デート・ア・グリムロック   作:三ッ木 鼠

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34話 オプティマス、怒りの鉄拳!

 さて、今日のデート・ア・グリムロックは五河士道の通う来禅高校から物語を始めよう。

「よお五河、最近お前って学校をサボるからもう止めたのかと思ったぞ」

 士道の席にまでやって来たのは友人の殿町だ。ここ最近は確かに士道は学校を休みがちであり、それはトランスフォーマーや精霊やディセプティコン関連で休んでいた。もちろん、学校の皆は天宮市が何度も危険に晒されたなど知るよしもなくいつも通りの生活を送っていた。学校の件をオプティマスに相談すると士道は叱られてしまった。精霊の件ならまだしも、トランスフォーマーの件で大事な勉学を休んではいけない、と。

 どこか吹っ切れたオプティマスは、前のような重苦しい雰囲気は払拭されて接しやすい人物となっていた。今は、基地で真那とバスケットをして遊んでいる。

「ここのところ確かによく休んでたな」

「ま! 休むのは良いんだけど。一つ腑に落ちない事があるんだが?」

「ん? 何だ?」

 殿町はガシッと肩を組んで来て顔を近付けると小声で聞いて来た。

「なあ五河ぁ~。お前が休む時は決まって十香ちゃんも休んだるんだよなぁ~。怪しい」

「あぁ……きっと偶然が重なったんだろ」

「偶然~? お前、絶対十香ちゃんや他の子とも何かやってるだろ? 来禅高校の女たらしランキングじゃあ一位はお前だからな」

 気付かぬ間に士道が謎のランキングの一位に祭り上げられていた。それもそうだろう、転校をしてくる美少女達が悉く士道の周りに寄って来るのだ。人畜無害そうな顔したゲス野郎と密かに囁かれつつあった。

 十香に耶倶矢、夕弦、折紙は来禅高校を代表する絶佳の美少女だ。士道が女たらしと噂されるのは、折紙の変化も原因であった。士道はうっとうしく迫る殿町を適当にあしらい、その視線の先にはクラスの子と仲良く話す折紙が見えた。今までは一人でいて、話しかけるな、と言うオーラを発していたそんな子が急に屈託のない笑顔になれば周囲もさぞかし驚いただろう。

 士道の視線に気付き、折紙はハッとして振り向き笑顔で手を振った。無意識に士道はドキッとした。

「お熱いな五河、今まで冴えない野郎がどうしてこんなになるんだ?」

「頑張ってるからな」

 頑張っている、にはありとあらゆる意味が込められていた。

 折紙と士道がいたあの夜景が美しい高台、あそこで分かれてからグリムロックの過去の改変の影響が出たらしい。

 グリムロックが救った両親は今から三年前までは生きていた。しかし、ネメシスプライムによって両親を惨殺された。それから、時間の流れは今までと殆ど同じだ。

 一つ、違うのは士道と十香が折紙の両親の墓を見に行った所が士道達は行っておらず、折紙が行っていたのだ。

 

 

 そこで折紙はある少年に出会っていた。少年の名前は分からないが、彼も両親を亡くしていた。死因は事故、とされているが少年は確かに見たのだ。剣や火器を使ってぶつかり合う二人の少女の姿をだ。それは初めてメタトロンを発現した折紙と十香の戦いだった。

 折紙が工場の屋上から渡り廊下を崩しながら落ちて来た際に落下物に巻き込まれて死んだようだ。両親の墓の前にいた折紙は、隣で狂気と憤怒に満たされた少年の目を見て、折紙は果てしない焦燥感を覚えた。 自分は何をしているのか分からなくなった。

 精霊を憎む心の根幹にあったのは悪を憎む心、二度と自分のような悲しい子供を作りはしない、という固い決意だった。

 人工とは言え精霊という圧倒的な存在になり、小さな人間の事を忘れていた。二つの存在を行き来する事で折紙は自分の存在のあり方を思い出したのだ。恐らく、人間から精霊に転生した琴里も元人間だからこそ、両者の気持ちを理解出来たのだろう。

 それから、折紙は士道と話し、分かれてから結論を出したのだ。ちなみに少年と折紙はだが、なんとか少年を正常な道へ戻す事は出来たらしい。

 と、過去の時間の差違は小さいが影響は大きかった。

 肩のディセプティコンのエンブレムは目立つのでパーセプターにちゃんと消してもらった。人工精霊の取り外しも勧められたが、折紙は一生涯、人工精霊という重荷を背負うことにした。

 なにはともあれ折紙も元の優しい子に戻ってくれて士道は安心した。以前からの淡々とした口調はあまり変わらないが。

 学校が終わって士道は十香にきなこパンを食べに行こうだの、夕弦に喫茶店を誘われたり、耶倶矢の痛いファッション選びに付き合わされかけたり、折紙にベビー用品を買いに行こうと言われたが、士道は全て断って校門へ急いだ。

