玉虫色の魔法使い   作:しゅん123

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第六話 大和の国の盗人

あれから数日

 

俺達は隣国の大和に来ている

 

前にいた国とは国交が盛んで国王も仲が良いらしい

 

更に優秀な魔法使いも多くここで仲間を集めるつもりだ

 

まぁ、道中は中々忙しく次々に迫り来る盗賊の身ぐるみを剥いだりモンスターを蹴散らしたりしていた

 

それもあって中々の貯えが出来た

 

「宿の部屋2つしか空いてないらしいです、取り敢えず2つともとりましたけど」

 

「じゃあ部屋割りどうする?」

 

「えっとその私、怖いから海翔さんと一緒がいいです」

 

「私も海ちゃんと一緒がいいな」

 

「お前も怖いのか?」

「そっそうよ」

 

「意外だな」

 

「どう言う意味よ?」

 

「お前って男っぽいからさ」

 

ペシン!

 

咲希さん、何で叩くんですか?

 

めちゃくちゃ痛いですよ

 

「海翔さん、今のは駄目ですよ」

 

「何が?」

 

「そのデリカシーの無さ何とかならいの?」

 

「ならないね、それより部屋割りだけどさ、俺一人がいい」

 

「ちょっと黙っててください」

 

「デリカシーを身に付けてから発言しなさい」

 

「ひでぇ」

 

てか二人部屋がいい奴で同じ部屋でいいだろ

「負けませんよ」

 

「挑むとこよ」

 

「それじゃあいきますよ!」

 

「じゃん!」

 

「けん!」

 

いつの間にかじゃんけんでが始まっていた

 

「ポン!」

 

「勝ちました!」

 

「負けた」

 

五木が勝ったようだ

 

「じゃあ俺と五木が相部屋で咲希が一人部屋だな?」

 

「はい」

 

そうと決まれば荷物を置いて来るか

 

「海翔さん」

 

「何?」

 

「いつくらいまでこの国に居るんですか?」

 

「仲間が集まるまで」

 

「具体的に言うと?」

 

「赤と青の魔法使いを一人ずつ」

 

そして女性

 

これは外せない

 

部屋のドアを開け中にはいる

 

和室か

 

広々として良い部屋だな

 

「良い部屋ですね」

 

「せやね」

 

荷物を置き、適当に座る

 

「今日はどうするんですか?」

 

「俺は暫くお世話になるし、クエスト紹介所とかに挨拶に行くよ、五木は?」

 

「ついていきます」

 

「じゃあ咲希呼びに行くか」

 

「はい」

 

立ち上がり部屋を出る

 

トントン

 

「咲希」

 

「何?」

 

「俺達、今から挨拶とか行くけどどうする?」

 

挨拶って言ってもよろしくって言ったらそのままクエストに行くつもりだ

 

「五木ちゃん、装備はしていった方が良いわよ」

 

「そうですか?」

 

「海ちゃんの事だから、きっとそのままクエストに出るつもりよ」

 

「行くよ」

 

「なら着替えてきますね」

 

五木が部屋で着替えてる間暇になってしまった

「仲間集まると良いわね」

 

「そうだな」

 

「海ちゃんはさ、私と五木ちゃんのどっちの方が好き?」

 

「どっちも大切だよ」

 

「そう言う事じゃなくてさ」

 

「じゃあどう言う事?」

 

「異性としてって事」

 

またなんでそんな答えにくい質問するかな

 

「決められないよ、強いて言うなら二人とも魅力的だよ」

 

「優柔不断」

 

「ほっとけ」

 

「お待たせしました」

 

「揃ったし行くか」

 

「そうね」

 

宿を出て目的地に歩き出す

 

すると前から凄い勢いで少年が走ってきた

 

「助けてくださいぃぃ!」

 

それを俺は華麗に避ける

 

何をいそいでるのだろう

 

「待てぇ!」

 

同じ方向から凄い剣幕の叔父さんが走ってきた

 

「どうしたんでしょうか?」

 

「さぁ?」

 

「何時もの事だよ」

 

