魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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ども〜

感想毎度ありがとうございます。

ではよろしくお願いします。



第24話《動く闇》

〜キャロサイド〜

 

私は皆がお見舞いに行った次の日の夜ギリギリ面会時間に間に合ったので私は陸飛さんのお見舞いに来たのだが、陸飛さんは眠っていた。

 

だから私は陸飛を起こさない様にお花の水を替える、けど水を替えた後花瓶を置いた時の音で陸飛さんを起こしてしまった。

 

「……何だキャロ来てたのか?起こしてくれればいいのに。」

 

「せっかく寝てるのに起こしちゃ悪いじゃないですか?顔も見れましたしお花の水替えたら帰ろうと思ったんですけど、陸飛さん起きてくれたのでもう少しいますね?」

 

でも本当に良かった……陸飛さん元気そうで。

 

昨日はスバルさんやエリオ君もお見舞いに行ったんだよね?

 

やっぱり結構お見舞い来たみたいだ……差し入れがそのまま大量に置いてある。

 

「昨日は六課の皆が来てくれたから嬉しかったよ。てっきりキャロも何処かで来てくれると思ってたんだが……今日だったな?」

 

「はい♪一度に押しかけると陸飛さん疲れちゃうと思いまして、せめて私だけでも日にちずらそうかなぁ〜って。」

 

私だけずらしてもそんなに変わらないと思うけど……そこは気持ちで。

 

それに差し入れも準備してなかったし。

 

「ごめんなキャロ、心配かけた上に気まで使わせて。「いいんです、陸飛さんはお友達ですから。」ありがとう……な。」

 

そんな事は気にしなくていいのにとは思うけど……そう言ってくれたのは嬉しい。

 

でも陸飛さんはこれから無理する事もないわけだし安心だ。

 

あ、そうだ!

 

差し入れを……

 

「陸飛さん差し入れです。陸飛さんが好きって言ってた梅干しですよ。」

 

私はそう言ってタッパに入った梅干しを陸飛さんの前に出す。

 

「キャロ……どうしたんだこれ……ミッドには梅干しはないよな?「作りました。」へ?作った?自家製?よく作り方知ってたな?話した時は梅干しも知らなかっただろうに…………」

 

勉強したんです、陸飛さんに喜んで貰おうと思って。

 

大分日にちが必要でしたけど……保護隊の時、陸飛さんの好きな物教えて貰ってて良かったです。

 

お陰で完成品が出来た。

 

「フェイトさんにお願いして地球の梅干しの資料を貰ったんです。頑張って作りましたけど……初めて作ったんで味には自信が……「一つ貰えるか?」……はい♪」

 

私は梅干しを一つ摘み陸飛さんの口に近づける。

 

「はい陸飛さん、あ〜ん♪「い、いやキャロ自分で食べられる。」いいじゃないですか、私が食べさせてあげたいんです。それともこんな私のわがまま……嫌……ですか?」

 

私は少し上目遣いになりながら陸飛さんの返事を期待する。

 

でも強引にはやらない、陸飛さんは嫌なことはしたくない。

 

「分かった……頂くよキャロ、頼む。「はい♪じゃ〜陸飛さん、あ〜ん♪」あ〜ん……ん!?キャロこれ美味いぞ!?……それに……少しハチミツ入ってるのか?」

 

やった!

 

私は心の中でガッツポーズをする、初めてだったけど美味く出来たみたいだ。

 

「はい、ハチミツも入ってます。しっかり3ヶ月は寝かせてあるんで大丈夫な筈です!」

 

良かった……陸飛さんが喜んでくれて。

 

にしても本当に好きなんだなぁ〜、こんなに幸せそうな陸飛さん初めて見ました。

 

「いっぱいあるので入院中に食べてください。じゃ私……そろそろ面会時間終わりますので帰ります。」

 

「ん?そうか、ありがとうなキャロ……この梅干しは俺が食べた中で一番美味しかったよ。「本当ですか!?」ああ。」

 

私は凄く嬉しかった、だから今度はもっと美味しい物を作って見よ♪

 

「それじゃ陸飛さん、お大事に♪「おう、気をつけて帰れよ。」はい♪」

 

帰りの道を歩く私の足は軽かった、とても気分が良かったから。

 

早く陸飛さんが六課に戻ってくればいいな♪

 

 

 

 

〜なのはサイド〜

 

リッ君が入院して丁度二週間ぐらい経った、そして今日はフォワード組に休暇をあげて、私はリッ君のお見舞いに。

 

お花を買って……差し入れは何がいいんだろう……お菓子?

 

それに結局お見舞いすぐは来れなかったし。

 

あ!

 

これでいいかなぁ?

