ソードアート・ストラトス   作:剣舞士

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ごめんなさーい!
前回の後書きに「次で終わりかな?」って書いておきながら、終われませんでした(>_<)




第44話 《白式・熾天》

「でえやあああああっ!」

 

「っ!」

 

 

 

白熱していた海上におけるIS同士の激戦。

箒の気迫が乗った剣戟。それを迎え撃つ福音と言った構図になっている。

戦闘開始から数時間が経っていたが、この場で戦う者たちにとっては、長い様で短く感じていた。

接近戦に特化した和人、明日奈、刀奈、箒の四人が果敢に攻めていく。

 

 

「スイッチ!」

 

 

 

合図を聞いて、箒が迫り来る刃を弾く。

その直後、背後からやってくる槍の穂先をギリギリで躱す。

ここへ来て、箒と刀奈の連携が整い始めた。

強いて言うならば、箒の剣が、より実戦的な物になってきたのだ。

剣道を主体とする技では、どうしてもかけられる技が限られてくる。だが、無駄な力みがなくなった為か、箒の今の動きはとても流動的で、流水を思わせる動きだ。

 

 

 

「箒ちゃんだけにいい格好はさせられないわ!」

 

 

 

二槍を振るう刀奈の槍術。

左右の槍が縦横無尽、自由自在に福音を攻め立てる。《龍牙》による突きかと思いきや《煌焔》の斬りあげ。

そのまま体を回転させて再び《龍牙》と《煌焔》を使った回転斬りの応酬。

それを弾き返す福音の刃。

今度は福音が自ら接近戦を仕掛ける。

刃で斬り込むのではなく、あえて素手で接近し、刀奈に向かって拳を振るう。

確かに、槍の間合いでは、接近され過ぎればその長さゆえに、逆に防げなくなる。

だが、刀奈はあえて迎え入れる。

 

 

 

「さぁ、来なさいな……!」

 

「っ!?」

 

 

福音も、一度驚く様なそぶりを見せるも、そのまま拳打を放つ。

その拳は確実に刀奈に当たるほどの物だったが、その拳打は刀奈の体のすぐ横を通り過ぎた。

刀奈が半歩引いたことによって、ごく僅かな間隔を開けて躱すことが出来たのだ。そこから福音もエネルギー刃で追撃しようとするが、その動きをすでに見切っている刀奈にとって、対策するのに造作もなかった。

 

 

「その手は通じないわよ!」

 

 

背後に迫る刃を、水の障壁が防ぐ。纏わりつく様にして、水が刃に絡みつく。押すことも引くことも出来ない状態で、福音の判断が一瞬遅れる。

その結果、ガラ空きとなった懐に、真っ白に染まった鋭い突きを放つ光の筋が見え、その剣が見事に胸部の装甲へと深々と突き刺さる。

 

 

 

「い、やああああーーッ!!!!」

 

 

 

明日奈の放った《フラッシング・ペネトレイター》が直撃し、福音と《ランベントライト》との間に大爆発が起きる。

爆風によって投げ出された福音。

即座に態勢を整えて、エネルギー刃をシフトチェンジ。

近接戦をやめ、本来の戦い方である遠距離戦へと切り替えるようだ。

 

 

 

「Laーーッ!!!!!」

 

 

 

《シルバーベル》による広域殲滅。

エネルギー弾を無数に飛ばし、追尾弾、爆炎弾など、様々な物を打ち出す。

降り注ぐエネルギー弾の雨。だが、それすらも防ぐ。

 

 

 

「シャルロット!」

 

「任せて!」

 

 

簪の声が響き通る。

シャルロットとともに前に出る二人は、即座に防御シールドを展開。

その後ろでは、箒と刀奈、ラウラも防御装甲と障壁、AICを展開。

すでに先の対戦でこの技に対する対策はできている。

その陰に、防御装備を持たない和人、鈴、セシリアが潜む。

エネルギー弾の雨が次第に強くなる中、自由に動ける和人達が、弾幕の隙をついて福音に迫る。

 

 

 

「狙い撃ちですわ‼︎」

 

「俺たちも行くぞ!」

 

「了解!」

 

 

 

 

吹き荒れる弾雨の中、僅かに通れるルートを算出し、その隙間を高速で潜り抜ける和人。

それを援護するセシリアの精密狙撃と、鈴の炎弾の連射。

福音も分が悪いと察してか、高速移動をしながら、鈴とセシリアの狙撃、砲撃を躱して、その背後に迫る黒い機影にも意識を割く。

 

 

 

「せぇあああああッ!!!」

 

 

 

右手に握られた黒い長剣が、上段から思いっきり振り下ろされる。

ユイの算出した福音の移動予測に基づき、和人はそのルートをショートカットすることによって、福音の背後に回れたのだ。

咄嗟のことに福音も対応が遅れ、振り下ろされた一撃を止めるのに、エネルギー翼をシフトチェンジさせる暇もなかった様で、両腕の装甲をクロスさせることで防いだ。

 

