魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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ども〜。

すいません遅くなりました。

ではよろしくお願いします。


第18話《因縁》

六課医務室にて

 

「失礼します!」

 

「……はぁ……やっと顔を出しに来たのね?正直……来るのが遅いんじゃ無いかしら?」

 

陸飛は今、六課の医務室にシャマルと言う医務官の女性に会いに来ている。

 

彼女ははやての守護騎士の一人で家族だ。

 

「すいませんシャマルさん、ですが「言い訳は聞きたく無いわ。」はい…………」

 

今のシャマルはかなり機嫌が悪い、と言うのも陸飛が六課に来てから一度も顔を出してないし話してもいないからだ。

 

「聞いたわよ?初出動の時の乱入とフェイトちゃんとの模擬戦、ペン技を使ったそうね?」

 

「確かに使いましたが、別に問題ありません。」

 

そう言う陸飛にシャマルは腕を組みながらジッと陸飛を睨んでいた。

 

「確かに近式と遠式は問題無いわ。でも……『極式』まで使ってないでしょうね?貴方は自分の事何て考えないで突っ込む癖があるから心配なのよ。」

 

シャマルは陸飛胸に人差し指を当てそのまま何度も陸飛の胸を叩き、陸飛を問い詰める。

 

しかし、陸飛は小さくなっているだけで何も言わない。

 

「本当に使ってないでしょうね?アレはもう人間が生身で使っていい技じゃ「平気です、使っていませんから。」ならいいけど……でもこれから先も使っちゃダメよ?ただでさえ貴方は本職の仕事で身体がボロボロなんだから。あんなもんそんな状態で一発でも使って見なさい?貴方……死ぬわよ?」

 

それは脅しに聞こえるが実際は違う、シャマルの必死な顔がそれを物語っている。

 

「じゃ〜せっかく来たんだし診察でも「いえ遠慮します。」……怒るわよ?」

 

その瞬間シャマルは本気で陸飛を睨んだ、でも陸飛はそれに動じず医務室のドアの所まで行く。

 

「シャマルさん……体調の悪い時は言いますからその時お願いしま「それで貴方がここに来ればね!!」……失礼します。」

 

そう言って陸飛は医務室を出た。

 

「全く……困った患者だわ…………」

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

「すいません部隊長、今日休暇をください!「へ?」突然で申し訳ないです。少し野暮用でして……」

 

鈴木君が急に部隊長室を訪ねて来たと思ったら急にそんな事を言って来た。

 

ホンマか?

 

ここ最近残業無しやし、やっと真面に休みとって普通に仕事する気になったんか?

 

う〜ん……ええ事やな!

 

「いいよ!しっかり休んでな?」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

そう言って鈴木君は頭を下げる。

 

うんうん……

 

これでやっと一つ心配事がなくなったで。

 

「では、失礼します!」

 

「はいよ〜♪」

 

鈴木君は部屋から出て行き、私はそれをご機嫌な顔で見送る。

 

さぁ〜これから私達も警備にいかなあかんからな。

 

行こうか?

 

ホテルアグスタに……

 

 

 

 

〜スカリエッティサイド〜

 

「ルーテシアはどうだい?頼まれてはくれないかな?」

 

私は今ルーテシアと言う少女と通信をしている。

 

彼女とその横にいるゼストと言う男、彼らは私の大事なレリックウェポンの実験素体だ。

 

ゼストは私の頼みを聞いてくれなかったが、彼女は優しいからきっと私のお願いを聞いてくれることだろう。

 

「いいよ。」

 

ハハハ、何て優しい子なんだ。

 

「優しいなぁ〜。ありがとう、今度是非お茶とお菓子でも奢らせてくれ。君のデバイス、アスクレピオスに私が欲しい物のデータを送ったよ。」

 

「うん、じゃ……御機嫌ようドクター。」

 

フフフ、本当にいい子だルーテシアは。

 

「ああ、御機嫌よう。吉報を待っているよ?」

 

私はそう言って通信を切る、これで彼女にお願いした物は何の問題もなく手に入るだろう。

 

「フン……そんな物に一体なんの価値がある?」

 

「……なんだね、いたなら声くらいかけてくれないか?びっくりするじゃないか、大体君は少し私を手伝っても「黙れ、それ以上口を開いてみろ……書類整理するぞ?」フフフ……表現の仕方が謎だね?それで脅しているつもりかい?」

 

私がそう言った瞬間、私の周りを囲う様にして何かが綺麗な円を描き床に突き刺さる。

 

これは……ボールペンか……しかもこの青い発光は……成る程、恐らく魔力……の様だね?

 

「口を開くな……っと言った筈だ。お前の考えなど私には理解できない、まぁ〜理解するつもりもないがな。」

 

おやおや……筋肉ばかり発達した元事務局員には私の考えてる事など理解できんよ。

 

「気になるなら君も手伝ってくれてもいいのだよ?「断る!」フハハ、相変わらず動かない男だ。君を生き返らせたのは私だと言うのに……」

 

まぁ〜下手にこの男を刺激すれば何を仕出かすか分かった物ではないからね、そっとしておくさ。

 

それにしても管理局は大変な男に恨みを売った物だ……元時空管理局『残業部隊 部隊長』……名を……いや、今は『ワーク・エスケーパー』そう呼ばれているのだったな?

