SAO:Assaulted Field   作:夢見草

41 / 70
“V" has come to
というわけで私今物凄くテンションが高いです笑
この日をいくら待ち望んだことか笑と言ってもプレイは暫くはお預けですが......

今回は活動報告にも書いた通り戦闘メインです。例によって描写が目も当てられないくらい酷いので悪しからず。

それにしてもKONAMIさん......パケに “A HIDEO KOJIMA GAME”と“KOJIMA PRODUCTION"
のロゴが見当たらないんですが......あの噂は本当なのか......


Ep36: Merciless Hounder

「……言峰、か。じゃあ神父で」

「ハハハ。面白いな、少年」

「お気に召さなかったか?じゃあ言峰神父で」

 

何と言うべきか、言峰綺礼と名乗った人物は、レンにとって予想外と言うべきか意外な人物であった。彼のイメージした協会の聖職者とうのは、もっとこう、いかにも聖職者であり厳格な人物かと思っていた。であるのに、言峰神父は別の意味で違った。その放つ存在感は、どことなく得体の知れない何か。まぁ、要するになんとも胡散臭いわけだが。サラッと全体を見通して、変に警戒心を抱いていたレンへ、言峰神父はフッと薄く笑った。

 

「さて、そうあからさまに警戒しなくてもいいだろう。して少年、こんな辺鄙な教会へ何用かね?主への懺悔か?」

 

そこで、レンは漸く本来の目的を思い出す。

 

「いいや、生憎と俺は無宗教者でね。今日ここに来たのは懺悔のためじゃない」

「ほう?見たところ苦悩の多そうな人相だが……それは残念だ。では何の為に?」

 

到底NPCのモノとは思えないほどの仰々しいナゾの存在感と、やけに耳につくような独特な声色。何よりレンが苦手意識を持ったのは、話すたびに此方を見透かされているような気がすることだった。これがレンでなくともあまり好き好んで近づきたくはないであろう人物だが、生憎とレンはこの状況に慣れつつあった。というか、慣れなければどうしようもないのだから仕方ないのだが。

 

「気遣いどうも。今回来たのは、この教会で“結婚式”を挙げさせてもらうために来た」

「ほお?」

「……この感じだと、ほかにこんな事頼みに来るプレイヤーなんて居なさそうだしな」

「くくく……そう来たか」

 

それを聞いて、何が可笑しいのやら言峰神父の声は心なしか弾んでいるようにも感じられる。教会での《結婚式》。このSAOにて式を挙げたくば、主なオプションとして二つある。一つは、このアインクラッドに於いて数箇所しかないと言われている《神社》にて挙式する。此方のオプションだと様式は和風のソレとなる。もう一方が、今正にレンが交渉しようとしている《教会》での挙式。この場合であれば、挙式様式は想像にた易いものとなる。此方のほうが、SAOでは圧倒的にポピュラーだ。なにせ、《教会》は様々な層で確認することが出来るからだ。最も、結婚に漕ぎ着けるプレイヤーの総数は圧倒的に少ないが。他にも、《教会》では実に様々なことが出来る、とはキリトの談だ。が、如何せん今まで訪れたことの無かったレンには、余り詳しくなかった。

 

「それで?式を挙げるのは君か?見たところ、相手は見当たらないのだが」

「当然だ。挙げるのは俺じゃないからな。今日は俺の友人の代理として来た」

「そうか、残念だな」

 

重苦しい目でレンを見つめてから、言峰神父の頭上にクエストアイコンが出現、それと同時にレンの目の前にウィンドウが表示された。

 

《結婚式開放クエストを受諾しますか? Yes/No》

 

勿論、レンは迷うことなくYesのボタンをクリックすると、言峰神父がその右手を掲げた。

 

「では、挙式にあたって補助となる“牧師”を一人、君たちの中から出してもらおう」

「……?それだけか?」

「無論、これ以外にもある」

「さいですか」

 

牧師と言えば、まぁこれまたイメージしやすいものだ。そんな胴でもいい考えを頭の隅に押しやり、レンは考える。はたして、自分の知り合いの中に“牧師”向けのプレイヤーは居ただろうか?