 

 

「懐がお留守だぜ‼︎」

 

 

 

続いて振り抜かれた一閃。

左に握る深緑色の長剣を横薙ぎに一閃する。

それによって、福音の装甲に傷跡をつけ、その装甲を砕くことに成功した。

 

 

「ちっ! ただの装甲にしては硬すぎるだろ!?」

 

 

 

一閃を振り抜きながら、和人はそう言うが、ここまで直接福音に斬り込んで、まともに装甲を破壊できたのは、ほんの数回程度だ。

そしてそれを一番よく理解しているは、他ならぬ福音自身。

和人の剣が、この中にいるはメンバーで一番危ないと判断したのか、急激に和人に対する対応を変えてきた。

今まで和人の剣戟には、自身も剣戟で対応していたのだが、和人に対しては、それを止め、遠距離戦を仕掛けてきた。

しかしこれが、和人に対する最も効果的な戦い方だ。

遠距離装備を一つも持たない近接格闘型の機体にとって、距離を詰められないのは、もはや嬲り殺しもいいところだ。

しかし、忘れてはならないのは、その対戦相手が、常識という枠組みから外された存在だという事を……。

 

 

 

「まぁ、そう来るだろうよーーッ!」

 

 

 

両手に握る長剣二本。

右手に《ユナイティウォークス》と左手に《ディバイネーション》の二振りの長剣。

それらを持った和人がとった行動……それは回避でも防御でもなく、特攻だった。

 

 

 

「うおおおおぉぉああああああッ!!!!!」

 

 

 

迫り来る弾雨を、斬って、斬って斬って斬って斬って斬りまくる。

左右の剣を滞りなく、スムーズに、スピーディーに……!

斬られた弾雨は、そのまま虚しく虚空に消えるか、斬られた瞬間に爆散するか。

爆風による熱が、和人の体に降りかかる。本来ならばここで下がってしまうのだが、そんなことしてられない。

 

 

「チナツはこれを大量に受けても死ななかったんだ! なら一発喰らおうが、いちいちへこたれてたまるか!」

 

 

 

自分に直撃する弾だけを斬り裂く。

そして斬り裂き続けていくにつれ、福音の攻撃が止んだ。

それは福音がエネルギー弾での遠距離戦を諦めた事と、福音の両側からシャルと簪が福音に対して銃撃戦を始めたからだ。

 

 

 

 

「僕たちを忘れてもらっちゃ困るよ!」

 

「ターゲットロック! 《山嵐》フルファイア‼︎」

 

 

 

サブマシンガンとショットガンの二丁から火が噴く。

連射弾に散弾が、逃げ惑う福音に向けられる。そしてその逃げる行く手にも、大量の弾道ミサイルというトラップが待ち構えている。

福音の逃げ場を防いだ。

だが、福音は逃げる事もやめて、途端に体を丸めた。

その後、全身を大の字の様に開き、体を覆うエネルギーを外側に向けて放出した。

飛びくるミサイル、銃弾……その背後から迫ってきていたレーザーや砲弾すらも、その光の奔流によって飲み込まれ、跡形もなく消失してしまった。

 

 

 

 

「くっ、奥の手か…!」

 

「でも、あんな無茶なエネルギーの使い方……操縦者の体にだって影響があるはず……!」

 

 

 

しかもエネルギーを一気に放出することによる一時的なエネルギー枯渇。

すべてのエネルギーを外側に放出したわけではないであろうが、それでも残りのエネルギー残量を考えると、あまり多用することは出来ないはずだ。

 

 

「ここで一気にケリをつけるぞ!」

 

 

先行して斬り込むのは、和人と箒。

その後ろから明日奈と刀奈が追いかける。

速さでは負けない紅椿が、福音を追い詰め、その行く手を月光が塞ぐ。

 

 

「てぇやあああああッ!」

 

「La〜〜ッ!」

 

 

 

和人と二刀流が福音を攻め立てるが、福音の周りをエネルギーの防御壁が守る。

斬り結ぶたびにエネルギーのかけらが虚空へと消えるが、それでも突破することは叶わない様だ。

 

 

 

「ならば二人がかりで!」

 

 

和人の猛攻を受ける中で、背後から迫る箒。

箒の両手にも握られる二刀。

和人の速さには劣るものの、力強い剣戟で、箒も福音を斬り結ぶ。

だがやはり、福音の防御壁に阻まれる。

二人がかりで斬り込んでも、突破は難しいと思ったその時、和人が動いた。

 

 

「これなら、どうだッ!!!!!」

 

 

 

