魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」 作:ヘルカイザー
なんかログインしてない人が感想書けないように設定していたみたいで、今まで気づきませんでした……すいません。
ではよろしくお願いします。
〜なのはサイド〜
「シャマルさん、鈴木君は……どうなんですか?」
私はシャマルさんが六課に戻って来たので病院に運ばれた鈴木君の容態を聞いた。
シャマルさんの険しい顔が最悪の結末を私に連想させ身体の震えが止まらなかった。
「残念だけど……「え……」ふふ、冗談よ♪大丈夫、ちゃんと生きてるわ。」
良かった……心臓が止まるかと思った、今のシャマルさんの笑顔を見て少し安心した。
「まぁ……今回はたまたまね。運がいいのか悪いのか分からないけど……陸飛君の体調が悪い所為もあって極式を完全な状態で撃てなかった見たいだから……」
極式……それって何なの?
完全な状態じゃなくてあの威力、そして……自身の身体にあれ程の負荷をかける技って…………
私のブラスターシステム見たいな物?
「シャマルさんその極式って……っ!?」
「これって……」
私が極式について聞こうとした時、六課に警戒アラートが鳴り響いた。
◇
〜リンディサイド〜
「起きてるわね?私に寝たふりは通じないわよ?」
「はぁ……何しに来たんですか、リンディさん?」
はぁ……生きてる様で安心したわ。
「相変わらず身体は頑丈ね?聞く限り……盛大に無茶した様だけど?しかも……極式まで使うなんて…………」
全く……でも良かったわ。
にしても回復が早いわね、手術室に運ばれてから2時間と経って無いはずなんだけど……本当に化物地味た身体だわ。
「……鍛え方が違うので。」
「まぁいいわ……それよりこれからどうするつもり?その身体じゃいくらなんでも「書類業務位出来ると思いますが」……流石にやらせないわよ?たまには私の言う事聞いてくれてもいいじゃない?」
私がそう言うと黙って顔をそらす、もう本当に陸ちゃんは可愛くないわ。
こうして心配して病院まで来てあげたのにこんな態度だし。
「ねぇ〜陸ちゃん?体調が万全になったらまたお願いするわ、だから「リンディさん……もう俺は必要ないです……よね?」……何……言ってるの?」
私は驚いた……陸ちゃんがそんな事言うの初めてだったから。
必要ない?
一体どう言う意味なのかしら……分からないわ、私には陸ちゃんが言っていることが分からない。
「俺の身体はもう……この仕事を続けられる程、元には戻らない。限界なんですよ……もう……身体がついていかない。だから……お払い箱でしょ?」
私はそう言われてどうしようもない程の罪悪感に襲われた。
つまり陸ちゃんは……自分を補充のきく使い捨ての駒の様に思っている、陸ちゃんの身体が限界なのは分かっていた。
でも……心もボロボロになってたなんて気がつかなかった。
陸ちゃんは優秀だ、私が部下にした中でダントツに。
だから頼り過ぎたのかもしれない……甘え過ぎたのかもしれない。
「そんな事ないわ……陸ちゃんはこの仕事ができなくなっても必要よ?普通の事務局員として……私の部下として……必要な人間よ。だから……だからそんな事……言わないでぇ…………」
思わず涙がこぼれる、抑えきれない感情が自分の中から溢れ出す。
今まで陸ちゃんはよくやってくれた、グラン少尉の残した後始末を全部引き受けて……管理局を今の状態まで立て直してくれた。
だからもう十分よ、陸ちゃんが頑張らなくても今の子達が頑張ってくれるから。
「ありがとう……ございます、リンディさん。」
「!?……い、いいのよ……気にしなくても……当たり前の事だから。」
もう……終わりにしましょう、早く陸ちゃんを解放してあげなきゃ…………
◇
〜キャロサイド〜
私達は警戒アラートの後、待機の指示を出された。
でもティアナさんだけ通常勤務から外れろと言われ……それに対して反発したティアナさんはシグナム副隊長に殴られた。
そしてその後、シャーリーさんの提案でなのはさんとフェイトさん達の過去話をされ……衝撃を受けた。
なのはさん達にそんな過去があったなんて知らなかった。
それを聞いてティアナさんも自分の間違いに気がつき落ち込んでいた。
そんな時だった……シャマルさんが突然違う話を始めた。
