魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」 作:ヘルカイザー
ではよろしくお願いします。
〜はやてサイド〜
「さぁ〜て、キリキリ自白して貰おうやないの?フォワード達が交戦状態に入った時の敵が誰か知ってるんやろ?教えてや?「知りません。」……言わんの?「言うも何も知りませんし。」はぁ……じゃ〜どうなっても文句言えんよ?」
先日の戦闘……そこで遭遇した召喚師とその仲間。
ヴィータの話だと知り合いの様な感じだったそうや、勿論フォワード達からも知り合い見たいだと言っとったで?
自分が嘘ついてるのは丸分かりや……散々嘘つかれてたんやから。
まぁ……いい意味でやけど。
なら今回も同じ様な事情?
「鈴木三等陸士、自分には処罰を与えます!病院からの退院後……六課で普通の事務員として普通に働く事!「はい、了解……は?」以上や。」
そう言って私は病室を出ようとする。
「え?ちょっ、八神部隊長!?それはどう言う「どうもこうもない、言ったまんまの意味や?」……処罰では?」
処罰?
それが自分に言った処罰やで?
今、鈴木君が何を隠して様とそれは知らん。
私には聞こえないで?
言ったって聞こえない。
それにまた自分には仲間助けて貰うたんや……感謝こそすれ罰なんて与える気なんてない。
「鈴木君……ヘリとなのはちゃん助けてくれてありがとう。この処罰はそのお礼や。ほなお大事に。」
ポカンとしている鈴木君に背を向け私は部屋を出た。
「全く……今までで一番効く処罰ですよ……フフ……ははは!」
◇
〜ギンガサイド〜
「陸さんお邪魔します。「ああ、ギンガか。」はい、元気そうで良かったです。……本当に……元気そうで……フフフフ♪」
私は陸さんが現場に現れた日から久しぶりに陸さんに会いに来た。
本当に久しぶりです……もう一週間も会ってない。
私寂しかったですよ?
「ギンガ?どうしたんだ?なんか……いつもと……「ねぇ〜陸さん?」っ!?」
私を思いっきり陸さんの両肩を掴む、ちょっと掴む力が強すぎるのか陸さんの顔は少しゆがんでいた。
「陸さん……あのゴツゴツした野郎とどんな関係なんですか?「え?ゴツゴツした野郎って地下でお前らと戦闘してた」そうですよ?」
ミシミシっと陸さんの両肩が軋む様な音を奏でる。
「つっ!?」
今度は本当に痛そうな顔をする陸さん……痛くしてるから当たり前ですけど。
「ギ、ギンガ痛い「痛いですか?そうですよねぇ〜でも私はもっと痛かったんですよ?」な、何の事だ……」
何の事?
何とぼけてるんですか?
「何で陸さんあのゴツゴツ野郎の拳を受け止めたんですか……「は?」陸さんが拳を受け止めていいのは私だけです「……い、いや……ギン」陸さんが殴られていいのは私だけなんです!!!「無茶言うな!?」無茶でもなんでもやって下さい!?私は……私は陸さんが好きなんです、大好きなんですよ!!もう陸さんじゃなきゃダメなんです、満足出来なんです!!!それなのに……私以外の……あのゴツゴツ野郎の拳を私の目の前で受け止めるなんて!?あの時私がどんなに傷ついたか陸さんに分かりますか?私がどんなに胸が痛んだか分かりますか?分からないですよね?だから陸さんは他のあんなゴツゴツ野郎の拳なんか受け止めたんでしょ!?」
あのゴツゴツ……ゴツゴツした野郎の……私の拳よりあのゴツゴツ野郎の拳の方がいいって言うの?そんなの嫌、陸さんが好きでいていいのは私の拳だけ、陸さんが愛していいのは私だけ。私がこんなにこんなにこんなに好きなのに陸さんは一度も好きと言ってくれない。もしかして私が嫌いですか?そうなんでしょ?だから言ってくれないんだ。陸さん、私はどうすれば陸さんの一番ですか?私はどうすれば陸さんとそんな関係になれるんですか?もっと拳をアピールすればいいの?私のアピールが足りないからあんなゴツゴツ野郎の拳なんかに惑わされたの?じゃ……もっと殴ればいい?もっと、もっと拳を撃ち込めばいいの?陸さん、陸さん?私は待ってますよ?陸さんがもう一度結婚してって言うのずっと待ってますよ?拳を構えて待ってますよ?どうして言ってくれないんですか?もしかして他に好きな人が?誰?それは誰?私以外に陸さんが好きになる人は誰?ああ〜成る程、あのゴツゴツ野郎か。だから陸さんあんなにゴツゴツゴツゴツ野郎の心配するんだ。憎い……あのゴツゴツ野郎が憎い。あのゴツゴツした拳が憎い。私の陸さんの心を奪ったあのゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツゴツ…………