見知らぬおっさんが急に話しかけてきて少し驚いた海翔です

 

「そうなんですか?」

 

「あの餓鬼は早くに家族を無くしちまってな」

 

気の毒だな

 

「食っていくために泥棒に入って回ってるんだ」

 

「そうなんですか」

 

「まぁあんたらも気を付けな」

 

「ありがとうございます」

 

「咲希さん」

 

「何?」

 

「あの子の顔見ました?」

 

「えぇ確り見たわよ」

 

「顔がどうかしたのか?」

 

「凄く可愛かったんです!」

 

「この世の者とは思えないくらい可愛かったのよ」

 

そんなに目を輝かされても

 

大体俺は男の娘に興味はない

 

「仲間にしましょう」

 

「勿論よ」

 

「じゃあ探しに行く?」

 

「はい!」

 

五木にこんな一面があったなんて

 

まぁ良いけど

 

「じゃあ策敵開始するよ」

 

 

しまった

 

名前が分からない

 

「名前が分からなくて探せません、聞いて回るしかない」

 

「さぁ聞きに行きましょう」

 

「じゃあ俺向こう側聞いて回るし30分後にここな」

 

「必ず手懸かりを掴む」

 

「頑張りましょう」

 

「おー!」

 

「おっ、おー」

 

テンションが何時もと違いすぎる

 

じゃあ行きますか

 

取り敢えず挨拶からだな

 

となると

 

「紹介所は・・・・・・こっちか」

 

紹介所のドアを開けるとここ特有の活気がひしひしと伝わってくる

 

そんなことも考えつつカウンターへ向かう

 

「見ない顔だな」

 

「今日来たばかりなんです、暫くお世話になりますんでよろしくお願いします」

「はいよ、今日はどうするんだ?」

 

「まだやることが残ってるんで」

 

「そうかい、涼風悠真って言う悪餓鬼には気を付けるんだよ」

 

そんな名前なんだ

 

「御心配ありがとうございます」

 

策敵開始

 

えっ?

 

そこにいるの

 

見つかったし皆を呼ぶか

黒魔法を応用すれば一方通行だけどテレパシーが使える

 

てなわけで二人に干渉する

 

「見付けたから宿に集合」

 

魔法をとき宿に移動する

 

まさかあんなとこにいるなんてな

 

「はぁはぁ、どこにいたんですか?」

 

そんなに急がんでも

 

「来たわよ」

 

 

「じゃあ行くか、実はなあいつ宿の真横の家にいたんだ」

 

走り抜けて行ったから分からなかったが

 

まぁそんなこともあるんだな

 

俺の魔法によると確かにここだ

 

ノックしてみよ

トントン

 

「はーい」

 

中からは女の子の声がする

ガチャ

 

中からは目を閉ざした6才くらいの少女が出てきた

 

まぁ理由は聞かない

 

「悠真くんはいますか?」

 

「貴方たちは誰ですか?」

 

「悠真くんの友達」

 

「嘘は駄目ですよ、悠真くん?に会いに来たんですよ」

 

「お姉ちゃんに御客さんだよ」

 

するとさっきの子が出てくる

 

てかこの娘今お姉ちゃんっていったよね

 

「御客?」

 

「唐突だけど君に我パーティへ入っていただきたい」

 

「お断りします」

 

バタン

 

予想通りの展開だな

 

まぁ仲間は欲しいし女の子と言う事も分かった

 

分からないことも多いがこれから分かれば良い

 

「今日のとこは引き上げようぜ」

 

「日暮れも始まりましたしね」

 

「必ず仲間にしましょ」

 

「あぁそうだな」

 

今日はもう寝よう

 

混色は疲れるんだ

 

今日は使いすぎたしな

 

「じゃあお休み」

 

「お休み」

 

「お休みなさい」

 

挨拶を済まし部屋に入ると既に布団が敷いてあった

 

きっと宿の人がやったんだろう

 

「五木お休み」

 

「少し話しましょうよ」

 

「また明日な」

 

「いいですよもう」

 

「お休み」

 

「お休みなさい」


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