ソードアート・ストラトス   作:剣舞士

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今回は一夏が見せます!

飛天御剣流抜刀術!!!





第18話 姉語り

「はっ‼︎」

 

「ふっ!」

 

 

 

アリーナ内に猛々しい闘気と剣戟の音が響く。

白銀の刀身と光学の刃。その二つがぶつかり合うたびに鋼の甲高い音と、火花が散る。

 

 

 

「これならどうだっ!」

 

 

 

ラウラが突っ込み、右の手刀で斬り込む。一夏はそれを体を屈めて躱す。だが、それでラウラは終わらず、今度は左の手刀を下から上へと斬り上げる。が、それを一夏は利用し、迫り来る手刀に自身の刀を合わせ、ラウラが振り上げた力を利用して自身も上へと飛ぶ。

 

 

 

「なっ!?」

 

「龍槌閃!!!」

 

「くっ!」

 

 

最初に食らった技。今まである程度の剣技や格闘技を見てきたラウラでさえ、躱すことが出来ず、また受け身態勢に入る。

一夏の剣の速さ、身のこなし……それら全てが、今まで見たことのない物だったからだ……。

いや、見たことはある……。形は違えど、同じ速さの剣をラウラは知っている。

 

 

 

(くっ! この速さ、威力……教官と戦っているようだ……!)

 

 

 

昔、ドイツにいた頃に一度だけ手合わせをした。到底勝てるとは思ってもいなかったが、それでもと願い出て、一本勝負をしてもらった。

その試合で見たのは、流れるような身のこなしに、素早い剣戟、一手一手が力強い剣術の技……。受け身でいるのに精一杯だった。だからこそ思った……この人には勝てない……世界最強の名は伊達ではないと……。

だが、今目の前にいる人物に、自分は押されていることを思い出す。

自身の目標、憧れの人の姉弟。二年間も寝たきりになっていた弟。戦力差なんて問題にならないと思っていた……。

 

 

 

「どうした? 受け身のままじゃ、殺られるだけだぜっ!」

 

「くっ! 舐めるなぁッ!」

 

 

 

必死に抵抗するラウラだが、相手の技量は予想以上にあった……。輝く刀身、そこから繰り出される光を纏った剣技。全てが洗練された動きと技の融合……。

とても戦い慣れていると感じた。やっていた物はゲーム……遊びだ。なのに現役軍人で、IS部隊の隊長であった自分をここまで追い込むほどの武芸者。

とても寝たきりだった人間とは思えない。

 

 

 

「このっ!」

 

「龍巻閃っ!」

 

「チィ!」

 

 

 

斬り込むがカウンター技を使われ、逆に危うくなり、今度は距離をとって相手の出方を待つ。

 

 

 

「まさか、これほどまでとはな……」

 

「どうした、怖気づいたか?」

 

「ふっ……そんなわけないだろう……。ここで私が引くと、本当に思っているのか?」

 

「…………」

 

 

 

 

ラウラと言葉を交わしながら、視線を後ろに向ける。

どうやら、鈴とセシリアは無事救出されたようだった。鈴を刀奈が抱え、セシリアは和人が抱えて避難する。

二人は重症……とまではいかなくても、かなりの怪我をしている。そして専用機もまた相当なダメージを負ったようだし、トーナメントは無理だろう。

 

 

 

「何故、あんな事をした」

 

「なに?」

 

「何故、鈴とセシリアにあんな事をしたのかって聞いてんだよ……」

 

「なんだ? 正義感でも芽生えたのか? くだらない……貴様は分かっているかは知らんが、ISは兵器だ。それ以上でもそれ以下でもない。十年前に出現して、あっと言う間に軍事バランスは崩壊させられた……。これを扱える我々は、選ばれし人間なのだと思うのが普通だろ。

だが、何だあいつらは? いや、ここの学園にいる奴らも同じだ。危機管理に疎く、ISをファッションか何かと勘違いしているのか? そして、貴様らもだ。ゲームの技? ふざけるなっ‼︎ 教官の栄光を汚したことに飽き足らず、二年もベッドで寝込み、教官をあそこまで追い込んでおいてよくも抜け抜けと……っ‼︎ だからこそ貴様を斬る! お前など、教官の足手まといでしかないのだからなっ‼︎」

 

「…………」

 

 

 

ラウラの言った言葉は、確かに正しい。

ISはその存在そのものが脅威だ。かつての最先端技術、主力となる兵器を軽々と凌駕し、兵器の頂点に君臨した。

それを恐れた世界はアラスカ条約を設け、兵器の転用を禁じ、あくまでスポーツと言うことで事なきを得ようと思っているのだ……だが、それでも世界がそれに従う事はない。軍での主力として取り入れ、世界ではテロリストなどの主力としてもなっている。

