「弱者に従って行くよりも、強者に引っ張って行ってもらいたい…大衆とはそのように怠惰で無責任な存在である」
byアドルフ・ヒトラー
―帝都郊外ナイトレイドアジト―
そのバカみたいにデカいアジトの会議室のような部屋にナイトレイドメンバーが全員集まっていた。
顔ぶれはそれほど変わらない、1人ほどいない事を除けば……。
すでに分かっているだろうが・・1人が死んだためこの場には居なかったまた1人は腕を折っているらしかった。
だがそこは殺し屋・・数名は割り切っているような顔つきだった……ただしあくまで表面上ではである。
「集まったな皆……。」
そうナジェンダが言い全体を見る。
「悪いニュースだ……。」
そうナジェンダは深刻な顔をして言う。
しかも場の空気も相当重い……。
「エスデスが北方を制圧し、帝都に戻ってきた。」
「「「「「!?」」」」」
その場を驚愕が襲う。
と言うのも、もともとの試算ではどんなに早くても一年は帝都を離れると思われていた人物が、たった数か月足らずで北方を制圧し舞戻ってきたのである。
驚かないほうが不思議と言っていいだろう。
「……レオーネ、帝都に行きエスデスの動向を探ってきてくれ。」
「了解!どんな奴か興味あったんだ!」
ナジェンダは煙草を出しながらレオーネにそう命令をだし、レオーネはそれに嬉々として答える。
レオーネの考えには隙あらば狩ってしまおうという考えがあったのは余談である。
「殺戮を繰り返す危険人物だぞ?用心しろ。」
「オーライ、オーライ。」
ナジェンダが忠告をするも軽く返事をするだけであった、それもそうだろうエスデスという人物を知らない人間にしてみればそれがどれだけ恐ろしい存在か頭でわかってもつい甘くみてしまう物である……。
まあ彼女の場合自分の戦闘能力へ対してかなりの自信があり、暗殺をハンティングと同義で考えてしまっている悪い癖もあるのだが……。
「そして、エスデスが帰還した時を同じくして・・帝都で文官の暗殺事件が起こっている、被害者は文官3名とその警護の人間60名・・問題は……ナイトレイドと書かれた紙が現場に残っている事。」
そういって取り出された紙にはナイトレイドのシンボルマークと共に“ナイトレイドが天誅を下す。”と書かれていた。
「俺たちに罪を押し付ける気か。」
「でもさ、普通ばれるだろ?犯行声明だなんてわざとらしい。」
ブラーとがそう言って嘆息するとタツミがもっともな意見を言う。
こういう犯行声明とは通常暗殺者は使用しないからである。
「始めはそう思われていたが、今は我々の仕業と断定された……。」
「!……何で?」
「殺されたのは皆一流の護衛を連れていた皇帝派の人間たちだ、並の賊では返り討ちに合うだけだ。」
実際そうである、中には精鋭近衛部隊の数名が護衛していた物もいたので尚更で唯一生き残った元大臣チョウリはナイトレイドに襲われたと証言しているらしく、それが拍車をかけていた。
「強そうなのを選んで襲ってるってわけね……、そんな事が出来るのは…。」
「此方と同等の力をもったもの。」
「つまり、帝具持ち・・エスデスの手の物と考えて間違いないだろう。」
当たり前だが、ナイトレイド内では簡単に結論がでるなぜなら彼らはやった事などない以上自分たちになすりつけられていると言い切れるからだ。
「何でそんな事……。」
「誘いだろ?本物をおびき寄せて狩る気だぜ。」
疑問を言うタツミにブラートは真剣に答える。
すると今度はナジェンダが煙草を持つ腕を上げて言う。
「これが罠だと分かったうえで、皆に言っておきたい・・今殺されているのは皇帝派の人間だ、能力が高いがあの街ひとつ消させた“狂王”に付く者たちだ・・しかし国を憂い大臣にあらがう者たちには違いが無い。」
ナジェンダはそこで一拍置くと皆をそれぞれを見る。
「彼らのような文官は確かに新しい国になった時必要な人材だ……しかしあの皇帝の配下に居る・・それでも後の貴重な人材をこれ以上失う訳にはいかない……お前たちの意見を聞きたい。」
そういって一度瞳を閉じ再び開けると他の皆を見据える。
「……俺は、政治とかよくわからねえけど・・ナイトレイドの名を外道な事に利用されている事に腹が立つ!」
「そうだな、その通りだタツミ!」
「アニキ……。」
そうタツミが言う、それに他の皆が面食らうがブラートはそう返す、すると他の皆もうなずく。
それを確認したナジェンダは椅子から立ち上がる。
「よし!決まりだ!」
