あれは嘘だッ!!!!
すいません。おもっくそ勘違いしておりました。本当は前中後に分かれるんです。許してくださいなんでもします。てことでどぞ
訪れた沈黙は、いっそ清々しいまでに気味が悪かった。
「くっ...................」
苦悶に満たされたその呻き声と共に、レンの表情が歪んだ。
“まただ......また誰かが目の前で死んだ......”
“誰のせいで?”
“それはーー”
「っ!!」
頭を埋めつくさんとばかりに蠢くその思いを振り切って、レンはたった今殺されたばかりのプレイヤーがいた場所へと歩み寄った。腰を落として、ドロップ扱いとなった遺品ーー形状からして、クォータースタッフだろうかーーを手に取る。そこまで重くはないハズのそれが、何よりも重く、冷たくレンには感ぜられた。それが、より一層レンの後悔を縛り付けた。助けることは出来たはずだった。
あの時、レンが正しく行動を起こしていれば...................
手段を選ぶことなく、即座にレッドを斬り伏せていれば...................
ーー死んでしまったプレイヤーもまた、命を散らすことは無かったかもしれない。
あの場で真に糾弾されるべきプレイヤーは、無抵抗のプレイヤーに無情にも槍を突き立てたあのローブのプレイヤーは無論のこと、そして他でもないレン自身だ。
救えたハズの命を救えない。
それはつまり、そのプレイヤーを見殺しにしたも同義だ。例えそれが、自分に直接的な責任は無くとも。
「.........ごめん」
目を伏せてから、レンは押し殺したその声を絞り出した。そんな言葉しか思いつかなかったのだ。そうして、スタッフ以外の遺品が他に無いかと再び地面へと目をやって、レンは鈍く煌めくソレを見つけた。
「これは......」
手に取ったソレを目の前に持って行き、レンは注意深くソレを観察した。形状は八面柱。そしてその色は鮮やかなライトグリーン色。これだけで、まるで一種の宝石かと錯覚してしまうかのソレは、間違いなく《録音クリスタル》のソレだった。しかしその録音クリスタルがなぜ、こんな場所に落ちているのかが、レンには理解できなかった。他のRPGとは違い、“魔法”という要素をこれでもかというくらいに徹底的に排除されたこの世界に於いて、魔法の代替としては全てこういったクリスタルや結晶系の媒体の形をとる。有名どころで言えば、“転移結晶”やら“回復クリスタル”などがこれに属する。グランドクエスト攻略の折、人間はある一つの魔法を残し全て失ってしまった云々といった設定があったなとレンは記憶しているが、兎に角今手にしている録音クリスタルもその類。だが、これらクリスタルや結晶はプレイヤーに様々な恩恵を与えることと引き換えに、その代償として一個一個の価格がとても高価だ。それが何故こんな場所に落ちているのか......レンの疑問はソコに帰結する。殺されたプレイヤーのドロップ品とは考えにくい。何故なら、プレイヤーが殺されたにしろ死んだにしろ、例外を除いてドロップするのは装備していたアイテム、武具防具類のみだからだ。加え、そもそも自分が殺されるといった状況下で、取り出すのは録音クリスタルなどではなく、転移結晶などだろう。従って、このクリスタルが落ちていた理由が何かあるはずなのだ。それを考えていたレンの耳に、張り詰めた鮮やかなハープの音色にも似た声が聞こえた。
「レン君」
「アスナか」
怪しまれないように手にしたクリスタルを懐に忍びこませてから、レンは息も切れ切れながらに追ってきたのであろうアスナを見た。
「一体何が......ッ!!」
「.........」
レンが全てを語るべくもなく、アスナはこの場所で何が起きたのかを瞬時に理解した。表情に陰りを覗かせるレン。そしてそんな彼の右手に、無造作に握られたままのクォータースタッフ。あれはレン自身の武器ではない。つまりはーー
「まさか......そんな......」
信じられないといった心持ちのまま囁くアスナに、レンはその表情を僅かにーー目の前のアスナに悟られぬようにーー悲痛と歪め、
「そうだ。たった今......目の前で一人殺された」
押し殺した声と共に肯定した。
***
何者かがプレイヤーを殺した。
そんな衝撃的な出来事に、少なからず怒りを抱くもの、警戒を強めるもの、僅かに怯えるものなどといった様々な感情がこの場に渦巻いていた。
「では、レンさんにはそのプレイヤーに心当たりは無いんですね?」
「ああ。ローブと目深く被られたフードで体の大部分が覆われていたし、月明かりも背にしてたからな。コッチからは判らなかった」
不気味なまでに静かとなった教会内で、攻略ギルドの重役ーー各団長や幹部クラスーーの立ち会いのもと、レンはタークス隊隊長ベノナより事情聴取を受けていた。手にした記録クリスタルにレンの証言をつらつらとレコードしながら、ベノナは更に尋ねた。
「では、レンさんから見た犯人の印象は?」
「印象、か.........」
言われて、レンはその光景を思い出す。せり出す恐怖と言いようもない不快感に苦悶の声を漏らすプレイヤーと、ソレに槍を突き立てたまま無感情にの光景を俯瞰するローブのプレイヤー。やがて、その無透明な表情に嗜虐の色が浮かんで......