確かに、ここにいるみんな、他の代表候補生のみんなの意識がラウラよりも低いのかもしれない。だが……。

 

 

 

 

「それでも、ここまでやる必要はなかったはずだ……。それに、俺もお前に言っておきたいことがある」

 

「ん?」

 

「千冬姉の事は、俺が一番悔やんでるんだよ……! お前に言われなくてもな。あの時、俺に力があったら……どんなに良かったか……。千冬姉は、二連覇出来たかもしれない……千冬姉は、引退しなくて良かったかかもしれない……。

力が欲しかった……。そして、SAOに囚われて、俺も千冬姉のようになりたいと願い、なろうとした……。その結果で得られたものなんて、何も無かったけどな……」

 

「貴様……なにが言いたい」

 

「別に……お前には分からないだろうよ……。だからお前の言う事も正しいんじゃないかと思う。だがな、だからと言って、鈴とセシリアをあそこまで傷つけた挙句、SAO生還者である俺たちを馬鹿にしていい道理にはならないぜ?」

 

「はっ、たかがゲームで大袈裟な事を言う……。これだから素人は腹ただしい……っ‼︎ そんなに認められないならば、私に認めさせたらどうだ? 達者なのは口だけか?」

 

 

 

ラウラは余裕の笑みを浮かべては、一夏を挑発する。一夏はそれを聞き、「はぁー」と一度ため息をつくと、雪華楼を鞘に納める。

パチィン! という鞘の鯉口と鍔が合わさる独特の音がある。それは小さく、だが体の芯を突き抜けるような、確かな音を聞いた。

 

 

 

「…………そうか、なら見せてやるよ。だったら気を抜くなよ? ラウラ・ボーデヴィッヒ」

 

「何?」

 

「俺も手加減はする……だが、気を抜けばーーー」

 

 

一夏は静かに言った。

 

 

 

「ーーーお前、死ぬぜ?」

 

「ッ‼︎」

 

 

 

放たれる殺気。今までとは全く違う一夏の姿……顔つき、目つき、その姿全てから、とてつもない剣気を放っていた。

そして、気づいた時には、一夏の姿を見逃してしまっていた。

 

 

 

「なっ‼︎ 何処にーーー」

 

「ここだよ……っ‼︎」

 

「っ!?」

 

 

聞こえてきたのは背後。右に振り返り、その姿を見る。

その鋭い目つきは獲物を狩る獰猛な猛獣のようで、無駄の無い動きで繰り出される白銀の刀身は、確実にラウラの機体を捉えた。

 

 

「ぐぅっ!」

 

「はあっ!!!」

 

 

 

振り抜く一閃。背後からの一撃に、吹っ飛ばされるラウラ。そして、完璧に入った一撃によって絶対防御が発動し、シュヴァルツェア・レーゲンのシールドエネルギーが大幅に消費する。

 

 

 

「ば、馬鹿な!? 貴様、本当に素人か? 今の速さはーーー」

 

 

ラウラは見た。今の一夏の動き、それはかつて千冬が使っていた技だった。

 

 

(二重瞬間加速(ダブルイグニッション・ブースト)ーーー!!! 間違いない……あれは、教官も使っていた技だ……ッ‼︎)

 

 

 

千冬が現役時代に使っていた技。エネルギーを溜め、それを爆発的に弾けさせ、瞬間的に加速する技術……それがイグニッション・ブーストだ。だがこの技術は、イグニッション・ブースト中にもう一度イグニッション・ブーストを行うというその昔は、千冬しか使う事が出来なかった技術。今でもこれを扱える操縦者は、世界でもそう居ないだろう……。事態に驚くラウラ。だが、一夏はそれでも止まらない。

すぐにラウラに肉薄し、刀を振るう。

翡翠のライトエフェクトを纏った雪華楼の刀身は、確実にラウラを斬り刻む。

 

 

 

「龍巣閃・(がらみ)っ!!!」

 

 

 

連続8回攻撃のドラグーンアーツ。鈴との対戦の時にも使った技だが、これはその派生版。一点集中による連撃がラウラを襲うが、ラウラは咄嗟に反応し、両手に展開したプラズマ手刀をクロスさせて、受け止める。が、その鋭い剣戟と威力に、ラウラは苦悶の表情浮かべ、なんとか耐え抜くが、勢いを殺しきれず、踏ん張りを効かせる。

 

 

 

「くうぅぅぅ!! 馬鹿な、何故貴様がその技術を!」

 

「俺の教官は、とってもスパルタなんだよ……。弱点や苦手な事を平気で突いては、教えは手を抜かない。容赦無いんだよ……本当に。

この技術は、俺が身につけるべき技術だって言われてな……まぁ、その成果が出て良かったぜ」

 

「馬鹿な……この私でも出来ない事を……!!!」

 

「そうかよ……でもまぁ、その代わり俺は銃器が苦手なんでな……俺に出来るのは “コレ” だけだ……」

 

