ロウきゅーぶ! 天使と悪魔   作:海王

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部長の不祥事による休部騒動から数日が過ぎたある日
デニスは妹であるマリアからコーチをして欲しいと頼まれた
この頼みがデニスにとって大きな転機となるのであった



第2話 コーチ始動

七芝高校にて

「あーバスケがしてええええええ」

バスケができなくてある意味禁断症状になっている

「おーい、デニス、飯食べに行かないか?」

デニスを昼食に誘う万里

「いいぞ…」

デニスと万里は学食に向かった

学食にて

デニスはカツ丼

万里は牛丼を注文し席を確保していた

「こうやってお前と席を共にして飯を食うのはドリームチームとの交流試合の時以来だなバンリ」

「そうだな、デニス、ってあの時よりまた一回り大きくなったか?あの頃もデカかったがな」

久しぶりの会食で談を弾ませている元Jrドリームチーム(アメリカ代表)のデニスと元日本選抜の万里

「そういえば、オレのメテオゲイザーを止めたのもお前だなバンリ」

「おっ、そういえばそうだったな、今からやるか?また止めてやるよお前のメテオゲイザーをな!」

「言ってくれるジャン、バンリ、次はお前をぶっ潰す!」

二人は食事を済ませると体育館へ向かった

体育館にて

「フッ、こうやってお前と1on1をやるのも交流試合の時以来だな」

「そうだな、じゃっ久方ぶりに始めるとしようぜ!デニス!」

万里とデニスの1on1が始まった

「抜けるものなら抜いてみろよデニス」

「言ったナ。吹っ飛ばされても知らねぇゾ!」

元日本選抜と元Jrドリームチームのメンバーさながらのハイレベルな攻防が繰り広げられる

「やるナ…でもこれならどうダ!」

3Pゾーンギリギリからシュートを決めに行く

「させるかよ!」

万里は3Pシュートをなんとか手に当てる

手に当たったせいかボールは入らずに正面に跳ね返る

「今ダ!」

「あのダンクは決めさせないぞ!」

万里はグレートウォールの本領を発揮しかつて止めた時と同じようにダンクを阻止しようとする

「あの時と同じように行くと思うナ!」

ボールを持っている腕を力強く振り下ろしダンクを決める

「や、やっぱ、すげぇなバンリ。あの時より格段に力がましてるな」

「デニス、お前もだろ、俺も吹っ飛ばされちまったしな」

デニスvs万里の1on1はデニスの勝利で終わった

 

放課後

学校の全ての授業が終わり、デニスは即座に帰宅しようとすると妹であるマリアから電話がかかってきた。

「どうしタ?ケガでもしたのカ?」

「違うよぉ、お兄チャン。実はちょっとお願いがあるの」

「お願い?」

マリアのお願いに頭をかしげる

「実はね…お兄チャンにも女バスのコーチをやってほしいの…」

妹にコーチのお願いをされる

デニスはアメリカにいた頃は指導者の資格もあったがそれが日本で使えるかわからない

「にも?どういうことだマリア?」

「スバルさんって人がコーチを任されているらしいけど、今日、急にミホシ先生からお兄チャンにもコーチをやってほしいってお願いされて…確かお兄チャンってアメリカでミニバスの指導もやってたよね。多分その経歴を見込まれてだと思うの…」

真意を伝えるマリア

「イイダロウ。ちょっとお兄チャン、アメリカの頃のミニバスの指導者の書類持ってくるから少し遅れるがイイカ?」

「うん。イイよ、お兄チャン。じゃぁ待ってるヨー」

マリアとの通話が終わるとデニスは家に書類をとって慧心学園に向かった

慧心学園 正門付近にて

書類を一式持って慧心学園にたどり着いたデニスは正門でミホシという教師を待っていた

(や、やばいよ。この人、私が行っても全然歯が立ちそうにないであります…)

