神狩る(旧題:正義の味方+ハンター)   作:えそら

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2話 念能力者

 『めしどころ ごはん』にて合言葉を言い、奥の部屋に通された。

 その部屋自体がエレベーターという大がかりな仕掛けで、部屋ごと試験会場へ移動する。ゆっくり時間を掛け、遥か地下へと裕也を案内した。

 

 会場は既に300人程の受験者達がひしめいていた。皆ここまで来た猛者だけあり屈強だ。裕也など吹けば飛ばされそうである。

 入室した裕也に大多数の人間が視線を向け、すぐに興味を失う。

 さほど奇抜でもない没個性の新人が一人増えた。それ位の認識だろう。あえて言えば、裕也の片手の黒いアタッシュケースが目に付く程度か。

 

「はい、番号札です」

 

 背丈がやけに低い男性から、受験番号『328』のバッヂを頂く。

 どうも、とだけ答えて受け取った。

 人ごみに紛れる。

 

 さてこの中に念能力者は居るだろうか。

 見分ける方法は酷く単純だ。

 まず人類の大多数である非念能力者は一様に同じ。オーラを認識できないため、常に極少量のオーラを垂れ流している。

 

 比べ念能力者の場合は幾つかに別れる。

 オーラが拡散しないよう、体の周囲にとどめる『纏』と呼ばれる技術をしている者。平常時にはこの状態が最も多い。

 次いでオーラの発散を完全に止める『絶』。気配を絶ったり、回復力を促進させる効果があるため割合重宝される。

 さすがにオーラを生み出し発散させる『錬』を平常時でしている奴は居まいが。全力全快でやっている輩は修行馬鹿くらいだろう。

 そして念における自分だけの得意技。念の集大成である『発』。これが常態な者も僅かながらに居る。裕也の念神ヒナタとか。

 

 なおこの『纏』『絶』『錬』『発』を念の基本とし、四大行と呼んでいる。

 

 念能力者でオーラを垂れ流す者はほとんど居ない。念能力であるヒナタでさえ、主を差し置いて『纏』で日々を過ごしている。

 以上の観点で鑑みて、試験受験者の中で念能力者は三人。

 

「うわぁ……」

 

 その三人のいずれもが濃かった。関わりたくなかった。

 特にピエロ。なんでピエロが此処にいる。道化は速やかにサーカス団へと帰って観客を楽しませてあげてよ。むしろ喝采を浴びていろよ。こんな危険な試験で何をにこやかスマイル浮かべている他の一生懸命なピエロさんに謝れあとこっち見んな。

 

『ユウくん……?』

 

(なんでもないよ。ちょっとばかりヒナタに向かってる情熱的な視線がピエロで変態チックでドキドキしてただけだから。生贄役すまないッ!)

 

『ユウくん!? 待ってください、どこ行くんですか、いつだって私たちは運命共同体です!』

 

(複数の念能力者、こんな時こそ役割分担だよヒナタさん。俺はあっちの顔面針だらけの男を見張……いやあっちのドス黒い女を任され……いやいやその他大勢を傍観してますから!)

 

『とても不公平!?』

 

 一体どうしたと言わざるを得ない念能力者たちに眩暈が酷い。

 念能力者だって人間だ。他より多少殺伐としているが、まともな奴が大半を占める。だと言うのに、会場に集められし念能力者の過半数がゲテモノ。念体で浮遊する和服少女ヒナタも間違いなくゲテモノとして良いだろう。

 なんて濃さだ。一応 念能力者な程度の裕也まで一緒に見られては堪らない。

 

 ――黒塚 裕也はクールに去るぜ。

 

『逃がしません!』

 

(ヒナタてめぇぇぇ!?)