 

お見舞いにお勧めのお菓子って札が出てるし……うん、これにしよう。

 

しかし私はこの時気づかなかった、お店の人がその札を間違えてそこに置いている事を…………

 

お昼が近くなった頃私はリッ君の病室に着いた、ノックをし中へと入る。

 

「お邪魔しま〜す。「ああ、高町隊長こんにちは。」うん、こんにちは。リッ君もう大分良さそうだね?」

 

私はそう言いながらリッ君のベッドの横にある花瓶に花を入れる。

 

「た、高町隊長……その花……「凄く綺麗でしょ?」いやそれ……ミッドだと日本で言うシクラメン的な奴何ですけど……「へ?」ちなみに葉っぱが一枚でも落ちると…………」

 

リッ君はそう言いながらその花の葉っぱを一枚千切る、するとさっきまで黄色かった花が一瞬で真っ赤に染まった。

 

「赤くなります。」

 

え、エンギガワルスギル…………

 

「え、えっと……さ、差し入れもあるんだよ?「っ!?」え!?い、いや……これはその…………」

 

私は焦った……お勧めだと書いてあったのにお菓子の箱を開けてみると、死とか余命とか不吉な事しか書いてないお饅頭の様なお菓子が並んでいた。

 

なんかずっと見てると気分が悪くなりそうだ。

 

「高町隊長……あの……俺に死ねと?「違う、違うの!?お店でお勧めって書いてあったの!?そ、そんな事思って無いから、絶対思って無いから!?」ぷっ……あははは!冗談ですよ、そんな事思って無いのは分かってますから。」

 

はぁ……良かった、嫌われたらどうしようかと思った。

 

くそぉぉ……帰りにあの店に文句言ってやるの。

 

「隊長、差し入れありがとうございます。後で頂きますね?「え!?い、いや……気分悪くなりそうだからやめた方が」いえ、せっかくなので頂きます。隊長の気持ちのこもった差し入れですから無駄に出来ません。」

 

素直に嬉しかった。

 

そう言う性格の人だって分かってるけど……嬉しかった。

 

「うん……ありがとうリッ君♪」

 

そんな時だった、ライトニングから全体通信が入った。

 

聞いて見るとレリックと思われるケースと衰弱した女の子を発見したと言う物だった。

 

事は緊急を要する事態となり私も現場にでなければならない、フォワード組には申し訳ないけど休暇は中断。

 

「リッ君、私行かなきゃ。また来るから。「あ、高町隊長!」え?何?」

 

私が病室のドアの方に急ぐとリッ君に呼び止められた。

 

「お気をつけて。」

 

「うん、頑張る!」

 

大丈夫、その言葉だけで私は頑張れる。

 

 

 

 

〜リンサイド〜

 

ん?

 

通信?

 

……陸ちゃん?

 

陸ちゃんから僕に連絡を入れて来るなんて珍しい、急用ですです?

 

「はい、陸ちゃんどうしたんですです?珍しい事もありますね、陸ちゃんから連絡ですなんて?」

 

しかし、僕は陸ちゃんの顔を見て真面目な話だと察した。

 

「リン、頼みがある。六課に寄って俺の得物を持って来てくれ、お前なら分かるだろ?」

 

確かに陸ちゃんの得物は分かる、何を持って行けばいいかも知っている。

 

でもそれは素直に聞けない。

 

「陸ちゃん……貴方まだ入院中ですですよね?そんな物で何する気なんですです?大人しくしてないと本当に死にますですですよ?「嫌な予感がするんだ!?」……そうですですか……ならしょうがないですですね。30分下さいですです。」

 

陸ちゃんの嫌な予感は本当に大変な事になるからいけないですです。

 

全く……本当に損な人ですよ陸ちゃんは…………

 

念のために僕も得物を持って行きますですです。

 

そして30分後僕は陸ちゃんの得物を持って陸ちゃんの病室に到着した。

 

急ぎの用なのでノックを省いてドアを開ける。

 

「サンキューリン、時間通りだな?「当たり前です。」そうだよな。」

 

大分回復して来たとはいえ陸ちゃんは無理の出来る体じゃ無い筈……なるべく僕が「リン?」

 

「へ?な、なんですですか?」

 

「手伝ってくれるか?俺だけじゃ多分無理だ。」

 

はぁ……陸ちゃんが一人じゃ出来ないって事は私の予想を超えて身体にガタがきてるみたいですですね?

 

本当に大丈夫何ですですか?

 

「陸ちゃん?極式は……使える程回復してるんですです?」

 

「……俺は恐らく……使えても生きてるうちに後一発しか極式を使えない。」

 

それは……衝撃的な事だった、ガタがきてるとかそんな問題ではない。

 

まさかここまでとは思わなかった。

 

「そ、それ以上使ったらどうなるですです?」

 

聞きたくないけど聞いてしまう。

 

答えは分かっている筈ですですのに…………

 

「100%……死ぬ。」

 

分かっていても……それは想像もしたくない事実。

 

「……そ、そうですか……なら僕が使わせないですです。「リン……」僕が陸ちゃん守りますですですよ、だって僕達は……『筆箱』ですから!」

 

僕はそう言い陸ちゃんに拳を突き出す、陸ちゃんも少し笑みを浮かべ突き出した僕の拳に自分の拳を打ち付ける。

 

