魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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ども〜。

ではよろしくお願いします。


第14話《襲撃者》

〜リインサイド〜

 

フェイトさんと陸飛さんの模擬戦の後、陸飛さんは大人しく休んでくれた。この調子で休んでくれればいいのですが……そしてその次の日の朝、六課にとある訪問者が来たです。

 

「ああ〜リイン曹長おはようざいます!」

 

「はいですギンガ!今日はこんな朝早くからどうしたですか?」

 

訪ねて来たのはギンガですが、一体何の用で来たんですか?今日は来るなんて聞いてないですが。

 

「いえ、ちょっと……陸さんを殴りに。」

 

「ああ〜成る程〜陸飛さんを殴り……に?殴りに!?ギ、ギギギギギンガ?な、何言ってるですか!?……ひっ!?」

 

怖いです!?ギンガの顔が、顔がぁぁぁ……り、陸飛さんぁぁぁあああああん!?何かヤバイです!?今のギンガで正気じゃありません、逃げてくださぁぁぁい!?

 

「およよ〜♪およよ〜♪およよ〜♪」

 

え……何で……こんな所歩いてるですか……どうして間が悪いですか……!?あわわわ……ギンガの目がギンガの目がこれ以上ないくらい開いてるですよぉぉぉ!?怖いです!?陸飛さんガン見しながら固まってるですよぉぉぉ!?

 

「およよよ〜♪およ……あれれ?リっち、どうしたのん?こ……ん……な…………」

 

ええ……何ですかこれ……二人とも互いの存在を確認したまま固まってるですよ……片方は今にも殺しそうな顔で固まってますし、片方は怯えきった顔で固まってますです……って言うか陸飛さんのこんな顔初めて見たです。二人はその後も少しの間固まっていましたですが突然陸飛さんが逃げたです。

 

「あ!?陸さん……。そうですか……また逃げるんですか……ふふふふ♪待ってくださいよ陸さん、逃げたら殴れないでしょ?」

 

怖いですよギンガ……一体何があったですか……

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

「はぁ……何か最近歩くのだるいで……ん?あれは……鈴木君?お〜い何してるんや鈴……木!?」

 

私が書類を取りに事務所行こうと歩いていると前から鈴木君が物凄く必死な顔で走ってきた。しかも、全速力や。あっと言う間に私の目の前まで到達し、すれ違う。

 

「一体どうし……た!?」

 

更にその後ろから今まで見たことないぐらい顔を怒りで歪ませてるギンガが鈴木君を追ってきていた。正直に言う、怖いで……ギンガ……

そして二人が私を通り過ぎて行き見えなくなった所で私は事務所への足を進める。

 

「なんやったんや?」

 

でもその時、足に何かが当たった。私はすぐに下を確認する。

 

「……ん?……っ!?嘘……やろ…………」

 

私はナカジマ三佐が言った事を今やっと理解した。

 

「どうするんやこの床……」

 

思わず私はその場に座り込み嘆いた、後悔した。もっと配慮するべきやった。何故なら私のこれから進もうとしている前の床が全部グチャグチャに破壊されていたからや。所々ヒビ割れ、中には穴が空いて下の階が見える所まである始末。

 

「ダメや……修理代……修理代…………」

 

私の頭にはそれした浮かんでこない。一体……いくらかかるんや…………

 

 

 

 

〜ギンガサイド〜

 

私は今陸さんを全力で追っている、逃がしませんよ?でも相変わらずとんでもないスピードですね、私が追いつけない何て…………。どうすれば……あ!

