魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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ども〜

少し書方変えます。

まぁ〜変えるといっても改行を減らすだけですけど。

ではよろしくお願いします。


第29話《嵐の前の六課》

〜なのはサイド〜

 

「リッ君、今日私とヴィータ副隊長、それからフォワード陣は本局の警備に出かけるから留守の間ヴィヴィオの事お願いできないかな?リッ君が見ててくれるなら安心なんだけど……」

 

今日私はリッ君にヴィヴィオを預ける為に事務所に訪れた、勿論他の人にお願いしてもいいのだけどいい機会だしヴィヴィオにはリッ君ともっと仲良くなって貰いたいから。

 

「別に構いませんけどヴィヴィオの方が嫌なのでは?」

 

まぁ〜確かにヴィヴィオの態度から見るにヴィヴィオがOKしてくれるか分からないのは事実だけど……でもその為に連れてきた訳だし。

 

「ヴィヴィオ、どうかな?私が出かけてる間だけなんだけど……このお兄さんとお留守番しててくれるかな?」

 

私がそう言うと私の後ろに隠れていたヴィヴィオが顔を半分だしリッ君の方を見た、ヴィヴィオが来ている事を知らなかったリッ君は少し驚いていたがすぐに笑顔になり飴をヴィヴィオに渡す。

 

「む〜この人嫌いだから嫌」

 

「もうまたそうやって……ヴィヴィオ?リッ君は悪い人じゃない、いつもヴィヴィオに飴くれるよ?笑いかけてくれるよ?悪い人が毎日ヴィヴィオに笑いかけてくれる?」

 

私はヴィヴィオと同じ目線になるようにしゃがみヴィヴィオとお話しする。ちょっと説教臭くなってしまっているけど……こういう事は大事な事だ、いくら子供とはいえ教える事は教えておかなければならない。

 

「……嫌だもん……この人嫌いだもん、この人大嫌い!!!「ヴィヴィオ!!」っ!?」

 

ついつい大声を出して怒鳴ってしまった、けどいくら何でも言っていい事と悪いことがある。大嫌いなんて軽はずみに言っていい事じゃない、それにリッ君も傷つくしヴィヴィオが嫌がることなんてリッ君は一回もしてない。

 

「うっ……ううっ……ひぐっ…………」

 

「ヴィヴィオ、それは言っちゃいけない事だよ?私にそんな事言われたらヴィヴィオも嫌でしょ?言われて嫌な事は言っちゃいけないの。だからヴィヴィオ、リッ君にちゃんと謝って?」

 

突然私が怒ったからヴィヴィオが泣き出してしまった、だけど私はヴィヴィオに謝るように言う……大事な事だから。するとリッ君が笑いながらヴィヴィオの頭を撫でた、ヴィヴィオは不思議そうにリッ君を見ている。どうやら本人も言ってはいけない事だとは分かっているようだ。

 

「もういいですよ高町隊長、この間も言ったでしょ?まだ子供なんだ、我儘させてあげて下さいって」

 

「何……それ…………」

 

この発言に私は頭にきた、今ヴィヴィオを怒っている最中で不機嫌だって事もあるかもしれない……けどそれ以前にそれはヴィヴィオの為にならない。甘やかすだけがヴィヴィオの為になる事じゃないと私は思うから。

 

「リッ君……それはどうなの?リッ君はヴィヴィオの事ちゃんと考えてるのかな?甘やかすばかりで本当にヴィヴィオの為になると思ってるの?時には怒ってあげる事も必要だと思うんだけど?」

 

挑発では無いけど……多少攻撃的な言い方をしてしまった。リッ君のあり方がヴィヴィオに対する考え方が許せなかったからだ。実際には違うのかもしれない。でも今この状況では私はの負の連鎖は止まらない。何故なら私は今怒っている、頭に血が上っている。

 

「確かに怒ることも時には必要かもしれません。でも自分で気付かせる事も必要だと俺は思いますが?」

 

考え方の違い……それは時としてぶつかる事もある。リッ君の言い分は私も分かる、それも正しい事の一つだと思う。

 

「リッ君はいいのかもしれないよ?ヴィヴィオにそう言われても別に気にしないのかもしれない、けどヴィヴィオがこれから作る友達や他の人に同じ事を言った時それで傷つくのはヴィヴィオなんだよ?勿論言われた人も傷つくけど、本当に嫌いな人意外でそれを言ったら結局傷つくのはヴィヴィオ……ねぇ、リッ君はその辺どう思うの?本当にヴィヴィオの事考えてるなら答えて!」

 

「……俺は親じゃありませんのでそれ以上は「もういい。」…………」

 

私はリッ君の言葉を途中で遮りヴィヴィオを連れて事務所から立ち去り始める。ヴィヴィオは私とリッ君が喧嘩を始めた所為で戸惑っていた。

 

「ヴィヴィオ、行くよ?」

 

立ち止まって動こうとしないヴィヴィオに私は手を少し引っ張り事務所を出る。

 

