ソードアート・ストラトス   作:剣舞士

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これにて、恋に焦がれるシリーズは終了!



第49話 恋に焦がれる八重奏Ⅳ

陽が落ち、周りが闇夜に包まれつつある中、一際明るく辺りを照らし、賑やかになっている神社。

今宵は祭り。

皆が浴衣を羽織り、屋台が立ち並ぶ石畳を闊歩する。

その様子に、箒自身、心が躍っているのを感じた。

祭りの開催が宣言され、あっという間に大勢の人で賑わっている。箒はおみくじ売り場で、筒の中に入っている札の番号を聞き、その番号の書かれた棚から一枚、おみくじを渡す。

 

 

 

「45番……こちらになります」

 

 

今日はやけにおみくじ売り場が多い。

それも男性客が……。

よく見ると、そんな男性客を後ろから睨みつける女性客までいる……はて、一体何事だろう……。

そんな事を思いながらも、箒は着実におみくじを売っていった。

 

 

 

(一夏たちは……いったいいつ来るんだろう……?)

 

 

 

祭りには行くと言っていたが、それが何時なのかは聞いていない。

まだ祭りが始まったばかりとは言え、昔はあんなにはしゃいでいた一夏が、そうそう遅れてくることはないだろうと考えた。

 

 

 

 

「すいませーん、おみくじください」

 

「あっ、はい! 300……円に……」

 

 

ついつい一夏たちを探すのに気を取られてしまい、接客を怠ってしまった。

だが、そんな気を取り直す必要もなく、目の前の人物を見て、箒は驚愕の声を上げた。

 

 

 

「た、楯無さん!?」

 

「はぁ〜い♪ あなたの楯無お姉さんでぇ〜す♪」

 

「いや違いますよ?!」

 

「ああん、そこは乗ってくれもいいのにぃ〜♪」

 

「それはそうと……いつの間に来たんですか?」

 

 

 

一夏から多少のことは聞いていたが、あまりにも神出鬼没過ぎる。

気配の消し方が上手い……まぁ、これだけ賑わっている中でなら、多少なりとも上手い具合に気配は消せるだろう。

 

 

 

「つい今しがた到着したところよ。ほら、あっちにも……」

 

「あっち? ああ……」

 

 

刀奈の指差した方向へ視線を向けると、そこには、両手に屋台の料理を持った一夏の姿が……。

そして、こちらの視線に気づくと、人ごみの多いその一帯を、まるですり抜けてくる水流のように滑らかにやってきた。

 

 

 

「よお、お待たせ」

 

「ああ……それで、どれだけ買ったんだお前は……」

 

 

 

 

ジト目で見ながら、何故ここに来るまでにそれだけ買った? と言いたくなるほど大量の屋台料理。

焼きそば、焼きトウモロコシ、たこ焼き、フランクフルト、綿あめ……確認できるだけでもこれだけ。

あとは袋の中にまだ色々と入っているようだ。

 

 

 

「カタナが食べたいって言ってさ。箒は自分が探すから、俺は買っておいてくれって言われたんだど……」

 

「流石に多過ぎないか?!」

 

「だよなぁ〜」

 

「ええっー! いいじゃん、私こういう祭りに来るの初めてなんだしー!」

 

「はあっ!? 初めてなんですか?!」

 

「うん、そうよ? 外でこれだけ賑わったところに来るの初めてね……だから、すっごく楽しみなの♪」

 

 

 

 

刀奈は元々、暗部のとはいえ名家の令嬢。

ならば、こんな庶民的な祭りに参加することはほとんどなかったはずだ。

いろんなパーティーなどに招待されることはあっても、あまりいい思い出なんてものはないし、相手の顔色ばかり伺ってくる様子の人たちばかりで、内心面倒だと思ったことは一度だけではない。

ましてや自分は、すでに更識家の当主『楯無』の名を継いだ身。

それが加わると、さらに人の目が気になってしまうものだ。

だから、こうやって自由に動き回れる上に、誰かの視線を気にせずはしゃげるこの機会は貴重なものだ。

だからこそ今回は、思いっきりはしゃごうという意気込みらしい。

 

 

 

 

「それにしても……」

 

「な、なんだ……?」

 

 

 

一夏の視線は、箒の顔……から全体的に移され、箒は頬を赤らめ、慣れない視線に身じろぎする。

 

 

 

「流石は様になっているって言うか……すごく似合うなぁ〜ってさ」

 

「な、なに?!」

 

「その服だよ。お前はやっぱり和装が似合うな……凄く綺麗だと思う」

 

「な、なな……っ!」

 

 

 

いきなり褒めるから、どうしたものかと考えるが、適切な対処の方法を知らない。

真っ赤になった顔は、今にも沸騰しそうで、そんな顔を見られたくないので、一夏から視線を外し、真下を向く。

箒の視線の先には、無意識のうちに両手の人さし指で、指を突いたり絡めたりして、弄ぶ光景が写っていた。

 