右手に握る《ユナイティウォークス》が光る。

蒼穹に染まった漆黒の剣尖が、福音に迫る。

当然、福音も防御壁を展開。和人の放つソードスキルを防ぐ様に仕向けた。

和人の放ったソードスキル……片手直剣上級スキル《ファントム・レイブ》

両サイドからの斬りあげから、上段唐竹からの刺突、袈裟斬り。

最後にトドメとばかりに体を横にしながら、大きく回転させる。

ここまでは福音の防御壁が完全に防いでいたのだが、最後の一撃だけは、何故か福音も防御壁を二重三重と重ね掛けしている。

これでは、スキル使用後に訪れる硬直によって、和人も一夏と同じ目に遭ってしまう……。

誰もがそう思ったその時、和人の剣が振り抜かれた。

 

 

 

「《リミットバースト》ッ!!!!!」

 

 

 

《ファントム・レイブ》の最後の一撃が放たれた瞬間、剣尖を輝かせていたライトエフェクトの光が、より一層光を増した。

そして、その光の奔流が、福音の防御壁に直撃する。

エネルギーとライトエフェクトの交錯。凄まじい衝撃と波動が、その場に響き轟いたのだ。

 

 

 

「ぐっ! ううっおおおお…………ッ!」

 

「っ?!」

 

 

 

腕に込めた力を更に入れる。

《ユナイティウォークス》に伝わる力が、徐々に防御壁を押し始めた。

和人の気迫が、剣気が、福音の鉄壁とも言える盾を、押し返し始めたのだ。

 

 

 

「うおおおぉぉぉぉあああああーーーーッ!!!!!」

 

「ッ!!!!?」

 

 

 

バギバキッ、と硬い金属でも砕ける様な音がなる。

三重にまでかけた防御壁に、ヒビが入り始めたのだ。

そしてそのまま、和人の握る《ユナイティウォークス》の剣尖が、防御壁を木っ端微塵に破壊し、その刃が福音の体を斬り裂いた。

斬られたところからはエネルギーの流出と、その光が散り散りになって流れ出て、バランスを崩した福音は海面に向かって落ちていく。

寸での所で、《銀の鐘》を機能させ、海面ギリギリの所で態勢を立て直すも、すぐに反撃に打って出ない。

 

 

 

「はぁ……! はぁ……! うまく、行ったみたいだな……」

 

「キリトくん!」

 

 

フラフラとしながら空中を漂う月光を、閃華を纏った明日奈が即座に抱きかかえる。

 

 

 

「なんなの、アレ?」

 

「《リミットバースト》……」

 

「り、リミットバースト?」

 

「ISは、機体自身にあるエネルギーを使って動くだろ? それをあの一瞬の時だけ、他の事に回していたエネルギーを攻撃だけに集約したんだ。

いわば、チナツが使ってた《零落白夜》の真似事さ」

 

「そ、その理屈はわかったけど……それより体は大丈夫なの?!」

 

 

 

明日奈が心配しているのはそのことだけだ。

ISの操縦技術になかった、エネルギーを意図的に集約させて、攻撃という一点のことだけに費やすという新たな技術。

本来それは、一夏と千冬が持っていた《雪片弐型》と、その原型である《雪片》にしかなかった機能。

自分のシールドエネルギーを転換して、相手のシールドエネルギーを無効化し、一気にエネルギーを削り取るというもの。

それは、一夏の白式と、千冬が乗っていた暮桜しか出来ないはずだったのだが……。

 

 

 

「まぁ、体はそこまで痛くないかな……。でも機体には相当負荷がかかっちまったみたいだけどな……」

 

 

 

そういいながら、和人は自身の機体を見てやる。

右手に持っていた《ユナイティウォークス》は、刀身がボロボロになり、とても戦える状態ではなかった。

だが、問題はそこではなく、機体そのものだった。

急激なエネルギーの転換によって、ISのシステムの一部にエラーが発生したのか、月光のスペックデータが少しばかりおかしくなっていた。

和人には見える、月光から警告音と警告表示。

各部の可動状態が悪く、システムがこれ以上の戦闘継続を断固として拒否していた。

 

 

 

「キリト、あなたとアスナちゃんは、一旦戦線を離れなさい」

 

 

 

と、そこに刀奈がやってきて、動けない状態にある和人と明日奈をかばう様にして、福音に穂先を向ける。

 

 

 

「悪い、そうさせてもらうよ。アスナ……」

 

「うん、わかってる。ごめんカタナちゃん、後お願いね」

 

「ええ、任せなさい」

 

 

 

 

その場を離れ、和人と明日奈の二人は、戦線から少しずつ離れていく。

その退路を守る様にして、各人が福音を警戒しているのだが、当の福音は、未だに動こうとはしていないようだ。

 

 

 

「どうしたのかしら……」

 

「お姉ちゃん、あれ!」

 

 

 

 

簪の指差す所を、ISの高感度望遠映像を拡大させて見てみる。

すると、先ほど和人に斬られた部分から、赤い液体が少しずつ、少しずつ海面に向かって流れていた。

いや、斬られた部分だけではなく、操縦者の体の至る所から少量の流血が見えた。

 

