ポケットモンスター―アルトマーレの誓い―   作:中2病人間M

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シルフカンパニー

ここはアラカワシティにある、シルフカンパニーアラカワ支店。

 

 

ここでは主にシルフカンパニーの登録商標であるモンスターボールを始めとするポケモン関連の商品の開発を行っていた。

 

 

シルフカンパニー、その歴史は長くカントーにおいて創業者は漢方薬屋から始まったのだ。

 

 

その後、急激に成長し今では国内外にまで支店があり、このアラカワ支店では工場を併設し前述通りモンスターボール等の製造及び商品開発を行なっていたのである。

 

 

「いいですね、このモンスターボールが実現すればもっと多くのポケモンが幸せになりますね……他に報告はありますか?」

「はい」

「どうぞ」

 

 

ホウエン地方にあるデボンコーポレーションから来ている派遣社員が発言した。

 

 

弊社(デボン)で開発したタイマーボールにリピートボールの更なる改良実験ですがボールの要領をオーバーしたため失敗に終わりました」

「ふむ、クイックボールの時のようにはいきませんね」

 

 

モンスターボールはシルフカンパニーの製品であるがホウエン地方においてはデボンコーポレーションに製造、販売を業務委託しており、また、タイマーボールやリピートボールといった一部の製品はデボンコーポレーションが改良したモンスターボールなのだ。

 

 

因みにクイックボールはタイマーボールが開発されてから暫くしてデボンコーポレーションにより開発されたのである。

 

 

「それであなた、あの新作のモンスターボールは?」

 

 

その男性は別の社員に新作のモンスターボールのことを聞いた。

 

 

「あー、あれですか、すいません、容量が多すぎて手こずっています」

「そうですか、急いでくださいね」

「あの」

「なんですか?」

「あのモンスターボールっていったいどこからの指示で作っているんですか?」

本社(ヤマブキシティ)ですよ」

「しかし、通常新たなモンスターボールを開発するときは本社から通達書が来るはずです」

「………私が受け取っています」

「…………」

「いいですからあなたたちは要望通りに開発しなさい」

「はい……支店長」

 

 

 

 

 

サトシたちはアラカワシティのマチヤエリアのポケモンセンターにいたのだ。

 

 

ここである人と待ち合わせをしていたのである。

 

 

「まだかな」

『ピカピカ』

「サトシ君、楽しみだね」

「そうだな、カノン」

「ほら、サトシ、カノン、きたぞ」

 

 

サトシたちの前にユカワ博士がやって来た。

 

 

「やぁ、待たせたね」

「ユカワ博士!!」

『ピカピカ!!』

「こんにちは!!」

「ご無沙汰しております」

「こんにちは、みんな花火大会はどうだった?」

「楽しかったです!!」

『ピカピカ!!』

「でも、泥棒がいて大変だったな」

「でも、サトシ君が捕まえてくれたから」

「それは災難でしたね」

「でも、カノンはそのおかげで新しいポケモンゲットしたもんな」

「うん!!」

「ほぅ、どんなポケモンですか?」

「この子です」

 

 

カノンはモンスターボールからドーブルを出したのだ。

 

 

『ドーブル!!』

「ドーブルですか、いいですね、絵師さんのパートナーとして有名なポケモンですね」

「絵師……」

「カノン、絵、上手だもんな」

『ピカピカ』

「ありがとう……サトシ君」

「おっと、時間が……歩きながら話そうか」

 

 

サトシたちは目的地へと歩き出したのである。

 

 

「ユカワ博士、本当にモンスターボールの工場が見れるんですか?」

「えぇ、カノンさん、本来ならば無理ですがサトシ君のおかげで許可がでました」

「え?」

『ピカピ?』

「サトシ君?」

「サトシ、何かしたのか?」

「カロス地方にあるシルフカンパニーのボール工場が悪人に占拠された時にサトシ君が悪人を追い払ったことがあるそうですね?」

「カロス………!!ああ、そうか」

「えぇ、先日、私の研究室にシルフカンパニーの社員さんがいらした時にサトシ君の話をしたらカロスでの事件のことを教えられて、そのカロスの事件以来セキュリティが強化されてますがサトシ君がいるなら是非にと」

「サトシ君、そんなことがあったんだ」

「ああ、そうだぜ、カノン」

「誰がそんなことを?」

「タケシ、あいつらだよ」

「ああ、なるほどな」

「あ、皆さん、着きましたよ!!」

 

 

ユカワ博士の案内でサトシたちは受付へと向かった。

 

