Who reached Infinite-Stratos ? 作:卯月ゆう
暁よりよく回るカウンターに驚いてます
「ゼアッ!」
レーザーブレードを一閃、目の前の戦車を叩き切る
「次ッ!」
ライフルを隣の戦車に射撃、これもまた撃破。
『作戦達成率、75%、敵戦車大隊撃破、次の目標をマークします』
「応ッ!」
レーダーにあらたなる目標がマークされる、数にして15、固まっているようで、敵を示す赤点は大きな一つの点に見えた。
―これは都合がいい
背部武装である
螺旋を描き飛翔する光の矢はあっさりとそれらを葬る。
『作戦達成率95%、残る残敵を掃討し、帰還してください』
「了解」
残る自走砲やら輸送車などの細かいものを破壊していく。
そんなものではネクストは傷つかないと理解できていないのか、残り少ない兵力をかき集め必死の抵抗をするも虚しく、あっさりと消えてなくなってしまった。
『作戦完了、帰還してください。お疲れ様、レオハルト』
「ああ、すぐ帰るぞ」
『ファーティ早く帰って来てね!』
娘にまで頼まれては仕方がないな、これでは。
『コラっ! 櫻、此処に入ってきちゃダメって何度言ったらわかるの!』
『えーだってつまんないんだも~ん』
もう何度目だろう、コントロールルームにサクラが乱入し、それをシオンが叱る。
「ほら、サクラ、そこじゃムッティの邪魔だろう。そうだな、黒森峰主任にでも遊んでもらえ」
『ちぇぇっ、せっかくファーティのかっこいいとこ見られると思ったのにぃ』
「今度はムッティに許しをもらってからにしなさい、それなら文句も言われないだろう」
『だってムッティ許してくれないもん』
『当たり前でしょ! 娘にこんな物騒なもの見せられる訳無いでしょう!』
「話の続きは帰ってからしよう。私は娘の応援があれば150%ほどの成果が出せると思うのだがなぁ? シオン?」
『本当にあなたは……早く帰っていらっしゃい、昼食を用意して待ってるわ』
「ああ、飛んで帰るさ」
子供の成長と言うのは早いもので、サクラも6歳になった、小学校に入り、友人もできたようだ。
夕食の際に、その日の出来事を聞くのが我が家の日課になっている。
雑多な環境ゆえに、好奇心旺盛な年頃のサクラは、毎日家に帰ってはドックを駆けまわり、あれは何、コレは何? とスタッフたちを質問攻めにしているそうだ、彼らもサクラを自分の娘のように可愛がり、彼女の好奇心をどんどん満たしていた。
「なぁ、シオン、帰ったら話がある」
サクラの足音が遠ざかったのを確認してから語りかける
『なによ、今じゃダメなの?』
「これは直接話すべきだと思ってな」
『その口ぶりだと、いいことじゃないみたいね』
「お前には辛いことだと思う、サクラにもな」
『そう……』
だが、子が成長するということは親が老いるということだ、脳への負荷が大きいリンクスは総じて長くは生きられない。私はそれを理解していた、私にもその時が近づいているのだろうと感じていた。
だから、私は、自分の娘に私の持てる技術をすべて託そうと考えていたのだ。
そして、シオンの教えも。
そうすればサクラはきっと―― 私達
猫と鴉の間の子なのだ、私やシオンがいなくなれば裏社会から手が伸びるだろう。
だから、
――自分の身を守る力を
――自分に味方してくれる人を惹きつける力を
そして、大切なものを救う力を、彼女にはつけてもらわねばならない
私はリンクスであるが、それ以前に父親だ。娘には幸せな人生を送ってほしいと願うのが当然だろう。だが、私という存在が、彼女の幸せを妨げるのなら、せめてもの償いとして、幸せを守るだけの力を与えなければ。
「済まない、サクラ、済まない、シオン…… 私が、リンクスであるがために……」
滲む視界の中、私は必死にOBを噴かして家路を急いだ。
次からは櫻ちゃんがメインに立ってきます。
やっとです。
10/7 追記
この頃にACfAを買って、1周してその難易度に萎え、現在絶賛放置中です。