 

 

「ん? どうした?」

 

「へぇ?! い、いや、なんでもないぞ!」

 

 

 

綺麗……似合ってる……好きな異性から言われる言葉は最上級の褒め言葉だ。

そんな言葉が、箒の頭の中ではぐるぐると回っていた。

だから一夏に呼ばれた時、ちょっと変な声が出てしまったのは否めない。

なんせ、『可愛い』とかではなく、『綺麗』だと言ってくれた。可愛いという言葉も嬉しいは嬉しいが、それ以上に綺麗だと言われると、その一段階上の褒め言葉のような気がするからだ。

 

 

 

「箒ちゃん? どうしたの、いきなり大声を出して……」

 

「あっ、はい! す、すみません!」

 

「いや、別に気にはしてないのだけれど……あら?」

 

 

 

箒の様子を見に来たのか、雪子がおみくじ売り場の裏口から姿を現した。

なにやら取り乱した箒を見て、雪子はその原因である少年に視線を向けた。

 

 

 

「あらぁ〜! 一夏くん?」

 

「あ、はい。お久しぶりです、雪子叔母さん」

 

「まぁ〜まぁ〜! 本当に久しぶりね。大きくなっちゃって……それにイケメンに育ったわね♪」

 

「い、いや、そんな……」

 

「隠すことじゃないでしょう? あら? そちらのお嬢さんは?」

 

 

 

今度は、一夏の隣で寄り添っている少女。

刀奈に視線を向ける雪子。刀奈はそれに応じて、雪子に対して挨拶をした。

 

 

 

「初めまして。私は更識 楯無と言います。箒ちゃんのクラスメイトで、このチナ……じゃない、一夏の恋人です」

 

「あらまぁ〜!」

 

 

 

両手を合わせ、驚愕の表情を作る雪子。

それもそうだろう……いつの間にか知らない間にこれだけ美人の彼女ができているなら、過去の一夏を知っている者なら誰だって驚く。

周囲にいる女の子達からの好感を集め、それでいて肝心な所は持ち前の鈍さ……いや、もう唐変木と言ってもいいくらいに酷い有様で、多くの女の子を落胆させたあの一夏の心を射止めた女性が、この世にいようとは……。

 

 

 

「雪子叔母さん……なんか、失礼なこと考えてません?」

 

「あらら、そんな事はないわよ? ヘェ〜、とうとう一夏くんにも彼女さんが……。

うーん……嬉しいようで悲しいわね……」

 

「ええ?! なんでですか……」

 

「だって、それじゃあ箒ちゃーー」

 

「叔母さん‼︎ そ、それで、ご用件はなんでしょうか!!!?」

 

 

 

肝心な所は箒の大声でかき消されてしまったため、聞き取れなかった。

その箒を見ると、顔を真っ赤にして、両手の拳がプルプルと震えている。

 

 

「あっ、そうそう……もうそろそろ交代の時間だから、部屋に戻ってお着替えしてらっしゃい。

箒に合わせて、浴衣も用意したから……一夏くんと楯無さんの三人で遊んできなさい」

 

「えっ、いや、しかし……」

 

「大丈夫。神楽舞の前に戻ってきてくれればいいから、ね?」

 

「ううっ……はい、わかりました」

 

 

 

なんだか、雪子にいいようにあしらわれた感が否めない。

そんな雰囲気を、一夏達も察してか、二人とも微妙な顔で苦笑していた。

その後、お祭りのお手伝いに来ていた近所の方と交代する形で、箒は休憩所となっている部屋へと入っていき、用意してもらった浴衣に袖を通す。

ワインレッドの赤……そしての生地に咲く桜の花びら。藍色の帯を締め、いざ、一夏達の元へ……!

 

 

 

「わおっ、綺麗な浴衣ねぇーそれ!」

 

「ああ……凄く似合ってるじゃないか……!」

 

「そ、そうだろうか……? へ、変ではないか?」

 

「全然! そんなことないわよ。ね、チナツ?」

 

「うん。むしろ似合いすぎてるな」

 

「あ、うう〜〜っ!」

 

 

 

 

再び顔を赤くして俯く箒に、刀奈はにっこり笑って、箒の背中を押しながら進む。

 

 

 

「さあ、お祭りを楽しみましょう! 早く行きたくて堪らないわぁ〜!」

 

「そうだな、行こうか」

 

「う、うん……」

 

 

 

最後のはなんか箒らしくないと思ってしまったが、それでもついてきているのだ、箒だって楽しみにしているだろう。

 

 

 

「まず、何をする?」

 

「ねぇ、チナツ……あれが噂の金魚すくい?」

 

「おう。流石にそれは知ってたか」

 