 

 まさかの首根っこを掴まれていた。

 圧倒的な力で引っ張られ、素早く首に両腕を回される。後ろから優しく抱きしめられて逃げられなくなった。

 念能力に手玉に取られた主。前代未聞である。

 

 あと熱烈な視線がピエロや顔面針やドス黒女から注がれていて気が気でない。

 てかなんか増えてる。

 

『ユウくん――――私たち、いつでも一緒ですよ』

 

(バカだなヒナタ……離れていても、いつだって通じ合っているさ)

 

『傍にいれば、尚更ですね』

 

(離れていてこそ、一緒の時が輝くんだよ)

 

 何この寸劇、とか言わないで欲しい。

 やっている本人は想いを通すため、懸命に言葉を紡いでいるのだ。その果てがあの茶番だっただけ。

 その所為で他の念能力者三人の視線が強まった気がする。

 気の所為にしてしまいたい。

 

 力のアドバンテージがヒナタにある以上、足掻いても抜け出せない。

 しかし説得には時間が掛かる。

 ここは第三者に頼るしかないだろう。

 ハンター試験を受ける上で、多少の調べは付いている。

 

 受験者のほとんどが、この試験を複数回目の挑戦としている。

 それほどに新人がハンター試験を突破するのは難しい。

 

 そして数少ない新人に対し、出る杭を打つ存在がいる。

 もはや調べは付いた。新人つぶしのトンパ。45歳。

 過去に35回も試験を受け、その数だけ脱落し、その内に違う愉悦を見出した男。

 すなわち、新人つぶしの、新人つぶしによる、新人つぶしのためのハンター受験。

 

 そして今は試験前という、他者と接触するに絶好の機会だ。

 新人つぶしとまで謳われたトンパが仕掛けてこない筈がない。

 

 ――さぁトンパ、仕掛けるべき新人は此処にいるぞ!

 

 その時、裕也の肩が叩かれる。

 状況を察したヒナタも裕也を開放した。

 口を歪め勝利を確信する。

 

(信じていたよトンパ、いやトンパ様。よく来てくれた!)

 

 振り向き、顔面針だらけな男を見た。

 

「なんで来ちゃったの!?」

 

「カタカタカタ」

 

「頼む日本語で喋ってくれ」

 

 裕也の言葉を無視して、顔面針はちぎったメモ用紙を渡す。

 

【受験番号99番、キルア=ゾルディックに手を出したら殺すよ】

 

「カタカタカタ」

 

「……うん、言いたいことは解った。前向きに検討しよう。だから日本語で喋ってくれ」

 

 というか何者だよキルア=ゾルディック。顔面針に愛されるキルア=ゾルディックに戦慄を禁じ得ない。99番、要注意だ。悪名高いゾルディック暗殺一家と同姓であるし。

 そして裕也の言葉を無視して去っていく顔面針。

 まるでキルア=ゾルディックが絡まなければ、裕也もヒナタも眼中にないと言わんばかりの態度だった。

 

 しかし所々で日本人アピールをしているのだが、まったく成果が出ない。

 今回に至っては、周りはおろか目前にいた顔面針すら無反応の始末である。

 

 この世界に来て二年。日本及び地球の情報はそれとなく調べてみたが芳しくない。やはり裕也以外の地球人はいないのだろうか。

 偶に日本アピールで反応する人はいる。だがそれはジャポンとかいう旧時代の日本みたいな国と捉えた人ばかりだった。

 

 ジャンポンという国があると知った時こそ、裕也は大笑いして急行し、似非日本の文化を満喫した。それでもやはり日本ではないと思い知らされた。日本はあんな危険な場所じゃない。間違っても多数の忍者から命を狙われるような国では断じてなかった。

 

(別に良いじゃないか、不法入国くらい……)

 

 悪いことなのは解る。しかし戸籍がない。どうしようもない。

 だからと言って警告なしで殺しに掛かるのは如何なものか。その物悲しさたるや、リアル忍者を見た感動がすぐ罵詈雑言に置き換わったほどだ。

 

 久しぶりの日本っぽい国にはしゃぎ過ぎて油断した。

 そのツケが来ただけとも言える。

 