正門で待っているデニスを見て警備員はビビリ上がっている

「あのォ…」

「ヒィっ!…」

デニスが警備員に話しかけると警備員はキョドってしまう

「そんなに慌てないでください。デニスって言うものですがミホシという先生の紹介で女子バスケのコーチに来マシタ」

事情を説明するデニス

「み、篁先生のご、ご紹介ですね!い、今すぐお呼び致します」

警備員は慌てふためき警備室の電話から篁の携帯に一報を入れる

それから数分が経過した

ようやくデニスを呼びつけた篁という教師が来た

「オーわリィわりぃ、でも警備員が半泣きだったけど何かやったのか?」

「ただ道を聞いただけデスヨ。」

「まぁ、そんなに体がでかかったら無理ないわなww」

篁はデニスを体育館に連れて行った

「おーっす、スバルやってるかー」

「あぁ、やってるさ…ってデニス!?なんでお前が来てんだよ!」

デニスが来ることを知らされなくて驚いている昴

「オレモ、呼ばれタからナ」

事情を説明するデニス

「あーなるほどな。」

「ソウダナ。スバル、俺はあのアイリとかいう選手が気になっている。ちょっと話がしたいから呼んでくれないカ?」

「分かった。愛莉、コーチが話があるみたいだから一度練習から外れてくれないか?」

「わ、分かりました…」

愛莉はデニスの元へ向かった

「キミがアイリだな?ハジメマシテ、俺はデニス・オニール、いっつも妹が世話になってるみたいだな。」

「はっ、はい…マリアちゃんがいつもお世話になってます…」

「妹から話を聞いているんだが、何かコンプレッスがあるようだな。」

「は、はい、私、身体が大きい割にビビリで…だから、威嚇されたら全然動けないんです。」

「大きくてビビリか…」

デニスは解決方法を模索する

!!!

デニスは解決策を思いついた

「アイリちゃん、俺はお前より一回り以上体が大きいが、お前も他のメンバーからしたら体がでかい。体がでかいといいことはたくさんある!それなのにビビってばかりいたらそれこそ宝の持ち腐れってもんだ!」

体が大きいことを褒めて愛莉を勇気づける

「大きいっていいことなんですね…デニスさんの言葉に励まされました。私、もうおどけるのはやめます!」

おどおどしていた様子から一変やる気と元気に満ち溢れた表情になる愛莉

その後彼女は走って練習に戻っていった

「お待たせ、スバル」

「意外に早かったんだな、それはそうと愛莉がさっきよりイキイキとしているけど何かやったのか?」

「ナニ、ちょっとしたゲキを入れただけダ」

「そ、そうか」

二人は智花たちの練習を見守る

コートでは3on3による実践練習が行われている

「行くヨ!トモカ!」

「止めてみせます!」

マリアのマークに智花がついている

「マリアちゃん!」

先ほどデニスの激励を受けた愛莉が後ろから上がってくる

「アイリ、マカセタ!」

パスを出す

「はい!」

「アイリーン、行かせないよ~」

愛莉のマークに真帆がつく

「おー、あいりこっちー」

「ひなたちゃん!」

愛莉は真帆の手が届かない高さからひなたにパスを出す

「まかされたー」

「行かせないわ!」

ひなたのマークに永塚がつく

しかし時すでに遅し、ひなたは永塚をすり抜けていた

「おーひなたシュートするー」

フォームは滅茶苦茶だがレイアップシュートらしきものを決める

「そこまでだー」

それと同時にスバルが練習を止める

規定時間の6時半近くになっていた

「「「「「ありがとうございましたー!!」」」」」

智花たちは片付けを済ませシャワールームに向かった

シャワールームにて

「アイリーン、今日は積極的だったけど何かあったのか?」

「はい。実はマリアちゃんのお兄さんに励ましてもらいました」

「へーなんていってもらったんだ?」

「ないしょだよ~」

「それにしても今日から来たデニスってコーチ、結構大きかったですね。」

永塚はどうやらデニスのことはデータを手に入れているようだ

「マリアちゃんって私と張り合えていたようですけど、バスケの経験があったのですか?」

「バスケの経験デスカ?それならアメリカの選抜チームでプレーしていたことがありマス、それにアメリカのファイブクイーンにも選ばれたほどデス♪」

経歴を語るマリア

「すげー!レベル90はあるよーあたしらだってまだレベル8くらいなのに」

「ソンナコトナイデスヨ~マホさんたちはレベル20くらいはありますってーそれに、マホさんは光り輝くものを持ってマス♪」

「そうかー?あたし頑張る!」

マリアの一言が真帆の闘志に火をつけるのであった

 

コーチ陣の帰り道

「スバル、たしかお前、今日ので5日目だったよな?篁サンから聞いているゾ」

「そうだが、お前に何か関係があるのかよ?」

「お前はあと二日ってわけだが俺はこの1、2年はコーチを続けてやろうと思う。」

「1、2年って、お前正気か?今の状態だったら成長はしているが男子バスケに勝つのはほぼ不可能なんだぞ!」

ほぼ諦め気味なスバル

「それは今までの話ダロ?今は俺の妹でアメリカのファイブクイーンのマリアがいる。勝機は十分ダ。」

「そ、そんなにスゴイのかよマリアって。」

「あぁ、だから、ミホシからもらったこのデータで男子バスケの弱点を探して徹底的解析するゾ、お前んちでな」

「お、おう」

その後、デニスはスバルの家に泊まりがけで男子バスケの解析を行った

 

次回 決戦の時!

 


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