「ちょっとぉー、そこまで世間知らずじゃないわよー! でも、テレビとか映像でしか見たことなかったし、こうやって生で見るのは初めてかも……」

 

「楯無さんは、本当に祭りには来たことはなかったんですか?」

 

「うーん……祭り自体はあるわよ? でも、いつも眺めてるだけで、直接こうやってやったことはなかったわ……。

家での訓練とか、作法の勉強とかもあったし、そんなに遊んでいられる時間がなかったから……」

 

「そうだったんですか……」

 

 

 

更識家として、次期当主として、刀奈は幼少期から相当な期待を背負ってきたのだろう。

その責任感が、幼い刀奈には容赦なく襲いかかり、遊ぶことはほとんどなかった。

友達なんかもできてはいたが、それでも、家の関係上、深く関わることはしなかった。

故に、真に親しいと言えたのは、当時から親交のあった布仏家の姉妹……虚と本音だけだ。

 

 

 

「さぁーて! やるわよぉ〜!」

 

「そんなに気合入れなくてもいいんじゃないか?」

 

 

 

あまりヒートアップし過ぎないように、一夏と箒が両脇で刀奈を見守る。

屋台の親父にお金を支払い、ポイと、捕獲した金魚を入れる器を受け取った刀奈。

鋭い目つきで金魚を見定め、ポイをゆっくりと水につける。

そしてゆっくりと横に移動させ、狙いをつけた金魚を、勢いよくすくい上げる。

 

 

 

「ほっ! ……あっ」

 

 

 

すくい上げた金魚は、水面に上がり、水から出てきたが、器に入る直前でポイが破けてしまい、金魚は再び水の中に戻って行った。

 

 

 

「あ〜……結構脆いのね、この紙……」

 

「そりゃあな。それが金魚すくいってもんだよ」

 

「それと、あまり勢いよくしない方がいいですよ。ある程度なら、破けるまでに時間はかかりますから」

 

「なるほどねぇ〜。よし、もう一回!」

 

 

 

もう一度親父にお金を支払い、ポイを受け取る。

そして同じ要領で水に浸し、箒のアドバイスに従い、ゆっくりと、慎重にポイを動かす。

 

 

「ほいっ!」

 

「おっ!」

「あっ!」

 

 

なんと、二回目で成功してしまった。

しかもポイの紙は無傷。粒ほどの穴も空いていない。

それには金魚すくい屋の親父も驚き、刀奈を驚愕の目で見ている。

 

 

「すごいな! やっぱコツを掴むのがうまいな、カタナは」

 

「ヘェ〜なるほどなるほど……こういう感じなのねぇ〜」

 

 

今度は二匹目、三匹目、はたまた二匹同時に取り五匹。

それら全てを同じポイですくい上げる。

そしてポイには穴が空いていない。

 

 

 

「こんなに簡単にできるものだったか……金魚すくい……?」

 

「いや、それはねぇーだろ……」

 

 

 

箒と一夏の二人ですら、初めてやった時は何度もポイの紙を破いたものだ。

毎年毎年二人で対決したりして、ようやく簡単にすくい上げることができるようになったが、刀奈はたったの二回目でこなした。

と、そう思っている最中、何やら親父の顔が青ざめていくのに気がついた。

どうしたのだろうと思い、親父の視線の先にいる刀奈を見てみると……

 

 

 

「ほいっ! ほいっ! それっ! もう一丁!」

 

「いやいやいや、取りすぎじゃねぇーかっ?!」

 

「だが、ポイが破れてない以上、いくらすくってもいいルールだしな……」

 

 

 

刀奈の持つ器を見ると、すでに20匹以上の金魚が……中には、バカでかい金魚までいる。

器の中に入った水の中には、金魚が溢れかえっており、むしろ見ていると気持ち悪い。

 

 

 

「カタナカタナ、もうそろそろやめてやらないか? おっさん泣きそうだぞ……」

 

「えっ? あっ……ごめんなさい……」

 

 

 

一夏の指摘に、ようやく気付いた刀奈は、苦笑いをしながら手に持っていた器をひっくり返し、すくった金魚を全て戻した。

 

 

 

「さ、さぁー、別の場所に移りましょうかー、あはっ、あははは……」

 

「そうだな。おっさん、この金魚、今やってる子供達にあげてやっよ」

 

「お、おう……」

 

 

そう言って、一夏達はその場を後にして、その時隣で金魚すくいをしていた子供達からは、刀奈は女神に見ていたであろう……。

 

 

 

「次は何しようかしらぁ〜♪」

 

「カタナ、とりあえず、食べねぇ?」

 

「おぅ?」

 

 

そうだった……そう言わんばかりに一夏の顔を見て「ごめん」と言う。

さっきから両手に溢れんばかりの屋台飯を持っていた一夏。近くにあったベンチに座り、一夏の両手からそれぞれ料理を取り出す。

 

 