 

 

そう言って、一夏はラウラに見えるように雪華楼を掲げる。

 

 

「でも、俺は “コイツ” に絶対の自信を持ってる……だからこそ、お前に遅れは取らないぜ?」

 

「こいつ……!」

 

 

苦虫を噛み潰した様な表情で睨むラウラ。

そして、一度だけため息をつくと、左手を顔に持っていく。

 

 

「そうか……ならば、本当に貴様の評価を改めねばな……」

 

「そりゃあ、ありがたいな……」

 

「さて、では私も出し惜しみは無しに行くとしよう……」

 

 

そして、左眼に付けられた眼帯を取って見せた。

 

 

「っ!? お前、その目は……!」

 

「ふっ……。まぁ、驚くだろうな……この様な眼を見て奴はみんなその表情をする……。

我が部隊、『シュヴァルツェ・ハーゼ』の隊員達は皆持っている眼だ……こんなに変色してしまっているのは私だけだがな。それでは、行こうか……ッ‼︎」

 

 

 

改めて構え直す。

今までと違うのは、ラウラの眼帯だけではない……ラウラから、一切の油断、隙が無くなった。

 

 

 

「…………っ!」

 

 

 

一夏はもう一度ダブルイグニッション・ブーストでラウラの背後を取ると、振り向きざまに雪華楼を振り抜くが、そこで見たのは、完全に一夏の姿を捉えていたラウラの両眼だ。

 

 

「なっ……‼︎」

 

「もうその技は通じないっ‼︎」

 

 

 

一夏の刀を左の手刀で受け、今度はお返しとばかりに刀を弾いては、二刀による連続攻撃を仕掛ける。

一夏はなんとか先読みで躱していくが、先ほどまでと違い、ラウラの攻撃は確実に一夏を追い詰めていく様に繰り出される。

 

 

 

「っ‼︎ たった一度見ただけで、ここまで対応できるものなのか?!」

 

「普通ならば無理だな。だが、私の眼は別ものだっ!」

 

 

 

一夏の攻撃がさらに当たらなくなってきた。

ラウラも必死で攻撃するも、そのことごとくを打ち払われ、躱される。

長い間剣戟が続き、一旦両者ともに距離を取って構える。

 

 

 

「……その眼は、一体なんなんだ……」

 

「こいつは私にとって、呪いでしかないかった……。ISが出来た事によって、私は適性値向上のためにナノマシンを入れられたんだよ。

だが、それもうまく行かず、左眼は変色してしまい、ISの適性値は上がらぬまま、私は無能の烙印を押された。あの人が来るまでは……」

 

 

 

あの人とは、もちろん千冬の事だろう。

そして、今の話から察するに、ラウラにとっての千冬の存在は、世界中の誰よりも大きく、その心に焼きついているのだ。

 

 

「無能の私が、再び最強の称号を勝ち取って、ここまで来れた……。これもそれも教官あっての事だ。

だからこそ私はお前を認めない! あの人の弟である事も、貴様の所為で教官が二連覇という偉業を成し遂げられなかった事も、こんな島国で素人共に教鞭をする事も、全部無かった筈だ!

この眼と、教官から授かりし技術。私の全てを使って、貴様を倒す……!」

 

 

覚悟のある眼をしていた。

以前道半ばで立ち聞きした内容を思い出す。もう一度ドイツに戻り、自分の教官になって欲しいと。

その答えはNOだったが、それでも諦めきれていなかったのだろう。自身はまだまだ強くなりたい。確かに綺麗な願いであり、望みだ。

だが、それを聞いて「はい、そうですか」とは言えない。

一夏の中にも罪悪感はあるし、その分千冬に対してもっとしてやりたい事もある。

心配かけた事を謝りたい。仕事で疲れている時には、何かしてやりたい。

だからこそ、一夏も覚悟を決める。

 

 

 

「…………そうか。だが俺も引くわけにはいかない。ここでお前に負けたら、俺の信念を、俺の意思を曲げる事になる。そんな事は出来ない。

互いに譲れないものがあるなら、どっちかを叩っ斬るしかないだろ……ッ‼︎」

 

 

 

もう一度、雪華楼を鞘に納める。

だが今度は鞘をあらかじめ左手に持ったままに……。

 

 

 

「無駄だ。この眼『オーダン・ヴォージェ』の前では貴様の剣は見えている。

こいつは言うなれば『擬似ハイパーセンサー』だ。どんなに速い攻撃でも、こいつがある限り貴様の剣は私には届かない……それに、貴様のダブルイグニッション・ブーストはまだ不完全な物だ……完成していたのならば、話は別だが、もうそれは私には通じないぞ!」

 

「……そうか。まぁ、どっちでもいい。そんなものがあろうと無かろうと、俺はお前を斬るだけだ……。

それからもう一つ、お前に言っておかなきゃな……」

 

