Who reached Infinite-Stratos ? 作:卯月ゆう
すみません
櫻舞う季節に
春、それは始まりと終わりの季節
学生にとっては卒業と入学の季節だ
IS学園の入学式を数日後に控え、プライベートジェットで羽田に降り立ったフュルステンベルク家一行は春の日本に懐かしみと感動を覚えていた
「日本よ! 私は帰ってきた!」
「ここが日本ですか……」
「ついに櫻も高校生なのね、感慨深いわ」
「さくちんも大きくなったよねぇ、ここ1~2年で特に」
「やっぱりきっかけがあると娘の成長を実感するわね」
「だよねぇ」
「そうなのですか?」
「感動しているところ申し訳ないけど、入国審査に行かない?」
そう、ここは日本だが彼女らは日本に居ない。
まだ駐機場にいるのだから
「そうね、早く済ませて美味しいものでも食べましょ? 隆文さんにいいお店聞いたから」
「おじさんのおすすめは期待できるね! なにが出てくるかなぁ」
「なんにせよ美味しいものに変わりはない!」
「束様、これからどうすれば」
「その時にいうからとりあえずついてきなよ」
そう行って用意された車に乗り込み、ターミナルビルに向かう、まずは国に入らなければ
紫苑と櫻は二重国籍、"束音"は日本国籍なので帰国扱いだが、クロエはドイツ国籍。なんともややこしい。ちなみに扱いは紫苑の養子である
入国審査で止められることもなく、荷物も引っかからなかった一行はとりあえずホテルへ向かうことにした
「ふぃ~、特に引っかかることもなかったけどやっぱり緊張するねぇ」
「だね、引っかかるんじゃないか、引っかかるんじゃないかってどこか不安だからね」
「そうなのでしょうか? 私はただの事務手続きにしか」
「まぁ、クーちゃんは引っかかったことないからね」
「一度引っかかるとわかるよ」
「ほら、3人共置いて行くわよ」
紫苑はすでに数十メートル離れたところから手を招く、気がついたらどこかに行ってるのが紫苑だ
それからタクシーでホテルへ向かい荷物を下ろすと、電車で一路品川へ向かった
「それで、おじさんのおすすめは何なの?」
「今日はイタリアンよ、あのビルの中ね」
「イタリアンかぁ、ピザとかパスタみたいなイメージだなぁ」
「コースだからいろいろ出てくると思うわよ」
「私はどうすれば……」
「緊張しないで、普段通りふるまえばいいよ。クーちゃんは束さんとママさんが育てたんだ、何処に出ても恥ずかしくないよ」
「お姉ちゃん、私も忘れないでよ」
「さくちんはクーちゃんより年下だしなぁ」
「櫻様は姉妹だとおもっていたのですが……」
「さくちんひど~い」
「櫻、あまりクロエちゃんを泣かせないでね」
「そ、そんなわけで言ったんじゃないよ! 私はクロエの妹だよ」
「冗談です。櫻様は私の姉であり、妹です」
「クロエ、いい子に育ったなぁ! 私は嬉しいよ」
そう言ってクロエの頭をワシャワシャと撫で回す
「櫻様、やめてください」
ボサボサになった髪を整えながらクロエがぼやく
「櫻様も明後日からハイスクールなのでしょう、気を引き締めなければ」
「ふぇぇ、クロエまでそんなこと言うのぉ」
「私は櫻様の姉でもありますから」
そうして一行は有澤おすすめイタリアンを堪能し、また部下に自慢、そして有澤に東京観光の約束を取り付けた
どこかで見た流れだが、気にしてはいけない
「そういえば櫻、制服のデザインはどうしたの? まだ見てないけど」
「ふっふ~ん、入学式まで秘密なのです!」
「ふふっ、楽しみね。あまり扇情的なのはダメよ?」
「そ、そんなわけないじゃん! 普通だよ普通」
「あなたと束ちゃんの普通ほど信用ならないものはないと思うけど?」
櫻と束がなんとも言えない表情になったのは言うまでもない