魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」 作:ヘルカイザー
ではよろしくお願いします。
〜キャロサイド〜
「陸飛さん、私これからお昼なんです。一緒に食べませんか?新作の梅干しもあるので……どうですか?」
丁度お昼時、訓練の終わった私は陸飛さんをお昼に誘った、新しく作った梅干しもあるから陸飛さんに食べて貰いたい。
「もうそんな時間か。う〜ん、そうだな!キャロ梅干しも食べて見たいし……行くか。ん?……フフ。」
陸飛さんが了承してくれた、でも立ち上がった陸飛さんが事務所のドアの方を見て少し笑い、ゆっくりとドアの方に近づいて行った。
なんだろうと思って私もついて行く。
「よ!「っ!?」また来てたのか?ほれ、飴?ん?いらないのか?」
陸飛さんが笑った理由はヴィヴィオだった、ドアから顔を半分だし陸飛さんを見ている。
すると陸飛さんが差し出した飴玉をそっと取り、後ろにゆっくりと後退りしながらヴィヴィオが叫んだ。
「嫌いだもん!?「あ、おい!そんな走ると」きゃっ!?……うっ……ううっ……い……たい……よぉ…………」
陸飛さんから逃げる様に走り出したヴィヴィオは転んでしまった、それを見て陸飛さんは言わんこっちゃないと言いながら転んだヴィヴィオの所へ歩いて行く。
「お〜い、大丈夫か?だから走るなって言ったろうに……ほら「や!?」つっ!?「あ……」……ん?ああ、気にするな。わざとじゃ無いもんな?」
ヴィヴィオは起こそうとしてくれた陸飛さんの手を思いっきり弾く、その時ヴィヴィオの爪で切ったのか陸飛さんの手からは少し血が出ていた。
しかし、陸飛さんは別に怒るわけでもなくヴィヴィオに笑いかける。
「こうやって舐めてればこんなの治るさ。さて、お?ヴィヴィオ……それ俺のボールペンだよな?あれ、今落としたか。返して「いや!」……あ、あのさヴィヴィオ?それは返してくれないか?別のをやるからさ。「嫌だ!嫌いだもん!!!」あ、おい!?」
ヴィヴィオは陸飛さんのボールペンを持ってどっかに行ってしまった、よっぽど大事な物なのか陸飛さんは困った顔をしている。
「陸飛さん、あれ大事な物なんですか?」
私は陸飛さんに聞いて見た、もし大事な物なら後でヴィヴィオに話して見ようと思ったからだ。
「いや……大事な物と言うか、なんと言うか……まぁ〜いいさ。「陸飛さん……ヴィヴィオに甘いです。」へ?お、おいキャロ?」
私は少しふくれて陸飛さんをおいて食堂に歩き出す、なんか……ムカっとした。
「早くして下さい!「どうして怒ってるんだ?」な、なんでもないです、さぁ〜行きますよ?」
結局私は少しイライラしながら陸飛さんと食堂へと向かった。
◇
〜フェイトサイド〜
「ヴィヴィオ?それ……どうしたの?」
私はヴィヴィオが持っていたボールペンが気になった、この間までそんな物持ってなかったし、それに結構しっかりした物だ。
「も、持って来ちゃったの…………」
少しヤバそうな顔をして答えてくれたヴィヴィオ、と言うことは人の物か……ボールペンって事は多分陸飛だと思うけど。
「それはヴィヴィオの嫌いなお兄さんのかな?「うん……」じゃ返してあげないとお兄さん困っちゃうよね?私が一緒に行ってあげるから返しに行こっか?」
私がそう言うとヴィヴィオは渋々頷いてくれた、そんなに気に入ったのかなぁ?
そして私はヴィヴィオを連れて陸飛のいる事務所に足を運ぶ、陸飛は自分の机に座って仕事をしていた。
最初の頃から比べると信じられない光景なのだがそれも今じゃ過去の話。
「陸飛、ちょっといいかな?「ん?フェイト……隊長?お、それにヴィヴィオもか。」ヴィヴィオが持ってるの陸飛のボールペンだよね?ほらヴィヴィオ?」
私の後ろに隠れていたヴィヴィオはゆっくり陸飛の前に出て行きボールペンを両手に載せて陸飛に差し出す。
陸飛ならそんなに怒らないと思っていたけど私の思いの度を超していた。
「返してくれるのか?「うん。」ん〜じゃ〜返してくれたお礼にそのボールペン、ヴィヴィオにあげるよ。気に入ったんだろ?「え……で、でも」いいから。大事にしてな?」
うん……見た事無い位ダダ甘だ。
どうやら本当に子供は好きの様だ、でも……もしかして本当にロリ……マズイ!?