 

「お待ちしておりました、ユカワ博士」

「どうも、お忙しいところありがとうございます」

「いえいえ」

 

 

出迎えてくれた男性はサトシに握手の手を伸ばしたのだ。

 

 

「君がサトシ君ですね、カロスのボール工場の工場長から聞いていますよ、初めましてシルフカンパニー、アラカワ支店、支店長のシライシです」

「初めまして、サトシです、で、こっちが相棒のピカチュウ」

『ピッカチュー』

「カノンです」

「自分はタケシと申します」

「よろしくお願いいたします、では、中を案内しますよ」

 

 

サトシたちはシライシ支店長の案内で支店内を見学したのである。

 

 

「この下に見えるのがモンスターボールの製造ラインです、この支店ではニッポンで使われるモンスターボールの殆どが製造されています、カロスのボール工場と同じように製造ラインにはオートメーションシステムが採用されています」

 

 

その時

 

 

工場内に警報が鳴り響いた。

 

 

「何事ですか!?」

「支店長、大変です、何者かが支店内のデータを外部からの攻撃で盗もうとしています!!」

「なんだって、至急、カウンタープログラムを!!」

「了解!!」

 

 

その時

 

 

突如、工場内にりんぷんが蔓延したのだ。

 

 

「今度は何事ですか……これは……りんぷん!?」

 

 

その時

 

 

「今度は何事ですか……これは……りんぷん!?と言われたら!!」

「答えなければ仕方ない!!」

「輝きに響けクライマックス!!」

「世界に響く奇跡の音!!」

「「『我ら世界をかける無敵のロケット団!!』」」

「ムサシ!!」

「コジロウ!!」

『ニャースだニャー!!』

『コンパン!!』

『モンジャラ!!』

『ソーナンッス!!』

「ロケット団!!」

『ピカピカ!!』

「知ってるのかい?」

「シライシさん、あいつらですよ、カロスのボール工場を占拠したのは」

「なんだって……ここのデータを盗もうとしたのもお前らか」

「データ?」

「そんなの知らないわよ」

『とにかく、ここのモンスターボールは全て頂きニャ!!』

「させるか、ピカチュウ、10万ボルト!!」

『ピッカァァ!!』

「ソーナンス!!」

『ソーナンッス!!』

 

 

ピカチュウの10万ボルトはソーナンスのカウンターによって跳ね返されたのである。

 

 

『ピカァァ!!』

「大丈夫か、ピカチュウ」

『ピカッ……』

『……あの扉の先はなんニャ?』

 

 

ニャースは他とは違い厳重そうな扉を見つけた。

 

 

「!!Aボールが……」

「聞いたぜ聞いたぜ!!」

「なんかすごいモンスターボールがあるようね」

『頂きニャ!!』

 

 

ロケット団はその扉の方へと走っていったのだった。

 

 

「まずい、Aボールが……」

「シライシさん、そのボールって」

「サトシ君、今、開発している世界を平和にするためのモンスターボールだよ」

「世界を平和にするためのモンスターボール!?」

『ピカァ』

「まだ完成していないが今の段階でも相当の資金と労力が使われている……やつらに渡すわけには」

「シライシさん、俺、ロケット団からAボールを守ります!!」

『ピカピカ!!』

「私も!!」

「自分も戦います!!」

「……ありがとう、こっちだ、Aボールの所へ先に回れる」

 

 

サトシたちはシライシ支店長の後に続き違う扉を通り、見たことのないモンスターボールが置いてある部屋に着いたのだ。

 

 

「これがAボールです」

「これが……」

『ピカァ……』

「しかし、これはまだ未完成で完成にはまだまだ先が長いんです」

「シライシさん、このモンスターボールの用途はいったい」

「タケシ君、すまないがそれは教えることができないんだ」

「……そうですか」

 

 

その時

 

 

「なんでお前らが」

「先回りなんて卑怯よ!!」

『そうだニャ!!………ニャニャ!!あれがすごいモンスターボールニャ!!』

「渡すもんか!!ピカチュウ」

『ピカァ!!』

「ヨーギラス!!」

「グレッグル」

 

 

カノンとタケシはそれぞれヨーギラスとグレッグルをモンスターボールから出したのである。

 

 