 

「ふふふ♪行き止まりですね、陸さん?どうするんですか?今ここでそのまま私に撲殺されますか?それとも自分の罪を認めて撲殺されますか?それともそれとも、私に土下座して撲殺されますか?」

 

「な、なぁ〜ギンガ?それ……みんな同じだろ?っと言うかよ……こんな所まで来るか普通……。それに俺悪くないだろ?ギンガが勝手に勘違いしただけだ。」

 

来ますよ、陸さんがいるなら何処へでも行きますよ。それに悪くない?私の気持ちを踏みにじってよく言いますよ。

 

「陸さんが悪いんじゃないですか!?陸さんがお仕事サボってあんまりふざけるから直して貰おうと思って少し叩いたら……い、いきなり……け、けけ結婚してくれだなんて言うから!!!」

 

「ちげぇぇぇよ!?あれは叩いたじゃないだろ!?殴ったって言うんだよ!!どこの世界に少し叩いて壁二枚分抜いてぶっ飛ばす叩き方があるんだ!?それに結婚じゃなくて血痕だ!?お前に殴られた時に出た血で服や壁に血痕が出来ちまったんだ!それにあの時はお前の一撃で舌噛んでロレツが回らなくなったんだよ!!!少しはおかしいと思えよ!?殴られた直後で結婚してくれ何て言うわけないだろ!?」

 

陸さんはいつもそうやって言い訳を言う。私……嬉しかったんですよ?こんな私でも嫁に貰ってくれるんだって……なのに……後からそれは勘違いだって言うし……終いにはどっか異動しちゃうし。毎回見つけてもすぐ逃げるし。もう……言って分かって貰えないならぶっ叩くしかないじゃないですか。

 

「陸さん?私の事嫌いですか?私は結構好きでしたよ、陸さんの事。いい加減でサボってばっかで凄く手がかかって……私……陸さんの面倒見るの楽しかったんです。だから……だから!」

「断る!?」

 

「そうですか……」

 

「なぁ〜ギンガ?俺なんかよりいい人いっぱいいると思うぞ?俺はほら……お前が思うような奴じゃないし、な?「私……知ってるんですよ?」な、何を?」

 

 

陸さん……私知ってるんです、陸さんが今必死に自分を誤魔化してるのを。

 

「陸さんはそんなに真面目じゃない!!!」

「え?」

 

「陸さん、私を諦めさせる為に真面目な人演じてるんですよね?」

 

「い、いや何言って」

 

「だってそうじゃないですか!?私に勘違いだって言った日から私の前だと適当に喋るのやめましたよね?サボるのやめましたよね?」

 

「いい事じゃないか?」

 

「どこがですか?陸さんが真面目に仕事したら私は誰の面倒見て楽しめばいいんですか!?」

 

「知ったことか!?」

 

「……陸さん酷いですよ……」

 

陸さんは変わってしまった……私がいっぱい叩いたから?ならもう一度いっぱい叩いたら元に戻るかな?でも私が本気で叩いても平気そうな顔するの陸さんしかいないんですよ?だから……もう一度!!!

 

「すいません陸さん!!!」

 

私は思いっきり加速をつけて陸さんに向け拳を振るう。これでいいんだ、これで陸さんが元に戻るなら……そう思いを込めた私の一撃を陸さんはパシッと言う音と共に軽く受け止める、私の拳を陸さんの手が包み私の拳が止められた。

 

「……何で……うっ……ううっ……ひぐっ……酷い……こんなの……私の拳を受けてくれない陸さん何て……うっ……そんなの、ぞんな゛の私のずぎな陸ざんじゃな゛い゛ぃぃ…………」

 

「お前は俺に何を求めてるんだ!?」

「うわぁぁぁあああぁぁぁ「おい、待てギンごふっ!?」ぁぁあああああん!!!」

 

そして私は泣きながら陸さんをぶっ飛ばし、来た道を逃げる様に走って六課を出た。

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

「で?自分ギンガと何があった?」

 

「ほっといてください。」

「そうはいかんで!?あんたらが破壊した六課の床や壁、全部鈴木君に請求してもええんよ?」

 

「わかりました……」

 

「分かればいいや♪」

 

少し前、二階の袋小路の通路で鈴木君が倒れているのをヴィータが発見した。ギンガとなんかあったんは明白やったが理由はわからへん。

と言うか……鈴木君が倒れてた場所……もう袋小路じゃなくなってるんやけど……はぁ……六課の財政が……財政が……

 

