魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」 作:ヘルカイザー
なんか最近これで面白く仕上がってるのか分からなくなってきているので若干気分が落ち込んできてます…………
ですがまぁ〜書きます。
もしかしたらこれが今年最後の投稿になるかもしれません。
まぁ〜書けたらもう一話頑張りますが多分最後です。
ではよろしくお願いします。
〜キャロサイド〜
「フリード急いで、早くしないと陸飛さんが!?」
「キャロ、落ち着いて?いくらフリードでも限界がある!」
私達ライトニングはスターズと分かれて六課に向かった。けどその途中フェイトさんが敵と戦闘になり私達は先に六課に戻ることになった。そしてそんな時私達の前にモニターが開かれる。そこに映っていたのは陸飛さんがヴィヴィオを抱えて敵に囲まれている映像だった。そうなると私はもう冷静ではいられない。フリードに無茶をいい早くするようにお願いする。だけどもうフリードのスピードは限界だ。でもエリオ君のお陰で少しは落ち着いた。
「エリオ君、陸飛さん大丈夫かな?ギンガさんも心配だし……なんか物凄く嫌な予感がするんだけど」
「うん……でも今は急ぐしかない、間に合う事を祈って!」
◇
〜ギンガサイド〜
「くっ……速い、救援はまだか…………」
陸さんが殺される、そう聞かされてからの私は身体が軽い。これなら誰にも負ける気がしない。私の拳は愛の鋼。私の愛は鋼の拳。陸さんの為なら私は鬼にでも悪魔にもなれる。だから……目の前の敵を蹴散らして、貴方の元へ!
「はぁぁぁあああああああ!!!」
私は拳にありったけの魔力と愛と速度を乗せて敵に放つ。けど敵も中々強い、私の攻撃を巧みに躱して行く。そして躱された私の拳は敵の後ろの壁に撃ち込まれその壁を跡形もなく破壊する。一発でいい……一発当てれば沈む。
「な!?お前は馬鹿か!?そんな威力の拳を叩き込もうとするなんて、それでも管理局員か!?」
一体何を言ってるんだろう?私達は敵だ。しかも陸さんを殺そうとする敵だ。そんな敵に対して私が容赦を……情けをかける事などない。確実に仕留める。死んでも大丈夫だ。だってこれは正当防衛。ちょっと当たりどころが悪かったら死んじゃうかもね?
「大丈夫、ちょっと痛いだけだから」
私がそう言うと敵は目を丸くして震えていた。何をそんなに怯えているのだろうか?怯えるくらいなら陸さん殺すのやめればいいのに……。
「はぁ……はぁ……。お前……凄いな、なんか色々凄いな!」
凄い?普通だと思うんだけど?
「チンク姐!?」
そう思っていると敵が二人増えた、けどそれでも私は止まらない。例え三人でも。そして私はその後三人の攻撃をカウンターし、真っ向から打ち破り。どっちが優勢か分からないくらいボコボコにした。
◇
〜ヴィヴィオサイド〜
「フン!!」
「うぐっ!?」
おじさんとお兄さんの戦いが始まり、お兄さんはヴィヴィオを抱えてる所為か上手く戦えないようだ。おじさんの攻撃をボールペンでやっと凌ぎ、躱し攻撃がヴィヴィオに当たらないようにお兄さんが代わりに受けている。怪我はかすり傷程度の物だけど、数が段々多くなってきて血塗れになってきていた。
「お兄さんごめんなさい、ごめんなさい………」
ヴィヴィオは謝る。もう守られているだけのヴィヴィオにはそれしかできなかった。ヴィヴィオの代わりに傷ついていく、見るに耐えなかった。でも目は瞑むれない。ヴィヴィオはしっかり見てなくちゃ。
「ぐっ!?……はぁ……はぁ……だ、大丈夫だヴィヴィオ。安心しろ、俺が守ってやるから」
お兄さんは息を切らし足にもきてる様だった。そしてその時が来た、お兄さんが少し体制を崩しフラついた時だ。お兄さんは倒れこそしなかったがその隙をおじさんは見逃さなかった。ボールペンを右側に構えそれが黄色に輝く。
「ペン技近式……四の型……」
そうおじさんが呟き、ヴィヴィオ達とすれ違う。お兄さんの動きが止まり。ヴィヴィオには何も見えなかった。でもお兄さんは致命的な怪我を負ってしまった。
「ゴフっ!?」
「お兄さん!?」
「《黄閃》」
お兄さんの脇腹は切り裂かれお兄さんは血を吐きその場に倒れこんだ。お兄さんの手から離れたヴィヴィオは急いでお兄さんの側に駆け寄る。必死にお兄さんに呼びかけお兄さんを揺するけど、お兄さんは痛そうな顔を浮かべて動かない。