『ヨーギ』

『ケッ…』

『力ずくで奪うニャ!!』

「モンジャラ!!」

「コンパン、ソーナンス!」

『モンジャラ』

『コンパン』

『ソーナンス!!』

「モンジャラ、つるのムチ」

「コンパン、サイケ光線!!」

『モンジャラ!!』

『コンパン!!』

「ピカチュウ、エレキボール!!」

「グレッグル、かわらわり」

「ヨーギラス、シャドーボール!!」

『ピカァ!!』

『ケッ!!』

『ヨギィ!!』

 

 

ピカチュウとグレッグルの攻撃でモンジャラとコンパンはダメージを受けた。

 

 

しかし、

 

 

「ソーナンス!!」

『ソーナンッス!!』

 

 

ヨーギラスのシャドーボールは跳ね返されたのだ。

 

 

『ヨギィ!!』

「ヨーギラス!!」

『早くあのモンスターボールを頂くニャ!!』

 

 

その時

 

 

「いい加減にしたまえっ!!」

 

 

シライシ支店長が突然声をあげたのである。

 

 

「ここから出ていってもらう……」

 

 

シライシ支店長はモンスターボールからドータクンを出した。

 

 

「ラスターカノン……」

『ドォタクン!!』

 

 

ドータクンはロケット団へとラスターカノンを放ったのだ。

 

 

「ソーナンス!!」

『ソーナンス!!』

 

 

ドータクンのラスターカノンはソーナンスによって跳ね返されたのである。

 

 

「サイコキネシス……」

『ドォ!!』

 

 

ドータクンのサイコキネシスにより跳ね返されたラスターカノンが停止した。

 

 

「お返ししなさい……」

『ドータクン!!』

 

 

ラスターカノンはロケット団へと向かい爆発したのだ。

 

 

「何よ何よ!!最後のあれありなの!?」

「まさか、跳ね返したのをまた返されるとは、ま、ゴージャスボール手に入れたからいっか!!」

『コジロウだけずるいニャ!!』

「ニャースにモンスターボールは必要ないだろ」

『!!そうニャ、ニャーはポケモンだったニャ』

「「「『嫌な感じ~!!』」」

『モンジャラ』

『コンパン』

『ソーナンッス!!』

 

 

 

 

「シライシさんのドータクン、すごいですね」

『ピカピカ!!』

「いや、そんなことない、とにかく一緒に戦ってくれてありがとう、お礼に好きなモンスターボールをみんなにあげるよ」

「本当ですか!!」

『ピカピカ!!』

 

 

その後、サトシたちは支店をもう少し見学し最後に気に入ったモンスターボールを貰ったのだった。

 

 

 

 

その後、サトシとユカワ博士は支店の前にいたのである。

 

 

「さてと、私は総合センターに戻るよ」

「はい、ユカワ博士、ありがとうございました」

『ピカピカ』

「いやいや、私こそいいものが見れたよ、ありがとう」

 

 

 

 

 

サトシたちが去った後、オフィスの自室にてコーヒーを飲むシライシのスマホに着信が入った。

 

 

「公衆電話……あの方か……」

 

 

シライシは自室の外に誰もいないことを確認すると着信に応答したのだ。

 

 

「もしもし」

『私だ』

「別にあの方の声にしなくても……てか、どこにいるんですか?ガヤガヤうるさいですね」

『支店で何かあったようだな』

「はい、ちょっと侵入者がね、価値もわからない連中がAボールを盗もうとして……ああ、でもAボールは無事ですよ、それとこれは小耳に挟む程度に、実は連中が侵入したと同時に支店内へサイバー攻撃された形成がありましてね」

『ほぅ』

「どうやらヴィーナスのようです」

『やつか、無駄のことを』

「はい、いくらこちらを探してもマスターボールの設計図があるのはロシアの奥地、ポナヤツングスカ支店であり、そもそも設計図があってもヴィーナスたちには作れませんよ」

『そうだな』

「とにかく早いうちにAボールを完成させます、社員たちもどこからの指示なのか疑問に思ってるようですからね」

『わかった、また連絡する』

「はい、失礼いたします」

 

 

通話が切れるとシライシはスマホをしまったのだった。

 

 

 

 

ここはアラカワパーク、アラカワシティにある子供向けのテーマパークである。

 

 

パーク内をサトシの知り合いの少年、ライが歩いていた。

 

 

ライはベンチに座るといつも使っている自作の絵本を開いたのだ。

 

 

「昔々アルトマーレという島におじいさんとおばあさんがいました……………」

 

TO BE CONTINUED…




Aボールとは何か?シライシ支店長が誰と電話してたかって?なんで最後にライを出したかって?教えないで~す

それよりどうやったらカノンをメチャクチャ可愛くかけるのかな…

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