魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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どうも〜。

思った以上にお気に入りや評価が付いて嬉しく思います。

ではよろしくお願いします。



第4話《六課稼働》

六課部隊長室にて

 

「いやぁ〜この部屋は居心地がええなぁ〜。」

 

「はいです、はやてちゃん!それに見てください、私の机ですよぉ〜。」

 

六顆の部隊長室、そこで今二人の人物がワイワイしていた。一人はこの部隊の責任者、八神はやて。彼女は管理局の中でも特に優秀な魔導師で最後の夜天の主、歩くロストロギアなどと呼ばれている。そしてもう一人ははやてのユニゾンデバイスで名前をリインフォースⅡ。身長が30cm程度しかないが立派に階級は空曹長である。

 

「そう言えばはやてちゃん?今日は新しく事務員が増えるって言ってませんでしたか?」

 

突然のリインフォースの問いかけにはやては少し考え込むようにしていたがすぐに思い出したようだ。

 

「そうやね、今日から一人来る筈や!確か名前は鈴木陸飛だった気がするな?」

 

「鈴木……ですか?なんだかはやてちゃん達と名前の響きが同じですね?」

 

リインフォースがそう言うとはやては陸飛の書類を引っ張り出し確認する。するとそこにははやて達と同じ世界、地球出身だった。

 

「私達と同じ世界出身みたいやな。でも魔力は全然無い、これでよく管理局と関われたなぁ〜。」

 

陸飛は魔力があまりない。つまり普通なら地球にいて管理局と関わり合うことがない筈なのだ。

 

「は、はやてちゃん!?これ見てください!」

 

急にリインフォースが書類の異動経歴が書かれている欄を指差す。それを見てはやては開いた口が塞がらない。そこに書かれているのは100以上はあろう異動経歴だ。残念ながら異動の理由までは書かれていないが入局10年でこの異動経歴は驚かずにはいられなかった。

 

「はやてちゃんなんでこんな人入れたんですか?」

 

「ん〜リンディさんがなぁ〜この子面倒見てくれないかなぁ〜って言うててな?真面目な子だから安心して〜って言いうから……」

 

リンディから直接勧められた事務員である陸飛だが、はやてもまさかこんな経歴を持っているとは思ってなかったようだ。とにかく人手の足りない今、勧められた人材をゲットしとこうと思うはやての考えの招いた結果だが、はやても会ってみないとわからないからと言うことでここは本人が来るまで待つことにした。

 

「はやてちゃん……割といい加減ですね?」

 

「ごめんなさい…………」

 

リインフォースはジト目ではやてを見いていた。言われたことに何も言い返せないはやては謝るしかない。そんな事を思っていると部隊長室のベルが鳴る。

 

「お!来たようやな。はい!どうぞ〜!」

 

はやては部隊長室に入室許可を出した。ドアが開くとはやての予想通り陸飛だった。

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

この異動経歴は驚いたけど、まぁ〜何か理由があるに違いない。取り敢えず会ってみないとわからへんしな。っ思ってたんやけど……なんや……この男は…………。私の見間違えなんかなぁ?聞き間違えなんかな?私部隊長やで?この部隊で一番偉いんやで?髪はボサボサやし、服は着崩れてるし。終いには入ってきた時に「ちわーす!」やで?リンディさん……真面目なんじゃなかったのですか?と私はしみじみ思った。

 

「は、初めまして、私は部隊長の八神はやてです。貴方が今日からうちで働く鈴木陸飛さんでよろしかったですか?」

 

「およ?そうですです。よろしくです。はやてっち!」

 

私は思わず頭を抱えて机に顔を伏せた。目の前にいるのは社会人なんか?何かの間違えや……こんなんじゃ異動になって当たり前や。なんでクビにならへんのや。とんでもないお荷物抱えてもうたわ〜。と頭の中でぐるぐるとそんな事を考えながら目の前に男に呆れていた。

 

「鈴木陸飛三等陸士!!目上の人に対してなんですかその態度は!直しなさい!」

 