 校門にはお迎えにジャズが来ている筈だが、今日はいない。代わりに美九がいた。今日は美九とデートをする約束をしていたのだ。最近は、コミュニケーション不足と士道も薄々自覚していた。そんな時に琴里にデートに行くように命令が下ったのだ。

 特に学校が違う美九や学校にも行っていない七罪だ。狂三は近々、来禅高校に復学するようだ。四糸乃は、グリムロック達といつも何かをして遊んでいるので平気だ。

「だーりん、珍しいですね。私をデートに誘ってくれるなんて!」

「たまにはな、それにお前とはちゃんとデートした事なかったしな」

 美九は人差し指を頬に当てて記憶を掘り返したが、確かに士道とデートした事はない。士織の方はあるが。

「それにしてもだーりん、遅いですぅ! 私、スッゴく待ちましたよぉ?」

「え? 竜胆寺も来禅とじゃあそんなに時間割変わらないだろ?」

「違うんです違うんですぅ、今日は学校に変態が現れてそれで途中でなくなったんですぅ」

「へぇ、そりゃあ物騒な話だな」

「全くです! 女子校に女装して入って来るどうしようもない変態の人間のクズです。人としてどうかと思いましたよぉ、本当に最低最悪です」

 ズキズキと士道は良心が痛んだ。古傷をほじくり返されるような感覚だった。次から次へと罵倒を続ける美九は、ハッと我に返ってから思い出した。

「だ、だーりんも変――」

「ダァァ! それ以上言うな! 言わないで下さい!」

 デート開始早々、士道はがっくりと肩を落とした。

「ごめんなさいだーりん。だーりんは可愛いから許しますよぉ! 可愛い変態さんです!」

「フォローになってないぞ美九」

 可愛いを付ければ何でも許されるなんてことはなかった。気を取り直して士道はデートを再開した。

「それで、美九はどこか行きたい所はあるのか?」

「よく聞いてくれましただーりん! 実はですねぇ、じゃじゃーん! ここへ行ってみたいんですぅ!」

 携帯端末を開いて美九はカラオケのページを開いてみせた。

「どうしてこんなところに行きたいんだよ? なんつーか結構庶民的なトコ」

「あら? 私が庶民的って変ですかぁ?」

「少しな」

「こう見えて実はカラオケは未経験なんですぅー! 今までは破軍歌姫(ガブリエル)で人を操って適当にステージを借りてましたしぃ~」

 未封印の頃ならば確かにしていそうだ。現にまだ使った事のないステージを使う為に空間震を起こそうとするくらいだった。士道もカラオケに行くなんて久しぶりだったので快く受け入れ、この辺りで一番近いカラオケ店へと行った。

 受付で機種を選んでから少し狭めの個室へ入ってドリンクバーでグラスとジュースを取って来て、いざカラオケ開始だ。

「だーりんは普段は何を歌うんですかぁ?」

「え……まあ、流行りの曲をチラホラと……」

「そう言えば、あの音楽祭でだーりんの歌を聞けませんでしたねぇ、一回聞いてみたいですぅ!」

 美九にそうせがまれては歌うしかなく、酷く気が進まないが士道は歌う事にした。全国採点もちゃんと入れて、曲がスタートした。

 キラキラと美九が期待の眼差しで見て来るのがとてもツラい。それでも士道は、意を決して口を開いた。

 数分後、歌い終わってマイクをテーブルに置いた。点数の方は七六点、下手でも上手い訳でもない何とも言えないラインだ。美九も少しコメントに困っている様子で、間を置いてから「良かったですよ!」と、フォローを貰えた。

 次は美九の番だ。選曲は自身の曲で、歌い出すと士道は美九の雰囲気に呑まれてしまった。流石、聞く麻薬とさえ言われる人を虜にする歌声だ。士道は、曲が終わるまでの数分間、ポーッと惚けて聞いていた。

「やっぱり美九の歌は凄いな……」

「へへぇ、だーりんもだーりんで素敵ですよぉ! 素朴で」

 楽しい二人のデート、その隣の部屋で邪悪な存在が動いていた。

 

 

 

 

 サウンドウェーブだ。

「今日は、我がディセプティコンの親睦会だ。遠慮せず歌え!」

 破壊大帝メガトロンはソファーから立ち上がって言った。だが、この親睦会に参加しているのはサウンドウェーブだけであった。

「メガトロン様~、ジュース持って来ましたよー!」

 ランブルがおぼんを頭の上に持ち上げて、人数分のグラスを持って来た。

「ご苦労ランブル。しかし、何故親睦会に誰も来んのだぁ!」

「ショックウェーブはヴェノム対策デス、スタースクリームは仕事中デス。コンバッティコンも同ジク。プレダキングは寝てマス」

「仕方あるまい……今日は二人だけだ」

 先にメガトロンが歌い始めた。メガトロンは地球の演歌に興味があるらしくそれらを歌い出した。メガトロンは意外に歌が上手い。初めて歌う筈だが、そうには見えない程に歌い慣れた様子だ。

