SAO:Assaulted Field   作:夢見草

33 / 70
記念すべき第30話!!!

っても何も有りませんが笑さらにお気に入り件数が170突破!

これもそれも、全て皆さんのおかげです!ありがとうございます!

そして、これからもよろしくお願いします!!!


Ep30: My fell, Own way

最初でこそ、あんなハプニングはあったものの、だいぶ戦闘にも慣れてきたシリカと、平常運転のレンは、順調に先へと進んでいった。レンがひたすらフォローに徹してくれたおかげか、シリカのレベルはたちまち一つ上がった。

 

それにしても……

 

そうなると、不思議なのはレンの目的だった。三体のドラゴンクエイプを一瞬のうちに屠ったのを見届けた時から、かなりのハイレベルプレイヤーだろうと考えていたシリカだったが、一緒に行動していると、レンの実力には底の知れないものがある。たとえ多くのモンスターに囲まれても、レンは余裕を崩さず、片手剣としては少し細めで、微妙に湾曲している直剣一本で、一匹だけをシリカに残してバンバン倒してゆく。だから、そんなハイレベルプレイヤーがこんな層で何をしているのか気になってくる。

 

この冒険が終わったら聞いてみよう。

 

そう思いながら、シリカは弧を描く小道のループを歩いた。

 

「やっと到着したな」

「うわぁぁ」

 

二人がついたその場所は、今までとは比べ物にならないくらい綺麗な場所だった。《空中の花園》とでも表現しようか、ぽっかりと空いた場所に、見たこともない美しい花々が咲き誇っている。

 

「ここに……その花が」

「うん、真ん中あたりにある岩のてっぺんに…...」

 

居ても立ってもいられなくなり、シリカは駆けだした。

 

「ない……ないよ!レンさん!!」

「大丈夫、よく見て」

 

うろたえるシリカの肩に、レンはそっと手を置き、ある場所を指差した。

 

「あ……」

 

その先には、柔らかい地面から芽を出し、やがて、まるで早送りビデオでも見ているかのような速さで成長し、紅白の花を咲かせた《プウネマの花》があった。

 

「これで……ピナが?」

「うん、心アイテムに、その花の中に溜まっている滴をたらせばいい。おつかれ、シリカ。じゃあ、帰ろうか」

「はい!!」

 

正直なところ、早く転移結晶を使って帰りたかったシリカだったが、転移結晶も安いものではないので、はやる気持ちをぐっと抑えて足早にレンの後を追った。

 

これで……またピナに会える

 

そう思うだけで、シリカの心は安心感で満たされていった。

 

***

 

幸い、道中で二人がモンスターとエンカウントすることはなかった。ちょうど、あと一時間街道を歩けば戻れるというところで、不意にレンが足をとめた。シリカが、不思議に思っていると、レンは心配ないよ、とでも言うように、振り向いて微笑んだ後、道の両脇に茂る木立を見つめた。

 

「かくれんぼは終わりだ。出てこいよ」

 

あたりに響く、低い声。

 

「え……」

 

あわてて、シリカは木立に目を凝らした。その数秒後、木立からグリーンのカーソルのプレイヤーが表れた。炎のように真っ赤な髪、同じく赤い唇。エナメル状に輝く黒いレザーアーマーを装備し、片手に細身の十字槍をたずさえたその人物は、シリカもよく知る人だった。

 

「ろ……ロザリアさん……!?なんでこんなところに……!?」

 

しかし、ロザリアはその問いには答えず、レンを見やった。

 

「アタシのハイディングを見破るなんて、中々高い索敵スキルね。侮ってたかしら」

 

そして、ロザリアはシリカを見た。

 

「その様子だと、首尾よく《プウネマの花》をゲットできたみたいね。おめでと、シリカちゃん」

 

ロザリアの意図が分からず、シリカは思わず後ずさった。

 

「じゃ、さっそくその花をわたしてちょうだい」

「やっぱりか。悪いが、それは無理な相談だ」

 

そこで、今まで黙っていたレンが声を上げた。

 

