もしも彼女にもハーレム因子があったなら   作:温玉屋

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あとがき

 拙作お読みのかたも、さきにあとがきを開かれた方も、お越しくださりありがとうございます。作者の温玉屋でございます。

 

 ここからは「もしも彼女にも~」というタイトルの作品の設定だとかを、下記に書いていこうと思います。何度も公言しておりますとおり筆者はSF厨の設定厨なため、設定厨がどういう考えでSSを書くのかという話になったりもします。

 

 ネタとしては大体こんな感じです。以下のタイトルの四項目で、設定について筆者がドヤ顔をするというだけの項目のため、お時間のあるときにお気に召した方だけどうぞ。

 

    ◇    ◇    ◇

 

 コンテンツ

 

 1.なんでマドカ主人公なの、という話

 2.登場人物の皆さんについての話

 3.ストーリーの流れに触れながら、設定についての話

 4.雑記

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 1.なんでマドカ主人公なの、という話

 

 1.1 マドカさんという人物

 

 あらすじと第1話までお分かりいただける通り、この話においてもマドカさん自身のポジションは原作とあまり変わりません。つまり、

 

 ・千冬さんと見た目がそっくりで

 ・千冬さんに執着しており

 ・我らがアイドル一夏ニキに「私はお前だ」と言い放ち矢玉を浴びせて帰って行く

 ・悪の組織「亡国機業」さんの一員

 ・一夏さん曰く、妹?(姉ではないらしい)

 

 という5点。

 

 ぶっちゃけこれでクローンとか、生き別れの兄弟的なとか、そんな感じでなかったら逆にビックリする感じですね。

 

 それはともかく、兄弟、双子、クローンなど、いわばもう一人の自分が攻めてくるというのは、それなりに燃える展開であります。元々一つだったものが別れてまた出会う、ということは、お話論的には数奇な運命を期待せずにはいられません。「テッカマンブレード」のブレードとエビルしかり、「トライガン」のヴァッシュとナイブスしかり、「からくりサーカス」の白銀と白金しかり。たとえが古いな。

 

 とにかくお話的に“生き別れた兄弟”が現れたなら、そいつらは必ず宿命を賭けて対立してもらわねばならん。映画で意味ありげに出てきたスイッチが全て押されなければならんのと同じようにです。

 よって筆者としては、原作のマドカも、彼女と一夏さんとのバトルがストーリー全体の山場になるとか、お話の結末に繋がるとか、彼女自身が影の主人公というようなポジションに収まるのはアリだなと、一瞬思ったりしたわけです。

 

 が。

 

 もちろん原作でそんな展開になるはずもない。何しろマドカさんは女の子で、原作であるISはハーレムものなんですから。ハーレムものに出てきた適齢の女の子というのは、すべからく主人公のハーレムに入るべしってな感じで、決まっているわけです(恐らく)。

 

 妹であることが障害になるはずもないのは言うまでもありません。(もうすでにお姉さんが準ヒロインですし)また、他のヒロインの皆さんはハーレム入りする前も後も、ISでぶん殴るとか刀で斬りかかるとか発砲するとか、相当にファンキーな愛情表現をしておられます。マドカさんの殺意は勿論、銃弾の百発や二百発打ち込んだところで、今さらハーレム入りを妨げる要素にはなりません。

 現在(七巻刊行時点)ではまだマドカさんは殺す気満々でいるようですが、実際のところ彼女もハーレム入りするんでしょう。ヒロイン化しない確率は、Civilization 5でフン族が隣国に攻め込まない可能性と同じくらいであろうと思われます。

 

 

 まあ、原作はそれで良いのですが、筆者にはこのマドカさんの「もう一人の一夏」という要素が、他のいろんな要素――ラウさんの人造生命設定とか、セシリアさんの両親とか――と同様に“なかったこと”になってしまうのが、勿体ないなと思ったわけです。

 もとよりもう一人の自分、という設定が好きだったということもありますし、また、作品のジャンルさえ違えばもう一人の主人公にもなれたはずのマドカさんがただのハーレム要員で終わるというのはいかにも切ないのもあります。

 

 というわけで、せっかく二次創作を書くならマドカさんの設定を使い切り、主人公格にしようと。それも、“この世界観の中では、何があっても一夏の味方にはならんだろうな”という、一夏に対するもう一人の主人公になりそうなマドカさん、というキャラ立ちの世界線を作ってみようと考えたわけです。

 

 

 1.2 主人公マドカさんには色々足りない

 

 そんなわけでマドカさんを主人公にするわけですが、正規主人公の一夏さんと較べると色々と持っていないところが目立つ人でもあります。

 単純に描写が少ない、ということもありますが、それ以上に、

 

 ・何がしたいのか、一夏さん以上に判らない(ひょっとしたら本当に原作でも何も決まってないのかもしれない)

 ・マドカ←よわそう 千冬←つよい(確信)

 ・友達がいない。仲間らしい仲間がいない。

 

 この背景で仲間いっぱい、仲間含めて全て最新鋭機か現役機、本人は次々世代機かつ必殺技持ち、最強千冬さんとチート科学者束さんつき、学園という拠点持ちの一夏軍に挑まねばなりません。……こうして書き出すと思ってた以上に一夏軍が大正義に聞こえる。

