朝、それぞれの新天地に向かうのであった
朝
マリアの兄であるデニスはアメリカにいた頃の日課であるリバウンドからのダンク練習100本を行っていた
「オリャああああああ!」
90本目のリバウンドからの強烈なダンクを決める
強烈なダンクシュートが炸裂し家のバスケットゴールが揺れる
「お兄ちゃん、おはよぉ~。朝ごはんできてるよ~」
日本式の朝食であるオニギリと卵焼きと漬物をお茶とセットで持ってくるマリア
「oh…もうこんな時間カ。早く食ってシャワー浴びて学校に行かなきゃなァ。マリアも今日からだろ?」
「うん。慧心ってところに転入するんだけど、また新しい友達とバスケットボール出来るといいなぁ~」
新しい場所での新しい友達を楽しみにしているマリア
「ソ、ソウカ、俺も新しい場所であいつらと同じレベルのやつらがいるといいなぁ。」
転入先でメンバーのレベルを期待しているデニス
「お兄ちゃん。いきなりレベルを要求しちゃだめだよ。仲良くしなきゃあ」
「ソウだな…あいつらとやっていた時みたいに仲良くやらねぇとな…」
その後ふたりは縁側で朝食をとりそれぞれの学校に向かった
デニスサイド
七芝高校に転入したデニス
デニスは新入生の実力テストも兼ねたミニゲームで先輩たちにアピールするため
フィールドで軽くアップを済ませて試合を開始するためチーム分けを見ていた
チーム分けは以下のようになっていた
Aチーム
長谷川昴
デニス
大和田
池山
桂山
Bチーム
小杉
貴山
花木
小松田
柳
この2チームに分かれた
そして実力テストをかけたミニゲームは始まった
「もらったァ!」
ジャンプボールでデニスは力強く飛び跳ね長谷川にボールを弾く
「行くぞ!」
長谷川はボールをドリブルでゴール前まで運びシュートする
開始早々にAが先制した
しかしBも黙っていなかった
「反撃や!」
小杉がボールをロングで投げると
デニスに近い体格の花木がパスを受けゴール付近に接近する
「決めてやる!!」
花木は無謀にもダンクを決めに行こうとする
「ダンクだト…やらせるかよ!」
アメリカ流のパワー溢れるプレーでデニスはボールもろとも花山を叩き落とす
「す、すげえ!あの名門王龍中出身の花木のダンクを止めやがった!」
「すげぇ、あのデニスってやつ、アメリカ最強クラスは名前だけじゃねぇ!」
デニスのパワープレイに驚く上級生
このパワープレイはデニスのプレイの一部でしかなかった
ここからデニスが『アバドン』と呼ばれるプレイが始まった
「あの野郎!!」
花木も叩き落とされるも攻め込む長谷川とデニスを止めに入る
「行かせるか!」
巨大な体で長谷川を潰しにかかる
「デニス!!」
潰す勢いで防御に入った花木の裏をかくかのようにアンダースローでシュートを決めようとする長谷川
しかしシュートが決まるわけがなく正面にはじかれた
「「「やらせるか!」」」
小松田、柳、貴山の3人がリバウンドのボールに飛びついてダンクの体制のデニスをとめに入る
このワンプレイを体感したBチームのメンバーとAチームのデニス以外のメンバー、そして上級生はデニスとデビルとしての片鱗を見るのであった
「3人掛りで止めれると思うんじゃねぇゾ!雑魚どもが!」
「「「なんだとぉ!!」」」
止めにはいった小松田、柳、貴山をも、そのままゴールに押し込む勢いで両腕の力を駆使して決めに行く
「腕に2、3本は覚悟しておけ!!ここで一気に突っ込む!メテオゲイザー!」
両腕の力を駆使した全力ダンクが爆裂する
ゴールに押し込むとまではいかなかったが小山田、柳、貴山はゴール下に叩きつけられる
叩きつけられた三人は背中を強く打ち悶える
このプレイでキリがいいと判断した上級生は練習を中断させた
そして練習を中断した一同は部室に集まった
バスケ部部室にて
「杉本センパイ、重大報告ってナンデスカ?」