「だからさ、諦めてくれ。犯罪ギルド《タイタンズハント》のリーダーさん」

 

ロザリアから、不敵な笑みが消えた。盗みや傷害、或いは殺人と言った犯罪行為を行ったプレイヤー又はギルドを、このSAOでは“オレンジ”や“レッド”と呼ぶ。それくらい、シリカも知らないわけではないが、よもや目の前のグリーンプレイヤーであるロザリアがそれに属するとは思ってもいなかった。

 

「え……でも、だって……ロザリアさんは……」

「一口に犯罪ギルドと言っても、皆がオレンジじゃないことも多い。ロザリアみたいに、グリーンのままターゲットに紛れて仲間がアンブッシュしている所で襲うケースもある」

「そ……そんな……」

「おそらく、シリカの前いたパーティーにいたのもそのためだろう」

 

ロザリアは、にたりと笑うと、パチパチと手を叩いた。

 

「ご名答。でも、そこまで分かっててノコノコ付きあうなんて、やっぱり体でたらしこまれたの?」

「いいや、俺もあんたに用があった」

「どういうことかしら」

「十日まえに、38層でギルド《シルバーフラグス》を襲ったな。メンバー四人が殺され、リーダーだけが生き残った」

「ああ、あの貧相な連中ね」

 

悪びれる様子もなく、ロザリアが頷く。

 

「俺は、その仇打ちに来たんだ。リーダーだった奴はな、毎日朝から晩まで、最前線のゲートで泣きながら頼んでいたよ。それでも、殺せとは言わなかった。その気持ち、あんたに分かるか?」

 

低く、氷のように冷たく鋭い声で、レンが言った。

 

「分かんないわよ」

 

面倒くさそうに、ロザリアが否定する。

 

「何よマジになっちゃって、だいたい、この世界で本当に死ぬかどうかなんて分からないじゃない。なのに正義ぶって、アタシ、そういうのが一番キライなのよ」

 

言いながら、ロザリアの掲げた右手が、二回ほど宙を仰いだ。すると、向こうの岸へと延びる道の木立から、わらわらとプレイヤー達が表れた。その数、およそ十人以上。その全てのカーソルが、オレンジ色に染まっている。

 

「どう?この数、あんたには無理でしょ」

 

唇を釣り上げ、嗜虐的な笑みを浮かべる。しかし、レンはたいして驚いていなかった。プレイヤー達の粘り行くような視線に耐えかねたシリカは、レンへと駆け寄った。

 

「れ、レンさん……人数が多すぎます。早くここから脱出しないと」

 

しかし、レンはシリカの頭を優しくなでて、穏やかに笑った。

 

「大丈夫。シリカはここで見ていてね」

「レンさん……」

「フンッ……」

 

そんなレンの態度が気に食わなかったのか、短剣使いの男が声を張り上げた。

 

「余裕ぶりやがって。その顔を恐怖に染め上げてやる!!行くぞ!!」

「「「オォォー!!」」」

 

その一声で、男達はレンへと刃を向けた。

 

立ち尽くすレンの周りを囲むと、男達はいっせいに飛びかかった。

 

「や、やめっ!!」

 

シリカの声も空しく、レンに無慈悲な牙が次々と襲いかかる。はたから見れば、蜂の巣も同然。しかし、男達はやがて気付く。己の刃が、火花を立て甲高い音を上げながら、何かに防がれていることに。

 

「な!!」

 

ソレに気付き、驚愕の声を上げたのは、ロザリアだった。継いで、シリカも理解する。あの剣劇の中で、何が起こっているのかを。嵐のようなその中、レンは、まるで無駄のない動きでそのことごとくをかわし、或いは左手に握っている剣でパリィしているのだ。更に恐ろしいのは、レンが息一つ乱していないところ。

 

「な……なんだよ……コイツ」

「バ、化け物だ……」

 

ハアハアと肩で息をしながら、男達はようやくこの異常事態に気づく。しかし、当のレンはすがすがしいほどに涼しい顔をしていた。

 

「今のアンタらじゃ、俺のHPは一ドットも減らせない。コソコソと隠れるしか能のないクズとは違って……」

 

