Kranteerl y io kladi'a   作:xelkener

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真実の王国
20.出撃の狼煙


カーナが目を覚ましたのはそれほど遅い時間ではなかった。クラディアたちは基地を制圧後、研究所の軍もこちらに到着しその後、カーナとリファーリンが彼らによって運ばれた。私達も彼女らについて行った。

「おはようございます。」

クラディアは言った。カーナが目覚めるのをクラディア、ヴァレスで見守っていたのだ。

「こ、ここは…」

カーナは瞬きして言う。

「ここは研究所です。あのあと、ここの部隊が完全に制圧しました。ハフルテュがどこにいったかは分かりませんが前線基地一つを取ってから各基地で爆発が相次いでいる様です。」

「そ、そうなのですの…」

クラディアの説明にカーナは窓の外を眺めぼうっとした声で答えた。その時、部屋の扉が開き新鮮な風と共にツインテールの少女の姿が見えた。

「えぁ、リファーリン、大丈夫ぁなのかぇ?」

「ええ、もう元気。」

ヴァレスにリファーリンはカーナのベットに近づきながら答えた。リファーリンはカーナのベットを確認すると横に座る。

「すみません、私達二人だけにしてくれないかな。」

リファーリンがクラディアの方を向いて言う。殺しあいに巻き込まれ数年ぶりに仲直りをした親友である二人の邪魔をする理由は無かった。

 

クラディアはヴァレスにアイコンタクトをすると「分かりました。」と短く告げ部屋を出て行った。

 

「リファーリン…心変わりは無いんですの。その…ハフルテュについて。」

リファーリンは顔を背けずにカーナを見ていた。

「私は間違っていた。ハフルテュに私は利用されていただけだった。私もあの事件の後奴らが何をしようとしているのか、それはよく知らなかった。奴らが何をしようとしているのかそれを突き止めてまた、平和でカーナお嬢様と一緒に悠々自適な生活がおくれるようにしたい。その気持ちに気づかせてくれたのはお嬢様です。」

すると、カーナはリファーリンの方を向いて言った。

「もう…もう、お嬢様といわなくてもいいの…いいのよ…」

その頬には涙が流れていた。リファーリンが察しカーナの手を取った。

「カーナ、私があなたを守ります。誰にも指一本触らせません。」

その時、扉が開いてヴァレスが現れ方言を正した声で言った。。

「感動シーンの途中済まないが会議だ。」

 

--

リパコールがため息をする。

「意味が分からないのよ。何故かあの無敵軍の基地が次々と爆破されるなんて。」

会議室の地図には複数の×印が付けられている。翔太の基地である。総数の四分の三に×が付けられている。

 

「そうですね、何か情報があればいいんですけど。」

クラディアが呟く。ヴァレスが椅子から立ち上がり地図を見た。

「そうだぇ、このぁ基地ぃのやられ方ぁ、規則性ぇがあるように見えるぁ」

ヴァレスが言った。クラディアが地図を見る。

「ペンぇを借りてもぉいいかなぇ、クラディアぁ。」

クラディアは胸ポケットからボールペンを取り出しヴァレスに渡す。

「こうやってぇ…」

地図に線を引いていく。ヴァレスの引いた線が破壊報告のあった基地と基地を結んでいく。線を引き終えた時に、ヴァレスが言った。

「これぁを良く見ろぉ。」

…地図を遠めで見るリファーリン、アレスは分からないのか唸っている。

 

「あ。」

リファーリンがそう言った瞬間にヴァレスが言う。

「このぁ基地のぉ破壊はぇ、有字ぁを表しているんだぇ。」

そういえば、そう見えてくる。書かれている文章は…

 

「王国で奴を殺せ、私は死ぬ。」

リファーリンが読み上げる。アレスもやっと分かったのか激しく瞬きしている。

「そういうことね。」

リーサが言う。

「八ヶ崎翔太とハフルテュの会話を聞いていたでしょう。ハフルテュは王国に行ったのでしょう。彼はハフルテュに利用されていたことが分かり…自殺した。」

 

そんな。

そんな訳が。

 

イェクトがテーブルを叩いて注意を集める。

「まだ、八ヶ崎が死んだとは決まっていないよ。でも、僕達がやることは決まったね。」

イェクトがクラディアを見る。

「私、イェクト、スカースナ、リファーリンはハタ王国に向かいます。ヴァレス、ファフス・ファリーアは他の基地を連邦側の軍と共に壊滅させてください。」

 

はい、という声が部屋に響いた。

 

 

これから始まる混乱を知る由もなく。


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