 

 マドカはんは一夏ニキが持っているものは基本的に持っていません。

 特に、上であげた三つ目。マドカはんは亡国機業スコール隊の一員ですが、そのメンバーは本人を入れて現在判っているだけでたったの三人です。チンピラと殺人狂を足しっぱなしのオータム、姿は見せるがまだ意味のあることはほとんどしていないスコールさん。はっきりいって手も足りなければ人材も足りない。というか原作では彼女たちは機体の修理とかどうしてるんでしょう。

 

 マドカさんはこれ以外にろくに人との交流もなさそうなので、彼女は真性のぼっちと言って過言ではないわけです。人間らしいつきあいというものをほとんど持たないし、持つ機会もない。

 

 原作では、彼女が人並みに友人や家族を持って幸せになる展開というのは、デレて一夏の仲間になるぐらいしかないわけです。真性のぼっちですね。悪役をやるか、ハーレムに入って幸せになるか。そんな二者択一しかない。

 

 そう考えると、やっぱり彼女にも主役になるような話が二次創作にはあってもいいんじゃないかなあと思います。せめて、一夏さんが持っているものの一部くらいは、マドカにもあっていいんじゃないかな、と思ったわけで。

 

 中でも一番、主人公である一夏ニキだけに許された資質といえば何か、といえば、なんと言ってもハーレム要素だろうと思ったわけです。

 

「私はお前だ」

 

 とそんなにどや顔で仰るなら(第六感の最後の挿絵はスゴイ顔です)、じゃあその要素も持って貰いましょう、ということで。これがあらすじで記載した発想に至った経緯、ということになります。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 2.登場人物の皆さんについての話

 

 登場人物について。

 

 2.1 織斑マドカ

 

 マドカさんについては第1項ででは原作と本作全体の立ち位置を話しましたが、こちらは本作中の彼女の話。

 

 主人公です。ですが、正直なことを言えば一番この娘が書きづらかった。

 

 原作では彼女については、お姉さんへの執着以外の価値観がこの娘さんについては報されていません。繰り返すように描写が少ない、ということもありますが。

 

 

 単純に深みを出そうとするなら、複数の判断基準がキャラの中にあって葛藤する、というパターンが一番鉄板です。友人と恋人とか、仕事とプライベートとか、金と女とか、あとは、過去と未来とか。

 

 二つの軸のどちらか選ばないといけない、となったとき、どっちゃを取るのかということで簡単にそのキャラのテーマというのが簡単に明らかになってくれます。ただこの娘については、ねーちゃんにこだわること以外とくに目立った価値観がない。

 

 単一の価値観しかないというのは、キャラクター性についていうならいっそデメリットです。その人物について測ることについても、単一のモノサシで測ることしかできないからです。マドカさんについて言うなら、千冬さんとの関係をどうするか、という以外で彼女の価値を計ることができなくなってしまう。

 

 今回の話では、無理矢理彼女の中に葛藤を生じさせる形で主役っぽいメンタリティを得てもらいました。マドカさんは原作的にプライドが高そうなので、マドカを他の人に助けられるというシチュに追い込むことで、仲間と協力するのかどうか、ということで話を進めています。

 

 実際マドカさんの心理描写の辺りはとにかく荒いです。筆者も首を捻りながら書いているので、マドカさんが出てくる度に更新が止まるくらいには迷いながら書いていました。主人公なのに。それでもとにかく荒くて厳しいですね。

 

 

 2.2 亡国少年団の皆さん

 

 マドカさんのために用意した逆ハーレム要員×5。名前は篠ノ之彗(しのののほうき)凰鈴詩(ファン・リンシー)、セシル・オルコット、シャルル・デュノア、ラファエル・ボーデヴィッヒ。

 

 完全オリジナルな男を五人も考えるのもアレだなと思い、マドカさんの出自も考えて原作のシャドウキャラを投入しました。ですが、今から考えるとその配慮(?)というか躊躇(ちゅうちょ)に意味があったかは疑問。どのみち人によってはここでバックしたんでねーかなと思います。テンプレな「原作キャラの兄弟/親戚/クローン」ですから。

 

 個人的には、誰某の兄弟で……とかちまちますることやるなら、全員に兄弟()がいたことしちまえばいーじゃねーか! というのは我ながらキチガイじみた思い切りで悪くなかったなと思います。

 

 後はこの子達についていうなら、何度か各話あとがきで明言してきましたが、一夏ヒロインのみなさんとは基本的に逆の属性持ちです。

 

 一緒にしなかったことの一番の理由は、この作品におけるハーレム主人公がマドカさんだと言うことにあります。

 別に原作ヒロインズと大体同じ性格にしたってキャラ的に書けないことはないのですが、マドカさんに対して、下手にツンデレなんぞすると逆にブチ殺されてしまうんじゃなかろうかと思います。というか、彼らの行き先はIS学園ではなくて亡国さんです。環境的にそんな余裕のある恋愛をしてるひまはないし。

 

 よってキャラは全員最初からマドカに対する好感度マックスの素直デレ(わずかにデュノア君がツンデレしているくらい)になる必要がありました。さらに付け加えると、五人は下手に対立しているとまとめてスコールさんに処分されかねないため仲良し、マドカを中心とした一致団結となりました。

