Who reached Infinite-Stratos ? 作:卯月ゆう
新東京国際空港、日本の空の玄関の一つであり、様々人が出会いと別れを繰り返す場所
「じゃあな、束さん、櫻!」
「元気でな、束、櫻」
「ちーちゃんといっくんもね、束さんは見てるからね」
「束お姉ちゃんがいうと冗談に聞こえないよ。お世話になりました一夏くん」
「あれはお互い様だろ」
「かもね、ふふっ」
「束、アレ忘れるなよ」
「アハハ、忘れちゃうかもナー」
「モンド・グロッソでトルコ代表をぶっ潰すか……」
「それは私が困ります!」
「冗談だ、だが、楽しみにしているからな、ドイツビール」
「ムッティに聞いて地元の美味しいのを贈りますよ」
「頼んだぞ」
「ええ」
「じゃあ、櫻、次はモンド・グロッソでな!」
「絶対に抜かされないから!」
「お前をあっと言わせやるからな!」
「楽しみにしているぞ、お前たちの作ったISと戦えるのをな」
「私達はほとんど手を付けてませんけどね、オーメルの名の下、負けられませんね」
「じゃ、ちーちゃん、モンド・グロッソを楽しみにしてるよ! いっくんも、また会おうね!」
「束さん、櫻、また会おうな!」
そうして、ゲートの向こうに去っていく2人を見送る織斑姉弟の後ろに、どこか怪しげな雰囲気をまとった男が一人、どこかに連絡をとっている
「織斑家はいま誰も居ません、回収は今です」
「了解した」
帰りの機内では、やはり日本の感想を言い合っているようだ
「束お姉ちゃん、どうだった? 久しぶりの日本は」
「ちーちゃんと会えたし、満足だよ」
「だよねぇ、私達は日本代表の織斑千冬じゃなくて、一緒にISを作った織斑千冬に会いたかったんだもんね」
「そうだよ。ちーちゃんと一緒におしゃべりして、お酒飲んで、いっくんの料理を食べて、束さんは幸せだよ」
「私もだよ、ムッティへの土産話も出来たしね」
「どういう意味かな? さくちん」
「ふふっ、どうだろうね?」
「さくちんは年々ママさんに似ていくね」
「そう?」
「そうだよ、とくに笑い方とかね」
「そうかなぁ?」
「気づかないうちに変わっていくのが成長だからね……」
「よくわかんないけど、帰ったらやることがたくさんだよ、証拠隠滅とか」
「そろそろちーちゃん家の盗聴器が回収されてるんじゃないかな?」
「だね、帰った頃には解析も終わってデータがサーバーに保管されてるでしょ」
「こっちには必殺の手札もあるし、ちょっと日本を揺すってみればポロッと行くかもね」
「お金が欲しいわけじゃ無いんだけどなぁ」
「さくちんは無欲だねぇ」
「どうだろうね?」
13時間のフライト、まだまだ先は長い
2人はとりあえず、眠りにつくことにした
「さくちん、一緒に寝ちゃダメ?」
「飛行機なんだからダメに決まってるでしょ」
「うぅ」
-------------------------------
「なぁ、千冬姉、久しぶりに2人にあえて、どうだったんだ?」
「もちろん嬉しかったさ、一緒に喋って、酒を飲んで、一夏の料理を食べたんだ。これ以上の思い出はないさ」
「だよな、久しぶりに櫻に会って、俺ももっと頑張らないとって思ったし、少しの時間だけど、すごい濃い思い出になったと思うんだ」
「なら、櫻のように努力をするんだな、あいつも元からああだった訳じゃない、私達の知らないところで努力を続けたから今の櫻があるんだろう、ならば一夏、お前も同じように努力しろ。どんなことでも決して無駄にはならないさ」
「だな、やる気出てきた!」
「ふふっ、さ、電車が来た。これからやることは山積みだ、お前も奴に負けるんじゃないぞ」
出会いは別れの始まりと言う、だが、別れはまた出会いのはじまりでもあるのだろう
ここに別れを告げた彼女らだが、再びの出会いへ歩き始めているのだ
次会うときに、約束を交わして