「死んでくれ」
無情にも、そのプレイヤーの命を摘み取る。
“そういえば.........”
あの時は頭に血が昇ったまま冷静さを欠如して気づかなかったが、今になって見れば、レンには何と無く理解できた。あの瞬間、ローブは何かを待つようにして槍を敢えて浅く突き刺していた。しかし、レンが来てからはまるで躊躇いもなくトドメを刺しに行っていた。つまりはーー
「............さん?」
待つ必要が無くなったのだ。それは何故か?まず間違いなく、レンが来たから。彼が来るなり発したあの殺気、明らかにローブはレンの事を意識していた。
「.........ンさん」
“じゃあ、俺の知っているプレイヤー?いや、でもーー”
「レンさん!!」
「!!」
僅かばかり声のトーンをあげたベノナの呼びかけに、レンは漸く応じていた。
「大丈夫ですか?疲れてるように見えますが.........」
「いや、大丈夫だ」
少々目をしばたかせてから、レンはかぶりを振った。
「印象は......おそらく槍の技量はかなりのものだと思う。チェストプレートを苦もなく貫通させてた。背格好は俺より少し小さいくらい。後は......」
“向こうは、俺のことを知っているかもしれない”
そう言いかけようとして、レンは言葉を切った。あくまで憶測の域を脱せていないし、如何してかは判らないが、コレは伝えるべきではないとレンの感が告げたのだ。
「後は?」
「............何度か、プレイヤーを殺したことがあるんだと思う。迷いが全くなかった」
「それって...................」
隣で事の顛末を静かに見守っていたアスナが息を飲む。その表情は、信じたくないと口元を押さえた否定の色。しかし、レンはそれを押し出したモノで砕いた。
「多分、レッドプレイヤー......それも恐らくはラフコフメンバーだ」
そう告げられて、この場で傍聴していた全てのプレイヤーに鋭い動揺が走った。
レッドプレイヤー
SAOにおいて最大の禁忌を犯した者の総称。この出来事を引き起こしたのが、そんな彼らによるものだと告げられて、如何してろう狼狽せずにはいられようか。
「..................判りました。他には何か?」
「いや、無いよ」
「本当に?」
「ああ」
僅かにレンを疑うように、訝しげな表情を向けたベノナだったが、次の瞬間にはふぅと息を吐いて手にしていたクリスタルをゴトリとテーブルに置いていた。その表情は、明らかな疲弊のものへと。
「ハァ......そうですか。では、早速調査隊を編成したいと思います。レンさんの証言を元に、過去同じようなケースの事件が起きたかどうか。後、此方は期待できませんが、レッドプレイヤーの居場所特定も。それでいいですね?皆さん」
チラリと周りを一瞥してみた彼に、誰一人として否定の声をあげるものはいない。その静寂を肯定と受け取り、ベノナはではと静かに立ち上がった。
「結果は、いずれかの形で必ず。そして、他のプレイヤーに警戒勧告をお願いします」
「それでは、ベノナ君の報告を待とう。各人それぞれ細心の注意を払うように。それでは、解散してくれたまえ」
そんな、厳かながらに静かなヒースクリフの声で、事情聴取は幕引きを迎えることとなった。
***
「.........」
「.........」
隣にて肩を並べて歩くアスナとは何も交わすことなくレンは奥の個室を抜けて協会のドアを開くと、そこには
「レン...................」
仲間達が皆厳しくある顔持ちのまま彼を待っていた。一瞬、何かを口にしようと開きかけて、レンは表情を硬くするとそのままキリトの肩へと手をやった。
「悪い。折角の結婚式なのに」
「そんな事はない。それよりも大丈夫か?」
「まぁ俺はな。でも...................」