 

 で、ここまで反対になるなら一緒にするよりは反転の方がよかろうというわけで、個々のキャラについても皆さん原作ヒロインとは反対のキャラになっていただくことになりました。

 結果的にはそれぞれキャラが立ってくれたと感じています。もともと原作がキャラ立ちしているから反転キャラが立つと言うこともあるのでしょう。男子高校生的な雰囲気というか、どの子も書いていて楽しかったのはよかったですね。

 

 

 彼らの正体が何かということは、そこまで深く考えてないです。篠ノ之君は設定的にクローン確定、ボーデヴィッヒ君はラウさんの人工子宮を分けた兄弟、ということぐらいは決まっています。真ん中の三人がオーガニックヤクザなのかバイオヤクザなのかは今もって筆者も決めてません。

 というか、彼らは本当はどうだったのかがどうでもいいキャラなので、兄弟とかいうのは嘘だなということが誰の目にも明らかであれば、どうでもいいぐらいです。

 

 彼らについて、絶対にISを使わせないということだけは一番初期段階から決まっていました。

 全員何がしか有能なのは、その反動みたいなものです。ある程度有能でないとスコールさんが彼らを飼っておく理由もないですし。篠ノ之くんは束さんの下位互換で、残りはSOF相当の訓練を受けたくらい。中独仏英の四人が年齢の割に強すぎる気がしますが、これだけやってもまともに学園勢には勝てないので、これくらいは許してやってください。

 

 

 2.3 更識楯無

 

 私見では原作に一番近いキャラになったお人。ただし原作での微エロ要素をポイーしたので、暗い背景が目立つキャラになりました。ご本人が「うちら暗部じゃけえ」、と盛んにおっしゃるので、まあ多少はね? という感じで設定を盛っていったら、結果がこんな感じです。

 

 キャラ造形にあたっては、原作の文章に加えて原作の設定から「こんぐらいのことはできそう」という感じで積んでいくようにキャラ特性を足しています。

 なので、原作よりも当主としての彼女と、上流っぽいとこが重点された形です。色々考えながら動いたり、ときどきカネモチっぽいことをさせているつもりです。

 

 結果的には情の篤い陰謀家、という筆者の趣味を全開にしたキャラに落ち着きました。家系的にはダークニンジャですが、やってることはIS学園のダークナイトです。別にバッツを意識したわけではないのですが、途中からは趣味を反映してだんだんハードボイルド風味になりました。

 

 設定からするとこれくらいの性格でもおかしくねーしと思っているのですが、どうでしょう。やっぱ明るい楯無さん好きには受け入れられ難いかな。核爆弾ぶらさげてゴールデンブリッジを越えていく、みたいな展開にはなりませんでしたけど、コレジャナイと思った人はいるかもしれません。

 

 サラ・ウェルキンとの絡みで彼女の楽しそうな書いてるときは、シリアスなとことの差もあって良かったですね。表裏のくっきりした人は書いてて充実感がありますね。。

 

 またマドカはんがISをほぼ使わない話ということもあり、ISバトル要素も大半がこの方の担当でもあります。

 

 2.4 サラ・ウェルキン

 

 本作品におけるMVP候補。

 

 ・騒動の仕掛け人をやり

 ・本国に与えられたISは自分の特性と合わず

 ・楯無さんと亡国の両方にひどい目に合わされ

 ・専用機まで利用され

 ・あげく留学中断で呼び出され本国に帰される

 

 およそ作品内に出てくる負の結果を一身に集めてもらった格好です。

 

 この話の後に原作七巻に続く以上、楯無が負けて死ぬわけにも行きませんし、敗北≒死のマドカさんたちが負けるわけにもいかないため、誰かに負け成分を引き受けてもらう必要がある、という事情もありました。

 

 重要な役目を果たした彼女ですが、一番初期のプロットでは、彼女の登場予定はありません。

 

 楯無の友人ポジションの人はいたのですが、それはイギリス人ではなくロシア人のオリキャラで、敵ではなく楯無の協力者であり、量産型《ミステリアス・レイディ》を使って戦うという予定でした。《シュペルトゥマーン》なる《レイディ》の型名(捏造)が出てくるのはその名残だったりします。

 

 そこまでできてたのに彼女に変えたのは、上記の男どもに加えて追いオリキャラが発生する事態を避けようとしたからです。今から考えると何をためらったのかという感じですね。

 

 で、使えそうな名前と立場の二年生キャラを探した結果、原作に出番がないこの方しかいないと言う結論になってしまいました。残りはどう考えてもスパイに向かないフォルテさんや日本人しかない。

 

 未登場キャラゆえにビジュアルも性格もわからん。なら好きにしていいと考えた結果、原作の空気とは全く合わないゆるふわパーマの腹黒淑女ができあがりました。ミドルネームのアビゲイルはもちろん捏造。この娘は本当に趣味全開です。

 

 彼女の視点で書いているときが一番楽しかったですね。

 

 2.5 ティナ・ハミルトン

 

 魔改造キャラ二人目。ルームメイトさんが有名人なので、本編でも脇の中では登場頻度が高い人です。

 