 

“クラインは無理だし、某イガグリ頭は論外。ディアベルはちょっと爽やか過ぎるし、ヒースクリフは……止めておこう。何だか嫌な予感がする”

 

彼がイメージをフルに膨らませてみても、どうにもしっくりくる人物像が浮かばない。適任としては、少し野暮ったい……何だかそんな感じ。これは完全にレンによる主観が織り成す勝手なイメージだが、生憎と今は彼一人。ソレを咎める人物など居ない。最悪彼自身がやるという手段もあるにはあるが、出来ればごめん蒙りたいところだ。益々考え込むレンの脳裏に、ふと稲妻の如き電流が流れる。居るではないか、他の誰よりも適任のプレイヤーが。もしかすれば断られるかもしれないが、なに、その時はレンが持つありとあらゆるネタで脅しをかけるまでだ。他愛なし。

 

「判った、そっちは何とかなる。で、もう一つのほうは?」

「ほう、随分と早いのだな。まあいい」

 

再び両手をカソックの裏に回して手を組んで、言峰神父の表情から薄笑いが消えた。重苦しいその瞳が、益々重苦しく感ぜられる。

 

「なに、至極簡単なことだ」

 

一呼吸置いてから、言峰神父が再び口を開く。

 

「私に、マーボー豆腐を作ってくれたまえ」

「はい?」

「マーボー豆腐だ。何だ少年、知らないのか?」

 

これは心外だと言わんばかりに肩を竦める言峰神父だったが、レンの顔は引きつっていた。もちろん、マーボー豆腐位レンが知らないわけが無い。しかし、まさかクエストの内容がマーボー豆腐とは予想だにもしなかったので、少しばかり面食らっていたのだ。では、何故顔まで引きつらせているのか?正直に言ってレンは中華料理が大の苦手なのだ。と言うのも、昔一度だけアホみたいに辛い中華料理店に行って文字通り悶絶したことがあるからだ。それからと言うもの、彼は辛いものと中華料理には多大なる苦手意識を持っているのだ。

 

“その極悪(レン視点)中華料理店の名前は何だったか……確か「紅洲宴歳館・泰山」とかなんとか……”

 

「如何した?顔色が優れないようだが?」

「いや……じゃあ、マーボー豆腐を作って持ってくればいいんだな?」

「勿論、レシピを差し上げよう」

 

言いながら、言峰神父は何時の間にやら取り出した手稿をレンへと投げる。ソレを受け取ったレンがサラッと目を通してみれば、見事な筆跡で実に多様な食材が表記されていた。今レンが所持しているものもあれば、これから狩りに行かなければならないものまである。調達には何の支障も無いだろう。問題は、これらを調理するシェフだが……幸い、レンは二人ほど腕のいいプレイヤーを知っている。此方もなんら問題ない。そうやって頭の中で算段を立てつつ、レンはふと生じた疑問を言峰神父にぶつけてみた。

 

「一ついいか?」

「構わん」

「何でマーボー豆腐なんだ?」

 

いかにこの人物が神父として胡散臭かろうと怪しかろうと、彼のそのいでたちは正に神父のソレだ。そんな神父が“報酬”として要求する料理が何故、欧米の食文化でなくアジア圏の、それもよりによって中華なのだろうか。宗教的観点から見てもとことん不思議だったのだ。レンがそう呟いたとたん、言峰神父の両目が文字通り点となった。

 

“この小僧は何を言ってるんだ?”

 

とでも言いたげな表情である。

 

「少年、君はマーボーが何たる食べ物か理解していない」

「いや、中国四千年“唐辛子”の歴史の中でもマーボーはもってのほかだろ。あれは食料兵器だ」

「少年」

 

ゆらりゆらりと言峰神父が近づいてゆき、ポンとレンの両肩に手が置かれた。その姿は、まるで迷える子羊を導かんとする様な……慈しみと慈悲があった。

 

「マーボー豆腐とは、その存在そのものが一つの“神秘”なのだ。ただ唐辛子が山のようにぶち込まれた、一見雑な料理にも見えるが、豆腐を口に含んだ瞬間、舌を焼く刺激が堪らない味覚をもたらす。そう、辛さこそ至高、辛さこそ究極の味覚なのだ」