 点数が画面に出る。八九点、良い点だがメガトロンは納得がいかない素振りでサウンドウェーブにマイクをパスした。

「メガトロン様、上手ですね!」

「褒めても給料は上げてやらんぞ」

 続いてサウンドウェーブが歌った。これまたやはり上手く、それはメガトロン以上の物を見せ、ランブルやレーザービークは何故だか自分の事のように胸を張って誇らしく思っていた。

 得点は一〇〇点。メガトロンもこの結果には驚きを隠せない。

「やるではないかサウンドウェーブ!」

「流石はオレ達のボスだ! イェイイェイ!」

「お褒めいただき、ありがとうございマス」

 

 

 

 

 隣の部屋で美九はピクリと眉を動かした。その理由は、先ほど美九が歌い一〇〇点を獲得し全国一位に美九の名前が刻まれたのだが、そこに別の誰かが一位を塗り替えたのだ。

 ペンネーム『音波』なんとこの人物は美九が一位を取った曲を悉く塗り替えているのだ。

「だーりん、少し連続で歌っても良いですかぁ?」

「ん? ああ、好きなだけ歌ったら良いよ」

 この『音波』と名乗る謎の人物の記録を再び美九が塗り替えて行く。

 一体、音波とは誰なのか?

 

 

 

 

 サウンドウェーブだ。

 サウンドウェーブは機械を持ちながら少し目を細めた。サウンドウェーブが歌って勝ち取った一位を次々と塗り替えて来る者がいた。ペンネーム『ディーヴァ』、これがサウンドウェーブの邪魔をしており、これは徹底的に倒さなくてはとサウンドウェーブはマイクを握り締めた。

「サウンドウェーブの奴、本気だわい」

「一体どうしたんですかねぇ~?」

 壁を一枚挟んだカラオケボックスで壮絶な音楽対決が繰り広げられていた。メガトロンと士道はかやの外でジュースを持って来るかトイレに行くしかやることがなくなっていた。

 

 

 

 

「ぐぬぬ……なんてしつこい人……! しかもこの私と歌で張り合って来るなんて!」

 美九はマイクを置きかけた、その時美九の脳裏には音楽祭の事を思い出した。あの時、自己を任した存在、オプティマス・プライム。彼に歌の指導を受け、更に歌声に深みが増した。オプティマスの指導に恥じぬ為、美九は今一度マイクを握り直した。

「だーりん……きっと……きっと勝ちます!」

「うん、まあ、頑張って」

 

 

 

 

「……」

 サウンドウェーブは押し黙った。常に邪魔をして来るこの相手、ただ者ではないと警戒し、胸や腕からケーブルを伸ばしてカラオケの機械に接続した。

「サウンドウェーブも本気ですねメガトロン様!」

「あ、ああ……サウンドウェーブ?」

 データを発信している場所、その発信者がいつ入って来たのか、その店舗の監視カメラの傍受していく。膨大な情報をサウンドウェーブは的確に恐ろしい速度で処理し、遂に『ディーヴァ』正体を割り出した。