 原作では菓子喰ってる以外にろくに描写がないのでどんなキャラか不明。なのでビジュアルも含めて好きに設定しました。姓からスコッチ系、名前からアメリカ人とアタリを付けて、CIAから来たことに。

 

 とっぽい感じと見せかけて全部演技でしたー、というところは、この手の話ではいかにもテンプレでしたね。

 

 ルームメイトさん、ウェルキンさん、楯無さんたちと仲良くしているのは別に演技でなく本心です。一夏ハーレムを外から眺めたりして、学園生活も精一杯楽しんでるんですが、いざとなると、オフィサーらしいところが出てくるという。一番したたかさがあり、ポテンシャルが高い気がする。

 

 この子は書いてるウチにだんだんキャラが立ってきた感じです。

 

 2.6 織斑千冬

 

 マドカさんの話なので、どうしても千冬さんが絡まないわけにはいきません。そこまで深くは出てきませんが、マドカはんの成長を表すシーンとしては、「千冬に背を向ける」ということ以外はあり得ないでしょうから、重要なかませ役と言うこともできます。

 

 もっと話が続けば彼女と一夏とマドカの話を掘り下げることもできるし、やりたかったけれども尺の関係でカット。千冬さんは原作的には一番好きなキャラではあるのですが、あまり前面に出てくると風呂敷が大きくなりすぎるのでこれぐらいにするしかなかったということもあります。

 

 七巻時点の原作では彼女のマドカに対するスタンスは不明です。認識はしているようです。また、一夏さん視点だと彼女はとにかく超人ですが、この作品ではちょっとメンタル的に少し弱体化。

 

 マドカさんの内面を本文でそれなりに描写したので、その状態で「妹? 知らんな」と言わせるわけにはいかなかった。実質アンチみたいなことになってしまいます。性格の悪いショタに煽られて傷ついたりしているのは、彼を悪役にして千冬さんをageようとしたんですがうまくいったかは微妙。

 

 超人要素は3階建て学生寮の屋上から飛び降りるとか閃光手榴弾を食らっても追い続けるとかで出しました。本気で敵対する側に立って描写すると彼女のタイラントめいた身体能力は実際脅威。ISと生身で鍔迫り合いができるなら屋上から降りるくらいは何とかできるんじゃないかな。

 

 やっぱ強い人は敵に回してなんぼですね。

 

 2.7 スコール・ミューゼル

 

 原作(七巻時点)でまだとくに何も行動していないということもあり、かなり変わったキャラです。

 

 マドカの保護者でもあり、悪いことはだいたいこの人のせい、という意味で学園側の束さんとかにも相当するポジションです。登場シーンは多くないのにageまくったのでやたら存在感があります。

 

 幹部会が彼女の上にありスコールへの仕事の指示はそこから出ているのだろう、というイメージをしていますが、この話では彼女自身も何か狙いがあるという書き方。将来は亡国機業を乗っ取ったりするんでしょう、多分。マドカのボスであるため、大立て者をやって貰った格好です。本筋とは関係ないですが私見ではビアンと言うよりバイっぽい。

 

 少年5人の仕込みをしてもらった、という点で、作者目線でも重要な人物です。5人オリキャラを投入しておいて自然に話を続けるのは不自然だなと思い、この若干面倒くさい形を取りました。

 彼らはどんな形で投入してもうさんくさいので、それらも含めて作品中の設定にするための措置。作者がついた嘘ではなく、作中でスコールさんがついた嘘が彼らなんだよ、ということです。

 

 また彼女がマドカさんに繰り返し示す態度は本文中の通り。平たく言うと「成熟しろ、でなければ死ね」という形です。少年達に対してもそう。千冬さんにせよ他の人にせよ、作中で子供に「大人になれよ」とメッセージを発するキャラはあまりいないので、原作の空気感からは相当に離れたかもしれませんね。

 

 彼女としては、マドカがうまく今回のテストをこなせないなら、失敗したなーといって処分していたと思います。一応彼女なりに、マドカや少年たちとは本当のことしか言わない誠実な付き合いを心がけている、ということにしています。

 

 彼女の本当の狙いは固めていないです。よくあるようにISの社会的無力化、というあたりが妥当かな。

 

 ただ、この話の主題はマドカはんが大人になるかどうかなので、そこまで設定する必要もなかった、という事情もあります。

 

 

 2.8 凰鈴音、セシリア・オルコット

 

 メインヒロインズから参戦。ただ、話が話なのでできるだけ背景に後退してもらう必要がありました。

 

 二人ともそれなりにらしく書けたんじゃないかなと思います。特に鈴さんは「ルームメイト」としてかなり登場機会があり、その分描写も気合い入れてました。

 

 セカン党が来るとは思えないような作品なんですが。睡眠導入剤をサーッ! と盛られて寝落ちするところは、かなり可愛らしく書けたんじゃないかなと思っています。マニアック過ぎる萌え要素ですかね。

 

 どちらかと言えば、ハミルトンさんやウェルキンさんと一夏軍団の距離感を表すために投入された格好です。

 

 

 2.9 オータム

 

 楯無さんより原作に近いかもしれない。原作に何も足さないし何も引かなかった、というだけなのですが。

 没にした原稿ではエピローグあたりで再登場してスコールにかわいくあしらわれるシーンもありましたが、尺の関係でカット。

 