報告の内容を聞くデニス
「デニス、それは今から話すところだ、部長が不祥事を起こしたため、我々バスケ部に1年間の活動謹慎処分が下った…俺も誠に残念だと思う。」
杉本先輩から処分を聞かされて部員は深い絶望に陥った
「ファック!」
デニスは苛立ちのあまり部室近くの大木を力強く蹴りつけた
怒りの力がこもったケリを食らった大木は激しく揺れる
「水崎…殺ス…コロセナクテモハンゴロシ…」
「お、おい落ち着けってデニス!部長の不祥事で謹慎になったからって殺しに行くことはねぇだろ!」
「トメルナヨスバル…オレのアメリカ留学を無駄に踏みにじったオトシマエ付けてもらわなきゃナットクデキネェ!」
怒り狂ったデニスは水崎部長を殺す勢いで探しに行く
「先輩方!デニスを止めるのを手伝ってください!このままじゃ本気で水崎部長を殺しかねません!」
「おう!分かった!デニスを止めに行くぞ!」
「「お、おう!」」
先輩方と長谷川を含む一年生は怒り狂うデニスを全力で止めに行った
その後、なんとか部員総がかりで怒り狂ったデニスを止めた
マリアサイド
慧心学園に転入したマリアは
真帆に連れられてバスケ部に入った
しかし、ここでもある問題に直面していた
「マホ…男子が練習してるけど、ドウイウコト?」
「えっ…夏陽!どういうことだよ、今日は私たちの割り当てのはずだぞ!」
「お前らみたいなお遊び集団に使わせなくてもいいからっていうから先生が…」
夏陽と真帆は衝突する
どうやら原因は男子バスケの顧問のようだ
「ナツヒ、それならこうシマセンカ?」
「なんだよ、マリア提案って」
「ワタシたちは仮にも同じバスケットプレイヤー、だったらバスケでケリを付けるのが礼儀じゃない?」
「いいぜ、やってやろうじゃねぇか!お前が言いだしたんだからお前が出ろよ!」
マリアと夏陽のコート仕様権をかけた1on1が始まろうとしていた
「いいのかよマリア?相手は男バスのキャプテンだぞ?」
「え?あれが?男子バスケこそお遊び集団なんじゃない?」
男子バスケに対して高圧的態度を取るマリア
「お遊び?夏陽たちは地区優勝してるんだぞ?それをお遊びってある意味大物だなマリアんって」
「いいの~そろそろ女子バスケのメンバーに練習着に着替えるよう言っておいたほうがいいよ~」
「うん、分かったー」
真帆は他のメンバーにも着替えるように言いに行った
マリアもアメリカ時代のユニフォームを着てコートに出た
「遅かったじゃねぇか、マリア、勝負は1on1で先に3ゴールを決めたほうが勝ちってことでいいな?」
「ボールはそっちからでいいよ~」
夏陽にボールを譲るマリア
男子バスケ部キャプテン竹中夏陽vsマリア・オニールのコート争奪戦が始まった
「お遊び集団のくせに舐めやがって!」
夏陽はいきなりつっきって1ゴールを先取しようとする
「いきなり突入なんて、熱いねェ、嫌いじゃないよぉ、そういうの」
夏陽にくっつくようにディフェンスするマリア
「ちっ…」
なんとか夏陽はマリアを躱そうとするがそれさえも通用しない
「もーらいっ!」
マリアは隙をついてボールを奪う
「させるかっ!」
夏陽はボールを奪おうとするが華麗に抜かれる
そして1ゴール目を先取する
その後もマリアのペースに入り2本目3本目と連取し3タテという形で勝負は付いた
「マリア、お前には負けたよ。分かった、俺たちが外で練習するぜ」
夏陽が移動指示を出すと男子バスケの面々は外に出た
「すっげーマリアん、夏陽を簡単に倒すなんて。」
「おーまりあすごーい」
「わ、私にもあの技教えてください」
「私にもできるかな…」
「よ、よろしくお願いします。」
愛莉、智花、真帆、ひなた、沙季という新しい仲間に出会うマリア
マリアにとって最高のスタート、デニスにとって最悪のスタートとなった