そしていい笑顔で言うと続けて・・。
「勝手に名前を使ったらどうなるか、殺し屋の掟を教えてやれ!」
そう拳を握りしめ言う。
「次に狙われるであろう文官の候補は二組、アカメとラバック、タツミとブラートでそれぞれの護衛に当たれ。」
指名された4人はそれぞれが気を引き締めた顔をする。
どうやら彼らも相当頭に来ているようだ……。
その後それぞれが目標を知らされ行動に入った。
―こうしてナイトレイドは原作と同じく汚名返上の為行動にでる。
「頼むぞ……ナイトレイドに今付いて回る民衆の不信感を拂拭しなければならないからな……。」
そう呟くように言ったのは皆部屋を出ていった後一人残っていたナジェンダだった。
―スエズ大運河―
帝都へ海上交易でもたらされた物産を運搬するための巨大運河である。
そこに浮かぶ巨大客船“竜船”である。
この竜船は木造で排水量10000tの大型客船である、主機はディーゼルエンジンが使用され外見は中国で良き見られる派手な装飾に船体はガレオン船のようである。
その巨大客船は現在多くの役人、政治家、貴族を乗せていた。
1年に一度の催しものである、パーティーのようなものだ。
その船の一室、というかVIP室に一人の子供・・いや我らがヴィクター皇帝がいた。
勿論護衛に大尉とセバスチャン、フィニ、スネークなどが付いていた。
そしてこのメンバーは全て帝具持ちである。
大尉は自身が帝具である、そして持ち主はヴィクターである。
フィニは巨大な鋏型の帝具【万物両断エクスタス】を持っていた……。
残りの二人は闇に溶け込みある程度操る事が出来る帝具と爬虫類型の危険種を操る帝具である(この2つ名前募集)。
さて、今回なぜ皇帝自らこの竜船に乗り込んだのかと言うと……大尉の性能を確かめ、他の帝具使いがどれほど使えるか試すためであった……と言うのもリップバーン中尉の帝具【魔弾射手カスパール】以外は武装SS創設後使用されていないようで、皇帝がその性能を知りたがった事が理由に挙げられ。
もう一つ、この竜船に乗り込んでいる役人、政治家、貴族などの約9割が大臣派で残りもヴィクター皇帝にグスタフ/ドーラ80㎝列車砲による街消滅させた時以来反発している皇帝派1割が乗り込んでいたのである。
皇帝からすれば……。
「カモがネギどころか鍋と塩を持って来たな……。」
となるわけである。
「セバスチャン、用意は良いのか?」
「はい、すべて所定の位置に。」
「そうかそうか。」
ヴィクターとセバスチャンのやり取りは意味を理解できないが、不適に笑うヴィクターの存在で怪しい雰囲気を醸し出している。
「陛下~、お腹空きました~!」
「ん?それならそこの菓子を好きに食べてもいいぞ?」
「わ~い!ありがとうございます陛下!!」
見た目ヴィクターより年上のようなのに純粋な子供のような印象を受けるフィニと見た目子供だが中身がアレなため狂っているように見えるヴィクター……すさまじく正反対な二人の光景は結構面白い物だったりする。
そしてそれをセヴァスチャンがニヤニヤと笑っている、そして大尉とスネークは無表情である。
「『陛下!変な音が聞えるよ!』ってゲーテが言ってる……。」
「ん?なんだと?」
いきなりスネーク(もしくは蛇のゲーテ?)が言う、かすかに笛の音が聞こえてきた……。
「お、そろそろかな?では皆行こうか?」
「
ヴィクターがそう言うと御意とセバスチャンが言い、他の者も続く。
「さあ、やっと暴れられるな大尉?」
ゆく途中で大尉に怪しい笑みを浮かべ、大尉に問う。
その問いに大尉は無表情だった顔をニヤッと心底嬉しそうに浮かべ笑みをこぼした。
と言う事で今回は竜船の戦闘前までです。
戦闘は次回。
さて竜船の設定ですが……あくまで妄想です、そして排水量とかは完全に適当です。
まああれだけデカけりゃ10000t位ありそうですけどね。
今回ショタ出番少なかった……そのせいでイメージモデル暴露できないorz
まあ知りたい人居るかしりませんがw
最近早く更新できるけど文章が雑に……。
文才欲しいです(切実
それと前書きの名言(但し狂人か独裁者限定の)やっていいですよね?
いらないなら言ってください。
後スネークとセバスチャンの帝具名募集します。何かアイデアください(迫真
尚できればメッセージで送ってください(感想に書いちゃダメらしいので)、パソコン版じゃない人は申し訳ないです(汗
感想ご意見お待ちしています。