「メガトロン様、五河士道と誘宵美九が隣の部屋にイル」

「何ぃ!?」

 その一言にメガトロンは立ち上がり様に壁を破壊した。しかし、その部屋には誰もいない。

「メガトロン様、逆デス」

「そうか!」

 メガトロンはたった今破壊した壁の反対を向き、壁を殴り、破壊するとそこには確かに士道と美九がいた。

「な、何だ!? め、メガトロン!?」

「そんな……ディセプティコンがどうして……!」

「でかしたぞサウンドウェーブ。ランブル、あの小僧を捕まえろ。サウンドウェーブはあの小娘を始末だ」

「了解シタ」

「はい!」

 ランブルが士道を押し倒して掴みかかり、士道も必死に抵抗を試みる。人間とほぼ同サイズのランブルだがそれでも力は人間より遥かに上だ。

「だーりん! 破軍歌姫(ガブリエル)独奏歌(ソロ)】」

 一本のスタンドマイクが床から伸びると美九は肺一杯に息を吸い込んで声を上げた。

「あぁぁぁぁぁッ!」

 音の衝撃が断続的に部屋全体に広がり、ディセプティコン達はその破壊力に怯み、身をかがめて耐えていた。ランブルは壁を貫いて外へと放り出された。

 更にボリュームを上げてたたみかけようとした時だ。美九の音がかき消された。サウンドウェーブの胸から発するサウンドブラスターにより美九の音が相殺されているのだ。

「くっ……相手も音楽ですかぁ」

 美九はカラオケのマイクのボリュームを最大にして【独奏歌(ソロ)】を歌った。何倍にも音が倍増されて士道は耳を押さえたが、それではどうにもならない音だ。

「お次はコレだ!」

 サウンドウェーブのレゾナンスブラスターが美九の独奏歌(ソロ)をまたかき消し、更に美九を吹き飛ばした。

「ハハハハハハハ! ドウダ!」

 珍しくサウンドウェーブは笑っている。

「良くやったサウンドウェーブ。では奴を連れて行くぞ」

 メガトロンはつまみ上げ、ジタバタとする士道の額にデコピンで気絶させた。

「士道は連れて行かせないぞメガトロン!」

「今のはオプティマスの声!? どこだ! どこにおる!」

「私ならここだァ!」

 店外と部屋を遮る壁、そこからオプティマスの腕が貫いて来ると思うや否やメガトロンの頭を掴んで壁を破壊しながら表へ引っ張り出した。メガトロンの手から上手く逃れた士道はソファーの上に着地した。

「大丈夫かい士道?」

「俺は平気だよ。それより美九を!」

「わかった! ジャズ!」

 オプティマスが呼ぶと激しいエンジン音を響かせながら一台のスポーツカーが変形しながら士道のいるカラオケの二階へ突入した。

 突入の瞬間に肩を展開させて得意のノイズアタックをサウンドウェーブに浴びせた。

 サウンドウェーブの体は吹き飛び、店から追い出され、ジャズがそこへ追い討ちをかけた。サウンドウェーブに馬乗りになりジャズは執拗に顔を殴る。

「サウンドシステムの面汚しめ!」

「黙れ、にわかサウンドが!」

 サウンドウェーブも殴り返してジャズをどかす。

「サウンドウェーブ! 手を貸すぜ! ランブル様のハンマーアームだ!」

 ランブルが腕の腕が変形するとそのハンマーのような腕を地面にぶつけて人工地震を引き起こした。

 その近くではオプティマスとメガトロンの苛烈な殴り合いが続いていた。二人の拳が互いの頬を捉え、同時に仰け反り、同時に再起して取っ組み合う。

「くたばれメガトロン!」

 オプティマスがメガトロンの懐に入り込むと腰を使って体を持ち上げて背負い投げで頭から地面に叩き付けた。

 そこから追い討ちをかけようとしたが、ランブルのハンマーアームに気付き、オプティマスはメガトロンを無視して士道と美九のいるカラオケ店へ走った。

「士道! 美九!」

 部屋へ入り、二人を確保した瞬間に店は半壊しオプティマスの足場が崩れる。

「ほおおおッ!」

 次いで落石に見舞われたがオプティマスは士道と美九をしっかりと抱えて瓦礫から守り抜く。

「バカモン! あの小僧は捕獲対象だぞ!」

「す、すいません」

「メガトロン様、東からオートボット反応アリ」

 メガトロンはランブルを厳しく叱責してから撤退を命じた。ディセプティコンの撤退を確認してからジャズは瓦礫を払いのけてオプティマス達を救出した。士道にも美九にも幸い怪我は見当たらない。

「良かった。三人とも怪我がなくて」

「ああ良かった。メガトロンの首を持って帰れなかった以外はな。私達も引き上げるぞ!」

 とんだハプニングでデートは中断された。美九とはまた別の日に仕切り直すことを約束して今日は我慢してもらった。

 

 

 

 

 ある日の日曜日、フラクシナスの艦橋では最近の精霊の状態の管理をしていた。それの次いでに琴里はウッドマン卿へのオートボットの観察記録も書いていた。カタカタとキーを叩きながら琴里は文章を頭に描いて行く。

『オートボットは精霊にとってこの上ない保護者です。常に彼女達の身を案じ、彼女達に教育し、彼女達からも知識を得ています。姿形や大きさも違いますが、オートボットは心から精霊と接しています。精霊達の保護者であり、兄弟であり、仲間であり、そして家族です』

 頭にまとめた文章を書き、ある程度進むと琴里は背伸びをした。疲れた琴里を労うように神無月はお茶を持って来た。

「ありがとう神無月」

「いえいえ、司令の為です。士道くん、逞しくなりましたね」

「そうね……」

 度々、神無月も士道と顔を合わす事が何度もありその都度、最初に会った時を思い出して成長したな、と思うのだ。琴里もやがて成長とすると思うと神無月は涙が止まらない。琴里の穢れを知らないツルペタボディが無意味に豊満になると考えただけで嫌になる。

「……神無月、余計な事を考えてるでしょ?」

「いいえ、決してそのような事は! ただ司令のツルペタボディがやがて成長すると思うと辛くて辛くて」

「……」

 琴里は無言で固いブーツで神無月のスネを蹴り、当然神無月は恍惚とした表情を作った。

「あぁ~、久しぶりのこの感じ……イイ!」

「はいはい」

 

 

 

 

 暇な時はだいたいみんなオートボットの基地に集まっている。基地が賑やかなのは悪い事じゃない。オプティマスが精霊達の学校の宿題に積極的に参加して教えている姿は、今までのイメージからは少し想像出来なかった。