ならキャロとヴィヴィオが危ない!?
い、いや……落ち着いて私、もうそう言うのは学習したんだ。
陸飛はそんな人じゃ無いから、もう分かってるから。
「り、陸飛いいの?ボールペンあげちゃって?「ええ、こんなに気に入ってるのを取り上げるのも可哀想ですし、この子なら大事にしてくれると思うので。」そっか……」
ヴィヴィオは貰ったボールペンを大事そうに抱えて喜んでいる。
だけど……流石に悪いよねただ貰うのも、一応私が保護責任者な訳だし……お金は払って置いた方がいいのかな?
「陸飛、ヴィヴィオにあげたボールペンいくら?流石にお金払うよ、悪いし。「隊長、お気持ちは嬉しいのですが大丈夫です。」で、でも結構高そうなボールペンだよね?1、2万位はするんじゃ……」
私がそう言うと陸飛は耳を貸して下さいと言うので陸飛に近づく。
「実はですね?あのボールペン……「っ!?」ね?気持ちは嬉しいですけどフェイト隊長……生活苦しくなりますよ?」
い、いや……それあげていいの?
私今鳥肌立ったんだけど……と言うか高いよ!?
何そのボールペン、どうしてそんな高いボールペンが存在するの!?
私の車より高いよ!?
ボールペンのくせに私の車より高いなんてあり得ないから!?
そんな事思いながら納得せずにヴィヴィオを連れて戻る事にした。
「じゃなヴィヴィオ!またおいで?「……こ、これありがとう!」おう!」
良かった……ヴィヴィオもこれで陸飛の事嫌わずにこれから仲良く……
「でも嫌いだもん!!!」
ええ…………
「あはは……」
笑ってる場合じゃ無いよ!?
ヴィヴィオ本当に陸飛嫌いなのかな?
私は嫌いと言って逃げて行くヴィヴィオを追いかけ陸飛のいる事務所を後にした。
◇
〜はやてサイド〜
「八神部隊長……ご相談があります!」
突然鈴木君が私の部屋に尋ねて来た、部屋と言っても部隊長室なんやけどな。
でもえらい深刻そうな顔や……それに鈴木君が相談?
これはよっぽど困ってるに違いない、今こそ鈴木君に恩を返す時や!
「いいよ!任せなさい、鈴木君の悩みは私が解決したるよ?なんでも言って?「ギンガの事なんですが……」いや〜私これから会議なんよごめんな〜話聞けんわ「さっきと言ってる事違うじゃないですか!?」うっさいわ!?自分とギンガの問題に私を巻き込まんといて!ただでさえあんたらのいざこざはお金がかかるんや!?」
嫌やわ……聞きとうない、鈴木君には悪いけど嫌やわ。
「お願いしますよ部隊長、話し聞くだけでも……」
うっ……そんな子犬みたいな顔されたら見捨てられん……はぁ…………
「分かった、聞くだけやで?「ありがとうございます!」まぁ……どうせまた何か壊れるんだろうけどな。」
鈴木君の相談を聞くことにした私は自分の机に座り鈴木君も近くの椅子に座る。
けど鈴木君の顔を見ると物凄く聞くの嫌なんよ……ただ事やない顔やで?
「で?ギンガがどうしたんや?」
中々喋り出そうとしないので私が後押しする、そうしないと進まんからな。
でもそんなにヤバイ事なんか?
「実は……病院でギンガとちょっといざこざがありまして……それからと言うもの……ギンガの様子がおかしくなりました。「今のギンガはいつもそんな感じやんか」違うんです!?な、なんと言うか……前にも増して積極的と言うかなんと言うか……ま、毎日速達で俺の所に荷物が届くんですよ…………」
荷物?
なんで荷物?
「中身はなんなんや?「そ、その……婚姻届と下着が入ってまして……」は?今なんて言った?婚姻届はまだええ、おかしいけどまだええ。下着ってなんや?」
下着やで?
おかしいやろ、それになんの意味があるんや?
「それが……同封されてる手紙に……どうぞ、昨日はいていた下着ですって書いてありまして……八神部隊長、俺は……ギンガにどうしてやればいいんでしょうか?もう……恐怖すら覚えるんですよギンガの対応に…………」
そんなの……私に分かるわけないやろ!?
何やその子、本当にギンガ!?
もう完全にキチガイやでキチガイ!
「最近ではメールや通信履歴が全部……ギンガで埋まってまして……なんか……いつも何処かでギンガに見られてる見たいで怖いんです。「そ、そうやろうな。」殴られるだけならまだ良かった……こうなるともう……ギンガの愛が重すぎます…………」
確かに……とんでもなく重い愛やな……それをいつまでも我慢してるあんたも相当や。
ギンガ……どこで道を間違えたんや……私は悲しいで?
