魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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ども〜。

毎度感想頂いてありがとうございます。

ではよろしくお願いします。


第22話《貰い物》

〜なのはサイド〜

 

私に関係ある話……それってなんだろう?

 

「それで、もう一つの話なのだけど……それは鈴木三等陸士のリンカーコアについてです。」

 

リンディさんが真剣な顔でそう告げる。

 

リンカーコア?

 

はやてちゃんが言うには鈴木君にはリンカーコアがあるって言ってたけど……本人は魔法は使えないって言うし。

 

あれ?

 

そう言えばこの間……俺のリンカーコアはそこですって私の胸を指差してたけど……結局あれは何だったんだろう?

 

「リンディさん、鈴木君には聞きましたけど……鈴木君は魔法が使えないそうですよね?でもリンディさんから貰ったプロフィールにはリンカーコアありって表記がありました。鈴木君……本当は魔法使えるんやないんです「はやてさん、鈴木三等陸士は魔法は愚か魔力すらその身には残ってないの。」……残って……ない?その言い方だとまるで元々あったみたいな言い方やないですか?」

 

残って……ない?

 

元々使えたのに使えなくなったって……事?

 

どうして?

 

私もそうなりそうになったけど……凄く怖かった。

 

私は魔法を失わずに済んだけど、鈴木君は……ダメだったの?

 

「ハッキリ言います。鈴木三等陸士のリンカーコアは……なのはさん、貴方の中にあるのよ!」

 

「え…………」

 

私はそれを聞いて驚き固まった、だって……なんで私の中に鈴木君のリンカーコアがあるの?

 

鈴木君とは……教導隊で会ったのが初めてだし。

 

と言うか鈴木君があの時言ったのって……そのままの意味だったの?

 

え?

 

何それ……そ、それじゃ……まるで…………

 

「ここからは私が話すわ。」

 

私が固まっているとシャマルさんが詳しく説明し出した。

 

「なのはちゃんが堕ちて……一命はとりとめた。でもなのはちゃんのリンカーコアは損傷が激しくて正直回復は絶望的だったの。それでも可能性は0じゃなかった……。そんな時、意識不明のなのはちゃんの病室の前をたまたま別の要件で来ていた陸飛君が通りかかった。それで……陸飛君がしばらくなのはちゃんを眺めているから私が話しかけたの。陸飛君とはその時、初めて知り合った。」

 

鈴木君が……私の病室に?

 

私が知らないうちに会ってたんだ。

 

「それでしばらく話してるうちになのはちゃんの状態を話したの。そしたら……なんて言ったと思う?陸飛君……自分のリンカーコアを回復のベースに使ってくださいって……なのはちゃんにあげてくださいって……言ったのよ?私は耳を疑ったわ。確かに理論上は可能かもしれない、他人のリンカーコアを損傷したリンカーコアに結合させて回復を促す。それでも100%ではないのよ?あくまで可能性の話なの。それに……リンカーコアを抜くって事は……自分が一生魔法が使えなくなるって事なのよ?そんな事を……なんの躊躇もなしに他人に譲るだなんて…………」

 

なんで……なんでそこまでしてくれたの?

 

じゃ……私が……鈴木君の翼を奪ったの?

 

鈴木君が犠牲になったから私は今ここにいられるの?

 

知らなかった……知らないでわ、私…………

 

「それでねその時私は一回断ったの。でも陸飛君……もう自分には必要ないからって……どうしてかは分からない。けど……この子の翼を守ってあげてくださいって……そんな事言われたら……もう断れなかった。だからなのはちゃんが寝ている間に2回目の手術をしたのよ。でもこの事は……一部の人間しか知らない事なの。」

 

私は……助けられていた。

 

鈴木君に一生分救われていた……なのに、私は彼を踏みつけて……傷つけて。

 

「何や……それ……そんなのってありか?わ、私……鈴木君になんて言った?魔法が使えないなんて嘘やろって……怒鳴って……知らない事とはいえ……なんて無神経な事を…………。友達助けて貰うたのに……恩を仇で返してもうた。どう謝ったらええんや…………」

 

はやてちゃんはその場に座り込み唖然としている。

 

けどそれは私も同じだ。

 

どうやって鈴木君に感謝すればいいの?謝ればいいの?