 

 

「やばいかも……! 福音のオーバースペックに、操縦者の体が耐えられてない……!」

 

「どうにかして止めたいものだけど、最悪殺してしまいかねないし……」

 

 

 

もはや時間との勝負。

この戦いに勝とうが負けようが、福音の操縦者の体は、福音の暴走とともにいつ朽ち果ててもおかしくはない状態にある。

それが他国の操縦者とは言え、おそらく軍用機を扱えるほどの人材なら、国家代表のクラスに上り詰めた人物だろう……。

そんな人物を、むざむざと廃人状態にさせる訳にはいかないし、させたくはない。

 

 

 

「簪ちゃん、私が先行して福音を足止めするから、簪ちゃんたちは周りを囲んでおいて」

 

「でも、あの状態の福音の間合いにあるなんて……!」

 

「大丈夫。私を信じて……!」

 

「お姉ちゃん……」

 

 

 

他に作戦もない。

ここまで福音を追い詰められたのなら、もはや抵抗する力も残り少ないはず。

ならば、ここは自分の姉を信じ、賭けてみるのも上々な作だろうと考えた。

 

 

 

「わかった。でも、油断は禁物」

 

「ええ、わかっているわ……!」

 

 

 

 

刀奈が先行し、福音との距離を測る。

その後ろで簪が待機し、他のメンバーも有事の時は急いで動ける様にスタンバイしている。

 

 

 

「L、La……LaLa〜〜ッ!」

 

「ッ! まだ……!」

 

 

 

 

刀奈の接近に気づいてか、福音は警戒心剥き出しで戦慄の声を上げる。

そして、一瞬の出来事だった。

刀奈の遥か後方にいたセシリアの背後に、福音は移動したのだ。

 

 

 

「ッ!? セシリアちゃん!」

 

「そ、そんなーーッ!!!」

 

 

 

一瞬のことで判断が遅れたセシリア。

振り向いた直後、福音の翼が大きく広がっていくのを、セシリアを含め、全員が見ていた。

そしてその後、その翼は勢いよくセシリアを包み込み、同時にその中で大きな光を放った。

 

 

 

「ああああぁぁぁッ!!!!」

 

「セシリア!?」

 

「一体何だってのよ‼︎」

 

 

 

翼の中から聞こえるセシリアの絶叫。

その声を聞き飛び出していったシャルと鈴の二人。

何が何だかわからなくなったこの状況で、二人はセシリアを助けると言う目的で動いた。

だが、それも凶と出てしまった。

 

 

「よせ、やめろ!」

 

 

 

ラウラの声が鋭く響いたが、時すでに遅し。

翼を解放した福音の目の前で、傷つきボロボロの状態になったセシリアが現れる。

その瞳は閉じており、苦痛に顔をしかめていた。

もはや飛ぶ力も無くなったのか、そのまま海へと垂直に落下していく。

 

 

 

「っ! セシリア!」

 

「よくも!」

 

 

 

落ちていくセシリアの救助に向かう鈴。

その鈴を守る様にして実弾の雨を降らせるシャル。

お得意の《ラピッド・スイッチ》で様々な銃を連射するが、高速飛行をする福音には、かすりもしない。

逆に福音は、実弾の射程外の位置まで逃げ、そこで反転。そこからエネルギーを収束し、巨大なエネルギー砲を発射する。

 

 

「うっ!?」

 

 

必死に福音を追っていた状態からいきなり放たれた砲撃に、シャルも咄嗟に判断が遅れた。

エネルギー砲が直撃するかと思ったその時、シャルと砲撃の間に、紅い機影が割り込む。

 

 

「ぐっ! ううっ……!」

 

「箒!?」

 

「私の事はいい! 今のうちに福音を……!」

 

「っ! わかった!」

 

 

紅椿の装甲を前面に展開して、砲撃を防ぐが、その勢いは減衰するどころか、どんどんと増大していく。

その隙にシャルは射線から外れ、右サイドから攻め込むつもりでいたが、とうとう箒と紅椿が、福音の砲撃に押されてしまった。

 

 

 

「うわっ!!!」

 

「こんのぉぉッ!!!!」

 

 

 

箒を落とされた事に怒り、シャルが次々と銃器を取り出しては、発砲する。だが、またしても福音は躱し、再びシャルに向けてエネルギー砲を発射した。

今度は予測していたのか、シャルも防御用パッケージのシステムを使い、盾を出すが、その砲撃を受けた瞬間に、機体もろとも弾き飛ばされてしまう。

 

 

 

「ぐうっ! そ、そんな……パワーが、今までのと……!」

 

 

 

直撃はしなかったというのに、圧倒的ととも言える威力を持った砲撃によって、さらに距離を開かれてしまった。

これでは手の出しようがない。

だが、そこに二つの機影が福音に向かって果敢に攻める。

 