 原作から変わったのは彼女本人ではなく、スコール隊配下の力関係です。彼女自身は男どもを見下していますが、少年達には完全に同格と見なされています。マドカさんは彼女はISドライバーなだけで明らかに少年たちの方が使えると見ています。スコールからは愛玩されていますが、能力的には微妙。

 

 彼女の話もちょっと書いてみたいかな。

 

 

 2.10 ウィルフレッド・ウェルキン

 

 最終話で追加オリキャラ投入というひどいビーンボールとして出てきた男。

 SISからの出向だかなんだかで大使館の職員という設定です。見た目的にはウェールズ人。

 

 いわゆる一つの“吐き気を催す邪悪”的なポジションの方。SISは一応あの国じゃ外務省の管轄下ですが、大使館へ出向、というようなことが有るかは知りません。さすがに調べようがなかった。

 

 スコールさんを超強化した結果、立場的に対等に話せる人が原作中だと轡木のじっさまぐらいしかいなくなったため、投入せざるを得なかった形です。

 オータムさんがもう少し優秀なら最後のシーンは二人がピロートークして幸せなキスをして終了、だったのですが、いかんせんオータムさんがアホの子すぎて頭使ってるっぽいシーンには入れられない。

 

 亡国機業にスコール、学園に千冬がいる、ということですし、英国とウェルキンさんにも何かくせ者っぽい大人がいていいかな、と考えました。結果的にはウェルキンさんの悲劇性も強調できたので悪くはなかったかな。

 

 あと、若い子ばっかり書いてたので少しオッサンが書きたくなったという事情も。

 

 余談ですがIS世界のミッション・インポッシブルは、ジャスティン・ビーバーみたいな可愛らしい青年がボンドで、ボンド・ガールが活躍するシーンが大半になっている、という設定を造ってました。なんでも次回作はジェームズ・ボンドというコードネームの女とボンド・ボーイが出るとか。もちろん使う機会はありませんでした。

 

    ◇    ◇    ◇

 

 3.ストーリー、設定についての話

 

 

 この話のスタンスは、「原作の設定を基本的に肯定する」です。原作の設定や登場人物の行動には全て合理的な意味があるものとして考え、理由説明がないものについては既設の設定から頑張って理由付けをする、という姿勢。

 

 短い話なので、捏造したり悪用した設定に焦点を当てて話していきます。各項括弧内はその設定が登場したあたりです。

 

 一部はにじふぁんの割烹に載せてたネタとも被っています。

 

 3.1 時系列(第1話~エピローグ)

 

 この話は原作で言うところの七巻冒頭です。キャノンボール・ファストが六巻で終わり、マドカはんが「私はお前だー!」とやってから、約一週間の話となっています。時期的には七巻冒頭です。

 

 一夏ニキが簪さんを誘っていますけど、だいたいそのあたりとお考えくださるとイメージしやすいかもしれません。特に九話~十二話までの戦闘の日は、一夏ニキともっぴーちゃんがグラビア撮影されてた日の真夜中になります。

 

 お話的にはマドカ、楯無、ウェルキンを軸に進み、あと少しハミルトンさんが入る、という形になります。この四人が出てくるところでは三人称でも彼女たち誰かの視点に固定して進めています。

 

 この話が終わった後、楯無さんの負傷と機体修理の時間がトーナメントに間に合うのかについて若干苦しい気がしますが、そこは虚さんと、あの世界の医療技術に頑張って貰いましょう。

 

 医療技術について、今見たら原作のセシリアが腕をぐっさりやられて次の日にもう復帰してたりしてるのは内緒。

 またにじファン版では一夏さんが簪にすげなくされるシーンが日曜日になっていて、グラビア撮影のスケジュールと完全に矛盾していたので、移転に当たりこっそり修正したのはここだけの話。

 

 3.2 更識一門の設定(第3話)

 

 ISの原作は、なんだか色々と思わせぶりな設定はたくさんあるのですが、細かい背景の描写について非常におおらかなところがあります。その一つが更識さんたちの家業の設定。

 

 楯無さんが「私たち、対暗部用暗部なの」といえば、何をしているのか具体的にわからなくてもその通りに。「『結果』だけだ!!この世には『結果』だけ残る!!」と言う感じですが、他人の庇を借りている二次創作として同じ事をやるわけにはまいりません。

 

 というわけで、楯無、という源氏八領の鎧に因んだ名前から甲斐源氏に起源を持つという伝説をプラスし、さらに明治以降の防諜・諜報にずっと携わってきた官僚一族、という設定を追加。脳内では更識家はゾルゲ事件調査とか、戦後には列車転覆事件とかにも関わっていたことになっています。

 

 ただし、この作品内での国内での政治的な立場は現在弱めです。国内親ロシア派の力が弱いとか、名前だけ出てきた十六代目楯無が死んでからとかいろいろありますが、その辺りは尺が足りないのでカット。

 

 

 3.3 学園の地形(第5話、第7話)

 

 学園の地形については捏造がかなり入っています。原作出てくる地形情報としては「IS学園のグラウンドは一周5キロ」というぐらいでしょうか。

 