そこから先は、紡がれることなく重い沈黙のみが流れた。誰が悪い訳でもなく、ましてやレンが悪い訳でもないのに、苦々しく目を伏せるレンの姿が、何よりも自分を責めているようだった。そんな彼の頬に、突然柔らかく暖かい感触が伝わった。慈しむかのように優しくほおを撫でるそれは、レナの掌の感触だった。ゆっくりとレンの頬に指を這わせると、そのまま慰めるように透き通った声でふわりと柔らかく笑った。
「大丈夫!私達は気にしてないし、何もレンが悪い訳じゃない。だから、そんなに自分を責めないで、ね?」
「レナ...................」
「そうだヨ。何もレー坊が悪いワケじゃあ無いんダ。ホラ、何時ものレー坊らしくないゾ」
そうカラカラと笑って、アルゴがレンの背中を叩く。そんな彼女達に後押しされるかのように、仲間達は次々と言葉を発した。
「本当。レンってばヘンな所で律儀だよね。鈍感で無神経さんなのにさ」
「それは私も思うかなぁ。いっつも人のことからかってる楽観思考さんだよね。レンって」
「余計なお世話だ。シェリーとアスナがからかいやすいのが悪い」
「ちょっと......」
「それ......」
「「「どういうことなの/よ」」
「別に」
何の益体も無い会話ではあったが、それで少なくともレンの気が軽くなったのは確かだった。その点においていえば、レンは彼女、そして仲間達に感謝していた。そして同時に、レンの中にあるその罪悪感は、益々大きく膨れ上がっていった。そもそも、彼処で自分が選択を間違えることなく、確実に犯人を押さえていれば、こうやって皆に気を遣わせることも、いらぬ心配を掛けさせることもなかった.......と。ズキリッと、レンの思考が微かに軋む。
「でもよぉ、一体何の目的があってこんな事やったんだ?」
すっかりシラフに戻ったらしいクラインが神妙な顔持ちのまま分からないといった風に首を傾げる。その問いかけに対し、レンはさあなと首を傾げることしかできない。ただ一つだけ、レンが確信を持って断言出来ること。それは
“十中八九、相手は俺を知ってるんだろうな”
ならば、この事件は自分で解決しなくてはならない。罪のないぷれいやーが殺されたのは、どう間違えようもなくレンの所為なのだから。
「ねぇ、大丈夫?カオ怖いよ?」
「うん?ああ......」
「怪しいんだよなー。お前の“大丈夫”はさ」
「それは心外なんだが」
しかし、一度抱いた疑問はそう簡単に消えるわけもなく、アスナのみならずキリトも疑いの目をレンに向けた。
「まぁ本当に大丈夫だからさ」
「どうだかなぁー益々怪しいよ」
「レナまで...................」
これ以上はマズイ。感のいいこいつらなら、もしかするとバレるかもしれない。そう思い立ったレンの行動は早かった。
「で、どこに行く気よ?」
「ちょっとベノナに言い忘れてたことがあった。今から行ってくる」
「あっ、ちょっと!!」
「レン!!」
「悪い。先帰っててくれ!」
感の鋭い彼らのことだ。ボロを出す前に遁走したほうがいい。そう考えたレンは、アスナやキリトの声を待たずして鮮やかな足取りで雑踏の中へと溶け込んだ。
「もぉ、レンったら!!」
何も告げずに逃げ果せたレンに、シェリーは思わずそんんなことを口にした。レンの姿は既にない。元々がダークスーツだったのに加えて、夜闇の中とあっては戦闘職ではない彼女の、なけなしのリビール力ではその姿を捉えるには無理だった。アスナたちも動かないままのところを見る限りでは、彼女たちも同じように見失ったようだ。その代わり、アスナの表情が険しいものに変わっていくのに気づく。
「アスナ?」
「何だろう...................何だかイヤな予感がする」
「?」
それだけ言って、アスナはレンが消えてのけたその一点のみを眺めていた。ただの杞憂ならばそれでいい。ただ、彼女が漠然と感じているのみだけなのだから。だが、それでもーー
『悪い、先帰っててくれ』
口調のみだけを見るのであれば、なんて事のない、飄々と軽やかないつもに彼だったが...................
