玉虫色の魔法使い   作:しゅん123

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第七話 運命

さてあの娘をどうやって仲間にするかな?

 

まぁ簡単には無理だろうな

それにこの国には養成学校が無いみたいだしな

 

取り敢えず家に向かうか

 

今回は一人で行く

 

トントン

 

「はーい」

 

相変わらず目を閉ざしたままの少女が出てきた

 

今日は聞いてみようか

 

「何で目を閉じてるのか聞いても良い?」

 

「お姉ちゃんは私に隠してるけど知ってるから言います、お姉ちゃんが泥棒するの止めさせれたら教えます」

 

「約束する、じゃあ悠真を呼んで」

 

「お姉ちゃん」

 

「何って、またお前か」

 

「今日はお前の泥棒行為について話がある」

 

「何いってんだよ」

 

「その様子だと妹には隠してたみたいだな、安心しろ俺が言っておいた」

「てめぇ!」

 

俺の胸ぐらを掴む悠真を見下ろしながら考える

 

嘘から始めちゃった

 

「お前が泥棒しようと知ったこっちゃないがな、妹には心配かけんな」

 

「お前には泥棒する奴の理由なんてわかないだろ!」

 

「分かりたくもないね」

 

「あの、私自分の部屋に行ってます」

 

ふぅ疲れてきた

 

「お前も帰れ」

「お前が泥棒を辞めて仲間に入るまで帰らない」

 

「何で俺にかまうんだよ」

 

「女の子ならせめて僕にしろ」

 

「そんな事はどうでもいい」

 

確かに

 

「親を無くして食べるために泥棒をするから俺は悪くない」

 

「理由が何であろうと関係ない」

 

「お前みたいに大切なもの無くしたこと無い奴には一生分かるわけ無い」

 

はぁ

 

やっぱりそう見えるか

 

「沢山無くしたよ俺も」

 

数えきれないくらい

 

「だけど俺は姑息な真似はしない」

 

「俺は元からそう言う運命にあったって事だよ」

 

「全ては運命のせいか?」

 

「そうだ」

 

「なら俺の仲間が死んだのも運命か?ふざけんな!」

 

「どう足掻いたって何も変わらないんだよ!」

 

「過去はな、未来が無限とまでは言わないが現状は変わる」

 

「なら俺の現状を変えてみろよ」

 

「簡単な方法は死ぬだ」

 

「なんだよそれ」

 

「分からないか?首を斬ればいい」

 

「そう言うことじゃねぇ!」

 

「死ぬのが嫌か?」

 

「当たり前だ」

 

「なら自分で考えろ」

 

仲間には出来そうにないな

 

あいつらには何て言って謝ろうかな

 

「仲間にしてくれ」

 

ん?

 

「いま分かる手っ取り早い方法がこれなんだ」

 

「なら泥棒をを辞めて一人称を僕にしろ」

 

「僕にしないとダメ?」

 

「私でも許可する」

 

「僕でいいよ」

 

「で、辞めるのか?」

 

「うん」

 

「妹はついてくるのか?」

 

「危ないんだろ、留守番してもらうよ」

 

まぁそうだろうな

 

ガチャ!

 

「私もついていく!」

 

「だめだ」

 

「私だって魔法使いなのに」

 

「お前には死なれたくないんだよ」

 

「口挟むけどいざって時は二人とも俺が守るから」

 

「ならいいでしょ」

 

「もし守れなかったらどうする?」

 

「俺を殺せ」

 

「と言うわけで私もついていくわ」

 

「約束は果たしたし目を閉じてる理由教えてね」

 

だいたい見当はつくけど

 

「目の色がおかしいの」

 

見当違いだった

 

目を開けた妹の目を見る

 

大和の国では珍しい赤い目だった

 

「名前何て言うの?」

 

「伊関海翔、君は?」

 

「涼風鈴奈(すずかぜれいな)だよ」

 

「一応名乗っておく、涼風悠真だ」

 

「二人とも宜しく」

 

その後二人はしばらく五木と咲希に遊ばれ続けた


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