「ふぅー、両手が楽だぁー」

 

「ごめんごめん♪」

 

「しかし、いいのか? 私もご馳走になって……」

 

「いいさ、これくらい……。むしろ屋台飯で良かったのかってくらいだし……」

 

 

 

企業のテストパイロットとして、多少の報奨金は貰っているため、これくらいを奢ることはやぶさかではない。

 

 

 

「せっかくだから、食べましょうよ」

 

「そうだな」

 

「いただきます」

 

 

 

三人は膝の上に料理を広げ、割り箸を割り、料理に舌鼓をうつ。

 

 

 

「はい、チナツ! あーん」

 

「昨日もやったぞ、それ……」

 

「いいじゃない、こう言うのは何度やっても♪」

 

「はいはい……あーん」

 

 

たこ焼きを頬張る。

適度に外の皮がカリカリ、中はふわとろ。

ソースとマヨネーズの味わいが非常にマッチしている。

 

 

「はい、箒ちゃんもあーん♪」

 

「ええっ!? わ、私もですか?!」

 

「ほら、早く! たこ焼き落ちちゃう!」

 

「なっ、も、もう!」

 

 

あんまり気が進まないといった感じだったが、急かす刀奈に押され、箒はたこ焼きを頬張る。

 

 

「ね、美味しいでしょ?」

 

「は、はい……美味しいです」

 

 

刀奈のこの時折こどもの様な性格は、中々拒むことができない。

そんな姿が、どことなく自身の姉と結びついてしまう。

 

 

「あ、箒……」

 

「ん?」

 

「口元にソースがついてるぞ」

 

「んんっ!?」

 

 

確かにソースがついていた。

だがそれを、一夏がそっと人差し指で撫でるようにして取ったのだ。

その指先が、箒の唇に触れ、とっさに箒は体を仰け反らせてしまった。

 

 

「あっ、悪い……嫌だったか?」

 

「い、いや! 嫌では……ないのだが……」

 

「あらあらぁ〜? 箒ちゃん、顔赤いわよ?」

 

「い、いやこれはーーっ!」

 

「もおー可愛いなぁ〜箒ちゃんは♪」

 

「わぁっ!? な、なんですかいきなり?!」

 

 

 

がっちりと箒を抱きしめ、顔を自身の胸に埋め込む刀奈。

そんな状況に、箒は混乱しまくって、刀奈の胸元で顔を動かそうともがくが……

 

 

「ちょ、楯無さん!」

 

「こらぁー、暴れないの。たこ焼き落ちちゃうわよ」

 

「そ、それは……! もう、とにかく離してください!」

 

「いーや! だって箒ちゃんが可愛いからぁ〜」

 

「も、もう……」

 

 

 

やっぱり似ている……姉の束に。

人を平気で連れ回して、いろんなことをして、そして決まってベッタリとくっついてきたり、そうしなかったとしても、いつも近くに寄り添ってくる。

そんな事……この頃は全くなかった。

幼い頃は、あんなに近くにいたのに……今は……

 

 

 

「あら? 箒ちゃん……?」

 

「え? あ、いや、なんでもないです……」

 

「そう? なんか、元気がなかったような感じがしたから……」

 

「いえ、そういうわけでは……。でも、そうですね……少し、姉の事を思い出してました」

 

「束博士?」

 

「はい……。なんだか、楯無さんは、姉に似ているなぁ〜って……」

 

「…………お姉さんと離ればなれは、寂しい?」

 

「……どうでしょう。正直、分かりません。ただ、こんな事が、昔にもあったような……そんな気がして……」

 

「そう……」

 

 

 

その時、一夏もなんとなく、昔の事を思い出した。

いつも箒と一夏にベッタリだった束。

剣道の稽古をしている時でも、休憩している時でも、学校から帰ってきた時でも……こうやって、束が迎えるようにしていた事を……。

それを見て、千冬による鉄拳制裁が落ちた事だって、一回や二回の話ではない。

そうなると、もう十年近く、そんな事をやっていなかったんだなぁと感じる。

こんな世界にしたのは、間違いなく束の作ったISが原因だ。

それによって変わった世界を見て、今の束は、どう思っているんだろうか……。

 

 

 

「箒ちゃん……私がお姉ちゃんになってあげようか♪」

 

「いや、その……姉は……あの人だけで充分ですので……」

 

「まぁ、そうよねぇ〜」

 

 

 

そう言いながらも、二人は仲良く焼きそばや焼きトウモロコシを食べあっている。

どことなく、その姿が刀奈と簪を見ているような気がした。

 

 

 

「あれ? 一夏さん?」

 

「ん?」

 

「やっぱりぃ〜〜!」

 

「おっ、蘭!」

 

 

 

