うちはオビト憑依忍伝   作:asd

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陰と陽を足して、陰陽ができあがる。

オビトは今、ゲンマとライドウ、それにアスマを相手に刀を握っていた。とは言ってもただの演習である。カカシを綱手に任せたオビトは短冊街へと向かおうとしていたのだが、ミナトに見つかり、暇なら手伝ってくれと頼まれてしまったのだ。

 

飛んでくるクナイを刀で叩き落として、アスマと斬り結ぶ。三合でアスマの握っていた刀を弾きとばし、援護に入ろうとしたライドウを蹴り飛ばす。更にゲンマが放ってきたクナイを、最初の一本を掴み取り、残り二本を掴んだクナイで弾く。

 

その隙を狙ってゲンマが接近する。オビトのクナイを持った腕を身体に押さえつけ、空いた脇腹を抜き手で突こうとするが、オビトは刀の柄頭でその手を叩く。

 

「アスマ!風!」

 

ライドウとアスマが印を結び、火遁と風遁を放つ。ゲンマは腕を押すようにしてオビトの膝に足を乗せ、飛び跳ねるようにその場を離れる。

 

火遁・豪炎

風遁・大突破

 

風遁が足された豪炎は巨大な火炎となってオビトに襲いかかるが、オビトは冷静に口寄せを行う。

 

口寄せ・羅生門

 

巨大な門で火炎を防いだ。とは言っても十分に熱くはあるが。

 

オビトは門の死角に隠れ、土遁で地面に潜る。

 

三人ならんで門へと警戒しているところを右から順番に地面に埋めた。そして、三人の生首が出来上がった。

 

 

 

よっこいしょ。と真ん中にいたアスマの頭に座って休憩する。

 

「オビト、重い」

 

「まだ中忍といえど、三人とも情けないな。それでも護衛小隊かよ。カカシとまでは言うつもりはないけど、もう少しできるようになろうぜ」

 

「お前とカカシが別格すぎるんだよ」

 

ゲンマがそう言ってヘタレる。言っていることは分からないでもない。確かに同期のなかでもオビトとカカシは別格かもしれない。しかし

 

「中忍だからって上忍と戦うこともあるんだから。そんなぬるいこと言ってんなよ」

 

戦いにおいて、敵は選べない。特に、里のトップである火影の護衛小隊であるならば全ての敵を迎撃しないといけないので尚更だろう。尤も、あのミナトに護衛が必要かと聞かれれば不必要だろうが。むしろ必要なのは小姓であり参謀だろう。

 

アスマからパクったタバコを吸いながら休憩しているとアンコと紅がやってくる。

 

「なにやってんの?あんたら」

 

「休憩中。それ、団子?俺にもくれよ」

 

オビトはアンコから団子を受け取ると自分が咥えていたタバコをアスマの口に突っ込むと団子を食べ始める。

 

「ところでアロマ」

 

「人をストレス解消法みたいな名前で呼ぶな!」

 

「タバコもアロマと言えなくもないんだぜ?ところで、そのタバコ糞まずいんだけど、どうしてくれるんだよ。これは口直しにしるこをおごってもらわないと困るな」

 

「あ、あたしも行く」

 

「おごるのは決定なのかよ。んな金ないし!」

 

「昨日給料日だろうがよ!」

 

オビトはそう言うとアスマを地面から引き抜き立たせる

 

「どうする?嫌なら、また埋めるけど、ロープで縛ってから埋めるけど」

 

「分かった、おごる。だからやめろ。埋めるのはやめろ」

 

アスマは諦めながらもそういうと、ゲンマとライドウを引き上げる。ライドウとゲンマはアスマの肩を叩きながらゴチになります。という。アスマは二人にチョップすると、逃げようかと考えるがすぐに諦める。なんといってもオビトがいるのだ。絶対に逃げられない。

 

ヘタをすれば他のものも奢らさせられる。ここは妥協しておとなしくしるこをおごるべきだろうと、考える。ゲンマとライドウはともかく、くノ一二人とオビトの三人おごるくらいなら大した出費にならないのだから。

 

その後、オビトたちはアスマにしるこをおごらせた後、それぞれの修行に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

斬!と木を切り裂き、更に二つの手裏剣が木を貫く。

 

 

「で、できた」

 

嘗て、柱間が考案した体術奥義・超火遁幻術斬り大手裏剣二段落としの術。

 

刀に火遁を纏わせ、相手に火の揺らめきを利用して視覚的幻術を掛け相手を縛り、そのまま火炎を纏った刀で切り裂き、操手裏剣の術で大手裏剣を操り、一発二発と叩き込む技である。一体どれほどの意味があるのかわからないが、威力は中々である。

 

子供の発想だったのかもしれないが、一対一なら幻術が決まった時点で並みの忍なら殺せるので案外いい術かもしれない。

 

今日はスロットの予定だったがミナトのせいで予定が狂った。少しスロットをしてもあまり意味がないので、その予定は明日に回した。最近、あの店にスロットに行くと店員さんがいい顔をしないのだ。前に、いちゃもん付けられたときにつまみだろうとした警備員をボコボコにしたのが悪かったのだろうか。

 

 

そう考えていたら、後ろから手裏剣が飛んでくる。それを忍刀で弾くと上から声が聞こえる。

 

「千鳥!!」

 

右手に雷遁を纏ったカカシが木を伝って突っ込んでくる。写輪眼で千鳥に込められているチャクラを見て、それに合わせて螺旋丸を発動させる。

 

「螺旋丸!」

 

千鳥と螺旋丸が相殺され、互いがそれぞれを吹き飛ばす。

 

「って」

 

「とと」

 

地面に足をつけていたオビトはその場でたたらを踏んで、カカシは木に着地する。

 

「おう。似合ってるな、その写輪眼」

 

とんっと地面に着地してカカシはオビトを見据える。

 

「今の、四代目のだよな」

 

「おう。写輪眼なら真似できんぞ。それに千鳥も完成したようだし」

 

「おかげさまでな。せめて一言欲しかったが」

 

カカシの左眼は写輪眼となっており、目尻の横の肌がしわしわとなっている。

 

オビトが綱手に移植を頼んだのは写輪眼だけではない。その消費チャクラを抑えるために、柱間細胞も移植させたのだ。

 

「よし、使い慣れるために。今からサバイバル演習でもするか!おまえは常に写輪眼を維持して、実戦でどれくらい使えるか。ちゃんと把握しろよ」

 

オビトはそう言うと煙玉を地面に叩きつけるとその場から消えた。

 

そこから深夜までカカシとオビトはサバイバル演習に勤しんだ。

 

 

 

 




次の更新は遅くなります。

20~30日位かかると思います。

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