「なぁ〜ギンガあのなぁ?嫉妬する対象がおかしい「おかしい!?」……あ、ああ、おかしいだろ?相手は召喚虫だぞ?それに拳って……「私には重要な事です!!!」…………」
私はもう自分の感情を制御出来てない、嫉妬に狂い自分の想いを陸さんにぶつける。
何も分かってくれない陸さんが悪いんだ、私はこんなに陸さんが好きなのに。
陸さんのためにこんなに拳をふるってるのに、そう思いながら私は陸さんの両肩から陸さんの首にスライドさせる様に手をかけ……その時陸さんに対するありったけの愛情が裏返った。
「陸さん「うぐっ!?」私が嫌いですか?「お……い……やめ……苦しい……」答えて下さいよ……じゃないと私……陸さん……このまま殺しますよ?「ば、馬鹿な事……するもんじゃない……ギンガ……手をがっ!?」あの時……私の拳は離したのにあいつの……あのゴツゴツ野郎の拳は掴んだままでしたよね?そんなにあのゴツゴツした拳がいいんですか?「そ、それはあれ以上……戦闘をさせない為」嘘ですよ!!!嘘、嘘、嘘……本当の事教えて下さいよ!?答えて下さい……答え……て…………」
私の手を掴む陸さんの力が抜けてきた、ゆっくりと私にかけている手が滑り落ち、陸さんの目は焦点が合ってないのか虚ろになってきていた。
でもそこで陸さんの唇が震える様に動く。
「あ……う……お……れは……ンガとの……たよ…………「っ!?」うっ、ゴホッゴホッ!?」
私は思わず手を離した。
今の陸さんの言葉で我に返ったからだ、しかし私はどうしようもない程の罪悪感に襲われた。
殺そうとしたのだ……自分の最愛の人を、自分の手で。
「陸さん……わ、私……何て事を…………」
両手で顔を覆い目からは大量の涙が溢れる。
「ゴホッ……ギ、ギンガ落ち着け……俺は別に何とも思ってない「嫌……」ギンガ?「りぐざん……ごべんな゛ざい!?」っ!?おい、ギンガ!?」
私は逃げた、陸さんの病室から出て……でも悪い事したのにどうしてこんなに嬉しいのか。
この日私の中で陸さんがさらに大きくなった瞬間だった。
陸さんがそんな風に思ってくれてたなんて……私は…………
だからもう……我慢出来ない。
◇
〜なのはサイド〜
私とヘリを助けてくれたリッ君が病院に戻ってもう二ヶ月、そろそろ退院出来るって言ってたけど…………
「ママ〜お腹すいた〜。」
「え?じゃ〜食堂行こうか?」
あの時六課で保護した子は今六課で預かっている、と言うか……私とフェイトちゃんが保護責任者になった。
なんかすごく懐かれちゃって。
「うん♪」
それで……名前はヴィヴィオって言うらしい。
「あれ?なのは!「あ、フェイトちゃん!」なのはもご飯?」
「うん、そうだよ?ヴィヴィオと、ねぇ〜?」
食堂に行く途中でフェイトちゃんに会った。
どうやらフェイトちゃんもお昼の様で、一緒に食べる事に。
「うん♪フェイトママも一緒に食べよぉ〜?」
「うん、いいよ。じゃ行こっか?」
と言うわけで食堂に来た、けどそこには…………
「え……リッ君?「あ、高町隊長!それにフェイト隊長も。」もう退院したの?」
食堂に入るとリッ君がご飯を食べていた、近々退院するって聞いていたけど今日戻って来るなんて。
ん?
フェイト……隊長?
「ちょっと待ってよリッ君!?「へ?なんですか?」なんでフェイトちゃんの事名前で呼んでるの!?いつの間に!?なんで!?どうして!?ずるいよ、私も呼んでよ!?」
「落ち着いて下さいよ高町隊「なのは!?」……い、いやですから高町隊「なのは!!」はぁ……なのは隊長。」
強引だが押し通した、リッ君は弱くなったね?
これからも意外とグイグイいけばリッ君墜とせる?
う〜んでもなぁ〜。
あれ?
「ううっ……「ヴィヴィオ?どうしたの?」いや!?」
突然私の後ろに隠れたヴィヴィオ、私がどうしたか尋ねると私から離れて今度はフェイトちゃんの後ろへと動く。
て言うか……え?
ヴィ、ヴィヴィオ?