 

 

「簪ちゃん!」

 

「うん! 《山嵐》!《春雷》! フルブラストーーッ!」

 

 

 

ミサイルに荷電粒子砲。

それらが一気に福音に迫るも、ミサイルはエネルギー弾によって撃ち落とされ、荷電粒子砲はエネルギー砲によって相殺される。

その場に広がったのは爆煙と、二つの砲撃がぶつかり合った事によって生じた巨大な光が弾け飛んだ光景だった。

だが、それでいいのだ……何故なら……。

 

 

 

「この間合いなら、外しはしないわ!」

 

 

弾幕の隙間を潜り抜け、刀奈の両手に握る二槍が、真紅に輝く。

 

 

「《ストライク・ピアーズ》ッ!!!!!」

 

 

 

二槍流スキルの突進型スキル。

左の槍で真横から薙ぎ払い、最後に右の槍で心臓をえぐると言う何ともグロテスクな技だ。

しかし、刀奈の攻撃は虚しくも福音に届かなかった。

 

 

 

「なっ、そんな!?」

 

 

 

右手で受け止めた《煌焔》と、左脇に抱える様にして《龍牙》を受けとめていた。

 

 

 

「くっ!」

 

 

 

咄嗟に二槍を話して、その場を離脱しようかと思ったが、そうはさせないと、福音の腕が伸びてきて、刀奈の首を掴む。

 

 

「がっ! こ、このっ……!」

 

 

首を絞めている腕を必死に剥がそうとするが、相当力が入っているのか、簡単に外すことはできないようだ。

 

 

「なら、これはどう……?!」

 

 

 

左手を伸ばし、指を一回、パチンッと鳴らす。

その瞬間、福音の体……強いては装甲と刀奈との間に、小規模の爆発が起きた。

ミステリアス・レイディの能力の一つ。アクア・クリスタルによって生成したナノマシンの水を霧状に浮遊させて、それを一気に気化させて水蒸気爆発させる《清き情熱(クリア・パッション)

それを至近距離でまともに食らえば、どんな人物だろうとその衝撃と熱で一発KOだ。

だが、いつまでたっても刀奈の首を握る腕が弱まることはなかった……。

むしろ、より一層強くなったかもしれない。

 

 

「あ、んぁあ……っ!」

 

 

 

ギリギリと首を絞める手に力が入る。

ISの絶対防御があるとはいえ、すでに首に極まってしまっているため、防御が役に立っていない。

どんどん息苦しくなる。

 

 

 

「ぐっ、ううっ……チ、チナ……ツ……」

 

 

 

自然と溢れた、愛する人の名前。

死ぬかもしれない……そう思った時、思いもよらない衝撃が訪れた。

 

 

 

 

キュウーーンッ!!!!!

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

 

突如、刀奈の首を絞める福音の腕に向かって、水色のライトエフェクトがぶつかる。

その衝撃で、福音は腕を離し、一旦距離を置く。

そして、そのままバランスを崩し、宙に放り出された刀奈をそっと優しく抱きかかえる誰か……。

 

 

 

「ぁ……!」

 

「もう、誰一人ーーーーッ」

 

 

 

湖に佇む麗人を守護せし騎士が、海を照らす月の光に照らされた翼と、新たに身を包んだ薄紫の甲冑を晒し、討つべき天使を見下ろしながら、腰にさしていた刀を抜き放ち、その鋒を向けていた。

 

 

 

「ーーーー俺の仲間を、墜とさせはしない!!!!」

 

 

 

腰の両サイドに追加で装備された4本の刀。

その全てが柄から刀身、鍔に至るまで、全てが純白。それを納める鞘もまた、純白。

今一夏が握っている刀もまた、その4本の内の一本。

新しく広がる蒼い翼。

白く二対になっていた以前の翼よりもずっとスマートになっており、蒼い翼は8枚に分かれ、翼の根元から黒いラインが先端部にまで伸びている。

 

 

「チ、チナツ……?!」

 

「ああ……待たせたな、カタナ」

 

「チ、チナツ……チナツゥッ!」

 

「うわっ!」

 

 

抱きかかえていたため、すぐ近くにいる最愛の人の顔を見た瞬間、刀奈の目からは涙が零れ落ち、両手で一夏の体を強く抱き締める。

そんな刀奈に、優しく抱き返す一夏。

 

 

 

「ごめん……心配かけたな」

 

「本当よ……! 死んじゃうんじゃないかって……っ」

 

「うん……でも、俺はちゃんとここにいる。俺はまだ、死ぬわけには行かないからな!」

 

「チナツ……」

 

 

 

 

優しく笑いかける一夏の顔に、自分の顔を近づける。

そして自然と、そのまま顔を、口元を近づけていき、やがて、二人は口付けをした。

 

 

 

 