「ん?」

 

 

 

腰だめに構えたその構えは、抜刀術の構え。一夏が絶対の信頼を置いているその技術。

今までにない気迫が迫っていた。

だが、先ほどもラウラが言った通り、もうダブルイグニッション・ブーストは使えない。出来るには出来るが、まだ一夏は千冬ほどの技量にはいたっていないのか、まだまだ詰めが甘いところがある……。故に、オーダン・ヴォージェを展開しているラウラに対しては、もう使えない技だ。

 

 

「俺が斬ると言った以上、“お前の敗北は絶対だ”」

 

「っ!」

 

「見せてやるよ。お前が馬鹿にした俺の剣技を……。そして、何故俺が “抜刀斎” と呼ばれていたのかを……その名の由来、とくと味あわせてやる……っ‼︎」

 

 

 

また放たれる殺気。ラウラはいつも感じていた……この男から発せられるこの殺気は、どうしてこうも息が詰まるような濃密な殺気なのか……と。

 

 

 

(大体こいつは一般人だぞ……? 軍に所属していた記録もない。剣道をしていただけの人間が、ここまでの殺気……いや、“まるで何十人と人を殺めてきたかのような” 鬼のような殺気を纏えるものなのか……?)

 

 

 

軍人でもそういない、ただ放つだけで、身も毛もよだつような殺気を出せる人間。

千冬にも似たような殺気を放てるが、それでも千冬の場合は、相手を萎縮させる様な殺気だ……。決して相手を殺せるほどの殺気ではない。

だが、ラウラは頭を振り、邪念を振り払う。

 

 

 

(いや、いかに奴の抜刀術が速かろうと、私の左眼に敵うはずがない。ましてや抜刀術ならば、一撃目を躱してしまえばこちらのものだ……!)

 

 

そう、剣術の究極を極めた技の一つ『抜刀術』またの名を『居合斬り』だが、弱点は存在する。

その構えゆえに、一撃必殺の剣ではあるが、その一撃を躱されたときには、大きな隙を生んでしまうのだ。

故にこの技は一対一での勝負に使うのが常識だ。

ラウラは確信し、絶対の勝利を誓う。そして、先制をかけた。

 

 

 

「行くぞっ‼︎」

 

「っ!」

 

 

 

ラウラが駆け出し、一夏に肉薄する。

振り上げた右のプラズマ手刀。まだ一夏は刀を抜いていない。勝ったと思ったその時……。

 

 

 

「っ!!」

 

「んっ!?」

 

 

 

カッ、と見開かれた眼光。そして、その鞘内から放たれる紅の光。紅いライトエフェクトを纏った刀身の狙いは、ラウラの首元だった。しかも、先制したラウラよりも速く、ラウラの攻撃よりずっと速い。

 

 

 

(は、速いっ! これが最速の剣技か‼︎ だが、それでもーーっ!!!)

 

 

 

咄嗟に左手にも展開していた手刀で、一夏の一撃を裁く。

当然、振り抜いた後の一夏には、大きな隙が出来た。

 

 

(ココだ!!!!)

 

 

ラウラは笑みを浮かべ、その右のプラズマ手刀を振り下ろす。

 

 

 

「終わりだっ‼︎ 織斑 一夏ァァァァァっ!!!」

 

 

 

一夏の脳天に、その刃が降ろされる。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあダメよ、ラウラちゃん……」

 

 

鈴とセシリアを救出した刀奈が、静かに言った。

 

 

 

「その程度の罠じゃ、チナツの抜刀術を破る事は出来ないわよ……!」

 

 

 

 

 

 

ドフゥッ!!!

 

 

 

 

 

「かっはぁっ!!!?」

 

 

突如、腹部に大きな衝撃が走る。

目を向けると、そこには、刀身同じ “紅いライトエフェクトを纏った鞘” がラウラの腹部を抉るように入っていた。

 

 

 

「ふんっ!!」

 

「があっ!」

 

 

振り抜いた鞘によって、ラウラは後方に吹っ飛ばされる。

吹っ飛ばされたラウラは、そのまま転んで、うつ伏せに倒れる。腹部に手を当て、とても苦しんでいる様だった。

 

 

 

「さ、鞘……だと……っ!?」

 

「ドラグーンアーツ “抜刀術” 〈双龍閃〉ーー!!!」

 

 

 

一夏は静かに、だがその身に重くのしかかる様な、そんな声音でラウラに言う。

 

 

「確かに、抜刀術は一撃必殺の剣だ。それは相手にとっても、技を使うその使い手も同じだ……。お前のとった行動は間違いじゃないぜ…………。

だが、相手が悪かったな……‼︎ 俺の抜刀術は全てが隙のない “二段構え” なんだよ……。

そして、“抜刀術のなんたるかを知り尽くし、極めた男” ……それが『抜刀斎』という名の由来だ……!」

 

