるけど、魔法を一つ見せるから」

 

 片方がちょっと怖いので思わず引いちゃったけど、この続きを見ればきっと彼女は何も言わなくなるだろう。

 それにケイネスせんせいも、こうなっては取引に応じるだろう。

 

 そんなことを考えている内に、始まった。

 

「これ、は・・・・・・?」

 

「何!?」

 

 ソラウ女史が抱えるランサーの身体が崩れて行った。

 そこまでは彼らの想定の範囲内だろう。

 しかしそれでは終わらない。

 俺が貫手をした際に差し込んだカード、それがいま発動する。

 

 ランサーの身体は次第に光に包まれ、そして一瞬、彼の身体を眩い光が包み込む。

 その光に思わず目を瞑ったソラウ女史とケイネス。

 しかしその光もすぐに弱まり、二人は目を開けた。

 するとそこには―――、

 

「ラン、サー・・・・・・なの?」

 

「馬鹿な、魂の実体化だと!?」

 

 ―――死んで消えるはずのランサーが居た。

 

 そう、俺がやったのはいつものやつ。スケープドールによる再生だ。

 これを見てしまっては、二人も俺の取引に応じるしかないだろう。

 それに既に聖杯戦争への参加権は失ってるわけだしね。

 

 さぁこれで話が進むはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でもどうして小さくなっているのかしら」

 

「魂の実体化ではなく、転生に近いのか? いやしかし・・・・・・」

 

 

 うん、まぁ、ショタった位誤差だよ。誤差。

 

 




いかがだったでしょうか?

とりあえず、書こうか悩んでいたお仕置き話を、感想でもどうなるのか気になると多くの方に書いて頂いていたので書いてみました。
コウジュがさせられたタマモキャットというのがどんなものか気になる方は、ネットで調べたらすぐに出てきます。可愛いですよ。そしていらっしゃいFGOへ・・・・・・(誘い

ごほん、さておき、後半はケイネスせんせーたちの行方ですね。
ケイネス先生の敬称に関しては、まじめな話のシーンだけ抜かす形にしましたが、すぐに終わっちゃいましたね。
もう少し真面目な話を増やしたかったんですが、まぁ仕方ないですよね。いつも通り気付けばそうなっていたんだし。無意識だし仕方ない(魔法の呪文
あとやっぱりランサーは無慈悲に死んで頂くべきかと思ったのでこうなりました(使命感

そんな感じの今話でしたが、皆さまが気になってらしたコウジュが同時に何か所かに居る件についてを入れる場所が無かったので、説明が更に向こうになってしまいました。
まぁそんなに深い話でもないので、次回辺りにちょろっと入れられたらと思います。

ではではみなさま、正月も終わりまたお仕事や学業の日々となりますが、その日常の中に少しでもこのSSで笑いを入れることが出来ればと思いますので、また次回もよろしくお願いします!!




P.S.
タイツ師匠ピックアップ、もうこれ以上は止めておこうと思った最後の分の課金で引いた10連にて確定虹演出が来ましてね、見た瞬間それはもう狂喜乱舞しました。
最後の最後で来てくれるなんて泣かせるじゃないか
いやぁ、やっとゲットできました。





・・・・・・ジャックちゃんが。
私、ママに成れました(遠い目

いやうん滅茶苦茶嬉しいんですけどねw
年末ガチャもアサシン引いたぐらいだし滅茶苦茶嬉しいんですけどねw
でも、素直に喜べないこの気持ちは何だろう・・・・・・。

とりあえず、私は暫く課金を封印します!!(決意表明

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