リインが注意してくれるけど。本人はまるで反省してへん様で人の話を聞く態度じゃない。私は思った……後でリンディさんに文句言わんとあかんなぁ〜と。

 

「あやや?あまり怒ると可愛い顔が台無しだよ?え〜とチビっち!」

 

「な、なんですか!?失礼ですよ!?私はチビじゃないです!!」

 

夢なら覚めて……こんなやる気のない人初めて見たわ……と現実から逃げたい気持ちでいっぱいや。呆れて怒る気にもならへんし。

 

「鈴木陸飛三等陸士。もういいから早速仕事に入ってください。詳細は事務所に行けばわかりますので」

 

「あいあいです。」

 

そう言ってそのまま部屋を出て行った。けど私とリインは暫く放心状態になっていた。

 

「はやてちゃん!なんですかあれ!あんなののどこが真面目なんですか!?」

 

言わんといてよリイン……はぁ……取り敢えず様子見や。本当にダメなら異動させなあかんわ。いや、それ以前にクビにした方がいいんじゃ…………

 

「幸先不安やわ…………」

 

私がうなだれているとまたブザーが鳴る。私が許可を出すと私がよく知る二人組が入ってきた。私の幼馴染で六顆の隊長の二人。一人は高町なのはでも一人はフェイト・T・ハラオウン。なのはちゃんは教導隊の教導官でフェイトちゃんは執務官や。二人とも私の信頼する仲間、まずはきちんと挨拶を交わして……

 

「うん!これやね、これやよね!これが社会人のあるべき姿や!」

 

私が突然涙目でそんな事をいい出したもんで二人は驚いていた。それから私は二人にさっきの事を話す。フェイトちゃんは苦笑いしていたが問題なのは、なのはちゃんや。その話をしてその男の名前を出した瞬間、顔から笑顔が消えた。なのはちゃんはこいつを知ってるんやろうか?

 

「はやてちゃん……今すぐこの人を異動させて。」

 

私は驚いた、まさかなのはちゃんの口からそんな言葉が出るとは思わなかったから。フェイトちゃんもなのはちゃんが言ったことに驚いている。

 

「い、いやでもなぁ〜、仕事っぷりを見ない限りは私としてもすぐに異動にするわけにはいかないんよ。なのはちゃんはこの鈴木君の事を知ってるんか?」

 

なんか凄く嫌そうな顔や。鈴木三等陸士……あんた何したんや?なのはちゃんがこんな人に対して嫌悪感を抱くの初めて見たで。

 

「この人は昔教導隊で一緒に仕事したことがあるから知ってるだけだよ。とにかくやる気がなくて、自分勝手な人だから。」

 

全くフォローができへんよ。だって見たまんまやし。困ったなぁ〜。

 

「まぁ〜この件は私が何とかするわ。なのはちゃんの言うとおりダメなようなら異動も考えるから。」

 

そんな感じで話を無理やり終わらせて私は解散にした。だってなのはちゃん怖かったんやもん。

 

 

 

 

〜なのはサイド〜

 

最悪だ。一気に嫌な気分になった。鈴木君がこの部隊に異動になっていたなんて。て言うかまだクビになっていなかったの。管理局の人事の人は何を考えているんだろうか。大体あんな人を入れたはやてちゃんもはやてちゃんだよ。もっとしっかり見ていればこんな事には…………私がああだこうだ考えながら歩いていると私の不満の原因である人が事務所から出てきた。更に最悪なのはそこから歩いて向かう方向が私の方だという事。

 

「およ?高町っち?何してんの?」

 

彼はいつものとぼけた話し方で話しかけてくる。私の気分は更に最悪な物になった。

 

「鈴木陸飛三等陸士、私は今この部隊のスターズ分隊隊長です。上官に対してその言葉使いはどういう訳ですか?今すぐ直しなさい!」

 

私は恐らく今までしたことにないくらいの顔をしているかもしれない。自分では見れないから分からないが、こんなに怒ったのは初めてだ。

 