 

「なのはさん?どうか気に病まないで?鈴木三等陸士は貴方の「やめて!!!」……なのはさん…………」

 

私はリンディさんの言葉を遮り叫ぶ、私の目からは熱い物が流れ始める。

 

もう抑えられない。

 

「やめて、やめてよ!?何?何なのこれ……私が鈴木君の魔法を……鈴木君の翼を……鈴木君の魔導師としての命を……奪ったの?「なのはちゃん落ち着いて」私がいたから鈴木君はこんな思いしてるの!?教えてよ!?もう……分かんないよ!!!」

 

私は訳が分からなくなり走り出す。

 

「なのは!?」

 

フェイトちゃんの声が聞こえた気がしたがそんな事今はどうでもいい。

 

私は走る。

 

逃げる様に……何処へ向かうわけでもなく。

 

 

 

 

〜フェイトサイド〜

 

私達の知らない所でそんな事があった何て。

 

なのはを追わなきゃ、今のなのはは…………

 

「皆!」

 

私がなのはを追おうとした時お義母さんが皆に呼びかける、それを聞き私は追わずに止まってしまった。

 

「鈴木三等陸士は今日、本日をもって……残業部隊の任を解きます。でも……本人の希望で仕事は最後までやり遂げたいって言ってるの。本当に……真面目よね?こんな状態なのに……だから……もう少し、この部隊が終わるまでよろしくお願いします!」

 

そう言ってお義母さんは頭を下げる。

 

そんなお義母さんを見て……私だけじゃなくそこにいる全員が声を揃えて言った。

 

『勿論です!!!』

 

私達がそう言うとお義母さんは満足そうに笑ってくれた。

 

 

 

 

〜なのはサイド〜

 

しばらく走って……気がついたら鈴木君の病室に来ていた。

 

もう面会時間は終わってるけど……私は中に入る。

 

中では鈴木君が眠っていた。

 

「鈴木君……どうして助けてくれたの?私なんか……鈴木君になんの恩も感じないでのうのうと生きてるような人間なんだよ?それどころか鈴木君に酷いこと言って……罰まで与えて…………」

 

眠って聞いてる筈もない鈴木君の横で私は独り言に様に喋る。

 

「私……あの時自分で頑張って皆の励ましもあったけど……頑張って治ったんだって思ってたんだぁ?でも違ったんだね?鈴木君のお陰で私はここにいるんだ……いられるんだ。ごめんね?私が鈴木君の大事な物奪っちゃって……返せって言うならいつでも返す。鈴木君が私が許せないなら私を好きにしていいよ?ねぇ〜どうしたら償えるかなぁ?鈴木君が苦しんだ分どうやったら償えるかなぁ?私、私もう……分かんないよ…………」

 

「なら……これからも飛んでくれ。」

 

っ!?

 

寝ている筈の鈴木君が起きていた、いつの間にか起きて私を見つめている。

 

「高町隊長?俺は貴方が飛んでいられるだけで満足です。別に俺が魔法が使えなくても貴方が俺の代わりに飛んでくれるだけで満足だ。」

 

鈴木君はそう言ってくれる。

 

でも私は納得がいかない、私は鈴木君に許されない事をしてた。

 

知らなくても……しちゃいけない事を…………

 

「で、でも鈴木君にそう言って貰える資格なんて私には無い!?私は……「貴方は希望だ。」え?き……ぼう?」

 

私が希望?

 

それは……どう言う意味?

 

「はい。管理局の希望……貴方の存在が管理局の士気を高め、貴方が育てた局員達はこれからの管理局を支える原石。だから貴方は俺の希望……俺が思い描いた、俺が目指した管理局の未来を貴方が叶えてくれる。そう思ったからこそ……俺は貴方に翼を譲った。」

 

私が鈴木君の希望?

 

そ、そんな凄い存在なの?

 

私は鈴木君にとってそんな凄い……

 

「す、鈴木君……私はそんな凄い存在じゃ「今の管理局で貴方にしかできないことだ。俺は期待してます!」……本当にそう思ってくれているの?私が鈴木君の希望だって……私が管理局の希望だって……本当にそう思ってくれるの?」

 

私がそう聞き直すと鈴木君は笑った。

 

「はい!」

 

ずるいなぁ〜そんな事言われたら……頑張らなきゃいけないよ。

 

鈴木君の期待に応える為に……鈴木君の代わりに鈴木君の目指した管理局を作る為に。

 

「鈴木君私……頑張るよ。鈴木君がくれた……鈴木君から貰ったこの魔法で、翼で!鈴木君の分まで飛ぶから、だから……見ていてください。」

 

私がそう言うと黙って頷いてくれた、だから私は後もう一つ頑張る事にした。

 

「鈴木君?名前で呼んでも……いいかなぁ?「え?え、ええ……構いませんが。」じゃ……リッ君♪」

 

そう言ったらリッ君は驚いた顔をして固まる、どうしたの?

 

おかしいかな?

