Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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織斑家にて Ⅱ

「それにしてもお前が櫻に引き取られるとはな」

 

「正しくはママさんに引き取られたんだけどね」

 

「それでも、だ。あの束が他人についていくなんて今になっても信じられん」

 

「ちーちゃんひどい! これでも束さんは主任研究員としてのお仕事もしてるんだからね!」

 

「嘘だろ? 肩書だけじゃないのか?」

 

「本当にお仕事してるもんね! さくちんもなんとか言ってよ!」

 

「束お姉ちゃんは本当にお仕事してますよ、部下だけで100人近く居ますし」

 

「そうだよ! 束さんは偉いんだよ!」

 

「まぁ、会話をするのはほんの一握りですが」

 

「まぁ、そんなことだろう思ってたさ」

 

「さくちんまでひどい!」

 

「事実だよ?」

 

「とりあえず、束の現状も分かった、話せる人が増えたのはいいことだ。昼間のこっちの人間への態度も悪くなかったしな。大きな進歩だ、束」

 

「ちーちゃんに褒められた!」

 

「普通に近づいただけなんだけどね……」

 

「言ってやるな、櫻」

 

 

成人組は酒も入ったのか会話はどんどんヒートアップし

櫻と一夏が止めたくても触りたくない所まで来た

 

 

「にしても、束、お前の昼の格好はなんだ?」

 

「しかたないよ、ちーちゃん、いまの束さんはオーメルの篠崎束音なんだからさ!」

 

「お前が黒髪にスーツなんてな! 見た時は笑いをこらえるので必死だったぞ」

 

「むむっ、失礼な! あれはちーちゃんをイメージしたんだよ!」

 

「私をか? 私はお前より人間がしっかりしてるからな」

 

 

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騒がしい2人をよそに、一夏特性の夕食メニューを頂く一夏と櫻。やはり話題はそれぞれの姉のようだ

 

 

「千冬姉、成人してからいろいろな場面でお酒飲むことが増えてな、本人もハマっちまってあのざまだ」

 

「一夏くんも苦労してるんだね……」

 

「櫻もな、束さんのことはいろいろあったんだろ?」

 

「まぁね、世界に追われる大科学者を世界から隠すのも大変だよ。あ、このカツおいしい」

 

「それは今日の自信作だ。んでも櫻は社長だろ? ニュース見た時は驚いたぞ」

 

「前の社長がファーティ、お父さんと仲良くてね、それでいろいろ教えてもらってたらこうなっちゃった」

 

「世間では謎に満ちた女社長ってなってるが、実際はこんな女の子だって知ったらどうなるんだろうな」

 

恥ずかしいのか、カップのジュースを一気飲みする櫻

 

「ぷはっ。しばらくは表にはでないよ、白人は見た目の年齢が高いからどうにか会社の人になって出ることはできるけど、オーメルの代表としてはまだ先かなぁ」

 

「ほんと、合わない間に変わったなぁ。心も、体も。まさか俺より背高いんじゃないのか?」

 

「かもね、一夏くん今いくつ?」

 

「150だ、コレでもクラスの中じゃ背が高い方だぞ?」

 

「ふふん、私は153あるもんね」

 

「くっそ~、男として女の子に背を抜かれるのは悔しいな」

 

「次会うときにはもっと成長してるでしょ、成長期はまだまだこれからなんだから」

 

「だな! 次はいつ会えるんだ?」

 

「一夏くんはモンド・グロッソ見に行く?」

 

「もちろん行くぜ、千冬姉を応援しないとな!」

 

「なら、その時にまた背比べしましょ、そうね、ジュース一本賭けて!」

 

「その賭け乗った!」

 

 

未成年組は未成年組で身の回りの話をし、また会うときの約束をも取り付けた

一方の成人組は……

 

 

「ちーちゃん、だからね、研究部のエドもんがね!」

 

「あー、わかった、わかった、その話は3度めだ」

 

「わかってないよ! 束さんはちーちゃんにわかってほしいんだよ!」

 

千冬に抱きついて頬にキスをしようと迫る束

 

「やめろ、おまっ、酒臭っ! 束っ! まだ、だからっ!」

 

「いいではないかいいではないかぁ」

 

「私はまだっ! やめっ!」

 

「ふひひ、ちーちゃんの初めてもらっちゃ……ゴフォッ」

 

「やめろといっただろう? 束」

 

「ちーちゃん痛い痛い!」

 

「いいではないか、いいではないか」

 

「良くないよちーちゃん! 束さんの頭、頭っ!」

 

「はははっ、束、この感覚も久しぶりだな!」

 

 

絶好調である。いつぞやの如く、束にアイアンクローをかます千冬、その顔はどこか恍惚の表情に似ているのは気のせいではあるまい

 

「束ぇ、久しぶりの再会だ、私をもっと楽しませろ!」

 

「ちーちゃん! 酔覚めた、覚めたから!」

 

「私はまだだ、そうだ、一夏、もっと酒を持ってこい!」

 

「千冬姉いい加減にしてくれ、コレで4本目だぞ?」

 

「構わん! 祝の席だ、酒を飲まずに何を飲む!」

 

「はぁ、ほんとに最後にしてくれよ、束さんも可哀相だしさ」

 

「コイツの行いが悪いんだ、ほら束、飲むぞ」

 

「束さんはもう……」

 

「なんだ? 私の酒が飲めないというのか?」

 

「いや、だから……」

 

「ほほう、ならば無理矢理にでも」

 

「さくちん! 助けっ!」

 

「ごめんね、束お姉ちゃん、酔拳をも使う千冬さん(ブリュンヒルデ)はちょっと……」

 

「さくちん! ちーちゃんダメだって、それはっ!」

 

 

 

「ほんと、ゴメンな、今日は泊まっていってくれて構わないからさ、部屋用意してくるよ」

 

「ごめんね、一夏くん。手伝うよ」

 

「悪ぃな、こっちだ」

 

 

 

 

 

未成年組が酒に溺れる成人組の後始末をつける間にも、酒乱千冬は束を相手にまだまだこれからの様子だった

 

「ほら、束、もっと飲め!」

 

「もうダメ、ちーちゃん、お助けをぉぉぉぉ!!!」


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