そしてここから新たなる戦いのステージが幕を開ける
体育館にて
コートの使用権を取り戻した女バス一同は練習に入るためロッカールームで着替えをしていた
「マホ~今日から新しいメンバーが来るヨ~」
「おっしゃー!」
メンバーが増えることを知らされて大喜びな真帆
「新しいメンバーですか?マリアちゃん、その人たちってもう来てるの?」
新メンバーが来ているか確認をする智花
「うん、入ってきてヨ~♪」
マリアが指を鳴らすと二人が入ってきた
「ポイントガード、島 風子です。スピードなら誰にも負けません。速きこと島風の如しです!」
「シューティングガード、瑞山 鳳です。もともとはポイントガードでしたがシューティングガードにコンバートしました。よろしくお願いします。あと、私のことは瑞鳳って呼んでください」
新メンバー二人が自己紹介を終える
「マリア、もう一人はどうしたの?」
一人いないことに気づく永塚
「もうひとり?あーリコか~。リコなら今やっと成田空港に着いたみたいだから、1時間すればくるヨ~」
「皆サン、練習ハジメマスヨー」
「あっデニスコーチが呼んでる。皆いこっ練習が始まるよ」
智花たちは練習を始めた
北条サイド
篁先生に理子の迎えをお願いされた北条は成田国際空港に向かっていた
「全く、篁にしろ羽多野にしろ人使いが荒いな。特に羽多野が…」
少し愚痴りながらも理子が来るのを待つ
「ヒルダもリサも理子より先に日本に行くなんてすごいショックぅ~確か、ここら辺に迎えの車が来ているって聞いたけどどこかな~」
理子も周囲を見渡して北条の車を探している
探し回って15分が経過した
「むぅ、迎え遅い~」
キャリーバッグを転し疲れて少ししゃがみ込む理子
その時、理子の目には北条が手を挙げてハンドシグナルを送っているのが見えた
「あの車かなぁ~」
理子は北条のGT‐Rに向かっていった
「ようやく来たようだな。理子、荷物を載せてくれ、今から練習場まで直行するぞ」
「うん、分かったぁ~」
理子はキャリーバッグをGT‐Rに積むと助手席に乗り込み出発した
それから1時間後、北条と理子は慧心学園に到着した
「北条センセイ、ソノ子がリコチャンデスヨネ?」
「あぁ、そうだが、篁先生の甥のあいつはどうした?」
「スバル?あいつは今日は用事があって来れない見たいデス」
「そ、そうか、全員呼び集めてくれ、新メンバーの紹介と俺の紹介もしなければならないからな」
「ハ、ハイ…皆サン、一度練習を切り上げて集まってー」
デニスが呼びかけると全員集まってくる
「いきなりだが、今日からオレ達と一緒にバスケ部で活動することになった顧問と部員の紹介をするゾー」
デニスが自己紹介を二人に振る
「オ、俺からか、北条凛だ、実家が医者で今、俺はこの慧心学園で医務室の先生で5年C組の副担任もやっている。これからよろしくな。ここで働く前はスポーツ医学を学んでいた。ケガをしたらいつでも言ってくれ。」
自己紹介を済ませる北条
そのテンポに乗るかのように理子も自己紹介を始めた
「はいはーい、私、峰理子って言うの~りこりんってよんでね~。ポジションはスモールフォワードをやってたよ~。これからよろしくね~」
かなりノリの軽い自己紹介をする理子
「早速だが理子チャン、早速だが5vs4の試合形式をやるから実力を見せてクレ!」
「おー分かった~」
女子バスケ部の部員はゲーム形式の練習を始めた
チームA
三沢
香椎
湊
永塚
袴田
チームB
峰
マリア
島風
瑞鳳
以上のチーム分けになった
「おぉ~マリアと一緒だ~」
「理子ちゃん。久しぶりだね一緒に練習するの、今日からまたよろしくね」
「ひなたちゃん…私たちも負けてられないね。」
「おーひなたちもがんばるー」
試合形式に伴ってジャンプボールから始まろうとしている
「理子~ジャンプボールは理子が行ったら?」
「えっいいの?じゃあ遠慮なく~」
Bチームは理子がジャンプボールに出る
Aチームの方は智花がジャンプボールに出る
「ふっふっふっ手加減はしないよ智ちゃん。」
「わ、私だって負けませんよ。」
準備が完了する二人
「準備は出来たようダナ。始めるゾ!」
デニスは高くボールを投げる
「取れる!」
智花はいつもどおりのジャンプでボールを取りに行く
「この高さ、理子も行けるよ~」
しかし理子は智花の10cm上でボールを弾く
「う、うそっ…」
ジャンプボールを奪われて動揺する智花
「島風、いっきまーす!」
弾いたボールを島風が取り速攻で攻め入る
「行かせるかぁー!」
真帆もなんとか島風に食いついてマークする
「瑞鳳ちゃん!」
瑞鳳にパスを出す島風
「決めさせない!」
「おーひな、ずいほうにまっちあっぷ~」
「いきなりやらせません!」
永塚、袴田、香椎のトリプルチームで瑞鳳をマークしている
「決めます!」
瑞鳳は無茶を承知でシュートを決めに行くがタイミングよくジャンプした愛莉によって弾かれてしまう
「いっただき~」
理子がこぼれ球を拾う
「あっ…」
反応が間に合わず棒立ちになる永塚
「これで決まりだよ~」
跳躍力を活かしてダンクを決める理子
しかし、ここでデニスは笛を鳴らした
「規定時間が来ちまった。今日はここまでダ」
いつの間にか時間が経っており6時半近くになっていた
その後、女子バスケ部メンバーはシャワールームで汗を流しスクールバスに乗って帰っていった
理子宅にて
スクールバスに揺られて帰宅した理子は風呂に入ってご飯を食べてヒルダやリサとベッドルームでバスケのことを話していた
「おかえり、理子、来日早々部活に合流したみたいだけどどうだったの?」
理子に部活のことを聞くヒルダ
「結構楽しいよ~コーチにアメリカの名選手のデニスが居たしね~ヒルダ達はどうだったの?」
「わ、私たち?七芝高校じゃ同好会だったけど楽しいかったわよ。ねぇリサ?」
「は、はい!すごく楽しかったです。でも、デニスさんに会えなかったのはちょっと残念でした。」
ヒルダとリサも楽しかったようだがデニスに会えなかったことを少し残念がるリサ
「たしか、デニスも七芝にいるって言ってたよ~。」
七芝にデニスがいることを伝える理子
「そ、そうだったのですか?」
「そうよ、リサ、同じクラスなんだから知らなかったらおかしいわよ。」
「えっ…ヒルダさんは知っていたのですか…」
「そ、そうよ」
ヒルダはデニスが七芝にいることを知っていたようだ
「もう寝ましょうか。もう夜11時だし」
「そ、そだねー。おやすみー」
「は、はい!おやすみなさい」
ヒルダ、リサ、理子の3人は眠った
新顧問に北条、新入部員に島風、理子、瑞鳳を迎え入れた新体制の女バスが始動した
そしてここから慧心学園女子バスケ部の新しい戦いが幕を開けるのであった