 戦争で乾き切った心は戦いのスリルで潤す。オプティマスは何か吹っ切れたようにも見えた。

「七罪は学校へ行かないのか? きっと楽しいぞ。安全に学べるというのは恵まれた環境だ」

「え……いやぁ~あたしはいいかな学校とか。友達とか出来なかったらボッチで便所飯で、頭から水とかぶっかけられて……。あぁー! いやいや学校なんて絶対いやぁ~!」

「ネガティブじゃなくてもはや妄想に近いかもな。出来れば四糸乃と一緒に行かせてやりたいんだがな」

「俺、グリムロック。四糸乃と学校行きたい!」

『君は無理だよーグリムロック!』

「え? どうして?」

「グリムロックさんは……大きすぎるし……教室に……入りません……」

「グリムロックじゃあクラスメート全員の給食を食べかねないな」

 オプティマスは冗談を飛ばし、一笑い生まれると一人足りない事に気が付いた。

「十香、士道はいないのか?」

「む? シドーは朝から見てないぞ」

「具合が悪いのか?」

「むぅ~、少し見て来る!」

 十香が立ち上がる瞬間に折紙が肩に手を置いて来、折紙が代わりに立ち上がった。

「士道の容態を確認するのは嫁である私の役目」

「嫁!? 何を言っておるのだ! シドーは結婚などしていないぞ!」

 また言い争いが始まりそうなので始まる前にオプティマスは止めに入った。

「私にいい考えがある。二人で見に行くといい。士道の容態が気になる子は今から行ってやるんだ」

 オプティマスの案に二人は乗り、そこに美九も加えた三人で士道の様子を窺いに行く事になった。他の子達は、あまり大勢で行くのも迷惑だろうと遠慮した。

 耶倶矢と夕弦が宿題をしている間にオプティマスはさっきから一人で何かを考えているグリムロックに声をかけた。

「珍しいな何か悩み事か?」

「う? オプティマス、今、名前に、悩んでる」

「名前?」

 まさか改名でもするのかと驚いた口調で聞くとどうやらそうではない。グリムロックの最強の武器である牙に名前が欲しいと悩んでいたのだ。

 プレダキングならエナジークローという武器がある。必殺技兼武器名、こういった物を求めていた。四糸乃やよしのんからも意見を取り入れてはみたものの、しっくり来る名前は出て来なかった。

「なるほど武器名か……」

「クックック……なるほどなるほど、名に困っておるようなら我が力を貸してやろう」

 なにやら決めポーズを取りながら耶倶矢は宿題を放り出してやって来た。同時に夕弦も会話に入って来る。

「そうだな……よし、カオス――」

「提案。かみつく攻撃でどうでしょう?」

「ちょっと夕弦、話を遮らないでよ!」

「指摘。耶倶矢のネーミングセンスは酷いです」

「夕弦だって酷いじゃない! かみつく攻撃って!」

「なにやら面白そうなお話をしていますわね? グリムロックさんの武器名でしたらわたくしにお任せ下さいまし」

 気品ある所作でスカートの裾を軽く持ち上げて一礼すると、しばし思考してから狂三は閃いた。

「テュランノス! これですわ!」

 狂三の案に皆の反応はイマイチだった。気まずい間が空いた所為で狂三はなんだか恥ずかしくなり、視線を横へ逸らした。

混沌の王(フロル・レックス)。これでどうであるか! う~ん、我のセンスに脱帽するであろう?」

「提案。では噛み砕く攻撃でどうです」

『あのさー三人共。技名にも武器名にも使えそうなのだよ?』

 よしのんが忠告を入れると再び三人は考え出した。何度も名前を出すが、これと言ってしっくり来る物が一つも挙がって来ない。それもその筈、よしのんの忠告など全くの無視で各々のスタンスを崩さずに名前を出して来るのだ。

 狂三はどうも小難しい単語を使いたがる傾向にある。

 耶倶矢はルビを振りたがる。

 夕弦は和名にしたがるが少しズレている。

 名前が決まらず、言い合っていると基地のドアが乱暴に開き、また同時に基地の奥のゲートが開放され十香とパーセプターが全く同じタイミングで叫んだ。

「オプティマス!」

 どっちを向けば良いのか分からず、一瞬オプティマスはキョロキョロとした。まずは十香の要件を聞いた。

「パーセプター、少し待っててくれ。それでどうしたんだ十香?」

「シドーがシドーが大変なのだ!」

「どう大変なんだ?」

 十香がドアの方を見ると必然的に全員がそちらに視点を合わせた。そこからは、折紙と美九の肩を借りて意識が殆どない士道が運ばれて来た。意識が無いだけではない、士道の右半身は濃い紫色に変色している。変色した個所を押さえて士道は苦しみ、悶えていた。

