Kranteerl y io kladi'a 作:xelkener
ヴァレスは正面を通って薄暗い道に入った。照明こそあるがDAPEの時の基地の廊下のようだ。誰も居ないと思ったら先のほうから人の足音が聞こえてきた。帽子のつばを引く。自分を通り過ぎたら殺す。すると、相手の方が立ち止まった。しまった、ばれたか。
『おう、もしかしてお前、ヴェッセじゃないか?』
は?
『やっぱり、ヴェッセじゃないか。どうした、連絡も無く。』
どういうことだ。俺がハフリスンターリブに間違えられた。ヴェッセってだれだ。
『あ、ああ、久方振りだな。』
方言を正してユーゴック語を喋る。
『どうした、私のことを覚えていないのか?』
知るか。
『お前の同期入隊者のネイド=ハフリスンターリブだよ。』
どうやらこのネイドとやらは私をハフリスンターリブのヴェッセなんとかと間違えているらしい。まあ、良い。人間違いに命は無いと思えよ。
『そうだ、兄弟達もお前らが着たと聞けば喜ぶだろう。さあ、待機室に行こう。』
ネイドはそう言った。なるほど、何処かに待機室というものがあってそこに馬鹿共がいるのか。殺そう。良く喋る馬鹿だ。
『さぁさぁ、行こう兄弟y』
腹を殴った。腹を抱えてよろけた所に肘撃ちを入れる。地面に倒れこむ。こいつもネートニアーか。
『ヴェッセ…糞…なんで…』
『まだ、俺のことをヴェッセだと思っているのか?』
WP拳銃で心臓を撃つ。ネイドは喀血して首を横たえた。
「…きたねぁ」
ネイドの血を拭き取り道で寝ているように座らせる。ちょうど、酒瓶が道端に落ちていたので持たせる。
「これぁでぅ大丈夫だぁ。」
廊下を歩いてゆく。それほど、騒がしくなかった廊下を抜けてでた所は、先程ネイドが行っていた者と思われる待機室であった。
『誰だ。』
黒スーツの男が言う。こいつもハタ人だ。八ヶ崎とハタ人の間にはどんな関係があるんだろうか。ハタ王国と組んでこの国を滅ぼそうなど考えていなければいいが。
『ヴェッセだ。仲間が帰ったと伝えろ。』
さっき聞いた名を名乗る。良く喋る馬鹿のおかげで簡単に潜入できる。
黒スーツがハフリスンターリブの一人を呼ぶその男はこちらに近づいてきた。
『よぉ、ヴェッセ君、ハフリ高等教育以来だな。あっちの政治は飽きたか。ようこそ戦場へ。』
ヴェッセという人物はハタ王国かADKの政治家か。俺はそれをやめてここに協力しに来たというところか。
『ああ、はぁ。』
ヴェッセとの人物関係が分からないのであやふやに返事する。
『そうだな、皆を集めよう。』
といってその男は、ハフリスンターリブの男達を集めた。男達は俺を見るなり嬉しそうに跳ねる者や握手を求める者と面白い反応をしていた。
『じゃあ、ヴェッセが帰ってきたことだしドルツェアでもやるか』
『そうだな、じゃあ準備してくるから』
といって数人の男らは奥へ行った。チャンスだ。
ヴァレスは手を翳し目を見開く
「命はないとおもえよぁ」
強烈な爆発、爆風、ハフリスンターリブの残って笑談している数人が吹き飛んで壁にぶち当たる。何か何かと出てきた焼肉係の男ら数人が出てくる。そいつらは一気に爆破させた。先に進もうと考えていると気配を感じた。後ろを振り向くとそいつはWP拳銃を構えている。
「ケートニアーだったか。」
さっきのガードマンだ。黒スーツが少々煤で塗れているがこっちに照準を合わせている。
「おまえぁ八ヶ崎ぃの奴だなぁ、何故ぁここにハフリスンぅターリブぁがいるぁ?」
「黙れ、ボスの所まで同行してもらおう。」
馬鹿だ。どいつもこいつも馬鹿だな。
ヴァレスは黒スーツのWP拳銃を蹴り上げる。同時に黒スーツに高速で接近する。
「こんなぁおもちゃぇが無いぃと遊べないのかぁ」
黒スーツの腹を殴って吹き飛ばす。
「はっ、雑魚がァ!」
黒スーツも負けじと飛び出してくる。が、こんな威勢の良いだけ馬鹿は久しぶりだ。潰すにはもってこいだ。
黒スーツの出す電撃を避けて背中に蹴りを入れる。黒スーツに手を翳す。
「ドルツェアぁはぁユエスレオネぉじゃなくてぇ本場でやった方がぁ美味しいなぁ。」
血が飛び散った。