 ジャポンについては、また行くということで置いておき。

 気が付けばピエロからの視線が和らいでいた。

 他の受験者の下見をしているようだ。

 

 裕也も他の人達に習い、続々と来る新たな受験者たちを眺める。

 暇になれば内心でヒナタと会話し時間を潰した。

 

 だが気を抜くことだけはできない。

 裕也はまだハンター試験の通過儀礼を浴びていないのだ。

 若干の面倒さと期待を込めて、その時を待つ。

 そして周りが騒がしくなったことに気付いた。皆が口々に「はじまった」だの「性質わりぃ」などと呟きながら、悪い笑みを浮かべている。

 

(なっ、嘘だろ……どうなっている)

 

 黒い髪が逆立った少年、金髪の中性的な少年、サングラスにスーツの青年。新たに試験会場へとやってきた三人の受験者。おそらくは新人であろう彼らに、笑顔をひっさげて歩み寄る一人の男がいた。

 ほどよく太った背が低めの45歳相当の男性。

 裕也ですら知っているその人物の名は、トンパ。

 目を疑うとはこのことだろう。

 新人潰しとまで呼ばれたその男は。

 

(なんで俺の所に来ない!? 情報屋から試験名物だって言われたから、地味に楽しみにしてたのに!)

 

 華麗に裕也をスルーして、新たな標的に狙いを定めていた。

 しかも軽やかに談笑を始め、上々の滑り出しを切っている。そして試験常連者や要注意人物を教えている。新人潰しのトンパが、ここまで不気味なほどただ親切な先達者だった。

 しかし会話の節目であからさまな行動に出る。

 トンパがバッグからジュースを三つ取り出したのだ。「のど乾いただろう」と新人三人に言って渡している。

 

(っイケナイ薬を入れたか、トンパ! くそっ、俺に持ってきたならそのジュース、すぐヒナタに飲ませてあげたものを!)

 

『えっ、ちょっと、聞き捨てならない言葉が聞こえたのですが』

 

(いやまだだ。諦めるのはまだ早い! 「新人同士で親交を深めようよ」そう話しかけ、自然な感じで溶け込めば――――駄目だ。圧倒的に時間が足りない!)

 

 作戦を実行すべく数歩進み出し、愕然とする。

 逆立った髪の少年がジュースを飲みかけ、吐きだしていた。

 曰く、このジュースは古くなっている。味が変、とのこと。

 さすがはハンター試験までこぎ着けた猛者。称賛する他ない。

 

 相手が一人ならば罠に掛かることもあるだろう。

 だが試験会場にこぎ着けた者が三人。その内の誰かが見破れば良いのだから、こうなることは予見していた。

 故に裕也が新人たちに溶け込むならば、ジュースを渡される前でなければならなかった。

 

(通過儀礼、何もしない内に終わっちゃったよ)

 

 これには裕也も項垂れるしかない。

 ネタの割れた毒入りジュースなどもう使わないだろう。

 ヒナタに飲ませてあげようと思っていたジュース。

 それを手にする機会を、どうしようもなく逃してしまったらしい。

 

 不甲斐ない想いを抱えて、元いた場所へと振り返る。

 ヒナタが忽然と消えていた。

 

 一体どこ行った、と周りを見渡し――――悪寒が背筋を駆け抜ける。

 

 周りがしんと静まった。

 受験者たちの視線の中心に、ピエロは立っている。

 吐き気を催すほどの濃密なオーラを発して。

 

「44番……奇術師ヒソカ」

 

 トンパの言葉が風に流れて聞こえてきた。

 道化の名を脳裏に刻む。

 

 裕也は自分の表情が抜け落ちるのを感じていた。

 だってこんなの見せられて、平静でなんていられない。

 

 ――ねぇヒナタ、なんでヒソカに喧嘩売ってんの?