 

ん?何を見ている?

 

ああ〜これはこの間の列車でのレリック回収の映像だが……このヘリの男が気になるようだね。

 

この男が興味を抱くような男か……私も気になるな、後で調べておこう。

 

すると突然この男は笑い出す、それにしても本当に高笑いの似合う男だ。

 

「フフフフフ……あっははははは!!!……ンフフフ……そうか、そうか……やはりまだいたか。……陸飛……私の犯した罪の全てよ。」

 

私はそれを聞いてもまるで訳が分からなかったが、まぁ〜いい……今はやることがある。

 

 

 

 

〜なのはサイド〜

 

ホテルアグスタ内部の警備をしていた私はそこで有り得ない人物を見かけた。

 

外ではガジェットと六課前線組が戦ってると言うのにそんな事も忘れてしまう様な人物だ。

 

【はやてちゃん、はやてちゃん!?】

 

【ん?何や?どないしたん?】

 

私は念話を使いはやてちゃんを呼び出す、突然の事ではやてちゃんも驚いている様だが今はそんな事どうでもいい。

 

だって今私が見つけたのは……

 

【鈴木君……今日六課にいるんだよね?】

 

スーツを着た鈴木君だったからだ、壁に寄りかかり誰かを待っている様に見える。

 

【鈴木君?いや、鈴木君なら今日は休暇が欲しい言うて休んどるけど……どうしてや?】

 

それをはやてちゃんから聞いて私はここいられる理由は納得したが何で居るのかは納得できない。

 

ここは一般の警備はかなり厳重の筈、にも関わらず鈴木君が用もなく入ることなんてできない。

 

管理局の人間だと言ってもそれだけでは入れない筈だ。

 

【いるの。【え?誰が?】鈴木君だよ、今ここにいるんだよ!?】

 

すると突然鈴木君が動き出した、会場から出て行く。

 

だから私は後を追うことにした。

 

「ほら、例の物だ。それにしても偉く早い依頼だったな?いつもなら半年ぐらいなのによ?」

 

鈴木君をつけて廊下の曲がり角で隠れていると一人の男が鈴木君に近づき何かを手渡す、私はそれが何かは分からなかったが何かきな臭い感じがした。

 

「ああ、今回は随分使ったからな。って言うか前回のは少し質が悪かったぞ?今回のは平気なんだろうな?」

 

今鈴木君に手渡された物に対して質の話を始めた二人、何の話かは理解できない。

 

もしかしたらヤバイ物でも買っているのだろうか?

 

犯罪?

 

いや、鈴木君がそんな事をしている何て思いたくない。

 

「質って……それに質を求めるのはお前さんぐらいのもんだぞ?大体何をどうしたら粉々になる?それにな?それで満足できなきゃその辺の店で買いな?それじゃな。」

 

男が別れ際にそう言う、って言うか……その辺の店で買える物なの?

 

「って、あれ……鈴木君は?」

 

そうして色々考えているとさっきまでいた筈の鈴木君が消えた、なので辺りをキョロキョロし消えた鈴木君を探す、しかし見当たらない。

 

「ひゃぁう!?」

 

その時、急に後ろから肩をちょんちょんっと叩かれ、私は驚いて思わず変な奇声を上げる。

 

「何してんですか?高町隊長……」

 

「…………」

 

私の肩を叩いたのは鈴木君だった、いつの間に私の後ろに回り込んだのだろうか?

 

「隊長?どうしました?隊長〜?」

 

鈴木君は固まってる私の目の前で手を振り何度も私を呼ぶ。

 

「うーん……悪魔教「違うよ!?」ごふっ!?」

 

突然、失礼な事を言おうとしたので腹に一撃をお見舞いした。

 

それを受けた鈴木君はその場に倒れ伏せている。

 

「鈴木君?次言ったら殺すからね?大体何してるの?はこっちのセリフだよ!鈴木君こそ何してるの?それにさっき受け取った物は何?」

 

「ぐっ……いい物(拳)をお持ちで……。別に何でもありませんよ。休日でちょっと遊びに来ただけ「ここに遊びに来るならどうかしてるよ!?」それは言い過ぎですよ……」

 

適当に誤魔化してさっき受け取った物を見せようとしない鈴木君。

 

でも私は諦めない、あんな怪しい受け取り方して普通の物である筈がない。

 

「それにしても隊長?ここで何してるんですか?それに……そんな格好で……」

 

鈴木君はそう言い私を上から下まで見た後、顔を逸らす。

 

私はそれに対して少しイラっとした、まるで似合わないと言われてる見たいで気に入らない。

 

「何で顔を逸らすの?そんなに似合わないかな?私だって女の子なんだけど?鈴木君失礼だよ!!!」

 

「え!?い、いや……そんなつもりじゃなくてですね。何と言うか……凄く綺麗だった物で……」

 

その瞬間私の顔を熱が支配した。

 

綺麗……そんな単語を言われるとは思わなかったからだ。

 

それと同時に鈴木君とのキスの件を思い出してしまい、それによって私の顔の熱は更に温度を上げる。

 

「そ、そにょ……ありがとぅ…………」

 

その後流石にいつまでも会場の外にいるわけにはいかないので鈴木君と別れて私は警備に戻った。

 

 

 

 

〜ティアナサイド〜

 

「ティアナ、四発ロード何て無茶だよ!?それじゃティアナもクロスミラージュも……」

 

シャーリーさんが心配してくれているけど……大丈夫!