三人で和んでいる時、その三人に近寄ってくる元気な雰囲気が似合う少女の姿が……。

赤みがかった茶髪を、トレードマークであるバンダナで巻いており、濃紺の生地に、朝顔の柄が入った浴衣を纏った、一夏の親友、五反田 弾の妹、五反田 蘭その人だ。

 

 

 

「お久しぶり……と言っても、まだそんなに経ってませんね」

「そうだな……臨海学校前に、レゾナンスで会った時以来だもんな」

 

「あら、蘭ちゃんじゃない」

 

「楯無さん! いらっしゃってたんですね」

 

「ええ。チナツに連れてきてもらっちゃってね」

 

 

 

既に蘭は何度もこの祭りには来た事があり、その度に妹の面倒を兄の弾が見せられているわけなのだが……。

 

 

 

「あれ? 弾はいないのか?」

 

「あ〜……この人集りですからねぇ……ちょっと逸れちゃいました」

 

「それ、大丈夫なのか? あいつ、今頃めちゃくちゃ探してると思うぞ?」

 

「大丈夫ですよ。私だってもう、子供じゃないんですから!」

 

 

 

 

えっへんと胸を張る蘭だが、そんな行動がやけに子供らしく思うのだが……。

 

 

 

「えっと……一夏の友人の妹さんか?」

 

「あっ、はい! 初めて。五反田 蘭です!」

 

「これはご丁寧に……。私は篠ノ之 箒、一夏の幼馴染でクラスメイトだ。よろしく」

 

「ああ! 以前一夏さんからお話は聞いていましたよ! 初めまして!」

 

 

 

箒としては、一夏は彼女に自分をどのように話していたのかが気になったが、話を聞く限りでは、変な事は言っていなかったらしい。

 

 

 

「剣道がとっても強いらしいですね! それに、ISの操縦もお上手だとか」

 

「いや、それ程の事ではないさ……」

 

「いえいえ、すっごく憧れますよ!」

 

 

 

天真爛漫、好奇心旺盛……そういった言葉が似合う彼女の性格に、箒も少しばかりタジタジた。

 

 

「そうだ、蘭も食うか?」

 

 

そういって、一夏は自身の膝の上に置いてあった焼きそばを差し出す。

 

 

「えっ?! いや、でもこれは、一夏さんが食べていたものじゃ……」

 

「いや、結構お腹一杯になってきてな。だから、助けると思って食べてくれないか?」

 

「え……そ、その……まぁ、そうですよね? 助けると思って……ね」

 

 

 

一体誰に確認を取っているのかはわからないが、とりあえず今からとる自分の行動は、正当なものだと自分に言い聞かせるようにして、一夏の差し出す焼きそばを食す。

 

 

「えっと、いただきまーす」

 

 

本来ならズルズルと音を鳴らして食べるところなのだが、あいにく今目の前には一夏がいる。

そんな状況で普段通り食べるところを見られて、はしたないと思われてはいけない。

なので、せめて吸うにもズルズルではなく、チュルチュルくらいに留めておこう。

 

 

 

「ん! 美味しい! 意外にやるな、ここの店主」

 

「だろ? 意外に美味いんだよなぁ、ここの焼きそば」

 

 

 

実家が定食屋をやっているため、味には結構敏感というか、厳しい蘭も、この焼きそばのうまさには驚いているようだった。

その後、二人で焼きそばを食べ終わり、買ってきた料理をなんとか食べ終えた。

 

 

 

「さて、これからどうする? 箒はまだ大丈夫なのか?」

 

「ああ、まだ大丈夫だ」

 

「なら、この四人で回るか?」

 

「そうね、そうしましょうか」

 

 

 

その後、四人でいろんな屋台を見て回る。

お面屋では、誰がどのお面が似合うだろうかと、はしゃぎ、投げ輪コーナーでは、刀奈が再びすべての枠に投げ輪を入れるという快挙を成し遂げ、今現在は、射的屋にいた。

 

 

 

「今度はこれをやりましょうよ!」

 

「射的か……俺もやったけど、あまり取れた試しがないんだよなぁ〜」

 

「なら、射撃訓練だと思いなさい。ほら、さっさと並ぶ!」

 

 

刀奈に腕を引かれ、一夏と蘭が挑戦する。

 

 

「おっちゃん、三人分ね」

 

「おうおう、両手に花どころかたくさんの花束とはねぇ〜! よし、おまけは無しだ!」

 

「そんなこと言わないでくれよ。せめてこの二人の分くらいわおまけしてくれたっていいだろう?」

 

「ほう? 今時の小僧にしてはえらく気が回せるなぁ! いやぁ〜感心感心! だが、やっぱりおまけは無しだ。モテる男は、俺たちの敵だ! ガッハッハッハッハ!」

 

 

 

などと言って豪快に笑う店主。

冗談の様な口調ではあったが、目が少しばかり本気だったのは、放っておこう……。

一夏は三人分の代金を払い、店主の親父から銃を三つ受け取る。

 

