地獄先生と陰陽師少女   作:花札

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「やはり、アナタも感じていたのね」


玉藻の車に乗った雪女(ユキメ)は、運転する玉藻に話し掛けた。


「ああ……強力な妖気が、童守小に出現するのを確かに感じた……

あれは……鬼。


かつて、童守町を震撼せしめた鬼の襲来……あの悪夢がまた再現されるのか」


小学校へ到着し、車から降りた玉藻は後者の上にある光の球が目に留まり上を見上げた。


「何だ?あの光は?」

「え?」


その時光が二人に当たり、二人の服は消えパンツ一枚の姿へとなった。


「キャアアアア!!何やってんのよ!!この変態狐!!」

「そういう貴様こそ、何て格好だ!!この淫乱雪女(ユキオンナ)」


その頃麗華は……


「な、何これ……」


下着姿になった麗華は、自身の体を見て呆気にとられていた。


「れ、麗……いつの間に」

「……ど、どうしよう……つか、何で」


狼姿になっていた焔は、目隠しをするかのようにして、裸になった麗華を見て呆気にとられていた。


鬼のパンツはいいパンツ?

「まさか、絶鬼と覇鬼に妹がいたとはな……

 

この騒ぎはお前の仕業か……眠鬼!!」

 

 

目の前で仁王立ちし、腰に手を当てる眠鬼を見ながらぬ~べ~は質問した。

 

 

「フフフ……そうよ。私の妖力よ。

 

 

でも、誤解しないでね。仇討何ていう、セコい目的で来たんじゃないわ。

私の目的はただ一つ……それは……

 

 

パンツよ!!」

 

「パンツ?」

 

「『鬼のパンツはいいパンツ……百年穿いても破れない』昔の」

「昔の歌にある様に、古来鬼のパンツには、強い霊力があると信じられてきたんだ……

 

なぜなら、鬼のパンツは強力な霊能力者の体を紡いで、作り出した物らしいからね」

 

 

階段を下りながら、眠鬼が仕様としていた説明をしながら、麗華は彼女を見下ろした。

 

 

「お、お前……

 

何で、服着てるんだ!?」

 

「着てるか!!中下着だけだ!!」

 

 

そう言いながら、麗華は着ていた羽織を広げ中を見せた。広達と同様にパンツ一枚であったが、胸にはさらしが巻かれていた。

 

 

「ったく……人が日向ぼっこしてる時に、変な技使いやがって」

 

「麗華、それ誰の羽織り?」

 

「焔の。このままの格好で行こうと思ったけど、さすがに辞めろって焔に言われて、羽織を借りた」

 

「……」

 

「さてと……続きを話をしてもらいましょうか?」

 

「……

 

 

材料となる人間の霊力が強い程、強力なパンツが作れ……それを纏った鬼は、強い妖力を持つようになる。

 

 

アナタなら、きっと最高のパンツになれるわ。フフフ……そう。

 

 

鵺野鳴介!!私はアンタをパンツにしに来たのよ!!」

 

 

その言葉を聞いた途端、その場にいた全員が驚いき呆れた。麗華に関しては、頭を抱えて深くため息を吐いた。

 

 

「そういうわけで、死んでもらうよ!!喰らえ!!妖力は……」

 

 

妖力波を放とうとしたが、前と同様放つ前にまた爆発した。

 

 

「うう……しまった。

 

今の私はノーパンで、力の制御が出来ないのだった。地獄から登って来る時、うっかりパンツを落としてしまったから……そのパンツを探すため、皆を裸にしていたのだ……

 

 

私のパンツは……あの変体親父が穿いている……返せ!!」

 

「石川、逃げて!!早く!!」

 

 

麗華の声に、石川は慌てて逃げ出した。その後を眠鬼は追いかけそしてすれ違う生徒のパンツを一人一人はぎとって行った。

 

 

「鬼娘!!人のパンツをやたらと脱がすな!!」

 

「黙れ女!!

 

追い詰めた!!残るはお前一人だ!!」

 

 

追い付いた眠鬼は石川を押し倒し、パンツを奪い取った……だがパンツからはこの世の物とは思えない臭いを放ち、その匂いに眠鬼は気を失った。

 

 

「死んだ……」

 

「石川、アンタ……」

 

「いやあ……儂、一ヶ月風呂入ってなかったから」

 

「……」

 

 

気を失った眠鬼を縛り、五年三組の教室へ入れた。パンツ一枚にされた生徒達は皆、体操着に着替え彼女から離れた場所で睨んだ。外で騒いでいた玉藻と雪女(ユキメ)も、教室の中へと入り、眠鬼を見つめた。

 

 

「で……どうすんのコイツ」

 

 

焔が持ってきた着流しの帯を締めながら、麗華はぬ~べ~に話し掛けた。

 

 

「鵺野先生……こいつはさっさと殺した方が良い。

 

あの絶鬼と覇鬼の妹……生かしておいたら、必ず災いをもたらす」

 

「そうよ!今は大人しくしていても、いつ本性を現すか……」

 

「……いや……

 

この子は……殺さない。俺のクラスで引き取る」

 

「ええ!!?」

 

「なあに、このパンツさえ穿かせなきゃ無力だ。平気さ」

 

「ダメよ先生!!姿は可愛い女の子でも、鬼なのよ!!」

 

見かけに騙されちゃダメ!!」

 

「おや~?雪女君、ひょっとしてヤキモチ?

 

俺がほかの女の子に優しくするから~?」

 

 

その言葉にキレた雪女は、冷気を放ちぬ~べ~をカチンコチンに凍らせた後、ドアを勢いよく閉め帰ってしまった。

 

 

「デリカシーの無い先公」

 

「後悔しますよ、鵺野先生」

 

 

彼女の後に続く様にして、玉藻は出て行った。

 

 

(いや……鬼や妖怪といえど、人間の中で暮らしていけば、やがて人間の心を手に入れられると……俺は信じる。

 

その事は何よりも、お前達二人が証明しているじゃないか……)

 

「あの女を本当に置くとなると、私はともかく傍にいる焔とシガンが警戒を解かなくなるわよ」

 

 

麗華の言う通り、シガンは眠鬼をジッと睨み焔は狼姿になり今にも攻撃するような態勢になり、牙を剥き出しにし威嚇声を上げていた。

 

 

「ずっと、この状態でいることになるけど、いい?」

 

「う……」

 

「何なら、しばらくの間学校休むけど?」

 

「お前はただ、サボりたいだけだろ!」


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