 正直情報が少なすぎますが、これだけ広いグラウンドとなると相当な敷地になるだろうことは簡単に想像できます。

 

 一周5キロですので、トラックが日産スタジアムのグラウンドと同じ長径短径比率とすると、大体950メートル×640メートルぐらいでしょうか。サッカーグラウンドが70個ほど入る広さです。グラウンドの真ん中で体調不良を起こすと命に関わるんじゃなかろうか。

 

 また、グラウンドを入れてギチギチにすると砂が流出したりして大変なことになりますので、周辺を暴風防砂林で囲んだり、余裕のある道を敷設したりするとやっぱり学園エリアは数キロ×数キロになりそうです。

 

 筆者はアニメのイメージで人工島だろうと思い込んでいたので、メガフロートを太平洋に浮かべている感じです。原作には、海の上に浮かんでいるとも書いていませんので、もしかしたら陸上にあるのかも。

 

 レイアウトとしては北側が本土と学園、南側が捏造した港湾倉庫エリア。幅数キロなら関西国際空港よりでかいので、捏造箇所の滑走路や港湾エリアについては作ることはできるな、という感じで書いています。

 

 

 3.3 亡国機業(第2話、エピローグ1、エピローグ2)

 

 秘密結社、ということになっています。ただし原作中ではあまり激しく対立していないので微妙な立ち位置。この話では、国家・企業・団体に頼まれて悪事をアウトソーシングする人たちになっています。第2話辺りから別に隠すこともなく書いてましたね。

 

 元はISが簡単に奪われすぎ、という事実に対して、どーしても合理的な理由が思いつかなかったため、なら奪われる側もグルだったことにすれば理屈が通るんじゃねーの? と考えてこうなりました。

 

 それにつれて、下記の亡国さんたちの悪事、

 

 ・一夏さんのISを奪おうとして逆に剥離剤でパワーアップさせる

 ・学校のイベントを襲撃して帰って行く

 ・アメリカとイギリスのISを強奪している

 

 これら別に彼らが得してる訳でもない各種の事象についても、全てなんらかの理由があったからというふうに捏造。

 

 彼等が何かたくらんでるじゃなくて、それで利益を得たものがいるんだよ! という理屈です。彼らの行動が彼ら自身合理的であるという説明をするには、行為それ自体が目的だった、という理由付けしかできなかったわけですね。

 

 

 3.3 ISの命名規則(第6話)

 

 原作では《シュヴァルツェア・レーゲン》型の一番機がレーゲン、二番機がツヴァイクであり、BT型は一番機がブルーティアーズ、二番機がゼフィルスでした。

 

 最初はISの位置付けが戦闘機だったので、なんで機ごとに名前が違うんだろう、と思っていたのですが、艦船の命名規則みたいにしてると考えれば理解できなくもないな、と。その規則を採用してる英国や独国ではフラッグ機が一機あって、同型異名の機体がずらっと並ぶという設定になっています。

 

 それに合わせて、《メイルシュトローム》級には各機ごとに名前がついていることにしてもいいよね、と考え、好きに命名しました。《フィアレス》までの機体名は全て、とあるSFの戦艦名を借りているかたち。紅の勇者オナー・ハリントンという宇宙戦艦SFが元ネタです。当該作品はさらに18世紀英国海軍をネタにしたホーンブロワーシリーズを下敷きにしているので、英国の魂を孫引きで輸入したつもりでいます。BTを蒼涙級とかレーゲンを黒雨型と漢字にするのもハヤカワ版オナー・ハリントンの翻訳を真似しています。つまり趣味ですね。

 

 国によっては《ラファール》や《打鉄》は何機あろうが同じ名前、という国もあるのかもしれませんが、英国とドイツは機体ごとに名前が変わるんだろうということですね。

 

 英国ならインドミタブルとかイラストリアスとかも形容詞系の名前が響きが好きですね。日本だと川の名前がつく巡洋艦とか、あとは歴史上の人名を冠した機体とかが出てくれると嬉しいなあ、と個人的には思います。ロシアとかは大祖国戦争に女性英雄が多いので、エカテリーナ・ブダノワとかリディア・リトヴァクとかに因んだ機体とか。誰か書いてくれないかな。

 

 

 3.4 《フィアレス》(第6話~最終話)

 

 二次移行前は重装甲巨砲主義ISという、英国面に頭まで浸かったクソ機体でした。しかもウェルキンさんが一番得意なのは第9話で書いているとおり格闘戦なので、本当にとりあえず空き機体が英国から送られてきた形です。

 

 肩に載っけたアホみたいにでかい砲塔と、量子領域内のミサイルランチャーが主力。といってもそんなものがISには当たるはずもないので、実質第二世代最弱機体ということになります。

 

 多分IS以外には弾切れ知らずで鬼のように強いと思います。ミサイル駆逐艦ぐらいの火力はあるんじゃないかな。ICBMを積んだりもするんだろうと思います。

 

 二次移行については「その場で必要な方向に変化する」という原作の設定に倣い、不足している機動力やら格闘能力が向上する形になりました。

 

 

 3.5 女尊男卑(第7話)

 

 原作でも二次創作でもトップクラスの死に設定であるのが女尊男卑設定ですが、二次創作での基本路線は黙殺、原作でもイマイチ生きていない感じですね。

 