 

 

「蘭は、こういうの得意なのか?」

 

「いえ、実は苦手で……」

 

「俺もだよ。小さいのくらいだったら落とせるんだが……」

 

 

そう言って、一夏と蘭が撃つ。

だが、ものの見事に外れてしまい、二人して落胆する。

 

 

「もう、二人とも構えからなってないからよ。ほら、腕はこうで、構えはもっと……」

 

 

 

見るに見かねて、刀奈が二人のフォームを修正する。

思っていたよりも窮屈に感じる構えだが、刀奈の指示通りに撃つと、これがまたよく当たるのだ。

 

 

 

「おお! さすがはカタナ!」

 

「ふふっ♪ お姉さんにかかればこんなものよ」

 

 

 

そして、刀奈と言うと、一夏達に教えた構えではなく、片手で銃を持ち、狙いを定めて引き金を引く。

すると、いとも簡単に景品を落とす、落とす、落としまくる。

 

 

 

「す、すげぇー……!」

 

 

 

最初は余裕の表情だった射的屋の親父も、金魚すくい屋の店主と同様に、どんどん顔が青ざめいく。

 

 

 

「ほ、ほら、箒もやってみたらどうだ?」

 

「わ、私がか?!」

 

「ああ……。このままだと、景品全部を刀奈が落としちまうぞ……」

 

「ああ〜……」

 

 

 

見れば蘭が刀奈を煽り、刀奈はそれを面白半分に受け、蘭の弾まで詰め込んで放っていた。まぁ、代金はちゃんと渡したんだし、出された弾数だけ使えば、なんの問題もないだろうが……。

 

 

 

「わかった、やってみよう……」

 

 

 

しぶしぶといった感じで、箒は一夏の隣で構える。

そして、一夏と二人で同時に引き金を引く。

だが、やはり思った様に当たらない。

 

 

 

「くっ……! 弓ならばいともたやすく射止めれるというのに!」

 

「弓でやったら景品壊れるぞ……」

 

 

再び一夏が構え、狙いを定める。

ふと目に入った景品に、狙いを集中し、引き金を引く。

 

 

 

「当たれ……!」

 

 

願いを込めて放たれたコルクの弾丸は、一夏の狙った景品よりも、やや左逸れてしまった。

だが、次の瞬間、景品の乗った棚を支えていた柱に、コルク弾が跳ね返り、一夏の狙っていた景品に当たる。

そして、やがてそれはバランスを崩して、前のめりに倒れる。

 

 

「お! やった、ラッキー!」

 

 

店主の親父は、納得いかねぇー、と言った表情で見ていたが、当たりは当たりだ。

貰った景品を見て、すぐに視線を刀奈に移した。

 

 

「カタナ」

 

「ん? なに、チナツ?」

 

 

受け取った景品を袋から出し、刀奈の髪にそっと触れる。

 

 

「ほい、やるよ」

 

「あら、何これ?」

 

「髪留めだろうな。カタナに似合いそうだったから……」

 

「本当?! ありがとう……!」

 

 

微笑む刀奈の顔と、そんな笑顔にピッタリな、一輪のひまわりの装飾がつけられた髪留めが、異様にマッチしていた。

刀奈は、一夏の思わぬプレゼントに頬を朱に染め、両手で頬にくっつけて、くねくねと見をよじらせていた。

そんな中、箒も一生懸命狙いを定めて撃っているのだが、全然当たらない。

 

 

 

「くっ、おのれ……! ええいっ!!!!」

 

 

 

やけくそ感満載で撃った箒の弾丸は、箒が狙っていた景品からは大きく外れて、一番上に立っていた金色のプレートに当たり、そのプレートがカタカタと前後に動くと、やがて後ろにパタリと倒れた。

 

 

「お、おめでとぉぉぉぉッ!! 当店一の高額賞品当たりましたぁぁぁぁ!!!!」

 

「…………へぇ?」

 

 

 

店主の大声に、周囲にいた人たちまで視線を集める。

その金色のプレートの景品は、一体なんだったのか……?

 

 

 

「ほら嬢ちゃん! 一等景品のア、ア、アミュ……なんだっけ?」

 

 

 

名前がわからないらしく、店主は仕方なく一等景品が入った箱を取り出す。

それを見た瞬間、一夏たち全員が驚きの声を上げた。

 

 

「おっ! これだ、これこれ!」

 

「「「アミュスフィア!!!!?」」」

 

「そう! それだよそれ! こいつを手に入れるのに結構かけたっつうーのに……。

今日は大赤字だな!!!! ガッハッハッハッハ!!!!」

 

 

 

豪快に笑いながら、店主はアミュスフィアを箒に渡す。

それを貰った箒も、ただただその箱の表紙を見ていた。

 

 

 

「やったじゃねぇーか、箒!」

 