「ぐっ! くうぅぅああああ!!!」

 

 

 

力を振り絞り、立ち上がるラウラ。

 

 

 

「やめとけ。ISの絶対防御があるとはいえ、今のは確実に入ってるんだ……無理をすれば体に悪いぞ?」

 

「黙れっ! これしきの事で……‼︎ この私が、倒れると思うなっ‼︎」

 

 

 

ふらふらになりながらも、なんとかバランスを保ち、立っているラウラ。そして、展開したままだったプラズマ手刀を一夏に向ける。

 

 

 

「この程度、教官の訓練に比べればなんともない‼︎ 次は外さない……! 貴様は、私が斬るっ!!!!」

 

 

 

再び斬りかかるラウラ。そして、もう一度雪華楼を鞘に戻して構える一夏。

 

 

 

「おおおぉぉぉぉッ!!!!」

 

 

 

気迫のこもったラウラの一撃。一夏はそれを迎え撃とうとしたが、目の前に現れた人物に驚き、その腕を止めた。

 

 

 

ガキィィィィーーー!!!

 

 

 

「なっ!?」

 

「やれやれ、これだからガキの相手は面倒なんだ……」

 

「きょ、教官!!」

 

「織斑先生だ、馬鹿者ども!」

 

 

 

そう、一夏の姉にして、ラウラの憧れの存在である千冬本人だった。

いつものスーツ姿は変わりないが、その手には、打鉄の装備である日本刀型ブレード『葵』が握られている。

 

 

「って、千冬姉! ISブレード振れんのかよ!!!?」

 

「織斑先生だ! この馬鹿者がッ!」

 

「痛ってぇっ‼︎」

 

 

突如振り向きざまに脳天を叩かれる。しかもISブレードでだ……もちろん峰打ちではある。

 

 

「痛てぇなっ‼︎ それで殴るなよ! 死ぬだろ‼︎」

 

「いっそのこと死ね! この愚弟‼︎ 決闘するのは構わんが、アリーナのシールドを破壊するのは見逃せんからな‼︎」

 

 

 

そう言って、ブレードの切っ先を向ける。その先には、大きな穴の空いたアリーナと観客席を隔てているシールドエネルギーで編んでいる隔壁があった。

一夏が急いでセシリアと鈴を助ける為に、止むを得ず雪片弐型を展開して、破壊してしまったのだ。

 

 

 

「いや、だってよ……」

 

「言い訳するな、馬鹿が! 後で報告書と反省文を書かせる……拒否は許さんぞ」

 

「ぐうっ…………はい……」

 

 

 

力なく頷く一夏。その隣に刀奈と和人がやってきて、一夏の両肩にそれぞれ手を置いて慰める。

 

 

「さて、この様な事態が起こってしまった以上、もう決闘沙汰は勘弁願いたいところだな……。よって、トーナメント終了までの期間、今後一切の決闘を禁ずる! いいなっ!」

 

 

 

千冬のはっきりとした声に決闘を見ていたその場の生徒全員が返事をする。

 

 

「織斑、ボーデヴィッヒ。貴様らもいいな?」

 

「教官が、そう仰るなら……」

 

「織斑先生だ」

 

「は、はい! 織斑先生」

 

「いいな? 織斑」

 

「了解です、織斑先生」

 

「ふむ。ならばいい……もうアリーナの使用時間は過ぎている……今日はもう帰れ」

 

「はい」

 

 

 

そう言って、刀奈達と一緒にアリーナを出ようと思った時、千冬から再び呼ばれる。

 

 

 

「おい、一夏」

 

「ん? どうしたんだ? いきなり名前でなんて……」

 

「着替えが終わったら私のところへ来い。話がある」

 

「は、はい……」

 

 

それだけ言うと、千冬はその場を後にする。

頭を捻り、なんだろうと考えていると、アリーナの観客席の方で、箒とシャルロットと簪が心配そうにこちらを見ていた。

 

 

 

「おい、一夏。大丈夫だったのか?」

 

「箒……あぁ、見ての通りだよ。どこも怪我してないぜ?」

 

「はぁ…それならばいい」

 

「でも一夏、よくボーデヴィッヒさんとやりあえたね! 鈴とセシリアでも太刀打ちできなかったのに……」

 

「シャルル……。まぁ、正直に言うと、五分五分だったよ。あいつがAICを使っていたら、まずかったし、初見のダブルイグニッションが割と決まってたからだしな……」

 

「でも、あれを代表候補生でもない人が、使ってのを見たことが、ない。それだけでも、充分に代表候補生に足り得てる、と思う」

 

「それは大袈裟じゃないか? 簪」

 

 