「いや、味覚上で“辛さ”って“痛み”のことだろ?」

 

取り敢えず突っ込みを入れておく。

 

“辛さこそ究極の味覚”

 

そう熱弁する言峰神父には、心なしか力強さが在るように感じた。いつもの重苦しい瞳はどこか軽く、どこか見透かすような声色でもない。あくまでもNPCである“ハズ”なので、レンには彼の内情を知ることは出来ないが、それでも判ったことが一つだけある。恐らく、いや確実に、自分とこのエセ神父では、一生分かり合えることは無いのだろうと。主に味覚的な意味合いで。

 

「ソ、ソウデスカー。ジャア楽シミニネー」

 

紡がれた言葉が如何しても棒読みに為ってしまうのも構うことなく、レンは現状自分が出来うる中での笑顔を貼り付け、なおもまだ足りないのか語ろうとする言峰神父から足早に逃げ出した。

 

***

 

挙式予定日は今日から二日後の明後日。今日はもう遅いから、食材集めの為の狩りは取り敢えず明日にしようと決めていたレンは、その日は拠点で浅めの休息を取ってからその明朝まだ日が顔を出してない程朝早くからフィールドに足を運んでいた。現時刻は五時十九分。レンは少なくとも一時ごろにはフィールドに入っていたので、まぁ大体四時間弱ほど狩りをしていることになる。

 

「はぁ……ダルィなぁ………….」

 

愚痴を零しつつ、B-ナイフ《沙獄》の柄でトントンと肩を叩くレン。そんな彼の目の前には、おおよそ直視したくないほどの見た目のグロさと、某傘社が元凶のゾンビゲームもかくやとばかりにリアリティーあふれるディテールを追及された、SAO内不人気ナンバーワンの座を争うMob。人型グール系《リビングデッド》が四体、フラフラとおぼつかない足取りで居た。平均的なプレイヤーの身長くらいの高さに、所々が腐敗しきった皮膚。その目も例外なく腐りつつも、本来なら在り得ないハズの毒々しい鮮青に発光している。早い話が、レンのお気に入りFPSフランチャイズのCoDシリーズに登場する某タイトル内のゲームモードに登場するゾンビそのものだ。発光する目の色が鮮青なのも、偶然では無いように感じる。ソレが開発者たる茅場晶彦の趣味であるのかは定かではないが、SAO内に於ける膨大な種類のモンスター群の中でも、特にグール系のモンスターの完成度は無駄に高い。少なくともレンやキリトはともかくとして、アスナやレナなどの女性プレイヤー陣は

 

“絶対に近づきたくないし、目にも入れたくない”

 

と言わせしめる程には高い。かく言うレンも別に好き好んで相手しているわけではない。これも全てはあのエセ神父のためだ。にわかには信じたくないものの、この《リビングデッド》がドロップする《死者の腐肉》が、材用として必要らしい。

 

「グリャアアアアアアアアッ!!」

「ウェ、ウェ、ウウェー」

 

フィールド隅の壁を背に様子を伺っていたレンだったが、そんな彼に痺れを切らしたのか計四対のリビングデッドが一気にグロテスクな挙動で向かってきた。右手を宙に上げ、それを振動で微かに揺らしながら、顔を不完全に傾けて奇声を上げて全力疾走してくるその姿は無駄な完成度の高さのせいでCERO:Z不回避だろう。

 

一番レンに近かったリビングデッドが、右の拳を胸元に引き絞り、やがて鮮やかなライトエフェクトと共にソレを開放した。体術系ソードスキル《遮打》。高速で迫るソレを、レンは迷うことなく体ごと後ろにスウェーさせ、そのままの流れで背転する。目標がズレたことによって、その拳が勢いの余りメリッと壁に突き刺さる音を拾いながら、レンは両足でその壁をけると、反転する体制を強引に振り戻す。思いのほか壁に深くめり込んだのか、未だに抜け切れていないリビングデットの肩口に着地、そのグロテスクな頭部を蹴りつけてから再び壁際へと自身を押しやり、あろうことかレンはそのまま両足で垂直に壁を駆け上がり始めた。

 

