Kranteerl y io kladi'a   作:xelkener

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7.第一作戦_二日目_Ⅰ

クラディアとイェクトは作戦の所定の位置、とある道路際のアパートにいた。血のついたリファーリンの私服を脱ぎ捨て特別警察の制服を着てイェクトに合流後にこのアパートの窓際で道路―翔太が通るはずの―を監視しながら無線を傍受していた。

 

「・・・」

 

昨日のことが気がかりになっていた。いまだに私はあのことを上長に報告していない。何か、大きな影が私たちを覆っている気がした。

 

『こちら、11班、八ヶ崎翔太を確認した。現在計画通りに俺らの前を通っている。』

 

無線から声が聞こえる。11班の目の前と言うとXelken平和式典が行われる大広場から1km離れたところだ。そして、既に爆発物処理部隊が壇上の爆発物の取り外しを行っている時間だろう。数十分すれば、翔太はここを通る。それを私たちが捕らえる予定である。無線は11班が開いたままになっていた。これでは交信が出来ないとイェクトが部屋をでようとしたとき無線に声が流れた。

 

『―おい!貴様、何者だ!?』

同行している11班のETCA職員と思わしき怒鳴り声。

銃声が聞こえ爆発音も聞こえた。一瞬のことであった。

イェクトが窓際に早足で戻り無線のマイクを握る。

 

「11班、状況を報告せよ。」

イェクトが無線に声を流す。しかし、答えは返ってこない。

 

『こちら、13班、見える限りだと11班の居る地点が爆発して燃えていr』

言い切る前に爆発音が響く。機械の破壊されたような音が響いて消えた。

 

「どうした!?13班、応答しろ!」

・・・。

リファーリンの言うとおり計画がどんどん破壊されていっている。酷い状況だ。確認すると残っているのが私たち15班、14班、12班だけのようだ。

「残存全班に告ぐ、早急に八ヶ崎翔太を確保して所定の位置で合流する。行動開始。」

 

イェクトがそういった瞬間、クラディアの背後のドアが開いた。

"Fextamtha riekonar fo Adeenakku! Derba bu!"

そういいながら、拳銃を向ける。どうやら、彼らはハタ人のようだ。ユーゴック語を話しているから分かる。

 

"Kas yeth je kradia. Derba bu."

特別警察ではユーゴック語、古リパライン語と理語の各種方言、そして任務地域の言葉を各自勉強するがさすがに数年前に勉強して一回もつかっていないだけあって細かいことは分からないが私を指してクラディアと呼んでいることは分かった。

 

「ちっ、もう来たのか。」

イェクトは、彼らを目認しウェールフープを放った。イェクトのウェールフープは電撃のウェールフープだ。部屋の中に爆発を起こし謎のハタ人たちを壁に叩きつける。その反動で私たちは窓から下に落ちた。イェクトはその電撃でコントロールを取り、クラディアも冷気でコントロールを取った。イェクトはそのまま着地地点で電撃のウェールフープで反動を利用して道をさかのぼり13班の方へ向かっていく。クラディアもその方向へイェクトを追いかけていった。

 

--

「翔太が・・・いないだと?」

イェクトが無線のイヤホンを押さえながら聞く。14、12班と交信しているようだ。移動しながらでも分かる。するとイェクトは回転しながら道に着地した。いきなりだったのでクラディアは勢いあまってイェクトの少し先に着地した。

 

「どうしたんですか・・・イェクト・・・」

「14班によると所属不明のラネーメ人グループに襲撃、対応した後に八ヶ崎翔太の行方が分からなくなったそうだ。もうすでにここを通過しているはずなんだ。他のラネーメ人グループも襲撃してきた以外確認されていない。」

 

どうなっているんだ・・・

フェーユの道の真ん中で二人はぽつんと立ちすくんでいた。

 


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