Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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閑話: 兎と櫻の日本紀行

15時間かけ日本に降り立った櫻と束は一路京都に向かっていた

 

「有澤社長が、京都の美味しいもの教えてくれたよ」

 

「ほぉう、京都と言ったら、懐石料理とか?」

 

「だね、もちろん有澤社長に聞いてあります!」

 

「きゃー、あの変態なおっさんも気が利くじゃん!」

 

 

神戸のとあるビルの一室で盛大にくしゃみをかました男が居たとか居なかったとか

 

 

「それにしても、時差って辛いねぇ、もう日が暮れるけどちっとも眠くないよ」

 

「いろんな国を飛び回れば慣れるよ……」

 

「さくちんも苦労してるんだね……」

 

どこか遠い目の2人をみたタクシー運転手は苦い笑みを浮かべるしか無かった

 

 

その日の夜に、有澤から聞いた京懐石の店で夕食をとった2人はこれぞ日本食だ! と絶賛、部下にメールで自慢したという

 

有澤にもそのことを伝えると「それは良かった、明日都合が良ければ京都案内をする」と返事が来た

 

 

「明日、有澤社長が京都案内してくれるってさ」

 

「おお、これだけ美味しいもの食べられるお店知ってるんだから期待できるね!」

 

「食べ物だけじゃなよ、社長は日本の歴史にも詳しいから、寺社仏閣巡りとかもさせてくれるよ」

 

「え~、束さんあんまり興味ないよ」

 

「昔の神社やお寺の周りは人が集まるところだったから美味しいものを出すお店も多いんじゃないかな?」

 

「よし、行こう」

 

欲望に忠実な束だった

 

 

「じゃあ、今日はもう寝て、明日また京都巡りだね」

 

「そうだね、変態社長は予定伝えてきたの?」

 

「明日は10時に京都駅だって、車で来るみたいだよ」

 

「結構寝てられるね」

 

「だね、でもホテルの朝食の時間もあるから7時位には起きないとなぁ」

 

「さくちんは眠いの?」

 

「いや、ちっとも。だって向こうは3時位だよ?」

 

「でもベッドでぬくぬくしてるし」

 

「この国の時間に無理矢理体を合わせないと後々辛くなるからね。会議の時にあくびなんて出来ないよ」

 

「さすが、社長様は大変だなぁ」

 

「だから、束お姉ちゃんもとりあえずベッド入ろ?」

 

「さくちんが言うならね、一緒に寝る?」

 

「え、いや、私ももうひとりで寝れるから」

 

「え~、前は一緒に寝てくれたじゃん」

 

もちろん、それは第一回モンド・グロッソの頃、櫻はまだ年齢が1桁だった時のことだ

 

「何時のことなの。ほら、もう寝るよ」

 

「ぶぅ~」

 

「何を言っても一緒には寝ないからね~、夜中に入ってきてもダメだよ、千冬さんに言いつけるから」

 

「ちーちゃんにはなぁ……おやすみ」

 

「よろしい。おやすみなさい、お姉ちゃん」

 

 

 

同時刻、神戸

 

――明日はオーメルの社長になった櫻ちゃんと研究部の束音さんを連れて京都を散策だ。今のうちに予定を立てておこう。可愛い子2人連れて歩く機会なんてそうそうないからな……気合入れて行くぞ!

 

一人、無駄に気合を入れて京都巡りプランを立てる有澤重工第43代目社長、有澤隆文の姿が警備員によって目撃されている。

曰く、新兵器を開発してる時より気持ち悪い笑みだった

 

 

 

夜が明け、時刻は8時、ホテルの朝食バイキングも残すところ30分と言ったところ

 

「間に合ったぁ!」

 

一人の女性が駆け込んできた、水色のフリル付きエプロンドレスというコスプレ感全開な姿は、一応お値段高めな設定のホテルでは明らかに浮いていた

 

「お姉ちゃん! その格好はまずいよ!」

 

女の子に注意されるも朝食を優先したらしく、周囲の目など気にもとめず、色とりどりメニューを選びとり、少女の向かいに着いた

 

 

 

「束お姉ちゃん、その格好はちょっと……」

 

「え~いつもスーツじゃ疲れちゃうよ」

 

「スーツ以外にまともなの持ってないの?」

 

「コレとおんなじのが10着くらいしか……」

 

「後で服を買おう。いっその事着物でも買う?」

 

「おお、さすがさくちん!」

 

 

 

良くも悪くも目立つ2人の京都めぐりは続く

 


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