「ヴィヴィオ……逃げろ…………」
「お兄さん嫌だ!?起きて!?一緒に逃げる……きゃっ!?」
ヴィヴィオはおじさんに襟を掴まれ持ち上げられた。ヴィヴィオがいくら騒いで暴れてもおじさんからは逃げられない。そうしてしばらく暴れているとお兄さんがゆっくり立ち上がった。そしてフラフラとした足でおじさんと向かい合う。
「陸飛、諦めろ。お前は私には勝てない。……にしてもうるさいガキだ!「うっ…………」おい、お嬢ちゃんさっさと連れて行け。」
ヴィヴィオは気絶させられその後の記憶はヴィヴィオにはない。
◇
〜なのはサイド〜
「スバル待って、先行し過ぎ!?」
「しょうがないね、こういう場所はスバルの方が速い。でも大丈夫、こっちが急げば良いだけだから!」
私達スターズはギンガの所へ向かっていた。私がティアナを抱えて飛び、スバルはローラーブーツで狭い通路はかけていく。連絡のないギンガも心配だけど今私は胸が張り裂けそうなほど苦しい。それは私達の前に開かれたモニターにリッ君が映っているからだ。しかもヴィヴィオを守りながら戦い……等々ヴィヴィオを奪われてしまった。だけどリッ君はまだ諦めていない。グラン少尉に向かいボールペンを構えそれを左の腰へと添えた。その映像は音声も入っているので会話が全て聞こえてくる。
「はぁ……はぁ……はぁ……返せ。ペン技近式……ぐっ……一の型……」
「フン……無駄だと言うのが分からんのか?ならばその身をもって教えてやる。ペン技近式……一の型……」
二人が同じ構えをとるが何かがおかしい。リッ君のボールペンは普通だ。なのにグラン少尉のボールペンは赤く光っている。それ以前に何故グラン少尉がリッ君の技を使えるのだろう。グラン少尉とリッ君の関係は詳しく聞いたわけじゃない……だけど二人を見ているとある一つの想像が浮かぶ。
「《破》!!!」
「《赤破》!!!」
リッ君とグラン少尉がそう叫びすれ違う。しかし私はその瞬間思わず涙が溢れた。リッ君が負けたのが分かったからだ。リッ君の攻撃は真っ向から砕かれボールペンは粉々になりすれ違った状態で固まっている。でも次の瞬間リッ君の体から血が噴き出した。右肩から斜めに身体を切り裂かれもはや悲鳴すらあげずにその場に倒れた。そしてリッ君の目の前が丁度海である為に落ちてしまうんじゃないかと心配だったが何とか落ちずにとどまってくれた。
「あ゛……ああ……ゴフっ!?……ちく……しょ…………」
リッ君が何故ここまで手も足も出ないのか私には分からなかった。正直リッ君は強い。例え勝てないにしてもここまで一方的な事にはならない筈……なのにどうして…………
「これが現実だ、そもそもお前にペン技を教えたのは誰だと思っている?この……私だ!」
私はそれを聞いて驚いたつまり……リッ君はグラン少尉の弟子と言うことだ。
「インクの無いボールペンで書類整理が出来ないように……魔力のないお前ではペン技を完全に使いこなすことはできない。何故なら本来ペン技とは魔力がある事を前提として組み上げられた技だ。二式五型を基本としその技の特性に合わせたボールペンによりボールペンに込めた魔力は赤・青・緑・黄・黒へと変化する。魔力のないお前では技に色を灯すことができない。だから私には勝てんのだ。だから二流に成り下がったと言ったのだ!フフ、なぁ〜陸飛?お前を殺す前に今これを見ている管理局員全員に全てを話そう。これでお前の仕事は完全に崩壊する。残業部の仕事はな?聞くがいい、管理局の者共よ!これが現実だ!!!」
グラン少尉は話し始めた、前にリンディさんが話してくれた事を……しかし私はそんな事よりリッ君の事で頭がいっぱいだった。リッ君は魔力がないから負けたのだ。ならそれは私の所為だ。私がリッ君からリンカーコアを貰ったばかりにリッ君は負けた。それは私には耐え難い物だった。こんな血塗れのリッ君など見たくなかった。こんな事ならあんな事言うんじゃなかった…………
「お前達は私に対して何故あんな事件を起こしたそう思っている事だろう?だがそれこそおかしな話だ!命懸けて他者のために働いた結果他の者がのうのうと生き、何故我々が犠牲にならなければならない!?これまで身を粉にして働いてきた我々がだ!!!働けなくなればお払い箱だ!?ゴミだ!?要らないものとして処分される!?こんな事間違っている!だから全てを破壊しようと思ったのだ!!!言うなればこれは私の復讐だ!!私がお前達管理局に分からせたいと考えて始めた革命だ!!!フフフ、もうじき管理局は完全に崩壊する。我々の手によってな?」