「あれはリンディさんの依頼で俺が陸士108部隊に派遣された時の話です。俺は、八神部隊長や六課の皆に接してたまんまの方法で仕事をしてました。実際、これが俺のやり方なんで何処へ行ってもそれは変わりませんが。」

 

私は鈴木君がギンガとの関係を語り出したので静かに聞く事にした。

 

 

 

 

〜ギンガサイド〜

 

陸さんと初めて会ったのは108部隊の部隊長室、私がお茶を入れに来た時だ。

 

 

 

 

 

 

突然部隊長室のブザーがなったと思ったら陸さんが入って来た。

 

「およよ〜、はじめまちて?鈴木陸飛でする!今日からよろぴく?」

 

その挨拶を聞いて私もお父さんも固まってしまった、まずふざけている。私は許せなかった、誰か新しく入って来るのは知っていたけど……どうしてこんな人が……って思った。それから毎日の如くサボってる姿を見かけて……

 

「いい加減にしてください!!!」

 

私は我慢できなくなり陸さんの机を思いっきりぶっ叩いて説教をした。でも陸さんは私の話も聞かないでふざけた口調で私をおちょくるばかり……だから私は初めて仕事の同僚に向かってキレてしまった。

 

「ふざけないで!?やる気がないならもう来んな!!!」

 

私はそう怒鳴り感情に任せて思いっきり陸さんをブン殴った。

 

「あ…………」

 

やってしまったと思った。そして勢い良くぶっ飛んでしまった陸さんは壁を突き抜け外の通路へと転がる。私は青ざめながらも、急いで転がった陸さんの元へと向かった。

 

「だ、大丈夫ですか!?すいません、わ、私……」

 

陸さんの近くに行き涙目になりながら必死に謝った、でもその時陸さんは何も無かったかの様に起き上がり、私の頭をポンと叩いて……

 

「あやや?大丈夫、大丈夫。気にしない、気にしないん?」

 

そう言って陸さんは自分の机に戻る、私は言葉が出なかった。何故怒らないのか、例え陸さんが悪いにしてもあそこまでする必要は私には無かった。なのに陸さんは笑って何でも無いと言ってくれる。それでも陸さんがサボるのをやめることは無かった、周りの人は陸さんを見て、あいつはダメだとか……俺達が頑張らないとな何て言ってもう……注意しようともしなくなった。

 

「あ、あの……ちゃんと仕事してください!」

 

でも私は注意するのをやめなかった、本当は優しいこの人をキチンと更生させたかったから……

 

「およよ〜。ギっちはギッチギッチ過ぎるよん?そんなんじゃ彼氏できないよん?「大きなお世話ですよ!!!」グボッ!?」

 

こうやってふざける度に私はつい陸さんを殴るようになった、私が殴る度に怒られるか不安になったが殴られても陸さんは何も怒らない。それどころか私になんでも無いと言い笑かけてくれる。だから私はいつの間にかこの日々が楽しくなっていた、ダメな陸さんの面倒を見るこの日々が。そして、この人は私がいないとダメなんだ……私が世話を焼いてあげたい、そう思うようになった。でもある日、それは突然起きた。

 

「陸さん、サボってないで起きてください!!仕事です!自分の書類終わったなら私の書類手伝ってくださいよ……」

 

「およ〜?ギっちそれは自分でやりなよん?早く終わらせて自分もサボろうなんてそうはいかないん「陸さんと一緒にしないでください!!!」へぶしっ!?」

 

またいつも通り私に殴られた陸さんは壁を突き抜けた。でもその時の一撃は今までで一番のクリティカルヒットで、陸さんは抜けた壁の更に奥の壁を突き抜けて別の部隊の部隊室まで転がった。凄い悲鳴が聞こえたがそれは無理もないだろうと思う。自分でやっといてあれだけど、人が壁を突き破って転がって来たら悲鳴の一つや二つ出る筈だ。