 原作ではセッシーさんがえばってみせたり、頭の不自由そうなお姉さんを登場させてみたりしているようです。不条理にも女性が上位に立って威張っているというのをもって女尊男卑の描写としようとしたのでないかと推測いたしますが、ぶっちゃけそれが女尊男卑的な感じがするかというと微妙。

 

 男尊女卑に限らず、社会的な格差というのは金とかセックスとか教育とか権力とかにアクセスしやすいか否かで現れるわけで。具体的に言えば、頑張って勉強したくても金が無くて高等教育にアクセスできないとか、特定の人種は別の学校に行かないとやってけないとか。社会の階層に流動性があるかないかという形で現れるんですよね。

 

 今回の話では、「元々機会平等をかなぐり捨ててでも成果主義に走る下地があった」→「ISがきっかけの一つとして男女間の教育制度に格差が発生」→「本当に男女間の能力水準には差が生じている」という理路にしている。

 

 女尊男卑が実際に「男女間で教育水準に差が生じている」もしくは「能力に差がある」という作品はありました。私の解釈はそれらをパク……い、インスパイアし、何でそんな社会への変化を容認したかという理由もあったんだよ、という話にしております。

 

 IS学園もそうですが、どうも子供が非道い目にあっているようなあの社会って「有史以来」どころか現在進行形で格差が開いていっている気がするんですよね。

 

 IS社会って我々の社会に近く見えるけど、実はヒャッハーな弱肉強食社会なんじゃねーの? というのも私の独自解釈というわけではなく、理想郷の設定突っ込みスレ等でよく言われていることだったりします。これらのネタは、既にあるネタの混合型というわけです。

 

 

 3.6 福音事件と二次移行(第10話)

 

 福音事件については、原作中で大体語られている通りで踏襲。割烹に書いたとおり、珍しく原作中でも束さんがどうやって何をしたのかがわかりやすいことになっています。

 

 篠ノ之くんが本編で解説した通り、三巻での描写――福音は暴走していたけれどもISの機能は保っていた、さらにナターシャ・ファイルスの証言から、福音自身がその操作をしていた、ということまでは判ります。

 

 原作に出てくる設定なので、今さら篠ノ之君(と作者)はなんでドヤ顔で喋ってるのか、あるいはハミ子さんがなんで怯えているのか、と思われたかもしれません。

 

 補足しておくと、読者ならばこれらの設定を全部読むことができるんですが、作中人物のうちナターシャの証言を知っている人物はほとんどいません。仕掛け人の束さん、直接彼女と会話した千冬さんぐらいのものです。

 

 上記の他にも、米国ならば調査を当然しただろう、という仮定ぐらいは立てられます。ただし、原作でかの国は最終的に封印という措置をとっていますね。

 したがって、何をされたのか見当も付かなかったか、あるいはアタリぐらいはついたけど技術的にそれ以上調査ができなかった、という結論になったんだろうと推測できます。

 

 この話では以上の推測に基づき、亡国機業スコール隊に調査が投げられた、という流れになっています。その過程で篠ノ之君は読者と同じ情報を全て拾い、かつ篠ノ之束がやった二次移行の方法にもアタリを付けられた、という扱いです。

 

 

 3.7 剥離剤とISの自己修復(第11話)

 

 ISの自己修復能力というのについてちょっと考えたときに思いついた設定。一応整合性は取れていると思うのですがどうでしょう。

 

 ISの設定には目立つポイント(女尊男卑・IS学園など)が多いせいかあまり気にしませんが、SF厨的にはもっと気になるポイントがあります。

 

 ・どうやってISが自分とそうでない者を見分けているのか(自己修復はどうやっているのか)

 ・どうやって生物の中から人間を区別しているのか(猿やブタではISは起動しないのか?)

 ・人間の個体を識別しているのか(フィッティング、恒常性維持機能)

 ・どうやって人間のうち女性を見分けているのか(女性限定の起動能力)

 

 というポイントにあります。どれも追究すれば一作品できあがるほどのネタです。中でも一番でかいのは、コアはどうやって男女の別を付けてるの、ということだろうと思いますが、ネタ的に扱うにはでかすぎるので涙を飲んでスルー。

 

 今回はこのうちISコアの自己認識とヒトの個体識別という問題を使いました。これも上記と同じくらい難しい問題です。実際のところ、人体にとって適切な生理的動きを機械が把握する、というのは相当に難しいんですね。

 

 外付け機械で体内環境をコントロールする、ということですと現実の人工心肺機能というのが似ている事物として存在します。

 

 現在だと人工心肺もかなり初期に較べかなり安全になっていますが、初期はかなり不安定だったそうです。生理的な動きに比べて機械的にすぎるため、送りすぎたりして身体がどんどん壊れて言ってしまうんだとか。 最新の設備でさえ、長時間の人工心肺使用は深刻な合併症を引き起こすらしい。抗凝固剤や低体温に加え、非生理的な血液循環(血液の送りすぎ/不足・高血圧/低血圧)というのは相当身体に負担をかけるもののようです。

 

 ISコアに繋がることで死んだりあちこちの臓器に重篤な障害が起こったりしない以上、ISコアは身体の各所で生じている生理現象について、まるで人間の身体がするように知っていなければならない、ということになります。