「なのはママ、でも……」

 

「いいの、リッ君なんかほっとけば。」

 

そして事務所から出る直前私は立ち止まりリッ君の方を振り向く。リッ君はまだこちらを向いていて表情は変わっていない。その顔が今凄くムカつく。だから私はいけないと事をしてしまった。この後死ぬ程後悔するとも知らずに感情に任せて…………

 

「リッ君……最低。」

 

そう……吐き捨てた、でもこれじゃ……私もヴィヴィオの事言えない。

 

 

 

 

〜キャロサイド〜

 

「陸飛さんこれ私がいない間の梅干しです。帰って来たらまたもって来ますから。」

 

「ああ〜いつも悪いな。でもキャロ?キャロは別に俺の奥さんじゃないんだからここまでしてくれなくてもいいんだぞ?それにどんなだけ梅干しストックしてるんだ?部屋が梅干し城になってそうだよな?」

 

これから本局の警備だから私は陸飛さんに追加の梅干しをもって来た。けどどこか元気がない。どうしたんだろうか?

 

「別にいいじゃないですか、私はお友達ですよ?」

 

「お友達でもここまでしないよ…………」

 

う〜ん……そうなのかな?

 

私は考えた、今までそんな事は考えた事もなかったからだ。お友達じゃここまでしない。ならどうすればおかしくないのか……

 

!?

 

考えた末に辿り着いた終着点。でも恥ずかしい。それは……でも陸飛さんなら別にいい。むしろそうなりたい。今まではお友達、けどこれからは…………

 

「陸飛さん……お友達でこう言う事しないなら私が奥さんなら問題ないですよね!」

 

「へ?」

 

陸飛さんの言いたい事はこういう事じゃないかと思ったんだけど……なんか凄く驚いている。私変な事言ったかな?

 

「キャ、キャロ?どういう意味で言ってるんだ?俺よく分かんないんだけど…………」

 

あれ……これじゃ伝わらないのかな?

 

ならちょ、直接言ってみようかな。

 

「り、陸飛さん私と一生一緒にいて下さい!」

 

声に出して言えたけど……顔が熱い、流石に恥ずかしい。だってこれはプロポーズだ。告白とかをぶっ飛ばしてプロポーズだ。

 

「……お、おいキャロ……マジ?それ……プロポーズなんだけど…………」

 

分かってます。けど言える時に言わないと言えなくなっちゃいますから、胸に秘めたままの恋なんて私は嫌です。待ってる時間が勿体無い。待ってるぐらいなら攻める。でも陸飛さんが余計な事言わなかったら気付かなかったかも。

 

「はい、マジです!陸飛さん好きな人いますか?」

 

「いや……いないけど……順序逆じゃないか……それ…………」

 

よ、よしならチャンスは十分、今答えをくれなくても陸飛さんを必ず振り向かせる。これからアタックしまくれば。

 

「陸飛さんどうですか?私が奥さんじゃ嫌ですか?」

 

私がそう言うと困った顔をする陸飛さん、でも全く可能性が無いわけでもなさそうだ。無理ならすぐ断る筈。だからまだ諦めない。

 

「……正直……嫌じゃないよ?凄く嬉しいし、キャロは……好きな方だ……ただなぁ……俺なんかとなぁ〜。もっといい人いないか?「いないです!」……そう即答されると照れるが……ごめん無理だ。「え……」ああ、別にキャロが嫌いなわけじゃないぞ?キャロは十分魅力的な女の子だと思うけどさ。俺には勿体無い。それにキャロまだ結婚できないだろ?」

 

なら私が諦める理由はないです。これからアタックしまくって今度は私にプロポーズさせてみせます。その前に入る過程がある気もするけどそんな物私と陸飛さんならいりません、もう十分です。大体私が陸飛さんに勿体無いって……それは陸飛さんが決める事じゃないです。私が良ければそれでいいんです私が好きなら……それでいいんです!

 

「今日はもういいです分かりました。でも陸飛さん?これから覚悟して下さいね?私が必ず陸飛さんを私の虜にしてみせます♪」

 

「…………」

 

私が満面の笑みでそう言うと陸飛さんは顔を真っ赤にして固まっていた。その時見た陸飛さんの顔は凄く新鮮だった。だって陸飛さんが真っ赤になった所見たの初めてだったから。

 

けど陸飛さんが悪いんですよ?私にこの気持ちを芽生えさせて、この気持ちを気付かせたんですから。

 

 

 

 

〜ヴィヴィオサイド〜

 

「ん?……フフ」

 

ヴィヴィオは今事務のお兄さんの後をつけている。でも今お兄さんが振り返った、だからヴィヴィオは慌ててその辺に隠れバレないように身を潜める。なのはママ達はもう出かけちゃったからいない。寂しいけどここには優しい人達が沢山いるから大丈夫。

 

「ここ……ご飯食べる所…………っ!?」

 