「それと……陸飛君の事についてだけど。ティアナ?貴方は陸飛君がただ貴方の邪魔をする為にあの場に……模擬戦に乱入したと思ってる?」
「え?い、いや……あの…………」
気まずそうに視線を逸らし言葉に詰まってしまうティアナさん。
ティアナさんも今は理解している、陸飛さんが言いたかった事を……
「分かっているならいいわ。でも後でちゃんと謝っておいてね?本当なら……陸飛君にあんな事言うなんて……絶対に許されないんだから…………」
「それって……どう言う意味ですか?」
シャマルさんが言ったことにティアナさんが恐る恐る尋ねる。
でもそれが気になったのはティアナさんだけじゃない、この場にいるシャマルさん以外の全員が疑問に思っている。
特にシグナム副隊長は凄く訳のわからないと言う顔をしていた。
「ごめんなさい……これ以上は私の口からは「シャマルさん、話して構わないわ。いえ、私が話すわ。」……リ、リンディ……統括官…………」
突然リンディ統括官が通信を開いて話に割り込んできて驚いた。
フェイトさんに連れられて何回かはお会いした事がある、とっても優しい人だ。
「話すのは構わないけどちょっと待ってくれるかしら?隊長達全員が揃ったら始めましょ。はやてさんも呼んで貰える?」
「リンディ統括官、まさかアレを話すつもりなんですか!?「平気よ、陸ちゃんに許可は貰ったわ。それに何れにしてもいつかは話さないといけない事よ。」……分かりました。」
するとシャマルさんは、はやて部隊長を呼び出した。
そしてその後しばらくして出動していたなのはさん達も戻って来て陸飛さんの話が始まった。
◇
〜はやてサイド〜
「リンディさん、それでみんな集めて何始めるんですか?まだ詳しい内容を聞いて無いんですけど?」
突然シャマルに呼び出されたと思ったら……その後出動していた隊長達も戻り次第集めて……
「陸ちゃん……いえ、鈴木陸飛三等陸士に関する全てを貴方達機動六課にお伝えします。ですが、これだけは肝に命じておいて下さい……これは管理局の中でもトップシークレットの案件です。下手に口外はしない事を約束してください。」
思わず息を飲んでもうた……鈴木君の存在がそこまでの物だったなんて思いもしなかったからや。
どおりで本人もシャマルも教えてくれんはずや…………
「初めに……鈴木三等陸士には本来所属している部隊があるの。」
所属している部隊?
そんな筈は……プロフィールには異動になっていたで?
それなら出向になるんやないの?
「その部隊は……『管理局特殊残業派遣部隊』、私達の通称では残業部隊なのだけど。そこの部隊長が鈴木三等陸士よ。」
は!?
鈴木君部隊長なんか!?
と言うか……特殊残業派遣部隊?
聞いた事無いで……そんな部隊。
「皆は『チェッカーズ』を知ってるでしょ?」
「確か……管理局全ての部隊共通書類を集めて処理する部隊ですよね?でもそれが何か関係あるんですか?」
私はリンディさんの問いにそう答えた、けど想像してもそこまで重要な関係があるとは思えないやけど…………
「チェッカーズははやてさんの言う通り、その仕事が表だっているけど本当の所は違うの。実はチェッカーズは各部隊の稼働率を見る為の部隊、そしてその結果稼働率の悪い部隊があると残業部隊へ立て直し依頼がいくシステムになっているわ。」
「あのリンディ統括官「砕けてもいいわよ、なのはさん。」それじゃ、お言葉に甘えて……特殊残業派遣部隊何て聞いた事無いんですけど、その部隊はどこにあるんですか?」
確かにそうや、本局にも別の世界場所にもそんな部隊があるのは見たことも聞いたことも無い。
ん?
でもこれが極秘なら表にその部隊の隊舎がある訳ない、存在しないんか?
「その質問だけど……私達の間で部隊の名前はあってもその部隊は表の管理局には存在しないのよ。」
やっぱりそうなんやな……でもだとすれば、その部隊の目的は何や?
存在を隠す必要がどこにあるんや?
普通に手伝いとして派遣されてもええんと違う?
「それでここからが本題なのだけど、残業部隊は本来……管理局のあらゆる部隊の残業時間を極限まで減らす事を基本に設立された部隊なの。つまり経費削減ね。」
経費削減?
たかが一人、部隊に送り込んで経費削減なんかになるんか?
!?
違う……忘れてた、鈴木君のやってた残業と言うには度を越した業務時間。
あの方法なら確かに他の人の残業時間は減る、けどそれってどうなんや?
