Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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夕食でのお話。

オリキャラの身の上が少しずつ明かされていきます。


お話をしましょう。

「夕食をお持ちしました」

 

 そう行ってシオンは部屋へ入ってきた、手には夕食が乗ったトレー。

 うぅむ、いい香りが食欲をそそる。メニューはなんだろうか?

 

 

「此処に来てから何も食べていないでしょうから、待ち遠しかったんじゃないですか?」

 

 そう言ってシオンはまた、ふふっと笑う。

 いまだに彼女の素性がわからない、だが、さっきの話からすると毒を盛られている可能性は低そうだ。

 

 

「そうだな、こうして食事を前にすると腹が減ったと実感してきた」

 

 トレーの上にはサラダ、ミソスープ、これは……魚を煮た物か? そしてご飯。和食が主なメニューだ。

 それもご丁寧に箸ではなく、ナイフとフォークが。

 

 ―これは使えないか?

 

 

「ナイフがあるからって物騒なこと考えないでくださいね?」

 

 釘を刺されてしまった、彼女は人の心が読めるんじゃないかと本当に思ってきた。

 

 

「そ、そんなことはない。こうして食事が出るだけありがたいものだ。」

 

 食事が取れることは本当にありがたい。それも不味いレーションなどではなく、しっかりした食事が。和食は初めてだが、美味いものだと聞いている、期待しよう。

 

 まずはスープから頂くものだ、ほう、香りの良いものだ。

 一口すすってみる、おもわず息を吐いてしまう。

 

「ほぅ、あたたまる。具のこれは……海藻かなにかか?」

「ええ、あおさ、という海藻の一種よ。この辺りではよく取れるの。味噌汁に合うでしょ?」

「ああ、素晴らしいな、ミソスープが日本でよく食べられているというのは知っていたが、それも頷ける。具のバリエーションを変えれば飽きずに食べられるな」

「気に入ってくれたようで嬉しいわ」

 

 

 その後も、魚の煮付け―あとから聞いたが、アレはタイだったそうだ―サラダ、白米。すべてを食べつくし、腹も膨れ、気分もとても落ち着いていた。

 

 

「では、お話をしましょう?」

 

 その一言で私は再び現実に引き戻された

 

「何を語るべきだ?」

「そうね、まず、今の傭兵、リンクスといったかしら? それらのことから、話してもらえる?」

「そうだな、私達リンクスは企業に所属し、任務をこなしている。主だった内容は―」

 

 

 そうして私は語った、今の状況を、企業が企業を束ねるために争いを重ねていることを、そういった中でコジマ技術が培われ、ノーマルの燃料電池などとは比較にならないパワーを得られること。

 それに従い、ACも進化し『ネクスト』と呼ばれる、脳との繋がり(Links)を必要とするものに変わったこと。

 傭兵たちはレイヴン()からリンクス(山猫)へと移り変わり、どこかに所属し、縛られることが主流となったこと。

 

 それからも私は多くを語った、もう私に先は無いのだから。

 

「そう」

 

 彼女は短くそう言うと、

 

「時代も変わってしまったのね」

 

 と、どこか遠くを見る目でそう言った。

 

「今度は私から質問だ。いいか?」

 

 先の話で切り替わった頭で今最善の策を考える

 

「ええ、いいわよ? 変なコト聞いたら、わかるわね?」

 

 ふふっ、とまた柔らかい笑み。だが、柔らかいのは表情だけ、その裏は触れれば切れる刃の様であった。

 

「君は一体何者だ?」

「あら、ずいぶん直球な質問ね。まぁいいわ、答えましょう」

 

 はぐらかされるかと思いきや、答えるのか。だが、その返答は私をさらなる混乱へ突き落とした。

 

「私は元レイヴンよ。今となっては小さい教会のシスターだけど」

 

 私は耳を疑った。レイヴンだと? 彼女が? 

 

「あら、すごい顔してるわね、そんなに意外だったかしら?」

「そりゃ、な。 我々の礎を築いたレイヴンの生き残りが目の前に居るのだからな」

 

 ―レイヴンだった? なら、彼女は何歳なのだろうか、まさか10歳でACに乗ったなんて言わない限り、見た目の年齢とは差が空きすぎる。

 

「ん? なにか女性に対して失礼な事考えてないかしら?」

 

 またか、鋭すぎるだろう……

 

「失礼な質問だとわかって聞くが、君の年齢は?」

 

 ここは直球勝負と行こう、周りくどいのは嫌いだからな

 

「あら、そんなことを聞くの? 答えようかとも思ったけど、そのうちね」

 

 ここははぐらかすのか……

 まぁ、レイヴンの生き残りならば末期に彼女はACに乗り始めたのだろう、そう考えるのが妥当だと結論付けて思考をもどす。

 

 また爆弾が降ってくるとも知らずに

 

「じゃぁ、また私からね。まず、レオハルト・フュルステンベルク、あなたを今日付けで正式に私の指揮下に。そしてあなたのオペレーター、ヴェロニカさんと言ったかしら? 彼女を昨日付けであなたのオペレーターから解任。代わりに私がその任に付くわ」

 

 さらっと言ったが、私が彼女の指揮下に、だと? そのうえオペレーターまで……

 だめだ、ただでさえ混乱している頭が更に混乱してきた。

 

「これ、指令書ね、目を通して置いて頂戴」

 

 手渡された紙には本当にそうあった。なんてことだ……

 さらに、彼女は言わなかったが、ローゼンタールの日本支社―オーメルグループの、だが―から機体の修繕、補給が受けられるそうだ。

 

「なんてことだ……」

「あら、そんなに残念かしら? 悪い話では無いと思うけど?」

「確かに、悪い話では無い、だが、どうして"墜ちた"私が救われるのだ?」

 

 墜ちたリンクスなど不要、そう考えていた。なぜ、救ったのだろうか。

 ―私がローゼンタールを背負う立場だから?

 いや、サフィラスフォースから人員が出るだろう

 

 なぜ? なぜ、何故だ?

 

 疑問ばかりが浮かぶ中、彼女は優しい微笑みを浮かべながら私を見ていた。




レオハルトが救われるお話。
彼には生きてもらわねば、いくらリンクスの寿命が短くとも紫苑との間に子を授かってもらわないと物語がただのACの二次創作で終わってしまいますからね。

彼らの話はまだまだ続きます。


話は変わりますが、GoogleIMEって誤変換、と言うか変な変換をすることが多いですね、おかげで書き直しが面倒です

では、また次回も読んでいただければ幸いです。


こうして自分の書いたものを改めて見返すとつくづく文章力ないなぁ。と思いますね。
この先にはさらに残念な描写も多々……

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