 

 本編中で思うさま篠ノ之くんに語らせたのであまり付け加えることはほとんどありませんが、剥離剤はこのISの優秀すぎる恒常性維持、免疫系の機能を悪用したもの、ということになっています。

 

 

 3.8 フィッティングとISの動作(12話・エピローグ2)

 

 フィッティングしなかった機体があまり動かない、というような描写は原作にはありません。一夏さん普通に動かしてるし。

 すでに調整済みの機体を慣れないハミ子さんが動かしたから動きにくい、という言い訳にしています。

 

 若干自身がないのは、ISを動かすのが難しいのか簡単なのか、原作を見ているとイマイチよくわからないからです。いっそ一夏ニキがスペシャルな存在なので動かせるんだぜ! と明言してくれれば設定厨としては気が楽です。

 

 ここでは話の展開的に、あまりすいすい逃げられてしまうという事情もあります。ので、イメージ入力についてもフィッティング前後で差が出るのだ、というようなつもりで書いています。

 

 マドカについては千冬さんと相当に生体が近かったという描写に留めています。本当は精神的な繋がり、類似性も関係していて……という流れにできれば言うことなかったのですが、この前の前半でさんざん生理的な話に終始したので、今さら入れることができず。

 

 エピローグ2のマドカの後遺症は、いくら近いとは言っても影響はあるよね、ということで思いついた感じの描写です。

 

 3.9 英国の狙いは(エピローグ1、エピローグ2)

 

 まあ一応、それらしいことは第6話ウェルキンさんが内心でつぶやいていた(トライアルで落ちても開発に噛めるようにしないと、みたいな)ので、伏線は張っていたのですが、エピローグで楯無が彼女を誘う展開にするためだけのものなので、「あっそう」と言われても仕方ないですね。

 

 次期欧州主力はシュヴァルツェア・レーゲン型になるとして、恐らくそれが一線配備されるまでウェルキンさんは英国から出ず、新生《フィアレス》を駆ることになるのでしょう。

 

 

 3.10 スコールさんとマドカさん(エピローグ2)

 

 マドカさんは結局少年たちを仲間として戦うことを受け止めたようです。第1話の不利からしてこのラストになるだろうな、というアタリには収まっています。

 

 スコールさんがマドカを選んだ理由は本文の通り。ややこじつけ臭いですが、エンドマークにはちょうど良かったんじゃないかな。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 4.雑記

 

 作品を書いてみて、私的なこと。

 

 小説らしいものを今まで書いたことはあったのですが、SFを書くのも連載をするのも初めてだったので色々戸惑うことはありました。後半になるほど分量が増えたり後からあの伏線を張っておけばよかった、と思うこともしばしば。良い勉強をさせて頂きました。

 

 かき上げて見ましたが、逆ハーというのは未だによくわからんです。ハーレムものよりは書いてて楽しいと思いますが。評価は並み、ユニークアクセス数は2013/2/2時点で9000足らず。マドカのファンなんて聞いたこともないし、癖の強いネタなのですがそれなりにご来訪頂いた方かなと感じています。

 

 コンセプト的にもともとオリ主やら何やらの多い現在の二次創作で、とりあえず変なタイトルで変わったことをする――「オフィス街のインド人のカレー屋」的な立ち位置なので、ああ、何か変わったものを喰って気分転換に良かったなと思って頂ければ成功かなと思います。

 

 色々続きを想像させるラストにはしましたが、この設定で続きを書くことはありません。

 

 マドカさんがみんなの力で一夏ヒロインズ相手に無双したり

 オータムさんが新型の亡国版デュノア社第三世代機で戦ったり

 一夏ニキと亡国少年たちがISvs歩兵の非対称戦闘をやったり

 一夏ヒロインズと少年達と遭遇したり、マドカが織斑姉弟と何らかの形で決着を付けたり

 

 ある程度想像は出来るのですが、最初に書きましたとおり、マドカさんが主役の世界観を作り、なおかつその中では絶対に彼女はハーレム入りはしないだろうな、という話を作るということが目的だったので、やることをやったらさっさと退散いたします。原作8巻も出るようですし、原作でも二次でも魅力的なマドカさんが出ればいいですね。

 

 最後に、投稿させて頂いたハーメルン、およびシステム管理人の作る人さんには感謝しております。とにかく使いやすいし、かゆいところに手が届く感じが素晴らしい。質的に理想郷には上げにくい作品なのでこちらに移行させていただかなかったらこんなに見て頂くことはできなかっただろう、と思います。偏にハーメルンのおかげです。

 

 ISの二次としては設定厨的にまだ書きたいことがいくつか残っているので、しばらく書きためたらまた発表したいと思います。女だけがなぜ起動出来るのか、ISコアの意識って何とか、出来たらオリ主ってのも一度やってみたいですね。それもあんまり来ない国。ブラジルのオリ主とか、今回出せなかったロシア人とか。

 

 ただ、次やるのは咲-saki-の二次創作の予定です。次は理想郷にも投稿できるクオリティにできたらいいなあ。

 

 以上。あとがきまで長くなりましたが、こんな変わった作品を最後までご覧頂きありがとうございました。


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