苦笑しながら言う一夏に、簪とシャルロットが割と真面目な顔で首を振っていたのは言うまでもないが……。

その後、セシリアと鈴は救護班に引き渡され、学園の医療室へと移された。思うほど傷は浅く、本人達に命に別状は無いらしが、やはり機体のダメージレベルは深刻で、今回のトーナメント戦は出場休止が出された。

試合会場にもなるアリーナのシールドは、先生方の働きによって、なんとか修復が間に合った様だ。

作業をする先生方に頭を下げていた一夏の姿を見て、千冬を一緒になって頭を下げていたのは記憶に新しい。

そして、一夏は一度制服に着替えると、職員室へと赴く。そこには先ほどのスーツ姿の千冬が待っており、一夏の事を確認すると、茶色の大きな封筒を渡してくる。

 

 

「報告書と反省文十枚だ。明後日までに書き上げとけよ」

 

「うぅ……」

 

「い・い・な?」

 

「…………はい」

 

「さて、場所を移すぞ」

 

「えっ? ち、ちょっと……」

 

 

 

そう言うと、千冬は一夏襟首を掴み、引きずりながら職員室を出る。その光景を呆然と眺める教師陣。その中で真耶だけがニコニコと二人を見送っていた。

さて、一方の織斑姉弟は、廊下に出ると千冬が一夏を離し、向かい合う。

 

 

「えっと、織斑先生?」

 

「ちょっとばかし付き合え。場所は道場だ」

 

「道場?」

 

「先に行って待っていろ」

 

「あ、ああ……」

 

 

 

千冬はそのまま道場とは反対の職員用の更衣室へと向かい、一夏は言われた通りに道場へと向かう。

入学してから数日後に一度訪れた道場……。あの時は和人との生身での勝負をした。互いにまだまだ筋力が戻っていなかった為に、それほど長い時間は出来なかったが、あの頃のように互いの実力を称賛する様に剣を交わしあった。

あれから大体二ヶ月が経っただろうか……。一夏も少しずつは筋トレをするようになり、また、刀奈からのスパルタ指導に耐えられるようにたくさん飯を食ったりして、体を鍛えてきた。

 

 

 

「しかし、なんで道場?」

 

「アホかお前。道場でやる事は、稽古以外何でも無いだろう」

 

「ん?」

 

 

 

後ろを振り向く。そこには、胴着に身を包んだ千冬の姿があった。

 

 

「どうしたんだ? いきなりそんなもの着て」

 

「ほら、お前の胴着だ。早く着替えろ」

 

「お、おう……」

 

 

 

もらった胴着を道場の更衣室で着替え、道場内へと入る。

そこには、竹刀を二本持った千冬。その内の一本を一夏に対して投げる。

一夏はそれを受け取ると、そう言う事かと納得し、千冬に近づく。

 

 

 

「どうしたんだよ急に……。千冬姉が胴着着て稽古なんて珍しいじゃんか」

 

「私とて鍛練を怠ったりはしない……。久しぶりだ……稽古をつけてやる」

 

「……そうかい、ありがとよ」

 

 

 

 

防具は要らない。千冬はまず一夏の攻撃受けないだろう。また、一夏は、防具などに頼らない生きた剣術の型にはまっているが故に、防具は邪魔でしか無いのだ。

そして、一夏と千冬は向かい合い、構える。

 

 

「一夏、今のお前に出せる本気を出せ」

 

「ん?」

 

「剣道なんて生温いものでは無い。お前があの世界で培ったという技術を私に見せろと言っている」

 

「そう言われてもな……SAOの俺に比べたら、現実の俺はーーー」

 

「そんな事はどうでもいい。今のお前に出せる本気を出せ」

 

 

語るならば剣で。それが剣士の生き様だと言うように、千冬は語りかけてるのかもしれない。

その意図を、なんとなくだが、一夏と理解は出来た。だからこそその構えをとる。

一度持った竹刀を鞘に納めるよう左手に納める。

左足を引き、半身の姿勢。腰だめの姿勢に移り、鋭い眼光で千冬を捉える。

 

 

 

「行くぞ、千冬姉……!」

 

「ああ、来い……!」

 

 

 

駆け出す両者。

そして、勢いよくぶつかる竹刀。それによって発せられるパシィン‼︎ と言う竹独特の音。

それから大体どれくらいだろうか……三十分……いや、それより長いかもしれない。

たった二人しかいない道場内。時間が長いようで短く感じる。

それくらいの時間を、二人はずっと打ち合っていた。

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……ちょっと、タンマ……」

 

「情けない……まだ一時間も打ち合ってないぞ……」

 

「いや、やりたいのは山々なんだけど……体がついていかねぇって……」

 

「はぁ……仕方ない。今日はここまでにしよう」

 

「おう……」

 

 

 

 