「オプティマス、士道を助けて欲しい」

「だーりんが……こんなに……」

 オートボットは息を呑んだ。こんな症状は見た事が無いからだ。しかし、その中でもパーセプターは冷静だった。

「士道くんを私の手に乗せてくれるかな?」

 パーセプターが手を差し伸べると折紙も美九も指示に従って士道をそこへ運んだ。士道を手に乗せた途端に素早く顕微鏡へシフトすると大きなレンズを体に合わせて診察を始めた。

「ふむふむ、士道くん。さあ、この色の正体は何なのかな? ほうほう……なるほど……う~ん!」

 原因が分かったのかパーセプターは一人で納得してロボットの姿を取って、士道を人間サイズの担架に乗せた。

「結論から言うと治せます」

 パーセプターが自信満々に答えると基地内の空気も幾分か和らいだ。

「オプティマス、そろそろ彼女達に本当の話をしてあげましょう。でなくては、士道くんの容態の説明がしにくい」

「そうだな、自分が何者かを知ってもらおう」

 気持ちを切り替え、オプティマスは精霊達を一瞥した。精霊達も固唾を飲んで一体、どんな言葉が飛び出すのか分からないが、覚悟を決めてギュッと手を握った。美九は元人間なのでさして聞く事に覚悟を要しはしない。

 問題は出生が不明な十香、四糸乃、狂三、八舞姉妹、七罪だ。

 主にその六人を見ながらオプティマスは話し始めた。

「君達、精霊とは――」

 ユニクロンの存在は精霊の観点から聞いても常識外れでイマイチ実感が湧かない。ネメシスプライムが始原の精霊と言われていたが、更にその大元がいるなど狂三には予想を裏切る結果だ。

 しかし、オプティマスの話を聞いて狂三はしっくり来た。かつてネメシスプライムが言っていたユニクロンの復活や「自らの主を殺すことになる」この言葉の意味を理解した。

 他の皆も産まれた時、どこにいたのか分からない。気が付けば戦いに巻き込まれ、ASTに命を狙われ続けていたのだ。ユニクロンの子供である精霊は、恐らくは世界に混沌をもたらすべくして産まれたのだろう。

「以上だ」

 オプティマスが語り終えると狂三や四糸乃は全て理解したようだが、他の子達は半分くらいしか頭に入って来ていない。

「質問はしても良いが、答えられる事は少ないぞ」

「じゃ、じゃあ……」

 四糸乃がそっと手を挙げた。

「この話と……士道さんの体と……何の関係が……あるんですか?」

「ここからは私が説明しましょうかね」

 パーセプターへバトンタッチした。パーセプターは分かりやすいようにスクリーンを出して、そこに士道の画像が表示された。

「士道くんが精霊を封印出来るのは、我々の創造主プライマスの力によるものだ。プライマスの力が精霊の力を抑えているが、ユニクロンの力が増し、今のプライマスでは精霊の力を抑えきれなくなっている。何人もの霊力が士道くんの体を壊そうとしているんだ」

 このままでは士道の命が危ない、とパーセプターが更に付け加えて言う。

「で、でも治せるのだな?」

 十香はさっきのパーセプターの言葉を思い出して聞き直した。

「治せるとも。さあ、今からは私の話です司令官」

 テレトラン1のディスプレイには何故か見たこともない天体の映像が現れた。

「いつの間にか太陽系の直列が過ぎていましたが、どうやら予言の書にある惑星の直列とは太陽系ではないようです」

 映像には四八個の天体が直列しようとしている。そして何の偶然か、直列する惑星の両端にはセイバートロン星と地球があるのだ。すごい偶然、という言葉では済まされない話だ。

 予言には破壊神が目覚める時、弱き者は滅び去る、強き者が生き残る、という一文がある。

「予言などどうだって良いがユニクロンの復活は絶対に阻止だ。この予言を信じるバカも排除だ。今にとち狂って何をしでかすか分からないからな」

 

 

 

 

 一方、月面基地。

「フハハハハハ! 漲る、漲るぞ! 闇の力が儂の体を巡る! 予言が儂を選んだのだァ!」

 メガトロンの体を走るラインが紫色に光り、瞳の色もダークエネルゴン色に変わって来ている。いつになくハイテンションでコンバッティコン達やプレダキングはメガトロンの容態を内心で案じていた。

 スタースクリームは仕事中と言い残して不在。サウンドウェーブとショックウェーブはいつも通りに仕事をしていた。

「メガトロン様、スタースクリームがゼータプライムの書斎から得たデータからですが、惑星の直列は今日、明日中に起きる筈です」

「よろしい、フフフ。コンバッティコン!」

 荒っぽくコンバッティコンを呼びつけると五人は一つの重厚な造りの大きなケースを五人がかりで運んで来た。ケースをメガトロンの前に置いてから足早にそこから退いた。

 ケースを開けるとメガトロンはニヤリと笑った。そのケースの中身を取り出して皆に見えるようにかざすとメガトロンの体からはおびただしいダークエネルゴンのオーラが噴き出している。

