Who reached Infinite-Stratos ?   作:卯月ゆう

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白騎士事件

IS開発も一段落し、千冬、櫻ともにかなりの腕前を持つIS操縦者になっていた

そして、束の計画が着々と進行していることに、千冬と櫻はまだ気づいていない

 

 

「よし、これでいいね! ISが世界デビューだ!」

 

「ん? 束お姉ちゃんどうしたの?」

 

「ISのデモンストレーションが決まったよ! 今日の午後2時から、日本の上空でやろう!」

 

「具体的にはなにをするの?」

 

「ミサイルを白騎士がかっこ良く落とします!」

 

「え? 束お姉ちゃん何言ってるかわかってる?」

 

この時、日本含め世界各国のミサイル基地が同時にハッキングされ、日本をターゲットに、発射シークエンスが進んでいた。

もちろん、これを日本に報告すれば世界から非難されることは間違いなく、各国ともそれを恐れて秘密裏に事を収めようと奔走していた

 

 

「さくちんはこっそりちーちゃんを助けてあげてね! 絶対に死なないとは言っても、失敗したらいたいだろうからさ」

 

「え、ええ?」

 

「よし、それまで休憩! さくちん一緒にお昼寝しよ?」

 

有無を言わせずベッドに引きずり込まれる櫻

頭には柔らかい感触が……

 

 

「はぁ、さくちんはちっこくて可愛いなぁ、箒ちゃんも可愛いんだけど、ぎゅっとさせてくれないから、束さん寂しくてね」

 

「束お姉ちゃん、苦しいって!」

 

「あ、ごめんね、さくちん。こんどこそ、ね」

 

目覚ましを1時半にセットし、千冬へ時間になったら研究室に来るよう連絡。

そして2人は暫しの休憩を取ることになった

 

 

 

「不吉だ、束あたりが何か良からぬことを企んでいる気がする」

 

篠ノ之神社で剣を振りつつ、千冬は悪寒に苛まれていた

 

ひと通りの鍛錬を終えて、携帯を確認すると

案の定束からメールが来ていた

 

「なぜ私の予感はあたるのだろうな」

 

あまりいい気はしないが、呼ばれたからには行っておこうと駅前へ足を向ける千冬

 

世界では手に負えなかったミサイル、およそ2000発が発射されていた

 

 

 

 

 

「束、来たぞ」

 

時刻は1時20分、約束より少し早めに到着するのがマナーだろうと10分早く来たが、研究室は人の気が無い

 

――上か?

 

 

「あら、千冬ちゃん、いらっしゃい。束ちゃんと櫻なら部屋で寝てるわよ」

 

「そうですか」

 

「約束があるのに寝てるなんてねぇ?」

 

「それが束ですから」

 

「そうなの?」

 

「そうですね、昔からです」

 

 

起こしてきてね、と紫苑に見送られ、櫻の部屋にはいると

 

ベッドで2人寄り添って寝る束と櫻が

 

 

「ほら、お前ら、人を呼んでおいて寝るとはどういうことだ?」

 

「ん? ちーちゃん? おはよ……」

 

「櫻も、ほら、起きろ」

 

「ちふゆさん? オハヨウゴザイマス」

 

いまいち首がすわらない櫻を抱きかかえると

 

「それで、束、今日はなんの用だ?」

 

「うん、ISを世界にお披露目しようと思ってね……ふわぁ」

 

「とりあえず、下に行くぞ」

 

「うん、ちーちゃん」

 

千冬に抱えられた櫻は再び寝ている

研究室に入ると、束を鉄拳で起こし、櫻を揺さぶって起こす

 

 

「ちーちゃん痛い……」

 

「目が覚めただろ」

 

「おはようございます、千冬さん」

 

「ああ、おはよう。昼過ぎだがな」

 

壁にかけられた時計はすでに1時45分を指している

 

「た、束お姉ちゃんあと15分です!」

 

「ふぇっ? ちーちゃん急いで白騎士を展開して、送る座標まで全速力で!」

 

「え? 何が始まるんだ?」

 

「いいから急いで!」

 

言われるがままに白騎士を展開、外へ飛び出し、ウイングブースターに火を点ける

 

 

「それで、何が始まるんだ?」

 

「ISのお披露目会だよ」

 

「櫻、詳しく頼む」

 

「よく聞いてください、送った座標は国会議事堂の上です。そこにミサイルが2000発以上飛来します、それをすべて撃破してください」

 

「ミサイルだと? 束は何を考えている?」

 

「それはサクにもわかりません。それから、自衛隊の戦闘機などが飛来することも予想されます。死者をださないように無力化してください。コツは翼ではなく、エンジンを止めることです」

 

「ああ、わかった」

 

「そろそろ着きますね、一応サクも援護に回っていますが、基本的には千冬さん1人にかかっています、それでは、現状開始!」


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