そんな事を思ってる時、通信が入った。
通信相手はフェイトちゃんからでなんでも荷物が届いたからこっちに持ってくるとの事だ。
このタイミングで荷物?
ちょっと私は怖くなって来た、だって……タイミング良過ぎやないの?
そして少ししてフェイトちゃんが部隊長室へに到着し本人は用があるからと出て行く、再び部屋に二人残され互いに荷物を見つめながら沈黙が続いた。
でも沈黙に耐えきれなくなった私は鈴木君に切り出す。
「す、鈴木君、開けんの?「い、いや俺のじゃないでしょ?」そ、そうやね……わ、私に届いた荷物やもんね?考え過ぎや、あははは……は…………」
私は覚悟を決め荷物を開ける、その荷物はダンボールで大きさもそんなに大きいものじゃない。
丁度封筒より少し大きいぐらいの大きさや。
でも中を開けた私は背筋が凍った……何故なら中に入っていた物は鈴木君宛の封筒やったからや。
何故鈴木君がここにいることが分かったんやろうか……いや、でも私が鈴木君に渡す事をけ、計算に入れての事かもしれへん。
「す、鈴木?じ、自分宛や。」
鈴木君にそう言うと鈴木君は震える手でそれを受け取る、その顔は開けたくないと言う顔で支配されていた。
「……っ!?「鈴木君?」……や、八神……部隊長……俺……もう今日は上がります……「え?……いや、あの……お疲れ様…………」すいません……」
鈴木君は中身の紙を見るなり立ち上がりそう告げる、私は思わずOKしてしまったがもうすぐ定時やしいいか。
そして私の興味の矛先は……鈴木君が残していったあの手紙。
読みたくはないが……読みたい、怖いもの見たさや。
震える手を伸ばしその紙を手に取る、ゴクリと息をのみ私はそれを読んだ。
「っ!?……あ……ああ……うぷっ……お゛え゛っ!?」
次の日……私は一日寝込んだ。
◇
〜リンサイド〜
「ああ〜ひ〜ま〜で〜す〜で〜す〜。「そう言える元気があるならもう大丈夫そうだな?」あ、陸ちゃんですです!」
陸ちゃんは退院したけど僕は絶賛入院中ですです、それにお見舞いだってリンディさんしか来ないですし……チェッカーズの部下は薄情な奴らですですよ。
でも陸ちゃんが来てくれたから許してやるです。
「差し入れこんなんしかないけどいいか?「ああ!?それ……陸ちゃんお手製のぉぉ…………」はは、こんなんで喜ぶのはお前だけだぞ?」
それは陸ちゃんが作ったプリン、ミッドにはないから陸ちゃんのしか知らないけど……僕の大好物。
陸ちゃんに作って貰わないと食べられないから凄く嬉しいですですよ。
「頂きますです!……うん♪美味しいですですよぉ〜♪はぁ〜陸ちゃんのお嫁さんはいいですねぇ〜こんなに美味しい物を好きな時に食べられるなんてぇ〜羨ましいですです〜♪」
こんなに美味しい物なら毎日でも食べたいです。
そう言えば陸ちゃん……浮いた話聞かないですですねぇ〜?
ふふ〜ん♪
少しからかってやるです。
「陸ちゃん……僕がお嫁さんじゃ……嫌ですです?僕陸ちゃんなら何されてもいいですですよ?」
僕は少し上目遣いで両手を口元に添えてそうからかう。
さぁ〜陸ちゃんはどんな困った顔を見せてくれるですですか?
「ん?あはは、そうだなぁ〜リン見たいに可愛い子がお嫁さんになってくれるなら嬉しいな。」
からかっていた筈の僕が逆にやられた、一気に顔が沸騰した様に熱くなり陸ちゃんを見ていられなくなる。
「な、何言ってるですですか!?「何って……お前が言って来たんだろ?」う、うるさいですです!?」
り、陸ちゃんは……僕でもいいの……ですですか?
ぼ、僕だって……誰かのお嫁さんになるのは憧れているですよ?
でも……陸ちゃんがいいなら……ぼ、僕だって…………
「り、りり、陸ちゃん!?ぼ、僕、僕僕と「そう言えば俺この後用事があるんだ。だからそろそろ帰るよ。」そ、そうですか…………」
ううっ……言えなかったですです…………
「また来るよリン。」
「……はいですです♪」
でも陸ちゃんの顔見てたらどうでも良くなりましたです。
次回もよろしくお願いします。