 

 

 

 

 

 ヒソカという男は楽しむことを至高としている。

 楽しませることも吝かではない。

 闘争を肌で感じ取れるのは興奮だ。

 才気あふれる者が命を懸けている場面など心が躍る。

 

 トランプのマークが付いた奇抜な服装。頬に星と泪のメイクを入れるという徹底された道化のメイク。

 命の危険すら伴う場所で、それはまさしくヒソカの正装。

 それは致死の領域でこそ輝くピエロであった。

 

 逆立った赤い髪を撫で上げる。

 細く目を凝らし、共に楽しむべき獲物を下見する。

 

 ハンター試験の難易度は極めて高い。

 試験会場に辿り着いた人間は、皆 常人離れしていると言って良い。そんな猛者が三百人超、同じ空間にいる。だがヒソカのテンションはあまり高くなかった。

 ざっと見ではあるが、自身の欲求を満たせそうな傑物があまりに少ない。熱狂できるだけの才気ある者も少ない。

 本物の念能力者であるヒソカと他の受験者では、厳然とした実力差が横たわっている。

 ハンター試験という難関でさえ低レベルの遊戯に過ぎないのだ。

 

 それ故に、獲物の下見の中で肩をぶつけられた。

 こんな些細なことでも、気紛れで相手に殺意を抱いた。

 

 手に取った一枚のトランプにオーラを纏わせる。『周』と呼ばれるその技術により丈夫さと切れ味が上がった。

 命の散る様を見れば、気分も多少は向上するだろう。そう思い、一個の凶器と化したプラスチックカードを振り抜いた。振り抜こうとした。

 途中で、ヒソカの腕が掴まれる。

 朱い和服姿の少女。非念能力者では見ることさえ叶わない念体が、不満そうな顔をしてそこにいた。

 小奇麗な手からは想像できない万力のような力で、ヒソカの腕が軋みを上げる。瞬時に『錬』で強化するもビクともしない。

 

 笑みが止まらない。

 素晴らしい獲物が目前にいるのだ。

 どうして興奮を抑えられようか。

 

 もはやヒソカに、先ほど殺そうとした相手など見えていなかった。悲鳴を上げて後ずさっていようと、周りの静まり返った受験者たちと等しく有象無象も同然だった。

 

 自由な手で新しいトランプを取り『周』をする。常人では視認すら難しい速度で腕を振るった。

 ヒナタはあっさりとヒソカの腕を開放して後ろへ避ける。

 

「クックック❤」

 

 目標がヒナタへと移ったことに、その本人も気付いた。

 

『それでは失礼します』

 

 ヒソカの関心がヒナタにある内は、他の人間は比較的 安全だろう。

 だからヒナタはあっさりと引き下がる。

 じと目でため息を吐く裕也の元まで。

 

『えと、ごめんなさい……』

 

(良いよ別に、いつもの不治の病だろ)

 

 肩身は狭かった。

 

 それでもこのまま何事もなければ、またすぐ騒がしい雰囲気に戻っていただろう。

 だがそれはヒソカが面白くない。

 

 『周』をしたトランプを投げつける。

 対象は、明らかに念能力者でありながら、オーラを垂れ流す平凡そうな少年。

 そして想像通り、トランプはヒナタに叩き落とされた。

 

 周囲の受験者たちは声もなく驚愕する。

 彼ら非念能力者はヒナタなど見えていない。

 飛来したトランプが、いきなり直角に墜落したように見えたのだ。

 

「種も仕掛けもあるつまんない手品だよ。だからあまり気にすんなー」

 

 申し訳程度の言い訳を述べる。

 面倒そうに懐から一丁の拳銃を取り出した。

 

 全長270mm、50口径マグナム弾頭使用、装弾数8発、灰色の大型自動拳銃。

 

「通称『デア・フライシュッツ』シリーズ――――面白い物を持ち出すね◆」

 