「およよ?高町っち、そんな怒ってばっかりいると彼氏できないよ?」

 

私は一気に頭に血が上った。この人はなんでこんなにやる気がない。

当たり前の事ができない。不愉快だ、不愉快だ、不愉快だ。

 

「鈴木陸飛三等陸士、反省の色が見えない様なので私もこのままお咎め無しと言う訳には行きません。今から訓練所200週してきなさい!」

 

こんな風に罰を与えるのは初めてだけど、この人はこうしないとわからないみたいだ。はやてちゃんから解散前にあんまり酷いようなら隊長の権限で罰を与えても構わないって言ってたから問題はない。そもそもクビにならずにこれくらいで済んでるんだからありがたいと思って欲しいよ。でもどうせこうやって罰を与えてもちゃんとやらないに決まってる。かと言って終わるまで見ている訳にもいかないから確認はできないけど。

 

「あや?あいあいです。」

 

そう言って彼は訓練所の方へ歩いて行った。本当にわかっているんだろうか。それにしても本当に不愉快だ。私はそう思いながら歩き出した。

 

 

 

 

〜フェイトサイド〜

 

夜、私は仕事で遅くなって六課に戻るのが遅れた。昼間はなのはと一緒にはやての所に顔を出した、けど執務官をやってると突然出なきゃいけない時があるから。早くなのはのいる私達の部屋に戻ろうと思ったら前から人影があった。こんな時間に誰だろうと思ったけど、その人影が歩いてきている方向は訓練所の方向だ。残業?そう思ったが、なのはは流石に部屋にいるだろうし。こんな時間に誰が?そんなことを思っているとその人影が誰か判別できる所まで来た。

 

「鈴木……三等陸士?」

 

人影は鈴木三等陸士だった。それにしてもこんな時間に何をしているのだろうか?残業をしていたにしては不自然だ、制服はビショビショで見た感じ恐らく汗だろう。かなり息も切れていてまるで今まで走っていた見たいな感じだ。

 

「どうしたの?こんな時間に?それに凄い汗だけど...。」

 

私が話かけるとようやくこっちに気づいた。

 

「はぁ、はぁ、ふぅ……いえ……なんでもありませんよ。テスタロッサ……隊長。」

 

私はまた疑問に思った。はやて達から聞いていた雰囲気じゃなかったからだ。言葉使いもちゃんとしているし……なのはがあんなに嫌う程の感じもしない。

 

「では、失礼します。」

 

そう言って彼は私の横を抜けて行うとする。特に止める理由もないので。

 

「う、うん。お疲れ様。」

 

そう言ったら彼は少し立ち止まって。

 

「はい、お疲れ様です。」

 

ちゃんと返してくれた。この後私はなのはのいる部屋に戻った。でも次の日、偶然通路で鈴木三等陸士に会った……んだけど。

 

「あらら?テスっち!おはよよ?」

 

私は最初に思った……誰?あまりにも昨日の夜と雰囲気が違う。別人と言っても間違えじゃないだろうと思う。

 

「えっと……鈴木陸飛三等陸士……だよね?」

 

「あやや?そうだよん?」

 

私……疲れてたのかな?これが現実で夜のは幻覚と幻聴?でもそうとしか考えられないよね、こんなに人が変わるわけないし。

 

「あの……その言葉使いはやめた方がいいと思うよ?私もほら、ここでは隊長だし。」

 

「およ?分かりましタングステン。」

 

反省してない。確かにこれじゃなのはも怒るかな?それにはやてが驚くのも無理ない。こんな事を続けてよくクビにならずにいるものだ。それにお義母さんはなんでこの人を勧めたんだろう?真面目だって言ってたって言ってたけど、真面目とは言えないよね。私はもう一回くらい注意しようと思ったけど、いつの間にかその場か鈴木三等陸士はいなくなっていた。話の途中でいなくなった彼に呆れながら私は仕事に戻った。

 

 




次回もよろしくお願いします。

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