しばらくお兄さんをつけていたらいつもご飯を食べる場所に来た。そして中に入ったお兄さんを見るとヴィヴィオに向かって手招きをしていた。けど私は慌てて物陰に隠れ顔を半分出してお兄さんを見る。お兄さんはまだ私の方を見て笑いながら手招きを続けていた。

 

どうしてこの人お兄さんは優しいのだろう?ヴィヴィオに笑いかけてくれるのだろう?その度……お兄さんをが優しくしたり笑いかけてくれる度にヴィヴィオは胸の所がポカポカと暖かくなる、だけど同時にこの訳が分からない気持ちにムカムカする。訳が分からないから……その原因であろうお兄さんが嫌い。ヴィヴィオをムカムカさせるお兄さんが嫌い。

 

そしていつまでも手招きをやめないお兄さんに流石にヴィヴィオは観念してお兄さんの所に歩いていく。

 

「お腹空いてないか?そろそろお昼だし?一緒にどうだ?」

 

「い、いらないもん!?お腹なんか……っ!?」

 

ヴィヴィオがお腹なんか空いてないって言おうとしたらヴィヴィオのお腹の虫は元気よく鳴いた。本当はお腹空いている。言えないだけでお腹は空いている。

 

「はは、ほら。食べな!」

 

お兄さんは最初から分かっていたのかヴィヴィオの前にお子様用のご飯を置いた。それは前になのはママが「ヴィヴィオの為に出来たんだよ♪」って言ってくれたメニューだった。それにヴィヴィオがここに来る前に用意していたという事は初めからそのつもりだったみたいだ。お兄さんは優しい……ヴィヴィオが何を言っても怒らないで良くしてくれる。今日はその事でなのはママとケンカになっていた。ヴィヴィオの事で二人がケンカをしたのは凄く悲しい。

 

「……きょうは……なのはママとケンカさせちゃって……ごめんなさい…………」

 

「ん?フフ……大丈夫だよ。ありがとう、ちゃんと謝ってくれたな。けどあれは半分以上俺の所為だから気にするな。なのは隊長が戻って来たら謝らないといけないけどな…………」

 

お兄さんはヴィヴィオの頭を撫でながらそう言う。ヴィヴィオの所為じゃないって……自分が悪いんだってそう言う…………。でも結局ヴィヴィオが起こした事……ヴィヴィオも悪い。

 

あ!

 

ヴィヴィオは今なのはママが言ってた事を思い出した。「結局傷つくのはヴィヴィオ」確かにヴィヴィオはあんな事今言わなきゃよかったって思ってる。なのはママが言いたかったのはこういう事。それが今わかった、全部私の為。それでお兄さんの言ってることも分かった……「自分で気づくことも必要だと俺は思いますが」これもヴィヴィオの為だ。今自分でヴィヴィオは気付いた、それでもうやっちゃダメなんだって……凄く思った。どっちもヴィヴィオの為に言ってくれてる。凄く優しい人達。

 

こんな優しい人達ばかりだから……だから今ヴィヴィオは凄く……幸せなんだ…………

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

なのはちゃんとヴィータ、それにフォワード陣が本局の警備に出かけた次の日の事や。本局と六課が襲撃された、そして六課は燃え盛り私の目の前のモニターには受け入れがたい現実が広がっている。どういう訳か管理局員の回線全てに強制的にモニターが開いた。そしてそこには鈴木君とワーク・エスケーパーが映っており鈴木がボコボコにされている映像や音がリアルタイムで映されていた。そして…………

 

「管理局の者共よ!聞いたとおりだこれが管理局の真実だ、今日まで管理局が維持できた理由がこれだ!管理局が必死で隠してきた物だ!こんな事許されて言い訳がない!!例えそれが必要なことでもな?フフ……だから見せしめに……私の目の前で這いつくばってる鈴木陸飛の公開処刑を始める。こいつがいなければもう……管理局が立ち直ることはない。陸飛よ……残念だよ……せめて私がこの手で……始末してやる。……ペン技遠式……三の型……」

 

ワーク・エスケーパーが鈴木君のやっていた構えと同じ構えをしボールペンが緑色に輝く。

 

「ぐっ……く……そう…………」

 

鈴木君はゆっくりと血だらけの身体を起こし立ち上がる、もう……立ち上がるのもやっとの様子で。こんな状態で避けるのは無理や…………

 

「やめて……鈴木君が何をしたんや……こんなのあんまりや…………」

 

こんなの見せんといて……仲間を……殺さないで…………

 

「……《緑貫》!!!」

 

「こんなん嫌や……っ!?」

 

その瞬間一瞬音が全て消える感覚に襲われた。放たれたボールペンは鈴木君の胸を貫き鈴木君は後ろへと倒れる。しかし後ろは海……そのまま鈴木君は落ちてその辺りの水は血に染まった。

 

「あ……ああ……そん……な……こんな事…………」

 

何でこないな事に…………

 

 

 




次回もよろしくお願いします。

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