七メートルほど駆け上がっただろうか、勢いは減衰しきって、壁と靴底に発生するμが意味をなくし、ついにレンという物体が物理法則に囚われたその瞬間、彼は思い切り壁を踏み抜いてから、沙獄を構えつつ右足を大きく突き出し所謂“ライダーキック”にも近い姿勢のまま急降下を始める。当然、その狙う先は今しがた漸く壁から拳が抜けた一体のリビングデッド。

 

実に傾斜七十度という急な角度で高速降下をするソレは、対象が人間だろうが人型モンスターであろうがとにかく“人の形”をしたものなら人体構造的な観点より認識がほぼ不可能となる一撃で、まさに“究極の対人型”である《A-ナイファー》の代名詞のようなモノ。当然このリビングデットもその例に漏れず、急降下によって威力を加速させられた蹴りがきれいにヒットし、そのすれ違いざまに背中をばっさり沙獄で切り付けられる。再びレンはリビングデッドの肩に左手を置き、己の体を振り上げると、怯むその肩に着地した。そのまま飛び越えると、その後に続くリビングデッドへとトマホークを投げつける。

 

「「「グォォォォォォォ!!」」」

「悪いねッ!!」

 

雄たけびを上げて怯むリビングデッドの頭上から紗獄の刃を穿ち、さらにジャンプを繰りかえして次々とリビングデッドに飛び移り、ナイフを走らせる。

 

「隙だらけだ、死に損ないさん」

 

最後に大きく後退したレンは、回転で衝撃を流して着地し、少しだけ荒くなった息を整えながら、次なる一手を考察する。流れるような体捌きでリビングデッドの集団をあしらってきたレンだが、その動作の派手さの割には与えたダメージ量が少ない。有効打としてはトマホーク位だろうか。それでも、運の悪いことに《出血》ステータスは付属されていない。

 

「ヤレヤレ、つくづく割に合わないっ!!」

 

言うな否や、レンはほとんど無拍子から《活歩》発動による爆発じみたスピードで駆け出す。リビングデッドより放たれた《閃打》を下に掻い潜って回避し、地面を這うような体勢のまま《鎖歩》でその足を払う。崩れ落ちるリビングデッドを尻目に、レンはそのまま体を捻ると、軸足を《震脚》で思い切り踏み抜き、もう一方でリビングデッドへと《昇脚》をぶちかます。内包する六度の蹴り。放たれた矢の如く、レンは体ごと斜め上に飛翔しながら、技の最高到達点にて体を縦に振り回し、

 

「堕ちろ」

 

左足をリビングデッドへと振り下ろす。その威力に弾かれたリビングデッドは、地上に居た奴らもろとも巻き込んで壁へと吹き飛ばす。これによって、計三対はしばし衝撃のせいで行動が制限されることとなり、レンと先程トマホークで足止めしておいたリビングデッドとの一騎打ちの状況が生まれる。

 

「グァァギャァァァッ!!」

「フンッ!!」

 

息つくまもなく、両者は七メートルの間合いを一気に駆け抜ける。

 

「セイッ!!」

「ゴァァァッ!!」

 

放たれる遮打の軌道にレンは自身のひじを合わせると、そのまま巻き込むように体を捻って受け流す。《纏》による防御で攻撃をいなしつつ、入れ替わるようにその背後を取ったレンは、体を捻転しながらがら空きのリビングデッドの背中へ《寸剄》を放つ。そのHP がガクンッと落ち込み、体勢が崩れる。それでもなお此方を殺さんと拳を振りかぶってくるリビングデッドだったが、時既に遅し。レンは横に滑空するように活歩で移動し、着地と共にリビングデッドを踏み越える。空中で体を反転させながら、レンは左手のみをC-アックスに持ち帰ると、右の紗獄のトリガーを引き絞る。刃が頭部を穿ったところでレンは左のC-アックスを横殴りに振るってその首から上を跳ね飛ばし、くるっと廻って着地する。如何しても完全に削りきることの出来ないHPバーを追撃のC-アックスで奪い取ったその連撃は、余すことなくその残HPを吹き飛ばしゆっくりと立ち上がるレンと変わるようにその体を爆散させた。

 

「ハァ…………一丁上がり……っと」

 