「ど、どうしたのかなヴィヴィオ?この人は怖い人じゃないよ?とっても優しいお兄さんなんだ、だからそんなに「いや!!!」ヴィヴィオ…………」
ヴィヴィオはフェイトちゃんの後ろに隠れて出てこない、たまにチラリとリッ君の事を見てすぐに隠れる。
するとリッ君が立ち上がりヴィヴィオのそばまで近寄る、しかしヴィヴィオはフェイトちゃんの足を隠れ家にして顔を出さない。
どうしたのかな?
「どうした?俺が怖いのか?」
リッ君がそう言うとヴィヴィオは少し顔を出して首を横にふる。
怖くないなら何なんだろう?
「じゃ……どうしたんだ?え〜と、ヴィヴィオだっけ?俺は鈴木陸飛って言うん「嫌い!!!」…………」
ヴィヴィオがそう叫んだ瞬間……食堂が静まり返った、そう言われたリッ君はいつもと変わらない顔をしている……でもなんか変だ。
「リッ君?」
するとリッ君は静かに立ち上がり自分の食器を片付け始め、食堂から出て行ってしまった。
無言でそれ以上何も言葉を言わずに……それに顔がいつも通りだけに違和感がある。
「ねぇ〜なのは?陸飛あれ……明らかに落ち込んでるよね?」
「う、うん……いつもと変わらない様な感じだけど……多分。」
子供に嫌われて少し落ち込むリッ君に私はやっぱり少しロリっ気があるのでは?と思ってしまった。
でもなんでこんなに嫌われたの?……そんな疑問も晴れることはなくその後、何日か経った日の事だ。
ヴィヴィオが何処にもいないので心配になった私は六課内を探し回った。
そしてしばらく探し、事務所の入り口で中を覗いているヴィヴィオを見つけた。
だから私もこっそり覗いてみる、すると事務作業をしているリッ君がいた。
どうやらリッ君をジッと見ている様だ。
「ヴィヴィオ?あの人……嫌いじゃなかったの?」
「っ!?」
急に声をかけた所為か少しびっくりして私の方に振り返るヴィヴィオ、その様子はとても可愛らしいのだが…………
「嫌い!」
そう言い、ヴィヴィオはプイっと顔を横に逸らす。
それでまた事務所の中を覗き始め、リッ君がこっちに気づくとすぐに顔を引っ込めてしまう。
まるで漫画とかの尾行中の探偵の様だ……実際の探偵はここまであからさまじゃないけど。
それにリッ君の様子からして既にヴィヴィオがここにいるのを私が来る前から気づいていた様だ、でも嫌いと言われてる手前近づかない様にしてる見たい。
しばらくそうして見ていると、リッ君がさりげなく何かを投げた。
なんだろうと思い見てみると飴玉だ。
リッ君が投げたのを見ているヴィヴィオはそれを拾いリッ君を見る、そしたらリッ君はヴィヴィオに食べていいよ?っと言ってるかのように手を振った。
「……き、嫌いだもん!?」
そう言ってヴィヴィオは逃げる。
「ああ、ヴィヴィオ!?……リッ君ごめんねちゃんとお礼言う様に言っとくから「いいですよ、まだ子供なんだ。わがままさせてあげて下さい。」……分かった♪ヴィヴィオ待って!」
私は逃げたヴィヴィオを追いかけた、でもこの時リッ君は子供には物凄く甘いんだなぁ〜と感じた。
◇
〜リンサイド〜
「わざわざお見舞い来ていただいてありがとうございますですですよリンディさん。」
「ふふ♪何言ってるの?貴方も私の部下の一人よ?心配しないわけ無いでしょ?」
本当にリンディさんはいい上司だ、僕は一生ついて行きますですですよ。
そうしてしばらく世間話をした後、僕は話そうと思っていた事を話し始める。
「リンディさん?お話がありますですですよ……「どうしたの?改まって。」少尉が……グラン少尉が生きていましたです。」
ガタっとパイプ椅子が倒れる音がしリンディさんが立ったまま唖然としている。
「本当?」
信じられない……今のリンディさんからはそんな感情が伝わって来る。
勿論僕も信じられなかった、でも真実。
「はい……僕に傷を負わせたのも少尉ですです。」
「そう……それは信じがたいわ。でも貴方が言うなら間違いないんでしょうね。もしそうならグラン少尉の今の目的は「陸ちゃんの殺害です。」っ!?」
僕の言う事を全てが信じられないのは分かりますです、でも全てが真実なんですです。
「その事……陸ちゃんには?「言ってません。」そう……ならこれは陸ちゃんには伏せておきましょう。この事を陸ちゃんが知ったら…………」
はいです……間違えなく飛び出して行く。
だから陸ちゃんには言うべきじゃ無い、でも陸ちゃんは殺させない。
必ず僕が守る!
今度は……負けないですです!!!
若干一名とんでもなく覚醒した気もしますが……次回もよろしくお願いします。