 

「もう名前とかじゃなくて……あだ名のレベルじゃ無いですか?それ……」

 

にゃはは♪

 

そうだね♪

 

でも……そう呼びたいの。

 

だって君は…………

 

「高町隊長?ち、ちょ……何……をんんっ!?」

 

私はリッ君の唇に自分のそれを重ねる、大胆だとは思うけど。

 

気づいたら本気でやる、全力全開だ。

 

そしてそっと唇を離し彼から少し距離を取る、再び見たリッ君の顔は驚愕で固まっていた。

 

「きょ、今日のは酔っ払って無いからね?私がしたいからしたんだよ?分かってくれるかな、リッ君?「え?あ、ああ……分かります…………」にゃは♪じゃリッ君、近いうちまたお見舞い来るからね♪お、おやすみなさい!」

 

私は顔を熱くし病室から飛び出る、恥ずかしかったのだ。

 

こんな事したのは初めてだし、こんな感情を抱いたのも初めてだ。

 

「だって君は……私の初恋の人だから…………」

 

 

 

 

〜ギンガサイド〜

 

早朝、陸さんが入院したと聞いたので私は陸さんの病室を訪れた。

 

陸さんはまだ眠っていて私が入って来たのに気づいていない。

 

私はそぉ〜と陸さんのベットに乗り、陸さんに馬乗りになった。

 

流石に違和感が出たのか陸さんも少し重そうに顔を歪める。

 

「陸さ〜ん、ごめんなさい……もう我慢できない。疼いて止まらないんです。私の……私の拳が…………」

 

でも我慢します。

 

今日は別の目的で来たんです、この紙に拇印を貰おうと思って…………

 

私は陸さんの右腕を布団から出し、インクを右手の親指につける。

 

そして目的の紙にインクのついた親指を押し付ける、でもここで問題が起きた。

 

これが終わったら出て行こうと思ったのだが拇印を押した後、陸さんが起きてしまった。

 

「何……やってんだ?ギンガ……」

 

「陸さんおはようございます。「ああ、おはよう。で?その紙はなんだ?」え、え〜と……これは……な、なんでも無いですよ?」

 

私はそう言ってベットから下りる、それですぐさま病室を出ようとした。

 

けどできなかった、陸さんによって逃げようとした私の手が捕獲された。

 

しかも凄い力で逃げられない。

 

「何処へ行くギンガ?その紙を見せろ、嫌な予感がしてならない。「離してください!!!」離すか!?怪しすぎるだろお前!?」

 

どうしても離してくれない陸さんに私は拳を振り下ろす、本調子で無いのか陸さんはよけずに受けた。

 

「ちょっ!?へぶしっ!?」

 

直撃したにも関わらず陸さんの手は離れない、力すら緩まない。

 

「陸さん離して!「ぐはっ!?」私は行かなきゃいけないの!!「ぼふっ!?」二人の未来の為に!!!「げふっ!?」……ちっ……しぶといですね。」

 

一応怪我人なのでこれ以上は殴れない、これが私の優しさだ。

 

「ギ、ギンガ……その紙を……見せ……ろ?「陸さんいい加減にして!?そんな怪我でどうして頑張るの!?」い、いや……これはお前が「きゃぁぁぁああああああ!?」ホブシっ!?」

 

あ!

 

またやっちゃった……まぁ〜いいや。

 

陸さん頑丈だし。

 

それにしても離れないなぁ〜こんなに強く……こんなにも強く…………

 

な、なんかそう思ったらドキドキしてきたぁ〜!

 

り、陸さんがこんなに必死に私の手を握りしめてくれるなんて…………

 

「陸さん……そ、そんなに求められても……私困ります「お前の頭は……どうなってるんだ…………」でも愛の為に……私の拳は愛の力、だからこの拳と威力は私の……陸さんへの愛です!!!」

 

私は掴まれて無い方の右腕を大きく振りかぶり渾身の力を込めて振り下ろす。

 

私を抑えることに必死な陸さんはこれをよけられない。

 

そして私の拳は陸さんの土手っ腹に直撃した。

 

「ぐはっ……あ……ああ……うっ…………」

 

やっと陸さんの手は私から離れる……陸さんは気絶した。

 

その隙に私は病室を出た。

 

 

 

 

〜リンディサイド〜

 

「と言うわけで残業部隊部隊長鈴木陸飛三等陸士は……残業部隊での任を解きます。悪いけど「それ以上は何も言わなくていいです!」リンちゃん…………」

 

私は今チェッカーズの部隊長室に来ている、陸ちゃんの引退の報告をする為だ。

 

そして今私が話している緑色の髪をしているツインテールのこの子はリン・ストーンさん、陸ちゃんと同い年で今チェッカーズを纏める部隊長。

 

「残念ですけどそれは仕方のないことです。ですですが〜別に陸ちゃんに会えなくなる訳じゃないです。同じ管理局員ですですから?それに……陸ちゃんとは切っても切れない絆で結ばれてますですですから…………」

 

そうよね、残念よね。

 

貴方はチェッカーズに入る前から陸ちゃんと知り合い出し……それに貴方達は…………

 

「大丈夫ですですよ。陸ちゃんと僕は……元『筆箱』のメンバーですですから。そんな事でこの絆は決して壊れないですです!」

 

そうは言ってもやっぱりさみしそうね。

 

近いうちに陸ちゃんに会いに行く様に言っとこうかしら?

 

いえ、いらないわね……リンちゃんなら自分から行くと思うから。

 

それから私はチェッカーズの隊舎を後にし陸ちゃんのお見舞いに行った。

 

 

 




次回もよろしくお願いします。

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