「ああ、俺達が残った最後の『筆箱』だ!」

 

そして僕達は病院を出た。

 

 

 

 

六課が動いてる中ビルの上に二人の人影があった。

 

「ディエチちゃ〜ん、ちゃんと見えてるぅ〜?」

 

「ああ。遮蔽物もないし空気もすんでる、よく見える。」

 

一人は大きな長い何かを持ち、もう一人は一人目より高い位置で座っている。

 

「でもいいの?うっちゃって。ケースは壊れないけど........マテリアル破壊しちゃうんじゃない?」

 

ディエチと呼ばれるその女性はもう一人のメガネをかけた女性にそう尋ねる、しかし話がなんだか穏やかな話ではない。

 

「大丈夫よ〜ドクター達いわく、あれが当たりなら........あれが聖王の器なら砲撃程度じゃ死なないから大丈〜夫だそうよ。」

 

「ふ〜ん!」

 

 

 

 

〜リンサイド〜

 

「リンここから別れよう、後で地上で合流だ。」

 

どうやら地下にガジェットがいるらしい、でも地下は広い。

 

だから陸ちゃんは別れようと提案してきた。

 

陸ちゃんを戦わせない様にする為には一緒にした方がいいのですですが……仕方ありませんですです。

 

「了解ですです。陸ちゃん……使わないで下さいですですね?「ああ。」……じゃ……後で。」

 

僕は陸ちゃんと別れて陸ちゃんと反対の方向に行く。

 

でも陸ちゃんと別れてしばらく進んだ時の事だった、前から何かの気配を感じた。

 

最初はガジェットかと思ったが人の気配の様だ。

 

「そこにいるのは誰ですですか?さっさと出て……っ!?」

 

突然僕を重い空気が襲う。

 

これは殺気だ……信じられない。

 

これ程の殺気を放てる人間なんて…………

 

「なんだ……こっちはハズレか?まぁ……代わりに見知った顔が見れた。久方ぶりじゃないか?……ストーン。」

 

僕は……目の前の光景が信じられない。

 

嘘だ、夢だ……こんな事……あっていい訳が…………

 

「グラン……少尉……ですです?」

 

「フフ、そうだ。「何故生きてるですですか!?」殺したと思ったのか?いや、死んだよ。ちゃんとお前らに殺されたさ。しかし死体を処分出来なかったのは失敗だぞ?お陰で俺はこうして生き返った。」

 

この事を早くリンディさんに知らせなければですです。

 

このままでは不味いことに「陸飛は何処だ?」

 

っ!?

 

何故陸ちゃんを探してるですです?

 

「さ、さぁ〜知りませんですですね?」

 

少尉今度は何をする気ですですか?

 

まさかまだ…………

 

「嘘をついても無駄だ。私には分かる。陸飛はここに来ているのだろう?あいつはそう言う男だ。「陸ちゃんに何の用があるですですか!?」……用?決まっているだろう?殺すんだ。」

 

「……な……陸ちゃんを……殺す?何故!?少尉、貴方は陸ちゃんをあんなに「当然だ!!!」…………」

 

なら……何故…………

 

貴方を殺したからですか?

 

でも……あれは貴方が頼んだ事じゃないですですか…………

 

「あいつは今でも私の大切な……だが、あいつは生かしておくわけにはいかんのだ!私が陸飛を鍛えたばかりに……陸飛に残業部隊として仕事を教えたばかりに管理局はまた元通りになってしまった!!!管理局は潰さなければならない。「ふざ……けるなです。」……何?」

 

どうしてそうまで曇ってしまったんですか……貴方はそんな人じゃなかった。

 

誰よりも管理局の未来への理想を燃やし……陸ちゃんとその理想を目指していた貴方が……何故曇ったですですか…………

 

「ふざけるなですです……貴方はもう僕の尊敬する少尉ではないですです。「ほう?ならどうするんだ?」もう一度貴方を……殺しますです!!!」

 

私は得物を片手に少尉へと突っ込む、スピード僕の方が上の筈。

 

「三十センチ……定技「遅い。」な!?」

 

突然少尉がボールペンを出しそれが黄色に輝く、そして突っ込んでいた僕の目の前から消えた。

 

「ペン技近式……四の型……《黄閃》。」

 

僕の後ろで少尉の声が聞こえた、でもその瞬間僕の身体から力が抜ける。

 

一切の力が入らずそのまま前に倒れた。

 

「あ……ああ……ごふっ!?…………」

 

倒れた僕は血を吐き出し僕の倒れている場所は僕を中心に血が広がっている。

 

息が出来ない……肺を潰された…………

 

「昔ならお前の勝ちだ、だが今は私の方が強い。さらばだ。」

 

そう言って少尉の足音は遠ざかって行く。

 

「ごめん……なさいですです……あ゛……あ゛あ゛……陸ちゃん……守ってあげられない……です……ですよ…………」

 

そこで僕の意識は消えた。

 

 

 




次回もよろしくお願いします。

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