『...................』
その瞳。時たまレンが垣間見せるあの思いつめたような、追い込まれたような深いモノを宿す瞳だけは、どうしてもアスナの頭から離れはしない。
“何ともないといいんだけどな..................”
何処か願うようなそんな想いだけが、今のアスナの心情だったのだ。
ーーそう
果たしてこの中の誰が知り得ただろうか。この惨劇はただの
ーーそうしてーー
その僅か二時間後、彼女達のフレンドリストから“
ーーゴーンゴーンと、教会の鐘の重々しい音色が虚空へと溶け込んで消えてゆく。あるいはまた、
ーーそれが血に塗れた悲劇の始まりを告げる、開幕の音色だったのかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《Interlude
Renegade(Renxs):
It's my own deal》
ーー死んでゆく
ーーそれは恐ろしいまでにあっさりと
ーー痛みも無く
ーーあるのはただ、抗いようのないまでの死の恐怖だけ
ーー死んでゆく
ーー呆気ないくらいにこの世界は
ーーいとも容易く牙を剥く
ーーその真ん中で、俺は...................
「..........................................」
ーーそんな
『後は...................』
ーー
***
ガチャリッ
と音を立てると、今迄光源の一つも無くただ暗かっただけのその部屋に、一筋の月明かりが差し込む。その、今にも消えてしまいそうなほどに頼りない光のみで、彼は部屋の照明を起動させるシステムスイッチに指を這わすと、そのスクリーンパネルに表示されたボタンをタップした。すると、僅かコンマ数秒のラグを置くこともなく、部屋にある照明という照明にやさしげなオレンジともイエローとも区別のつかない淡い輝きが灯る。彼の知るところによれば、この優しいライトカスタマイズは
「ふぅ...................」
今まで溜めていたモノを吐き出すようにして空を仰ぐと、レンは板張りの天井を見やった。
「...............................」
何時までそうしていただろうか。レンはゆっくりと椅子に深く腰掛けていた体を起こすと、立ち上がり、ベットの上に放り投げたままの上着の内ポケットからソレを取り出したのち、そのまま静かにテーブルの上へと置いた。取り出された八角柱のモノーー録音クリスタルーーは部屋の明かりを受けて色鮮やかにその存在を主張している。レンは暫しそのクリスタルを観察とも眺めともつかぬ形で見つめていた後、手に取り、ツルツルとしたその表面を軽くタップ。程なくしてメニューウィンドウがポップアップされた。
「やっぱり......か.....」
案の定と言うべきだろうか、クリスタルの中には何者かによる録音データがインプットされていた。更なる予想の的中の予感と共に、レンは一瞬逡巡したかのように軽く伸ばした指先を引いたのち、そのまま再生のボタンをタップした。音声プレイヤーがポップアップし、中に記録された計五分にも満たぬ音声データが再生される。
『さて............初めましてと言うべきか?貴様は俺の事なんざ知らないかもしれなが......俺は痛い程知ってるんでなーー』
「予想は的中......か......」
レンの予感通り、それは犯人が残した“メッセージ”だった。再生されるその声は、まるで内よりの溢れんばかりの憎悪を何とか押し留めつつ吐き出したような......少々ノイズの混じった音声だった。何処か閉塞空間の中にでもいたのだろうか。僅かなノイズに混じって、よくよく聴いてみれば若干の反響音も混じっている。その冷徹な言い様、明らかに向けられた殺意の奔流。それらの在り方は正しくレンが目にした犯人ーー即ちローブのプレイヤーーーのモノと完全に一致していた。それは別に驚くべくもない。ただ、この犯人は確実にレンの事を意識、そして敢えて知っているそぶりを隠していない。が当然ながらレンにはほとほと検討もつかない。それが一番の疑問だった。
“何故?俺と“コイツ”は前にどっかで会ったことがあるのか?何故俺を知ってる?”
