Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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閑話: IS学園との契約

時はさかのぼり8月の25日。

IS学園の学園長室に櫻と楯無は居た。もちろん、2人を呼んだのは学園長である轡木朱鷺子(くつわぎときこ)、ではなく、時折見かけた用務員のおじさんである十蔵だった

 

 

「えっと、いきなり呼ばれた理由をご説明願います」

 

「それは櫻ちゃんにいろいろお願いがあってね……」

 

「結構ですよ、私から説明しますから」

 

では、改めて。と用務員のおじさん、改め轡木十蔵は始めた

 

 

「こうして会うのは初めてですかね? 天草くん」

 

「ええ。それで、私に何かご用件があるのではないですか? 廊下を走った程度しか校則違反の記憶はありませんのでお説教ではなさそうですが」

 

「はっはっ。では手短に済ませましょう。あなたに学園で講師をお願いしたいのです。それといくつか」

 

「吹き込んだのは更識先輩ですか?」

 

「ええ、更識くんが話しの中で。わが校に企業連の代表、IS研究の先端を行く人物が居るともなればぜひともその力を貸していただきたいものですからね」

 

楯無をひと睨みすると、てへぺろっ☆とイラッとする仕草を返された。これは後で虚先輩に報告だ

 

 

「講師をするのは構いません。ですが、こちらとてボランティアで、とは行きません。最低限学園の教員に準ずる待遇を求めます。それと単位も」

 

「ええ、もちろん。あなたを雇いたい。と言ってるも同然ですから当然教員と同じ待遇を保証しましょう。単位も専門科目は履修不要とみなし、欠席回数に関しては計らいましょう。テストは受けていただきますがね」

 

「講師の件は了解しました。それで、他にもあるのでしょう?」

 

「これはあくまでも学園の長から企業連の代表へのお願いなのですが、卒業後に企業連の傘下企業への就職枠を頂きたいのです。すでに国内外数社に同じようなお願いをし、枠を確保して頂いています。ですから、IS開発をリードする存在である企業連への道筋が当校から開けるというのも生徒にとって、また、これからの受験生にとって大いに励みになると思います」

 

「そうですね。企業連としても技術者、操縦者の育成は重要なことだと認識しています。ですが、正直な所、IS学園の生徒から雇えるのは留学生のみでしょう。理由は言わずともお分かりいただけるかと」

 

「語学力ですか……」

 

「その通りです。我々は世界中に広がるコンツェルンですから。一応話は今度の会議にかけますが、間違いなくそこを突かれるとおもいます」

 

唯一の希望は有澤重工ですかね? と言って楯無を見るとにこりと笑って扇子を広げた、そこには「ワンチャン」の文字。熟語だけじゃないのね

 

 

「では、採用枠の話はお願い致します。講師についてはまたお話を」

 

「わかりました。こちらこそ、よろしくお願いします」

 

自分が講師として働くのはまだいいが、採用枠の話はなんとも言えなかった。自分が講師として見ていく中でいい生徒をヘッドハンティングするのが最善だが、それは不平等すぎる。どうしたものかなぁ、と頭を悩ませつつグデッと客前にもかかわらずソファで伸びた

 

 

「さて、天草くんもおつかれのようですし、少し休憩といきましょうか」

 

 

その後、学園の長と生徒の長、そして世界的企業の長と言う謎のメンツでのお茶会と相成った


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