 ケースの中身、それはダークスパークだった。メガトロンはダークスパークを胸へとはめ込んだ瞬間に月面基地は地震のように揺れ、メガトロンはダークエネルゴンの光に包まれた。

「フフフ、ハハハハハハ! 我は支配者! 我は破壊者! 我は……破壊大帝だ!」

 ダークスパークの力をものにしたメガトロン。ショックウェーブは体を検査する機械とにらめっこしてメガトロンの調子が安定している事に安心した。

「直に惑星の直列が始まる! 弱き者は滅び、強き者が生き残る。儂は暗黒の王となり、全宇宙は余の物となるのだ!」

「すげーテンション高いなメガトロン様」

「ホントだぜ、なんか危ねーもんでも食ったのかよ」

 コンバッティコンは口々に今のメガトロンを心配していた。ダークスパークを宿して高揚感に浸っていると、メガトロンに激しい頭痛が襲いかかった。耐えられない痛みにメガトロンは膝を着いて、頭を抱えながら悶えた。

「ぐっ、うおぉぉッ!」

 オンスロートがメガトロンに肩を貸そうとしたが、逆に突き飛ばされてしまう。

「儂に触るなッ! 声がっ……声がする……! 忌々しい声がァァ!」

 天井へ向けてフュージョンカノンの砲撃でぶち破り、何発も大砲を乱射した。ここ最近のメガトロンの乱暴さと情緒の不安定さに心配する者は少なくない。感情など表に出さないショックウェーブですらその異変には怪訝な顔をするくらいだ。

「メガトロン様はどうなさったのだ」

 オンスロートはショックウェーブに聞く。

「ダークエネルゴンの影響なのは間違いないだろう」

 メガトロンはひとしきり暴れると意識が途切れ、倒れてしまった。

「メガトロン様を医務室へ運ぶんだ」

 ショックウェーブが指示を出すとブロウルとスィンドルは呆れたように首を振り、メガトロンを抱え上げた。その拍子にメガトロンが目を見開き、ブロウル達を軽々とはねのけた。

 メガトロンの目からもダークエネルゴンのオーラが揺らめくように上がり、体全体から嫌な障気を発しているのだ。姿はメガトロンだ、ところがディセプティコンの重鎮達は、即座にこのメガトロンがおかしいのに察した。

「メガトロン様……?」

「余はメガトロンではない」

 メガトロンの声で何者かはそう名乗った。

「余はユニクロン……」

 破壊神の名を耳にしてその場にいた者、全員が戦慄した。ダークエネルゴンはユニクロンの血液、それを元に復活し、更にダークスパークまでも取り込んだメガトロンがユニクロンの影響を受けない筈はない。

 ショックウェーブは相手がメガトロンの体であっても冷静にレーザーキャノンを構えた。プレダキングも爪を研ぎ澄まして腕を振り上げる。刹那、ディセプティコンの精鋭達は床から幾本も生えるダークエネルゴンのトゲに体を貫かれ、戦闘不能に陥った。

 プレダキングには効かず、一切怯みもせずにユニクロンに強襲するとロックダウンがやって見たように時間を停止させてユニクロンは月面基地から飛び去って行く。

 しばらくしてプレダキングの時が進み始めると基地内に生い茂るダークエネルゴンの結晶を忌々しく思いながら砕き、まず先に主人たるショックウェーブを救出した。 それからサウンドウェーブ、コンバッティコンと順番に助け出す。

 プレダキングに傷を治すすべなど知らず、ショックウェーブにデタラメにエネルゴンをかけて傷が癒える事を祈った。一時間くらい経過した頃か、光が灯っていない大きな単眼が光り出した。体を軋ませながら起き上がるとプレダキングの頬を撫でた。

「良かった、目を覚ましましたねショックウェーブ」

「目覚めは悪くない。持つべきは役に立つペットだ」

 ショックウェーブが起きれば後は残りのメンバーを治療してくれる。プレダキングはショックウェーブの指示に従って機材を運んだり、汗を拭いたり、精一杯尽くした。

 その甲斐あってかディセプティコンの精鋭達はたった二時間で元通りに戻った。スタースクリームがいない事に感謝してショックウェーブが今のディセプティコンの指揮を取る事になった。サウンドウェーブは優秀なスパイだが、指揮は全くの専門外だ。

「ディセプティコンよ、ユニクロンが目覚めた原因は十中八九、ダークスパークだ。だがまだ奴は完全には目覚めてはいない」

「どうしてそれが分かるんだ?」

「良い質問だオンスロート、目覚めていればわざわざメガトロン様を乗っ取るなど回りくどい事はしない。殺したいなら直接、月を破壊すれば済む。それに私達を殺さずに放置したという事はユニクロンの目的は他にある筈だ」