 威力の高さも反動の大きさも、この世界の拳銃で世界最高峰。分厚い鉄板も貫通する怪物銃器である。

 そしてこの拳銃が特筆すべきはその頑丈さにある。

 それは使用素材から構造までに留まらない。長時間かけて念を込める特殊な紋様『神字』が刻まれていることが何より起因する。

 その強固さは『撃って殴れるハンドキャノン』のキャッチコピーからも伺える。

 

 地球基準で言えばかなりのロマン武器と成っている。

 威力を追求せずとも拳銃は当りさえすれば良い。そんな意見もあるかもしれない。

 残念ながら、ことこの世界ではその考えが通用しないことも間々ある。

 特に念能力者は、弾丸を受けても痛いで済まされるのもざらだ。

 

 この『デア・フライシュッツ』シリーズは、対念能力者用の威力を見据えて製造された。それ故の高火力。

 知名度は少なく、知る人ぞ知るやたら高価なぶっ壊れ銃器として評価されている。

 

「やる気になってくれて嬉しい……と言いたいけどね♠ 残念、君の手品はともかく君自身は邪魔なんだ◆ 視界に入らないでくれるかな❤」

 

「俺は思いました。人を楽しませるという本分を忘れたピエロは、別に試験前に蹴落としちゃっても構わないよねと」

 

「交渉決裂だね♣ それじゃ君の四肢を捥いだ後で、ゆっくり君の手品と逢引するよ❤」

 

「その発想にドン引きするよ」

 

 二人の軽口の応酬に、周囲の受験者たちは身動きすることすら困難だった。

 ヒソカは『錬』を維持した状態にいる。非念能力者でも知覚してしまう絡みつくような圧迫感は、非念能力者では抗うことさえ不可能。裕也に向く殺気の余波のみで吐き気すら覚え、皆一様に顔面を蒼白に変えている。

 故にこのヒソカを前にして、平然としていられる人間は、裕也を含む同じ念能力者の三人のみだった。内の一人が『絶』の状態で気配を殺し、裕也へと疾走する。黒い人影がナイフを振るい、ヒナタに止められた。即座に数歩引き下がる。

 

 無言で穴の開いたナイフを構える少女。

 褐色の肌に黒い瞳、黒い長髪をポニーテイルにしている。更に黒いローブを羽織り、ナイフまで黒に染まった物を使っている。上から下まで全て黒尽くめであった。

 

「そこのドス黒いお姫様まで参戦ね。ちょっと血気盛んすぎやしないかな。お兄さん心配です」

 

「……アンナだ」

 

 裕也の試験前に蹴落とすという言葉に呼応しての暗殺行為だろう。

 存在がバレた彼女は、不機嫌そうに状態を『錬』へ移行する。周囲を圧迫する気配が一つ増えた。

 その洗練された『錬』を裕也が見て、しばしヒナタに任せようと即決する。

 

「という訳で後がつかえてるんだ。今すぐリタイアしてくれないかな」

 

「女性のエスコートだ、君こそボクに任せてくれ❤ 二人とも楽しませると約束するよ◆」

 

 そしてどうしようもなく今更な意見の決裂を起こす。

 理解するまでもなく予見し、二人とも同時に動いた。

 

 裕也は銃口を突きつけようと。

 ヒソカはトランプを投げつけようと。

 

 

 ――ジリリリリリリリリリリリリリ!!

 

「ただ今を持って、受付時間を終了いたします」

 

 

 どうやら試験が始まるらしい。

 裕也は飛来したトランプを、銃身で受け止めながら思った。

 

「萎えちゃった◆」

 

 と言ってトランプを片付けるヒソカ。

 

「…………」

 

 無言で離れていくドス黒い、改めアンナ。

 

(なんか前途多難なので帰りたいです)

 

『そうですね……試験終わったら思い切り遊びましょう』

 

 軽口にも覇気がない。

 二人して異様に疲れていた。

 試験はまだ始まってすらいないのである。

 


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