「La〜〜ッ!!!!!」

 

「っ! 無粋な奴だな……!」

 

 

 

福音がエネルギー弾を撃ち出す。

それに対して一夏は、刀を一閃。《雪華楼》がその空間を閃き、純白の刀身から、刀奈を福音の手から救った時と同じライトエフェクトが煌めく。

ライトエフェクトは斬撃波となってエネルギー弾を斬り裂いていき、その後ろに控える福音のところまでその斬撃が襲いかかる。

だが、これを福音は難なく躱してみせるが、新たな装備を手にした一夏の姿に、ここへ来てより一層の警戒をし始めた。

 

 

 

 

「チナツ、あなた……それ…」

 

「ああ。どうやら、《二次移行(セカンド・シフト)》を起こしたみたいだ……」

 

 

 

 

《二次移行》……それを行えるISはまだ少なかったはずだ。

形態移行をするISは、長時間に渡るISの稼働によって、IS自身が搭乗者の癖などの理解し、搭乗者に最もふさわしい形に変化する……それがまず起こる《一次移行(ファーストシフト)》。

これが起こることで、ようやく専用ISは、“搭乗者の専用機” と呼べるものになる。

そしてそこから、その機体だけしか持ち得ない《単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)》をもつ機体《二次移行(セカンド・シフト)》へと形態変化するのだ。

だが、この《二次移行》を起こした機体は、数えられるほどしかいない。

 

 

 

 

「『白式・熾天』……それがこいつの名前だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から少し前、少女と騎士、そして少女ストレアからの試練を乗り越えた一夏は、すぐさま目を覚ました。

目が覚めて、すぐに目に入ったのは、旅館の天井だった。

 

 

 

 

「ん……そうか、現実世界……」

 

 

 

その事を再確認して、一夏は体を起こした。

口に付けられた酸素マスクを取り外し、体に付けられた心電図モニターの電極を外して、体の確認。

どういうわけか、一切の傷がない。火傷や裂傷くらいは覚悟していたのだが、打撲すらもない。

 

 

 

 

「どうなってんだ……? 確かに俺は……」

 

 

 

あの時、確かにエネルギー弾を至近距離で受けた。

その攻撃は、もしかしたら死んでもおかしくはなかったはずだった。

だが、ちゃんと生きていて、なおかつ無傷。

それはもう、奇跡という言葉で表せる出来事ではないだろうか……あるいは、悪運が強かったのか……。

どちらにしろ、一夏は生き残った。そして、戦うための新たな力を手に入れた。

 

 

 

「そうだ! こうしちゃいられない……!」

 

 

 

一夏は立ち上がり、襖を開けて、廊下を走る。

本来なら担任教師からの鉄拳制裁が入るところだが、今はそんな事態ではないので、思いのままだ。

そんな事を思いながら、海辺に出られる場所まで走る……その途中で……

 

 

 

「えっ?! お、織斑くん!?」

 

「えっ、うそ?!」

 

「おお〜〜、おりむーだぁ〜!」

 

 

 

一組のクラスメイト達と出会った。

正確に言えば、癒子とかなりん、のほほんさんの三人だ。

 

 

「おおっ! みんな」

 

「おおっ……じゃないよ! 織斑くんの方は大丈夫なの?!」

 

「け、怪我が酷かったんじゃ……」

 

「寝てなくていいの〜?」

 

「ああ……むしろなんか快調なくらいだよ」

 

 

 

本気で心配してくれているみたいで、あののんびり伸び伸びののほほんさんですら詰め寄って聞き出そうとしている。

 

 

 

「作戦は……まだ続いてるみたいだな……」

 

「うん……なんか、専用機持ちのみんなが、待機命令を無視して出撃したとかで……」

 

「あっはは……まぁ、そうだよな」

 

「そんな呑気に言ってられないよ……! 織斑先生たちもピリピリしてるし……」

 

「うんうん。私たちも〜、部屋から出るなって言われてて〜」

 

「そ、そうだったのか? じゃあ、なんで廊下に出てんの?」

 

「あっ、そ、それはそのぉ〜……そう! 誰かが走ってくる音が聞こえたからだよ!」

 

「う、うんうん! そ、そうなんだよ……」

 

「へ、へぇ〜……」

 

 

 

実際のところ、彼女たちも心配していたのだ。

一夏の事と、戦いに向かった面々の事が。

 

 

「そうか……でも、大丈夫。俺も今から行くから」

 

「そ、そうなんだ……って、ええ!?」

 

「だ、ダメだよ! 織斑くんは……」

 

「織斑先生に怒られるよぉ〜?」

 

「だろうな……でも、俺が行かなきゃいけないからさ」

 

 

 

そっと笑いかけて、一夏は走り去っていった。

そして、そのまま海辺に出て、その水平線の先にいるであろう福音に視線を向ける。

 

 

 

 