「他の目的……そうだな」

「マトリクスだろうな」

 ユニクロンがマトリクスを破壊し、ダークスパークを取り戻せばいよいよ手が付けられない。全宇宙の危機だ。

「メガトロン様を探せ」

 コンバッティコンとプレダキングにそう命令を下した。

 

 

 

 

 フラクシナスでの今日の仕事が終わり、琴里は艦長席で大きく背伸びした。

「今日も一日お疲れみんな」

「司令の労いの言葉で自分は元気いっぱいです!」と、中津川。

 それに続いて他のクルーも、

「司令こそお疲れ様です」

「今日は早めに帰って士道くんの看病をしてあげて下さい!」

 と口々に言った。

 士道が倒れたと聞いて珍しく琴里が取り乱していた。オプティマスやパーセプターになだめられてようやく落ち着きを取り戻したが、心の内側では居ても立ってもいられなかった。クルーは帰るように促したが、変に頑固な琴里はそのまま仕事を続けたのだ。

 琴里が席を立っつとフラクシナスの警報がけたたましく艦内に鳴り響いた。

「どうしたの!?」

「わ、わかりません。ディセプティコン反応です!」

 ディセプティコンが一人、単騎でこのフラクシナスに向かって来ているのだ。今までのディセプティコンとは全く違う攻め方だ。以前はスタースクリーム一人に落とされたが、今回はそうはいかない。

「総員、警戒態勢! オートボットに連絡よ!」

 敵の姿をカメラが捉えた。メガトロンだ、いや厳密にはメガトロンの姿をしたユニクロンなのだ。

「敵はメガトロンです!」

 箕輪が叫んだ。

「メガトロン、右翼に回り込みました!」

「サイドガンをぶちかましてあげなさい」

 フラクシナスの船体側面から数十門のプラズマ砲が顔を出し、ユニクロンを狙った。プラズマ砲に対してユニクロンはダークエネルゴンの膜を作り出して全て、その膜の前でかき消された。

「敵は尚も健在!」

 小さく小回りの利く相手に主砲は当たらない。無数の防衛兵器で撃ち落とすしかなかった。

 ユニクロンがフラクシナスの正面に立つと挑発的に手招きした。

「誘ってるわね、なら後悔させてやるわ。ミストルティン、用意!」

「既にやっています」

 神無月は魔力を充填させて砲口に膨大な魔力を圧縮させている。ミストルティンの一撃はトランスフォーマーのボディーにも通用する破壊力だ。

「良くやったわ神無月、メガトロンめここで蒸発しなさい! ミストルティン、発射!」

 フラクシナスの主砲から放たれた魔力の奔流とユニクロンが拳に溜め込んだパンチがかち合い、太い魔力の光線が切り裂かれて行く。ミストルティンの出力が徐々に低下したのを見計らってユニクロンは更に勢いを増し、その拳は主砲を破壊した。

 琴里は歯を食いしばってユニクロンを睨みつけた。

 

 

 

 

 フラクシナスから連絡が入って十五分、オートボットは救難信号を出す地点へと到着した。フラクシナスは地上に横たわり、原型は留めてはいるものの、メインブースターは大破、船体にはいくつもの穴が空いている。

「あのたぬきめ……やってくれたな」

 アイアンハイドは怒りを抑えきれずに言った。

「ようやく来たか、オプティマス・プライム」

 メガトロンもといユニクロンの手には琴里やクルーが握られている。

「オプティマス、逃げて! コイツは相手しちゃダメ!」

 逃げてと言われてはい、そうですかと逃げる程、聞き分けは良くない。

「琴里を返せメガトロン!」

「近付くな。近付くとこの虫けらを握り潰すぞ。それに余はユニクロンだ」

 ユニクロンは力を込めてギリギリと琴里達を締め上げる。苦しい嗚咽を漏らした。

「わかった。何が目的だ」

「マトリクスを渡せ」

「マトリクス? マトリクスが欲しいのなら良いだろう! たっぷりと受け取れ!」

 胸を開きマトリクスを表したと思うとマトリクスから出たレーザーがユニクロンを吹き飛ばした。手から琴里達が離れると、既にジャズが地上を駆け抜けて全員を見事にキャッチした。

「ふぅ、間一髪!」

「良くやったジャズ。悪いが全員、直ぐに退避してくれ。メガトロンは私がやる」

「あなた一人でですか?」

「そうだ」

「無茶ですよオプティマス!」

「命令だッ!」

 オプティマスは怒号で皆を黙らせる。これ以上は聞かないだろうとオートボット達はオプティマスを心配しつつも帰投した。

 オプティマスとユニクロン、そして墜落したフラクシナスが背景にある。

「立てユニクロン、破壊神が誰かに取り憑くとは惨めだな」

「プライム、貴様からマトリクスを剥ぎ取ってやる!」

 両者の戦いの火蓋が切って落とされた。

 




やや最近コマンドーネタを使いすぎか。
シュワちゃんが好きなのか玄田さんが好きなのか自分でもわかんない。

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