 

これ位出来なきゃ……何も証明出来ないから!!!

 

「撃てます!」

 

《Yes。》

 

証明するんだ、ランスターの弾丸は敵を撃ち抜けるんだって……

 

「クロスファイヤぁぁぁぁシュぅぅぅぅぅト!!!」

 

私の周りに複数個準備された魔力スフィアを同時にガジェットに放つ。

 

それから私は更に追加で数発弾丸を放った。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

 

私は必死になってガジェットを殲滅する為にトリガーを引く、しかしそれは……間違いだった。

 

私の弾丸の一発がガジェットに避けられ丁度後ろにいたスバルに向かって行った。

 

それはもう完全に直撃の弾道でスバルも避けられるタイミングじゃなかった。

 

でもスバルに直撃するその瞬間、ヴィータ副隊長が私の弾丸とスバルの間に割り込み弾丸を叩き落とした。

 

お陰でスバルには当たらなかったが私は思いっきり怒鳴られた。

 

「ティアナ、この馬鹿!?無茶やった上に味方撃ってどうすんだ!!!」

 

私はこの部隊に来て初めて大きなミスを犯した。

 

 

 

 

〜ルーテシアサイド〜

 

「ガリュー!?どうしたの!?何があったの、返事をして!?」

 

ガリューにドクターから頼まれた物をお願いした、だけど急に連絡が取れなくなった。

 

誰かにやられた事は無いみたいだけど苦戦してるみたいだ。

 

「どうしたルーテシア。」

 

「ガリューが誰かと交戦中見たい。でも……何かガリューの様子がおかしい。戦うのを躊躇ってる。」

 

こんな事初めて……ガリュー、一体どうしたの?

 

ガリューが戦うのを躊躇うとすれば自分より確実に格上の相手か……ガリューが知ってる人間。

 

でも前者なら未だしも後者は可能性が無い。

 

ガリューが知ってる人間何て……いるわけ……

 

「ゼスト、私ガリューの所行って来るね。」

 

「大丈夫なのか?」

 

多分平気、ガリューも今は森の中みたいだから。

 

「大丈夫、ガリューを回収して帰って来るだけだから。」

 

そう言って私は転移した。

 

けどそこで見たのは怪我こそしてなかったがボロボロで疲れてたガリューだった。

 

「ガリュー!?大丈夫!?一体誰が……「ルーちゃん……か?」っ!?……陸……兄…………」

 

ガリューが躊躇った理由が分かった……相手が陸兄だからだ……

 

陸兄とガリューは知り合いだ、正確にはお母さんの部隊に陸兄がいた時の話だけど。

 

勿論私も知っている、陸兄がお母さんの部隊にいた時は結構遊んで貰っていたから。

 

「ルーちゃん久しぶりだな?何してるんだ、こんな所で?メガーヌさんが亡くなってからルーちゃん行方が分からなく……いや、ゴメン。そんな事言うべきじゃないよな。」

 

「ううん、大丈夫。陸兄こそ何してるの?陸兄、事務員だよね?ガリューをここまで追い詰めたの陸兄でしょ?陸兄そんなに強かった?」

 

ガリューを追い詰めるほどの実力、陸兄がこんなに強い何て知らなかった。

 

ガリューの事だからドクターから頼まれた物を死守するのを優先したからだろうけど……にしたって一方的すぎるような……

 

「ガリューが持ってるのはルーちゃんの物じゃないだろ?ちゃんと返さないと。今なら俺は何も見てないからさ。」

 

相変わらず陸兄は優しい、この後に及んで私を庇おうなんて。

 

でも私は今戻るわけにはいかない。

 

「ゴメンね陸兄。私はこれをドクターに届けなきゃ。それにやることがあるの、だから邪魔しないで?私は陸兄……傷つけたくない。」

 

私がそう言うと陸兄は笑っていた、そしてそれからどう言うわけか私に背を向け右手をひらひらと振り何処かにいこうとする。

 

「陸兄……私を捕まえないの?」

 

私がそう言うと陸兄は足を止め、私に背を向けたまま話だす。

 

「ルーちゃんが今そうしたいなら俺は何も言わない。でも……困ったら俺に相談してくれ。その時はいくらでも助けになる。君が幸せにならなければ……メガーヌさんも浮かばれない。」

 

陸兄のその言葉に私は揺らいだ、本当にこれでいいのか……でも止まれないから。

 

それから私は歩いて見えなくなる陸兄を最後まで見ていた。

 

 




次回もよろしくお願いします。

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