「リンディさん、確かに鈴木君が各部隊であんな無茶すれば残業は減るかもしれへんけど……それはいつまで持つんですか?」
私がそう言うとリンディさん以外は理解して無い顔をする、けど大事な事や。
「そうね……個人がそれを賄うには……大き過ぎる。現に今の鈴木三等陸士は……もう限界に来てしまっているわ。」
「え……そ、それってどう言うことですか?陸飛さんは大丈夫なんですよね!?大丈夫って言ったじゃないですか!?なのに「キャロ落ち着いて?陸飛君が大丈夫なのは本当だから、ね?」……ごめんなさい。」
シャマルのおかげでキャロは落ち着いた。
だけどキャロが取り乱すのは仕方ない事や、この中では一番仲がいいからな……
でも今の話……鈴木君の身体が限界に来た言うことは、もう今までと同じ仕事は出来へんって事や。
無茶させられて万全な身体に戻れんなんて……あんまりやないの?
「リンディさん、鈴木君が仕事を続けられなくなる言う事は今後どうするつもりなんですか?まさかまた「それはないわ。この先……残業部隊に新たに局員が補充される事はない。」……今まで鈴木君がいなきゃ回らなかった言うてましたよね?ならそれで管理局は回るんですか?」
リンディさん……これに答えられないなら失礼ですけど貴方のその答えは道理が通らない事になります。
「はやてさんの言いたい事は分かるわ。でももう残業部隊に人を入れる必要はないの。皆はそもそも何故残業部隊何て物を設立しなければならなかったのか分かるかしら?本当なら個人に対して過度な無茶を強いる部隊何てあってはならない物だわ。でも仕方なかったのよ。あの頃……まだなのはさん達が管理局に入る前の話だわ。管理局は深刻な人出不足だった。その為にある個人に頼まざる負えなくなったの。」
ある個人?
それは鈴木君の事やないの?
いや……それだとおかしいで、私達が入る前なら鈴木君もまだ残業部隊でなんか働ける筈ない。
だって……鈴木君が管理局に入ったのは私達とほぼ同時期……だからそれだと計算が合わへん。
じゃ……誰や…………
「それが……初代残業部隊部隊長、グラン・ハワード少尉よ。」
え……グラン・ハワード少尉って…………
聞いた事ある、確か……
「皆にはこう言った方が分かるかしら?『ワーク・エスケーパー』。」
リンディさんがそう言った瞬間、その場にいた全員が硬直した様に固まった。
けどそれは当然の反応や……
ワーク・エスケーパーと言えば……管理局で知らない者がいない程有名な人や。
だけどそれは決していい意味でやない、悪い意味でや。
ワーク・エスケーパーは管理局の共通書類の80%を破棄し、共通書類の処理を担当していた当時のチェッカーズを皆殺しにした反逆者。
その理由までは分からへんけど、その人が事務局員だった事から自分の職務から逃げた放棄したって所をとってワーク・エスケーパーと呼んだんや。
「彼がやった事は皆知っていると思うけど……今から9年前それによって管理局の機能は著しく低下したわ。それから今の状態まで立て直すのに8年もかかってしまった。」
8年もかかったんか……そんな長い時間、私達の知らない所一体誰が……!?
まさか……その立て直しをしてたのって…………
「リ、リンディさん?その8年間……管理局を立て直すのに動いてたんは……鈴木君なんじゃないですか?」
私がそう言うと皆はハッとした顔になりリンディさんに視線を向ける。
「そうよ……グラン少尉の後を継いで残業部隊として8年間休みなしで後処理をくれたのは……鈴木三等陸士。それでさっきの質問の答え、鈴木三等陸士が頑張ってくれたお陰でもう残業部隊なしでも管理局は正常に回ると思うわ。だから……もう残業部隊に誰かを補充する必要はない。」
私はそれを聞いて少し安心した。
それなら鈴木君がこれ以上頑張る必要もこれから新たに誰かが犠牲になることもない。
「残業部隊の話は以上よ。けど後もう一つ……貴方達には言っておかなければならない事があるわ。特に……なのはさん?「え?」貴方に一番関わって来ることです。落ち着いて聞いてね。」
なのはちゃんに関係のある話?
何の事や?
そしてリンディさんはそれについて語り出す。
でもその内容は私達にとって決して気持ちのいい話やなかった…………
なのはさんとの関係までいかなかった!?
すいません。
次回もよろしくお願いします。