そして私は急いで陸さんの元へと向かう。

 

「り、陸さん!?ご、ごめんなさい!?いつもより強くし過ぎました!?あ……陸さん……血が……」

 

陸さんは口の中を切ったのか口から沢山血が出ていた。

 

「ごほっ!?ギ、ギっひ……け、けっ……ほん……ふ……ぃ……てくだはい……」

 

「え!?私、私で……いいんですか?で、でも……陸さんそんな……私まだこ、心の準備が……。お、お父さんにも相談しなきゃいけないし……。で、でも陸さんがそんなに言うなら私……」

 

私は火山が噴火しそうなくらい顔が熱くなり両手を頬に添える。口元はにやけっぱなしだ。しかし、この次の日……

 

「り、陸さん?ほ、本当に私で……いいんですか?」

 

「はへ?何がん?「何言ってるんですかぁ〜分かってる癖に♪」へ?」

 

私は顔を熱くし少しその場でくねくねしながらそう言う。

 

「わ、私と結婚してくれるんですよね?」

 

「え……何それん……そんなの知らないよん?」

 

私はその瞬間、無意識に陸さんを殴っていた。

 

「がはっ!?」

 

陸さんはぶっ飛んで隣の机と一緒に転がる。そして、ゆっくりと陸さんに近づいた私は陸さんの胸ぐらを掴み持ちあげた。

 

「陸さん……冗談ですよね?ぶっ飛ばしますよ?」

 

「お……およ?ギっち……もう……ぶっ飛ばしてるゴブっ!?」

 

私は再び陸さんを殴り飛ばし、転がってる陸さんをまた持ち上げる。

 

「私はいい加減でどうしようもない陸さんが好きですけど……この手の冗談は嫌いです……ぶっ殺しますよ?」

 

「あ、あやや……段々酷くなって「うるさいですね!」ごはっ!?」

 

その後流石に部隊の皆に止められこの日はこれで終わったが、次の日……陸さんが壊れた。

 

「陸さんおはようございます!」

 

私はやり過ぎた事を謝ろうと出勤してすぐに陸さんの所に行った。

 

「ん?はい、おはようございますギンガ二等陸士。」

 

「え……陸さん…………」

 

突然敬語を使い始めた陸さんに私は固まった。確かに階級的には私が二等陸士で陸士さんが三等陸士、立場的には私が上官だ。だから陸さんの言葉遣いは間違ってはいない、でも急に変わったからどうしたのだろうと思った。ひょっとして怒っているのかと思ったがそうでもなさそうだ。そして暫く陸さんの様子を見ていたが私がいつもとは比べ物にならない程働き者だ。これではダメダメどころか、優秀だ。それはいいことなのだが私は納得出来なかった、私の好きな陸さんはもっとダメな人だから。だからそのうち理由を聞こうと思った。しかしその数日後陸さんは異動した、私に何も言わずに…………

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

「それから他の部隊で仕事をしてる時に何処から聞きつけて来たのかギンガが殴りに来るんですよ、その後も異動する度にそれを聞きつけて殴りに来て……せめて敬語はやめろと言うのでやめましたが……」

 

「自分……よく生きてるな……」

 

大体話は分かった……でもな…………。なんやそのバイオレンスでよく分からない恋愛話!?そんなにダメダメな鈴木君が良かったんかいな!?

 

「な、なぁ……ギンガもしかして定期的に殴りに来るん?」

 

「はい……少なくても週に3回は「多過ぎやろ!?」それでも減った方ですよ……最初の頃は毎日でしたから。」

 

何か鈴木君可哀想になって来たな……でもそれだと六課の財政が修理代だけで赤字にぃ…………。私は泣けて来た、これから定期的に六課の壁や床が壊れるのかと思うと……流れる涙が止まらない。でも今まで怒らずに耐えてる鈴木君を思うと……泣いてやろうじゃないかと思わなくも……ない訳ない…………

 

 

 




次回もよろしくお願いします。

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