「さぁ、行こうか……来い! 白式!」

 

 

 

 

眩い光が迸る。

体に纏った新たな甲冑……。

元々あった白い装甲に、薄紫色の装甲が追加されていた。

 

 

 

「これは……ストレアの言っていた……?」

 

 

ストレアが渡してくれた甲冑。

ストレアを見た時に印象深かった彼女の纏っていたバトルドレスと同じ色。

そして腰にさしてある4本の刀……。

その全てが《雪華楼》と同じ純白の刀だった。

カスタム・ウイングのスラスターも、以前のような大きな二対の翼ではなく、もっとスマートで、白ではなく黒と蒼のツートンカラーの四枚二対の8枚の翼になっていた。

その姿に、一夏は白式自身が、大きく変化したことを認識した。

 

 

 

「白式……《熾天》……。そうか、《二次移行》したんだな……!」

 

 

 

新たに進化した相棒の姿に、胸が踊るような感覚をその身に感じた。

士気が高まったその意識を、そのまま水平線のその先に再度向ける。

 

 

 

「よし、行くぞ!」

 

 

 

イメージする。

素早く翼を広げ、最高速で水平線を斬り裂く様にして飛ぶイメージだ。

その瞬間、一夏は衝撃を受けた。

その衝撃はこの一日で、二度目の衝撃。

 

 

 

「ぐっ、これは!」

 

 

 

想像を絶する速度。

それは今日のお昼……箒に乗せてもらった時に受けた物とほぼ同じ衝撃だった。

 

 

「こいつはっ……最高だぜ!」

 

 

《イグニッション・ブースト》並みの速度で飛行できる紅椿の背中に乗っていた時、少なからず、一夏は羨望していた。

最新鋭の第四世代型のスピードに……。あの速さを体験してしまった時、白式でも飛べれば……と思ってしまった。

それが今、叶ったのだ。

 

 

 

「このまま行くぞ、《熾天》‼︎」

 

 

 

そしてそのままトップスピードを維持し、戦闘海域へと入った。

その時、落ちてくる箒の姿を確認すると、一夏はそのまま箒の救出に向かった。

 

 

「箒!」

 

 

進化した白式の速度は、以前とは桁違い。

箒と一夏の位置は、かなり離れていたにも関わらず、その速度を持って、海に堕ちようとしていた箒を寸でのところで広いあげる。

 

 

 

「箒……箒……っ!」

 

「ん、んん……!」

 

「箒、しっかりしろ……!」

 

「あ……い、一……一、夏?」

 

 

薄っすらと、瞼をあける。

そこに、自分のせいで傷つけてしまった人物がいた。

その光景に、箒は驚くとともに、感涙していた。

その目に一夏の顔が映し出された瞬間、箒の目からは涙が流れでた。

 

 

「い、一夏!? お前、体は!? 大丈夫なのか?!」

 

「落ち着けよ。体は大丈夫だ……むしろやる気が満ちているくらいだよ」

 

「そ……そうか……よかった……ほんとにっ、よかった……!」

 

 

一夏の無事が分かった瞬間、箒の中から溢れてくる感情。

自分のせいで、取り返しのつかない事をしてしまったと、今でも思っている。これで一夏が死んでしまっていたら、自分が許せなくて、箒も命を絶とうと考えたかもしれないほどに……。

そんな一夏が、今目の前にいる。

その事が、堪らなく嬉しかったのだ。

 

 

 

「一夏……私は、お前に……」

 

「それは後だ。まずは福音をなんとかしないと……」

 

「あ、ああ……。だが、奴は今まで以上に手強くなっているぞ……いくらお前が参戦しても……」

 

「心配すんな。俺はここで倒れるつもりはないし、お前を責めるつもりないからさ……」

 

「だ、だが! 私はーー」

 

「はい、そこまで。言ったろ、今は福音が最優先だ」

 

「あ、ああ……わかった」

 

 

 

どことなく気が引けている箒の様子に、一夏は苦笑いしながら、白式の拡張領域にしまってあった “ある物” を取り出した。

 

 

 

「ほら、これをやるから……元気出せよ」

 

「え? こ、これは……?」

 

 

 

箒に差し出された物……。

それは白いリボンだった。綺麗な白い生地に、紅く細い線が一本入った物。

その柄は、以前箒がつけていた緑色のリボンと同じものだった。

 

 

 

「今日は7月7日……お前の誕生日だろ?」

 

「あ……」

 

 

 

覚えてくれていた……。

ずっと前……六年前を最後に、ずっと会う事もなかった幼馴染の誕生日を……一夏は覚えていてくれたのだ。

 

 

 

「こんな物しか用意出来なくてごめんな……」

 

「そ、そんな事はない! その……ありがとう……」

 

「ほら、さっさといつもの髪型にして、いつものお前に戻れよ。お前は、こんな事でへこたれる様な奴じゃないだろ……!」

 