「ほんとねぇ〜! これで箒ちゃんもALO出来るね!」

 

「あ、は、はい……」

 

「いいなぁ〜……私もALOやりたいですよぉ〜!」

 

 

蘭から羨望の眼差しで見られてしまい、正直、あげてもいいと思ってしまったのだが……何故だろう、そうする事をしなかった。

ALO……それは、一夏たちが今現在はまっている世界……妖精郷の世界でファンタジーな異世界生活を楽しむ……といったコンセプトのゲーム。

鈴を始め、IS学園にて、一夏と出会ったものたちは、皆これを始めた。そんなみんなを見ていて、そんなに面白いのなら、自分も……と思っていた事もあったが、色々と悩んでいた事もあり、結局やらずじまいで終わってしまっていた……。

しかし、今目の前に、幸運にもアミュスフィアが手に入った。

あとは契約し、ALOのソフトを買えば……自分も、一夏たちと……

 

 

 

「なぁ、箒! 箒も一緒にやろうぜ! お前に紹介したい人たちがいるんだよ!

鈴たちも今一緒になってやってくれてるしさ、なぁ、どうだ?」

 

「ん……」

 

「箒ちゃんも一緒みようよ。仮想世界っていう場所を………私たちもまだ見たことない世界が、きっとあるはずだからさ!」

 

「楯無さん……」

 

 

 

ISができて、箒の世界観は変わった。

人からの視線、自分の立場、あらゆる人たちの思惑……いろんな感情や光景を、嫌というほど見てきた。

今のこの世界は、とても嫌いだと思っていた。

でも、そんな世界とは違う……全く見たことのない世界が、もし本当にあるというのなら……

 

 

 

「そう、ですね……一夏、楯無さん」

 

「「ん?」」

 

「私を、連れて行ってくれないか……お前たちが見ている世界……私の知らない、未だ見ぬ世界に……!」

 

 

 

答えは、刀奈の抱擁だった。

頬をこすりつけるようにして抱きしてくる刀奈の顔は、とっても優しそうで、笑っていた。

そして、一夏もまた、嬉しそうに笑っている。

こんな二人と、みんなと、新しい世界へと旅立てるのが、こんなにワクワクするなんて、知りもしなかった。

 

 

 

「…………さて、そろそろ神楽舞の準備だ」

 

「あら、もうそんな時間?」

 

「はい。みんなで、見てくれませんか?」

 

「もちろん! ねぇ、チナツ、蘭ちゃん?」

 

「おう、もちろんだぜ!」

 

「はい、私も拝見させーーーー」

 

「蘭!!!! どこ行った蘭〜〜〜〜ッ!!!」

 

「て……もらい……」

 

「らあぁぁぁんッ!!!」

 

 

 

後ろで走り回っている青年がいる。

赤みがかった茶髪をストレートに伸ばし、蘭とは色違いのバンダナを頭にかぶった青年。

その目は若干涙目で、明らかに取り乱しているのがわかった。

 

 

 

「あの! うちの妹を見ませんでしたか?! 背はこのくらいで、胸はまだツルペタで、髪がこんなんで……!」

 

 

 

慌てすぎだろうと言いたかったが、それだけ妹思いの奴なんだという事を、一夏は知っている。

一夏の親友、五反田 弾は、いつでもそんな奴だ。

 

 

 

「ほら、言った通りだったろ?」

 

「すみません……ちょっとあのバカ兄貴シバいてきます」

 

 

 

その後、なおも叫び続ける兄に対し、妹は背後から容赦のないドロップキックをお見舞いしてやっとさ……めでたしめでたし。

 

 

 

「さて、戻ろうか。準備しないといけないだろ?」

 

「ああ」

 

 

 

気を取り直し、箒を控え室に送る一夏と刀奈。

箒を送り届けたあとは、神楽舞の舞台へと向かい、箒が出てくるのを待っているだけでよかったのだが、驚くことに、もうすでに人集りができていた。

雪子が呼びかけていたのを見た辺り、客集めをしていたのだろう。

そしてついに、舞台の幕が上がった。

 

 

 

「あっ! 箒ちゃん出てきたよ!」

 

「……っ!」

 

 

 

一夏は、一瞬、言葉を失った。

なぜなら、そこには、天女がいたからだ。

 

 

 

「す、すげぇ可愛い……!」

 

「この近くにあんな子いたっけ?」

 

「写真写真!」

 

「綺麗〜〜っ!」

 

 

 

 

舞台に詰め寄っていた観客たちからも、歓喜の声が上がった。

見惚れる……とはこの事だった。

シャン! となる鈴の音。

舞い踊る扇、光り輝く宝剣。

剣舞奉納……神々に捧げる……祈りの舞。

 

 

 

「綺麗ね……」

 

「…………ああ、すごく綺麗だ」

 

 

 

刀奈も一夏も、箒の舞に見惚れていた。

特に一夏は、幼い頃の箒を知っている分、よりその気持ちが大きい。

まだお互いに小学生の時には、同門であり、互いに良きライバルとしか見ていなかった。

幼馴染で、ほぼ毎日会っていたから、異性としてよりも家族の様に思っていた……。

だが、IS学園で再会して、福音事件の際に、告白された……。その時になって、本当の意味で箒を異性だと感じた。

 

 

 

 

シャン……シャン……!