そう、如何しても理解できない疑問をレンが解消しようと思考にふけっていた時、クリスタルよりのより一層鋭くも冷たくなったその声が、レンの思考を凍りつかせた
『まぁそんなコトはどーでもいい。単刀直入に、用件だけ言ってやる。これから先、貴様が攻略組の奴らと関わることがあれば、お前の最も、或いは親しい
それは、酷く単調な文脈でありながら、瞬時に理解できるものでは無かった。それでも、その冷酷な宣言は続く。
『頃されたくなくば、即刻奴らとの縁を切ることだな。さもなくば、もれなく俺が手ずから貴様に死体をプレゼントしてやる。ああ、安心しろ。コッチには“目”が有るんだ。お前がつるんでいるか否かなんて、すぐに判る。今日のはただの“警告”だ。じゃあな、“
そこで、音声はぶつりと切れ、役割を終えたクリスタルはその輝きをたちどころに失った部屋に訪れた沈黙。まず、レンが最初に感じたのはどうしようもない吐き気。そして、なお勝る憤怒だった。
「殺す......だって......?」
その呟きは、彼自身も気付かない位に冷ややかで低かった。湧き上がる憤怒に拳を握り締めながらも、それと背反するかのようにレンの思考は努めて冷静だった。つまりは、ローブのプレイヤーによるレンへの警告。彼がこれ以上、
「...................いいぜ、乗ってやるよ」
レンに何の因果が有るのかは判らない。憤怒で思考は震えていたが、それにも増して自分の存在が他の皆に危険を及ぼすかもしれないという事実が、急速に彼へと冷静さを取り戻させた。ゆっくりだのしていられない。明確に断言されたワケでは無いが、このまま自分が関わり続ければいずれ近い将来に誰かの命が危険に晒される。そう考えたレンは、ある一つに決断を下した。
イスから立ち上がり、右手を縦に振ってメニューウィンドウを立ち上げると、表示されたメニューリストから防具に項目を選択し、ストレージ内から防具を適用させる。程なくしてレンの全身を淡い光が包み込み、今まで着ていたダークスーツから戦闘用防具へと変貌を遂げていた。が、その防具は何時もの見慣れた淡いエメラルドグリーンのチェスターコート風の防具ではない。何の柄もないってない僅かにゆったりとした米軍式コンバットシャツ。その首回りには接着部にリベット打ちによる補強がなされた深めのフード。カーゴパンツにも似たコンバットズボン。左右両側にドロップレッグホルスターとヒップポーチ。身体機能サポートのためのサポーターバンドが膝下に巻かれており、そのズボンの裾を入れ込むようにしてソールが低反発素材であしらわれた編み上げのロングブーツを履いている。何よりも目につくのが、その全てが今までとは真逆の黒色に淡い灰色の混じったような色で統一されていたことであり、何処か、その手のマンガやゲームに出てくる特殊工作員或いは
「まさか、コレを着ることになる時が来るとはね.......」
残った両手にタクティカルグローブを装着し、S-ナイフを格納するショルダーホルスターを身に纏ってから、レンは苦笑いを浮かべた。この装備一式は何時しかレンがたまたま狩ったフィールドボスからのドロップ品であり、装甲といった防御面を無視して装備品の携帯量と身のこなしや軽さのみに特化させたモノだった。長らく彼のメニューウィンドウのみ中で眠っていた一式ではあるが、ランクとしてはキリトのコートやアスナの騎士服と同格のレジェンダリードロップだ。ハイディングボーナスの高さとタクティカルアドバンテージの面では他の追随を許さないだろう。
「よし.....................」
もう一度メニューウィンドウを立ち上げると、次はフレンドリストの一覧を開く。
“............ハハッ。割と、冷めた人間だな”
存外、自分がフレンドを全て消しても何も抱かない自身に自嘲めいた笑みを一つ浮かべると、レンはすっかり寂しくなったフレンドリストを閉じ、最後に今一度今の自身の装備を確認した。
「さて、行くか...................」
部屋の明かりを落として、ドアを閉める。一度だけ天にその存在を煌々と主張するその満月を仰いでから、レンは何処までも広がる闇夜の中へと溶け込んで行った............
BO3発売?オレには関係ないな!!!!
すいません、誰か俺に恵んでくれませんかね?
聞いたことによると、マルチとかゾンビは流石トレイアーチだけど、キャンペーンはあんだけ散々宣伝しておいてからかなりの◯◯って聞いたんですが......どうなんでしょう?
私?私はメインデュアルが無いこととHGがたったの3種類(スペシャリスト除く)しかない事に怒っております笑