 

 

真っ直ぐ、箒の瞳を見つめる一夏。

箒に対して微笑む一夏の表情に、箒は昔を思い出した……。

昔、小学生の頃の思い出だ。

箒の正確、物言いから、箒はクラスの男子達から “男女” と呼ばれていた。その理由も、箒がつけていた緑色のリボンだ。そんな女の子らしい格好が似合わないと、男子達はからかっていたのだ。

箒自身、そんな輩に取り合うつもりは無かったし、無視をしていれば、傷つくのは自分だけだ。

だが、そんな男子たちを、叱りつけた生徒がいた。

それが一夏だった。

その後、小学生によくある話で、男女が一緒にいれば、やれ付き合っているだ、夫婦だとからかい始める。

そして喧嘩が始まるのだ。相手は三人……対してこちらは一夏が一人。

そんな中でも、一夏は相手に負けないほど強かった。一夏も殴られ、顔は腫れていたし、擦り傷も一つや二つでは無かった。

そこに先生が飛び込んできて、両方の保護者を召喚。喧嘩両成敗という事で、互いが頭を下げる形で事なきを得た。

こちらは一夏が千冬に大目玉を食らっていたが、この日は珍しく一夏が千冬に反論したのだ。

そして、いつもの様に箒の実家で剣道の稽古をして、その休憩中に、尋ねた……どうして自分を助けたのかと……。

 

 

 

「ああ? そんなの当たり前だろ。俺はあいつらが許せなかった……だから怒ったんだよ」

 

「ば、馬鹿かお前は……そんな事をして、喧嘩までして……。あんな奴ら、ほっとけばよかった物を……」

 

「それでも、俺は間違いだとは思ってない。だからお前も気にすんなよ……いつもみたいに、あのリボンをつけて来いよ。あの髪型、俺は似合ってると思うし」

 

「お、お前の指図は受けん!」

 

「そうかよ……」

 

 

今もそうだが、子供ながらに素直になれず、一夏に対しても、冷たかった。

しかし、あの時の一夏は、とても強く、そしてカッコ良く見えた。

そんな一夏の姿に、箒は一目惚れしたのだと思う。

 

 

 

「そんじゃ、とっとと稽古を再開しようぜ、篠ノ之」

 

「箒……」

 

「え?」

 

「箒だ……! うちは父と母も姉も、みんな『篠ノ之』なのだ。それじゃあ紛らわしいから、これから私の事は『箒』と呼べ」

 

「そうか……なら俺も!」

 

「なに?」

 

「俺も『織斑』は二人いるからな、俺の事も、『織斑』じゃなくて『一夏』って呼べよ!」

 

「……ああ、一夏」

 

「うん……これからもよろしくな、箒!」

 

 

 

 

 

幼い日の記憶。

今の一夏は、あの時と同じ目をしていた。

そして、一夏は箒に背中を向け、今もなお空中で戦っている刀奈たちに視線を向ける。

 

 

 

「じゃあ、俺は先に行ってるよ」

 

 

それだけ言い残して、一夏は先に飛び立った。

新しい翼を手に入れた一夏は、今までにないほど速く、美しいと思えた。

 

 

(私は……あの背中を追って……!)

 

 

 

そう、その隣に並びたいと思った。

一夏の様に強く、美しく……。

 

 

 

(私も、飛びたい……! 一夏と楯無さんのいる、高みへ……飛びたい!)

 

 

 

二人のいるところへ……どこまでも、高く飛びたい。

その願いを、紅椿が聞き入れた。

 

 

 

「ん、これは……!?」

 

 

 

突如、紅椿に変化が起きた。

すべての装甲が、黄金色に輝き始めたのだ。

この現象を、箒はよく知っている……これは《ワンオフ・アビリティー》の輝き。

一夏が発現させた時にみた輝きと、全く同じものだった。

 

 

 

「《絢爛舞踏》……紅椿のワンオフ・アビリティーか!?」

 

 

 

戦闘データが蓄積されていき、一定量を満たしたために起こったものだろう。

そしてそれを頷けるかの様に、箒の視線には能力の名と効果が表示された。

それを見て、ふっ、と笑うと、一夏からもらった白いリボンを、頭の後ろに持っていく。

デザインも、長さも同じ。一夏が褒めてくれた髪型……それを、一夏からもらった、大切なプレゼントでもう一度形作る。

 

 

 

「よし……行くぞ、紅椿!」

 

 

 

 

 

大空へと羽ばたく紅い翼。

ともに戦うために、ともに強くなっていくために……。

目指すべき高みに届くために……。

箒は飛んでいったのだった。

 

 

 

 






次こそは、次こそは大丈夫だと思います。

そして、長かった箒の一夏に対する気持ちの修繕なんかも、福音戦決着と同時に、ケリつけるつもりですので……。


感想、よろしくお願いします(⌒▽⌒)


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