 

 

 

 

身体中に痺れる様にして鳴り響く鈴の音。

最後の演舞が終わり、箒は深々と頭を下げた。

周りの観客たちからも拍手喝釆。刀奈と一夏も、自然とその両手が合わさり、拍手を送っていた。

 

 

 

「凄かったわね……」

 

「……ああ」

 

「惚れちゃった?」

 

「まぁ……独り身だったら、惚れたかもしれない」

 

「あら、肯定しちゃうんだ」

 

「嘘ついたってバレるからな」

 

「ふふっ、よくわかってるじゃない」

 

「カタナに嘘ついたら、今度こそ《グングニル》が飛んでくるからな」

 

「そんな事しないわよー。良くても《ストライク・ピアーズ》くらいよ」

 

「結局突き刺すんだね……」

 

「刺すくらいで済むならいいでしょう?」

 

「でも《ストライク・ピアーズ》はダメだろ……結局斬りつけてから心臓えぐってんじゃん」

 

「なら、《フェイタル・スラント》がいい?」

 

「あんな強烈な一撃もらったら、体が吹き飛ぶって……!」

 

 

 

実際、刀奈ならやりかねない。

だけど、それも愛情の表し方なのだ。

まったく、情の深い女だ……。

 

 

 

「二人とも、お待たせしました」

 

 

 

と、そこに再び浴衣に着替えた箒が登場。

これでようやく、祭りの演目はほとんどが終了……あとは、最後の仕上げが残っている。

 

 

「よし、とっておきの場所に行こうぜ……!」

 

「あそこか?」

 

「ああ……あそこは、俺たちしか知らない場所だからな」

 

「とっておきの場所?」

 

 

 

一夏と箒に手を引かれて、刀奈は二人の後を追っていく。

すると、到着したのは、篠ノ之神社の近くにあった、小高い丘。

その唯一伸びた階段を上っていくと、やがて開けた場所へと出た。

 

 

 

「うわぁー! 凄いわね、ここ」

 

「だろう? 昔、稽古の合間の休憩中に走り回っていたら、ここを見つけたんだよ。んで、ここから見る花火は絶景だったんだ」

 

「ここには、滅多な事じゃ他の人達は来ませんから、ほぼ貸切状態ですね」

 

「へぇー! いいじゃんいいじゃん!」

 

 

 

まだ花火の準備が終わっていないのか、空はまだ静かな星空が広がっている。

 

 

 

「それにしても、いろんな事があったなぁ……」

 

「気の早いやつだな……そういう言葉は、年の瀬まで取っておけ」

 

「そうだけどさ……。俺たちがSAOから帰ってきて、キリトさんと俺がISを動かせる事がわかって、強制的にIS学園に入学させられて……もうなんか、すでに一年分の出来事を経験した気分だよ」

 

 

 

年寄りくさい事を言いながら、肩をすくめる一夏の姿をいる箒と刀奈。

そんな一夏を見ながら、二人はクスクスと微笑んでいた。

 

 

 

「さて、二学期も色々とイベント目白押しよ。学園祭にタッグマッチ、キャノンボール・ファスト」

 

「今度こそ、何もなきゃいいがな……」

 

「そうだな……福音戦でもう懲り懲りなのだが……」

 

「もう、そんな事を言ってる内は、まだまだ未熟者よ? IS操縦者として生きていくなら、もう軍人と同じくらい覚悟を決めておかないと!」

 

「まぁ、そうだな」

 

「ええ」

 

 

 

 

覚悟……そうだ、戦う覚悟を決めなければ、守るべきものすらも守れない。

そんな事になるのは、絶対にいやだ……。

かつて思っていた理想……それを守るために、多くの者を斬り捨てた。

だからこそわかる。戦いには理由がいる。そしてそれが他者の物であってはならない。

自分の意思で、自分の信念で、自分の力で戦う……。

ならば、どんなに苦しくても、歩み続ける。

相棒と、仲間たちとともに……。

 

 

 

「カタナ、箒……これからも頑張ろう……」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

 

 

 

夜空に上がった大きな火花。

その花を見ながら、一夏たちは新たに決意を固めたのであった。

 

 

 

 

 

 




次回からはどうしようかな……ALOのクエストでもやろうかな。
ちょうど箒がALOプレイフラグも立った事ですので、クエストやりますね(⌒▽⌒)


感想、よろしくお願いします(⌒▽⌒)


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