アリスなら負けない
｢俺は橙色の魔法使いだ、さっきの家からテレポートさせたのも俺だ｣
｢前置きはいい、すぐに終わらせる｣
確かにアリスの金魔法では勝つのが難しい
てか殺しようがない
何故なら金魔法は肉を壊せない
先日のスライムの場合あれは肉ではなかったから壊せた
つまり部が悪すぎる
｢まぁ俺レベルになればお前なんざ一撃だけどな｣
シュン！
｢アリスあぶな―――｣
バン！
飛んできてた筈の岩がアリスに当たる五メートルほど前で四散する
｢私レベルになればこれくらい軽くしのげる｣
｢はっはっは！そう来なくちゃな！｣
シュン！
｢くっ！｣
何が起きた？
いつの間にかアリスの腕から血が流れていた
｢頭が｣
｢今のは毒張りだ、それも体に入れば５分で死に至る猛毒だ｣
｢なんだと｣
頭を抱えたアリスがいう
｢二分で体が動かなくなり四分で意識が飛び五分で死ぬ、つまり俺は二分間逃げればいい｣
｢卑怯な｣
｢勝負に卑怯なんて無いぜ｣
｢はぁ、はぁ、ならすぐに終わらせる｣
ふらふら足取りのアリスが言うが目の焦点が定まっていない
｢(魔力がうまく練れない)｣
｢あれぇ？終わらせるんじゃなかったの？一分たったよ｣
｢少し黙れ｣
｢おぉ怖い怖い｣
バン！
嵬の上の天井部分が壊れる
｢当たらない当たらない｣
｢嵌まったな｣
ガラガラ
突然嵬のいる床が崩れ上から瓦礫か降ってくる
｢しまった！反応がまにあわ｣
ガシャン！
｢はぁはぁ、殺ったか？｣
｢惜しかったな、腕が千切れただけだ｣
ガシッ
｢これでチェックメイト、私の手と貴方の首の間には小石が挟んである、これを壊せば勢いで首も飛んでいく｣
｢そんなことをすれば腕が吹き飛ぶぞ｣
｢てめぇを殺せるなら安い｣
｢ふっ、俺の負けか｣
バン！
音ともに血の雨が降り注ぎ辺りを赤く染める
早く解毒しないと！
｢大丈夫か！？｣
｢あらら、やっぱ嵬じゃ無理か｣
｢ヒール｣
｢はぁはぁはぁ、ありがとう｣
｢大丈夫か！？｣
｢もう手遅れだよ｣
｢うるせぇ！｣
｢あいつの毒はね、専用の解毒剤がないと解毒できないだよね｣
｢短い間だったけ楽しかったよ｣
｢お前、何死ぬ前みたいな事言ってんだよ｣
｢もう意識が飛ぶ時間なのに凄いね｣
｢帰れそうに無いよ｣
｢帰るんだよ！｣
｢私、海翔と話してたらいつの間にか好きになってた｣
｢そんな話ここで聞きたくない｣
｢本当はもっと一緒にいたかった｣
アリスの目から大粒の涙がこぼれ始める
｢だから一緒にかえ―――｣
チュッ
唇が長い間重なる
｢最初で最後の口付け｣
｢･･････｣
目から零れた涙が止まらなくなる
｢好き････だ･･よ｣
息がなくなった
鼓動も何もかも無くなった
｢ひゃははは！やっぱり人が死ぬとこは何度見ても面白い｣
｢黙れ｣
｢何？怒っちゃった？それとも―――｣
｢黙れ｣
死ぬとこが面白い？
誰の？
アリスの死ぬとこ
アリスが死んだ？
何故？
誰のせいだ？
チェイサーじゃない
嵬？
違う
大本は
名前が分からない
｢お前は誰だ？｣
｢幽鬼葵(ゆうきあおい)でーす｣
｢てめぇのせいか！｣
殺す
このギルドも潰す
｢じゃあ第２試合行こうか｣
｢あぁ｣
｢第２試合、幽鬼vs伊関、始め！｣
ドン！
｢ぐわぁぁ！｣
｢壁にめり込んじゃったね｣
強いなぁ
だけど俺は今最高に頭に来ている
つまり
｢今のは一撃はハンデだ｣
｢じゃあ本番いきますか｣
｢叩き潰す｣
｢無理だね｣
ほぼ同時に走り出した