グラン少尉が好き勝手な事を言っている。けどそんな時だったリッ君がゆっくり立ち上がった。もう立たないで?早く逃げて。もうそれしか私が願うことはない。このままじゃリッ君は殺される。なんの躊躇もなく確実に殺される。それだけは嫌だ、見たくない。そう思っても敵が聞いてくれるわけもない。
「管理局の者共よ!聞いたとおりだこれが管理局の真実だ、今日まで管理局が維持できた理由がこれだ!管理局が必死で隠してきた物だ!こんな事許されて言い訳がない!!例えそれが必要なことでもな?フフ……だから見せしめに……私の目の前で這いつくばってる鈴木陸飛の公開処刑を始める。こいつがいなければもう……管理局が立ち直ることはない。陸飛よ……残念だよ……せめて私がこの手で……始末してやる。……ペン技遠式……三の型……」
「嫌……止めて……こんな事……止めてよ…………」
ダメだ……誰も間に合わない。リッ君は助からない。こんな……こんな目の前で大切な人が奪われるなんて……そんな事、そんな事…………
「……《緑貫》!!!」
「リッ君!?」
リッ君はその瞬間胸を射抜かれ海へと落ちた。
◇
〜キャロサイド〜
私達は六課へとたどり着いた、けど間に合わなかった。私達がついた瞬間陸飛さんは胸を貫かれ海へと落ちるまさにその時だった。ヴィヴィオもさらわれまさに最悪の結果だ。
「陸飛……さん……そんな…………」
「このぉぉぉぉおおおおおお!!!」
エリオ君が激怒しグラン少尉に突っ込む。しかしエリオ君は軽くあしらわれ強烈な蹴りを受けてぶっ飛んだ。向こうの方ではシャマル先生やザフィーラが気絶して倒れている。六課は火で包まれ、私の居場所も大事な人も全て奪われた今目の前にいる男に…………
「よくも……よくも私の大切な人を……大切な人達を……私達の居場所を。許さない。竜騎……召喚……ヴォルテぇぇぇぇええル!!!」
そう叫んだ瞬間私の後ろに巨大な召喚陣が完成しそこから巨大な竜が現れる。そして高熱のエネルギーをためていき発射する手前までいった。
「ほぉ〜こいつは驚いた。」
「許さない……陸飛さんを……私の大事な人を……よくも……よくもぉぉぉぉおおお!!!」
ヴォルテールの攻撃が周りのガジェットを消滅させ、さらにグラン少尉に向けてさらに発射した。でもグラン少尉は突然構えを取り信じられない事にヴォルテールの攻撃を防いだ。
「ぐっ……ペン技近式……五の型……《黒絶》!!!」
そしてヴォルテールの攻撃が完全に収まりグラン少尉は無傷でその場に立っていた。そして私に向かって一歩一歩、歩いてくる。私は怖くなりこの場に座り込んだ。でもグラン少尉は止まらない。ボールペンを構えて確実に迫ってくる。
「あ……ああ……陸飛……さん…………」
「さっきのは効いたぞ?だが……終わりだ!」
私に向かいグラン少尉がボールペンを振り下ろしてきた。私は両手で頭を抱えて目を瞑り、叫んだ。大切な人の名前を……来ないと分かっていても。
「陸飛さん!?」
「な!?ちっ、いつの間に!」
いつまで経っても攻撃は私を襲わない。代わりにグラン少尉の驚きの声が聞こえた。だから私は恐る恐る目を開けた。すると見覚えのない人がグラン少尉の攻撃を防いでいた。それも定規で…………
「調子にのるなですです!これ以上は誰も殺らせねぇですですよ!!!」
緑髪でツインテールの私より少し背が低い子が私を守りグラン少尉の攻撃を弾き返してくれた。そして私の前に立ちさっき構えていた30㎝位の定規をしまい、代わりにどこから出したのか1mの定規を取り出した。さらにその定規はこの子の魔力光と同じ赤色に輝きその目からは光が消えた。
「なるほど……今回は正真正銘本気というわけか?」
「守れなかったですです……陸ちゃんを守れなかったですですよ……けどです!?これ以上は誰も殺らせねぇですですよ……陸ちゃんが守ろうとした者全てを……僕が守って見せるですです!!!行くです、一メートル……定規……《測り斬り……5㎝》!!!」
そこで私の意識は途切れた。
次回もよろしくお願いします。
そして良いお年を!