大会の登録、機械で登録するらしい。ボッチに対する扱いがなっているので非常に好感が持てました。と、思ったのだが、なぜ住所を登録する必要がある…。これは登録すべきなのか…?
同じことを思ってたのか、キリトも声をかけてくる。
「なぁ、エイトマン。ここなんだけどさ」
「あぁ、どうするか…」
「まだ登録してないの?」
「「‼︎っ」」
後ろから声を掛けられて、名前以外登録してないのに登録してしまった。てか入力なしで登録出来るんだ。
「どしたの?」
「「な、なんでもない…」」
「そ、ならさっさと準備しなさい。一回戦までそんなに時間ないんだから」
シノンに言われ、その後に続く。
「いい?大会では敵同士だから。変な馴れ合いは不要だからね。情なんて捨てて本気で来なさい」
そう言われてもこっちは遊びでこの世界に来たわけじゃない。なんとかして死銃と接触しなければならない。
「わーったよ」
生返事だけしておく。シノンは怪訝に思いつつも、大会の準備をしに行った。俺とキリトもとりあえず着替える。ちなみにキリトは光剣を買っていた。なんで銃の世界まできて剣なんだこいつ。まぁ、俺も一応、剣買ったから人のことは言えないけど。
さて、一回戦。ここで負けるわけには行かない。むしろ派手に勝って死銃に注目されないといけない。ステージは密林。相手がどこにいるか分からないが、こっちから動くことはない。銃弾が飛んで来た方向が分かれば…。
そして、赤い線が見えた。俺の頭を赤い線が貫いている。その赤い線から遅れて飛んでくる銃弾。遅いな…。俺は避けた。そして、さらに赤い線が俺を貫く。それをもかわし、当たりそうな時は剣で弾いた。今の俺、超かっこいい。
そして、向こうがリロードを行った時、俺は走って近付いた。銃を構えるがもう遅い。剣を抜き、正面から叩き斬った。勝ったか…。大会のロビーへ戻ると、キリトがいたのだが、その前には変なボロマントの奴がいる。マントのおかげで性別は分からないが、なんか嫌な雰囲気を出していた。とりあえず、キリトの元へ向かう。
すると、そいつはどこかへ行ってしまった。
「おいキリト、今の奴…」
「……」
「キリト…?」
「エイトマン、ラフィンコフィンって覚えてるか?」
「あぁ、あのクラ…クラ…クラシックがいた所だろ?それがどうした?」
「……やつの包帯の下にはそのシンボルがあった」
「!」
おいおいマジかよ…。まさか、死銃の正体って…。
「そいつが死銃だと思っていいな」
「あぁ、だけどキャラネームが分からないから追跡しようがない」
「ラフコフのメンバーである以上、俺達の知ってるメンバーのはずだ。あの時、何人生還したっけ?」
「10人以上は帰ってる。絞り切れない」
「……」
ふと見ると、キリトの顔色がやばかった。今にも吐き出しそうなくらいだ。そんなキリトの肩に俺は手を添える。
「落ち着け」
「……!」
「俺達の体は保護されてる。安全は保証されてるんだ。だから落ち着け」
「……悪い」
取り乱すのは分かるが、一応俺達は総務省に頼まれて来ているし報酬も出る。また、下手したら人の命もかかっている。こんなところで冷静さをかいてもらっては困る。
「なんて顔してんの?」
声を掛けて来たのはシノンだ。
「一回戦目でそんな様子じゃこの先…て、ホントに大丈夫?」
キリトの様子を見て、割と心配そうに顔を覗き込むシノン。
「大丈夫だ。家のエロ本が妹にバレて焦ってるだけ…」
その瞬間、キリトのマッハパンチ並のパンチが俺の顔をパンチした。
「ひ、人聞きの悪いことを言うな!え、エロ本なんて買ったことねぇよ!」
「そっか、キリトもそんな見た目でも男の子だもんね」
「し、シノンやめて!違うから!」
うんまぁ、元気になったようでなにより。とか思ってると、聴きなれない声がした。
「シノン!」
三人で振り返ると、男の子がこっちに向かって歩いてきた。
「シュピーゲル」
「え?ドモンのお兄さん?ゲルマン忍術でも使えるの?」
「エイトマンうるさい」
おいこらキリト、誰のおかげで落ち着いたと思ってんだ。
「シノン、その人達は?」
「私の敵、それ以上でもそれ以下でもないわ」
「え、なにそれツンデレ?」
「死ねっ!」
ちょっ!二人して殴らなくてもいいじゃないですか!
「は、はぁ…そうですか。僕はシュピーゲルです」
「騙されないでね。そいつら男よ」
「えぇっ!?」
「き、キリトです」
「エイトマンだ」
「は、はい…ちなみにシノンとはどのような関係で?」
「先生」
「チュートリアルとかに出てくる妖精」
「敵」
「な、なんか全員バラバラだなぁ…まぁ、シノン、頑張ってね」
「うん、またねシュピーゲル」
そのままシュバルツはどっかへ行ってしまった。なにしに来たんだあいつ…。まるで、俺とキリトの名前を確認しに来たみたいだ。
「シノン、あいついつもあんな感じなのか?」
「ううん、普段はもうちょっと応援してくれるんだけど、あなた達がいたから気を使ってくれたんじゃない?敵だから必要ないのに」
お前はもっと気を使え。そう思ったが口にしない。また殴られると思うともはや逆らえなくなるレベル。
「じゃ、精々決勝まで来なさいよ」
そう言われて俺もキリトも頷く。シノンはそのままどっか行ってしまった。
そして、ついに決勝まで来た。ここまでくれば死銃も多少は俺やキリトに注目するだろう。あとはどこまで生き残れるか、ってところだ。そして、どこまで死銃のカラクリを暴けるか。決勝は明日、それに備えておこう。