力なくその場に大の字になって寝転がる一夏。

結局と言ってはなんだが、千冬からは一本も取れなかった。当然と言っては当然だ。そして、逆に一夏は何本も良い一撃をもらっている。そこまで大きな痣などは見当たらないが、所々は赤く腫れているところがあった……だが、それが痛む事は無かった。むしろ久しぶりに千冬と打ち合って、清々しい気持ちになったくらいだ。

 

 

 

「ふぅ……やっぱり強いなぁ〜千冬姉は」

 

「当たり前だ。まだまだお前のような半端者に負けるほど、私は弱くないぞ」

 

「あはは……返す言葉もないな……。それにしても久しぶりだな、千冬姉とこんな事したのって……。俺がまだ小学生の頃以来じゃないか?」

 

「そうだな……。まぁ、あの頃よりは少しはましになったんじゃないか?」

 

「そりゃそうだろうよ。伊達に二年も剣で戦っては来てねえっての」

 

「その話なんだがな、一夏」

 

「ん?」

 

 

 

不意に千冬が正座をし、一夏の隣に座る。

それにつられて、一夏も胡座をかいて座る。

 

 

 

「ボーデヴィッヒとの決闘の際、お前、相当強い殺気を出していたな?」

 

「……あぁ、あれな」

 

「お前がSAOでどんな事をしてきたのか、大まかな話は、お前が帰って来た時話してもらったが、肝心なところを聞いてなかった……」

 

「なんだ?」

 

 

 

一旦深呼吸をし、千冬は一夏に尋ねる。

 

 

 

「前に聞いた話、そして、お前の剣技や殺気を見るにだ……お前は、人を殺した事があるのか……?」

 

「…………」

 

 

 

 

やはり気づいていたかと思った一夏。あれだけわかりやすい殺気の出し方をしていたのだ。同じ剣士であり、姉である千冬には、いつかは気づかれると思っていた。

 

 

 

「それ以外でもだ。オルコットの試合や凰との試合、そして、さっきの決闘でのお前の剣技。特にさっきのお前が使った二段抜刀術……あんな技、このご時世に未だ存在している剣術の流派にはほとんどない、“生きた殺人剣” の流派だ」

 

 

 

そう、今は失われた剣術の流派。生き残ったとしても、それはスポーツや演武用に衰退していった技だ。

たが、一夏達の技は、確実に相手を殺せる剣術の技。

それがSAO時代は、モンスター相手だっただけで、それを人に使うとなれば、間違いなく人を殺せる。

そして、ずっと思っていた事、それは、一夏の戦い方だ。

一夏の身のこなし、それから繰り出される斬撃は、一撃で相手を倒せる剣技。普通の流派では、まず教えられない剣技だ。

 

 

「まぁ、千冬姉なら気づくと思ってたよ……。まぁ、そうだな……確かに、俺は、あの世界の中で人を殺した事がある」

 

「…………」

 

 

一夏の告白に、千冬はただ黙って聞く。

 

 

「俺さ、以前千冬姉が、モンド・グロッソの決勝戦を投げ捨てて、俺を助けに来てくれただろ? あの時、凄くカッコよく思ったんだ……。

だけどさ、同時に自分が弱かった事が悔しく思った……だってそうだろ? 俺があそこで捕まっていなければ、千冬姉は二連覇を成し遂げてたかもしれない……ラウラの言う事にも、一理ある」

 

「だが、それはもう終わった事だぞ……」

 

「分かってるよ。だけど、気持ちの問題でさ、俺はそうは行かなかったんだ……。

俺、SAOに囚われて、キリトさんに戦い方を教えてもらって、それからは一人で行動してたんだよ……その時に思ったんだ。この世界にも、理不尽な事がいっぱいある。だったら、それで苦しんでいる人を、俺が助けられたらなぁって……。

俺が、千冬姉にしてもらったみたいにさ」

 

「私たちは姉弟だったからだぞ? そこまでする必要があったのか? ましてや、どこの誰かもわからん人間相手に……」

 

「言いたい事は分かるよ。俺も今になって思い返せば、ただの偽善に満ちた事をやっていたんじゃないかってさ……。それでも、俺はそうしたかった……そうしたかったんだけどさ……」

 

 

 

一夏の顔が暗くなり、俯いた。

その手は、少し力が入り、拳を握っている。

 

 

「俺は、俺の勝手な都合、勝手な理想の為に、人を斬ったんだ……。相手はレッドプレイヤー……その世界で、殺人や犯罪を平気でやる集団だったけど……それでも、俺は、斬ってしまった。

でも、認められなかったんだ……俺がやっている事が、間違いなんかじゃないって信じていたかったから……」

 

 

 

ーーーいや、認めたくなかったんだ……。

 

 

言葉を振り絞るようにして発する。

千冬は何も言わず、ただじっと黙って、弟の話を聞くだけだ。

 

 

 