本来なら一息でもつきたいところだが、生憎とそうは問屋が卸さない。まだレンが先ほど壁に吹き飛ばした計三対が残っており、依然として明確な敵意をレンへと向けて迫ってきているからだ。

 

「しつこいね……どうも。まぁ、俺がそう仕向けたんだが……」

 

ぼやくレンだが、既に布石は打ってある。後はソレを実行に移すだけだ。ニヤリと不敵な笑みを見せると、レンはその場からさも瞬間移動したかのごとき疾さで駆け出す。

 

「フッ!!」

 

リビングデッドの行動アルゴリズムが彼を認識するよりも先に間合いへと踏み込んだレンは、その牙を獲物へと開放する。右斜めへの斬り上げ、ワンテンポ遅らせて左で斬り込むと、右足を軸に時計回りに体を翻して右ひじから冲捶を叩き込む。リビングデッドのHPバーが枯渇し、夥しいほどのガラス片が自身へと降ってくるのも構わず、レンは右の紗獄を上空に投げ飛ばし、ゆっくりと歩き出す。その姿からは余裕が見て取れ、舞い散るガラス片とあいまってとても美しかった。そんなレンが残されたリビングデッド達にとってどう写ったかは定かではないが、レンにとってそんなことに興味はない。再び《活歩》による高速移動でリビングデッドに詰め寄ると、向かってくる下段回し蹴りを飛び越えて躱し、空中にて落ちてくる紗獄をキャッチ。逆手に持ち替えてからリビングデッドへとソレを叩き込んで握る手を離す。

 

「ギャアアアアッ!!」

「よっと」

 

両足でソイツを吹き飛ばしつつ、レンは次なるリビングデッドへと肉薄。

 

「っあ!!」

 

体を捻るように旋回させつつ、両足のレッグホルスターに残るトマホークとC-ナイフ全てを投げつける。たったそれだけでも、対象となるリビングデッドのHPはその殆どを削られていた。後は仕留めの一打を放てばその体は爆散するだろうが、レンはソレをあえて行わなかった。いや、出来なかったと言ったほうが正しいか。何故か?彼の予想をよりも早く、体制をリカバリーした先のリビングデッドが、背後から迫っていたからだ。唸りを上げて迫ってくる《閃打》の一撃は、レンにとって完全に想定外。それでも、彼の体は本能的に反射してのけた。インパクトの瞬間に体を駒のように捻転させて力を受け流すと、未だにリビングデッドの体に埋まったままである紗獄の柄の上から《寸剄》を叩きつける。ズブリッと嫌な音がして紗獄の刃がリビングデッドの体を切り裂いてゆき、貫通と共に肩口より先を吹き飛ばす。

 

「Так что нет (じゃあな)」

 

それだけ呟き、レンは腰にある鞘からレリーファを引き抜くと、ソードスキルのモーションを立ち上げる。上半身を斜め後ろに逸らしてから剣と一緒に円状に旋回、剣が紫煙色の円を引きつつレンを囲む二体のリビングデッドを切り裂く。これが、水平回転斬りのソードスキル《サイクロン・コイル》だ。

 

僅かなディレイの後、ほぼ同時に消え去ったリビングデッドを尻目に、レンは剣を回転納刀する。

 

「やっと終わったか……」

 

ポップアップした戦闘リザルトからドロップした《死者の腐肉》が目標数に達したのを確認したレンは、首を回して踵を返した。先程の寸剄によって地面に転がったままの紗獄を右足で蹴り上げ、左手でキャッチしてから脇下のドロップホルスターへと納める。

 

「…………帰るか」

 

“腹減ったし”

 

先の戦闘で幾つか思うところのあるレンだったが、今どうこうできるわけでも無し。索敵スキルを立ち上げて周囲の状況を確認しつつ、レンはそのフィールドを後にした。




このリビングデット達はサマンサがコントロールしてるんじゃないですかねー(棒

あのゲームでの最大の障害は、ゾンビでは無くオブジェクト(確信
ラウンド進むごとに注意力が欠けていくwwww

気が付いたらこの作品も本編が50話目とキリが良いんですね......全然そんなこと考えてなかった......笑
記念に何かしようかは迷ってます。コラボとか......

感想や意見などなどお待ちしております!!!

では又!!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。