レンから、殺意にも似た膨大な威圧感が漏れる。

 

「乗り越えてきた“修羅場”が違う」

「ひぃぃっ!!」

 

剣呑なその威圧に、男達は後ずさる。

 

「チッ!!」

 

不意に、ロザリアが舌打ちすると、腰から転移結晶を取り出した。

 

「転移―」

 

しかし、その言葉が言い終わらないうちに、レンが信じがたいスピードでロザリアへと接近し、転移結晶を奪い取ると、その首に脇下の鞘から抜刀したS-ナイフ《プロキシー》を突き付けた。

 

「ひぃ!!」

「これは、依頼者が全てと引き換えに俺に預けた回廊結晶だ。設定先は黒鉄宮の監獄エリア。後は軍のやつらに可愛がってもらえ」

「そのナイフ……アンタは、まさか……」

 

ありえない、とでも思ったのか、ロザリアが目を見開くが、やがて強気な笑みを浮かべる。

 

「―もし、嫌だと言ったら?」

「そしたら……」

 

ゾクリッ!!背筋が凍りつくような笑みを浮かべ、レンは続けた。

 

「全員殺す」

「がはっ!!」

 

瞬間、レンはロザリアの足を払うと、流れに逆らうことなく地面にたたきつけた。そのまま、《活歩》を使って瞬間移動のように移動する。ある者には軸足を蹴りあげてバランスを崩れさせ、ある者には腕で両手を抑え込み、ある者にはスライディングの要領で足を払い……共通しているのは、最後には投げナイフを体に突きたてられていることだった。ナイフに塗られた毒が、たちまちプレイヤー達の自由を奪う。

 

シリカが気づいた時、無事だったのはシリカとロザリア、そしてこれを引き起こしたレンだけ。ほんの一瞬の出来事だが、レンの一連の行動は空恐ろしいほど等しく皆の眼に焼きついた。

 

「レベル6のマヒ毒……とはいっても、口は動かせる。これが最後のチャンスだ」

 

二ヤリッと笑うレンは、オレンジ達にとって最早恐怖でしかない。次々とプレイヤー達が転移していき、最後に残ったのはロザリアだけだった。レンは、再び向き直ると、ロザリアに尋ねた。

 

「さて、残ったのはアンタだけ。どうする?ココで死ぬか?」

 

言葉は簡潔なのに、その口調は恐ろしいまでに冷たい。

 

「や、やめてくれよ……そ、そうだ!アンタと私で手を組まないかい?そうすれば―」

「もういい……黙ってろ」

 

レンは、うんざりとした表情を浮かべると、地面に倒れているロザリアに投げナイフを突き刺し、強引に身動きを封じると、その首根っこをつかんで頭からコリドーに放りこんだ。

 

 

 

 

 

 

その姿は、SAOにおける犯罪そのものに憎悪しているようで……いや、本当にそうなのだろうか。ただ呆然と見ていただけだったが、シリカには、そんなレンの後ろ姿が今にも壊れてしまいそうなほどにもろく、悲鳴を上げているような……そんな危うさがあるように感じた。

 




レ&カ&夢「「「後書きコーナー!!」」

レ「とは言いつつ...死ねよ糞作者」

夢「..........いきなり暴言は良くないと思う」

カ「まあ、今回ばかりは俺も赦せね」

レ「てことで..........」

チャキン!(←プロキシーを構える

カ「その身をもって..........」

キランッ!(←セイヴァーズソウルを掲げる

レ&カ「「俺らと楽しみにしてる読者に謝れ!!」

煌めく刃

レ「グハア!」

レ「思い上がって他の作品投稿しやがって」

カ「いくらこっちがプロット終わってるからって完結させろアーホ」

夢「すいまっせん」(←土下座

レ「よろしい」

カ「しかしまあ、第30話オメ」

レ「これからも頑張れよ、駄作者」

夢「それ応援してんの?それとも貶してんの?」

レ「さあな」

カ「感想や批判待ってるぜ!」

夢「おい..........」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。