「それからは、戦いに明け暮れていたかな。ずっと戦って来た……それで、俺は気がついたんだよ……俺が守ってきた物は、何一つ無かったて事を……」

 

「…………」

 

「勝手な理想……それを夢見て、戦って、そして得られた物よりも、失った物の方が多かった……残ったのは、ただの後悔だけだった……」

 

 

 

そう言って、一度深呼吸をすると、もう一度口を開く。

 

 

「でも、流浪人として、各地を転々としていた頃からは、今のようになったけどさ……カタナと出会ってからは、もっと大事な物が分かった気がする……。

力の意味も、それを使う人の事も……!!!」

 

「……そうか……。一夏、一つ言っておく」

 

「なんだ?」

 

「お前は、自分の勝手な都合を押し付けたと言ったな? そして、守った物など無かったと……」

 

「ああ……」

 

「本当にそう思うのか?」

 

「え?」

 

 

 

千冬の言葉に思わず聞き返す。

 

 

 

「確かに、お前の理想や都合を押し付けたのはよくない……だが、お前のその考え方は、間違ってはいないさ……ただ、そのためにやるべき事を間違っただけだ。

そして、守った物など無かった……それも嘘だ。お前は、いろいろな土地を転々としたそうだな。そこで助けた人たちは、みんな助からなかったのか? 少なくとも、お前の助けで救われた人たちはいるはずだ……」

 

「あ……」

 

「一夏。お前の背負うべき業……それを私が負担する事は出来んし、お前はしないだろう……だがな、何もかも一人で解決しようとはするな。

お前の事を大事に思っている人間、お前の事が心配な人間、周りを見渡せば、いくらでもいるものだ……お前は一人ではないんだ……もっと周りに頼れ……いいな?」

 

「…………」

 

 

 

返事はすぐには出来なかった。姉弟であったとしても、そこまで迷惑はかけられない……ましてや、それが赤の他人になるとなおさらだ。

でも、仲間と言う存在。それらがなせる暖かさを、一夏はすでに知っている。

千冬、箒、鈴、セシリア、シャルロット、簪……IS学園で再開し、出会った仲間。

和人、明日奈、そして、SAOで出会った人たち……リズ、シリカ、クライン、エギル、ユイちゃん、リーファ。

そして、最愛の人……刀奈。

よく見渡せば……こんなにいるのだ。

 

 

 

「そう、か……そう、なんだよな……」

 

 

緊張の糸がほつれた様に、自然と微笑む一夏。

それを見て、「ふっ…」と鼻で笑う千冬。

 

 

「なんだよ、千冬姉」

 

「いや、やっとお前らしくなったと思ってな……」

 

「ん……」

 

「これから先も、いろんな壁にぶつかるだろう……だが、急ぐ事は何もない。

せいぜい足掻くんだな……ガキ…」

 

 

 

 

一夏の頭にぽんっと手を乗せて、道場を後にする千冬。

その姿を一夏は眺めてこう思った……。

 

 

 

ーーーやっぱり、かっこ良すぎだよ……千冬姉。

 

 

 

ラウラの一件で少しばかり気が張っていた様だったが、それもなんだかどうでもいいくらいに清々しい。

もしかすると、それを察してくれたのだろうか?

それを知るのは、千冬本人だけだろう……。

だが、感謝している。これで、心置きなく戦えるのだから……っ‼︎

 

 

 

「ありがとう……千冬姉」

 

 

聞こえるか聞こえないかぐらいの声で俺を言う。やはりいつまでも自分が追いかけ、追い越したいと思う存在だ。

その後、胴着のまま自分の部屋へと帰る。流石に胴着のそのままにして帰るのはマナー違反だし、もとより着替えるのが面倒だった。

途中で和人や明日奈たちと会って、「どうしたの?」と尋ねられた。

「ちょっとした人生相談に乗ってもらってました♪」と答えると、「ん?」と頭を捻っていた。

それから少しだけ談笑し、そのまま別れて部屋へと向かう。

部屋に帰るとシャルロットと簪が作戦会議を行っていた。許可をもらって、着替えをとってシャワー室へ直行。汗を流し、もう一度心を落ち着かせる。

 

 

 

(ラウラ・ボーデヴィッヒ……俺の剣がどこまで届くか……)

 

 

 

二年間で培った剣技。そして、その間に改めて考えさせられた人との関わり方、あり方。

力や暴力だけではない……第三の方法。それで、ラウラにもとどいたのなら……。

 

 

 

(負けられない理由が増えたな……)

 

 

 

苦笑しながら、シャワーを止め、体を拭いて部屋着を着る。

 

 

もう間近に迫ったトーナメント戦に備え、ゆっくり休む一夏であった……。

 

 

 

 

 

 

 

 





どうでしたか?

のらりくらりと書いていたのでなんだかキャラがおかしくなっていないか心配です……(ーー;)

感想、よろしくお願いします。^_^


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