魔法少女リリカルなのは!?「幻の残業局員」   作:ヘルカイザー

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ども〜。

では、よろしくお願いします!


第12話《協力要請》

〜フェイトサイド〜

 

「なんで言ってくれなかったの?」

 

私は今鈴木君と話をしている。どうしてかと言うと昨日帰るように言ったのに帰らず外で寝ていたからだ。この寒空の下だ、下手をすると体調を崩してしまう。私は彼を無理やり帰そうとした事を後悔しながら彼を問い詰める。

 

「言う必要がありますか?帰宅後の事は俺の自己責任です。テスタロッサ隊長には関係無いのでは?」

 

彼はそう言う、どうやら話を聞くと彼には家はないらしい。では今迄どうしていたのか、それは各部隊で六課でやっていたような仕事をする際、泊り込みでやるが為に家はなくても関係ないようだった。確かに風呂は、各部隊で簡易シャワーなどが配備されているし問題はないが……こんなの良くないと思う。

 

「そ、そうかもしれないけど……言ってくれれば何も外で寝なくても六課の中で寝れたよ?別に私達は君に六課から出て行けって言った訳じゃなくて少し君に休んで欲しかっただけなんだよ?」

 

「それは分かっていますが、あそこでお二人にあれ以上気を使わせるのも悪いですし。俺が外で寝た所で体調を崩さなければ問題無いことです。」

 

彼と話していて一つ分かったことがある。本当の彼は自分に対して恐ろしく疎かだ。

 

「テスタロッサ隊長、俺はそろそろ仕事に戻りたいのですが?」

 

鈴木君はそうやってさっきから仕事に戻る、戻る言うけど……そんな言葉では逃がさない。世間話ならまだしも今は真面目な話をしているんだ。

 

「まだ私の話は終わってないよ。まだ君には聞きたいことが山程ある!」

「では。」

「って!?シカト!?ちょっと待って!?」

 

私の話を途中で切り上げようとする鈴木君を私は後ろから羽交い締めにして止める。でも止めてる筈の私は彼を羽交い締めにしたまま彼に引きずられた。

 

「ちょっと、止まってよ!?って言うか私の状況おかしくない?全然押さえられないんだけど!」

 

少し悔しくなった私は足に魔力を込め踏ん張りを強くするが……何も変わらない。もう、何なのこの人!?

 

「このぉぉぉぉ……止まれぇぇぇ……。ダメだ……もう!!君本当に馬鹿力すぎだ!!!」

 

「そんな事で怒られる言われはありません。いいから早く離してください、歩きにくいです!」

 

くっ……歩きにくい何て言って、普通に歩いてるのと速さ変わらないんだけど?ううっ……どうすれば……あ!私は前から歩いて来るはやてを見つけ助けを求める。

 

「はやて、ちょっと手伝って!!!」

 

「な、何してるんや?人間スキー?」

 

うん、これ意外と速くて楽しいよ!って、違うから!?

 

「いいから手伝ってよ、はやて!鈴木君が私の話を全然聞いてくれなくて……止めようにもこの有様で。」

 

「ふ〜ん、そんなら……これでどうや!!!……へ?」

 

はやてが鈴木君の前に回り込んで両手で鈴木君の肩を押さえ両足で踏ん張る。でも恐ろしい事に……止まらない。はやてもそのまま押されて引きずられる。

 

「自分、どんだけや!?本当に人間!?」

 

「力が強いだけで人間否定されたらたまらないのですが?」

 

いや……二人掛かりでしかも後ろと前から押さえにかかってるのに止まらないのはもう人間疑うよ?って言うかもう止まってよ!?

 

「す、鈴木君……いい加減……止まりぃぃぃやぁぁああああああ!!!」

 

はやてが我慢できなくなり私と同じように魔力を込めるがまたしても何も変わらない。

 

「じょ、冗談やろ!?ってかいい加減にし!?こんな頑なに止まらないでどこ行くんや!?「仕事です!」普通に返し過ぎやろ!?」

 

こんな状況で平然として会話をしている鈴木君に何だかムカっと来た。踏ん張っているのは私達だけみたいで、何か馬鹿馬鹿しい。するとはやてが片手で通信モニターを開き大きく息を吸い込んだ。

 

「ちょっと全員手伝い?今休憩中やろ?この馬鹿を止めるの手伝ってや!!!大至急食堂前の通路に集合!!部隊長命令やで!!!」

 

ええ〜!?助かるけど、ええ〜!?

 

「あんたアホですか!?こんなくだらない事に部隊長命令まで使って全員巻き込む気ですか!!!」

「「そう思うなら止まれ!?」」

 

「お断りします!!もう意地でも止まりません!!!」

 

これ……どうなっちゃうの?

 

「あ、いた!?フェイトちゃ〜ん!」

 

はやてが連絡を入れてすぐになのはが来た。

 

「なのは!鈴木君を止めるの、手伝って?」

 

「え〜と……何かよくわかんないけど取り敢えず手伝うよ。ぐっ!!……にゃぁ!?」

 

止まらない……

 

「あ!部隊長〜!」

 

「ああ、スバルか。あんたなら期待できる。鈴木君を止めるんや!」

 

今度は前からスバルが加勢に入りはやての背中を押すように踏ん張る。スバルならかなりの力がある筈、これなら……止まらない!?

 

「お!なのは隊長〜!」

 

「あ、ヴァイス君!お願い手伝って?」

 

次に来たのはヴァイス陸曹だ。なのはが私にしているようになのはのお腹に手を回し力いっぱい踏ん張る。

 

「全く……人一人止めるのに何やってんだか……ふっぐぉぉぉおおおおおおお!!!……はぁ!?なんだこりゃ!?」

 

さっきよりスピードは落ちたけどそれでも止まらない……

 

「部隊長〜!」

 

「私達も手伝います!」

 

更にエリオとティアナもそれぞれはやての後ろにつき背中を押す。それでも……止まらない。ここまで来るとどうしても止めたくなる。つまらない意地の張り合いだ。

 

「な、何なのよ!?」

 

「グッ……止まらない……。」

 

ティアナとエリオもこれだけの人数で押して引いているのに止まらない鈴木君に驚いている。そしてその後残りの六課メンバーが加勢に駆けつけるが止まらない。でもいつの間にか皆の表情は悔しさと負けてたまるかと言う感情でいっぱいになっている。皆のやる気がここにくだらない事だけど完全に団結したんだ。でもここで私は気になる事ができた、一人来ていないような気がした。でも突然聞こえた声でそれが誰だか分かった。

 

「陸飛さん何してるんですか?」

 

「ん?いや……ちょっとした……意地の張り合いだ。」

 

キャロだ。私達の前にも後ろにも加勢に入らず鈴木君の横に並び普通に会話を始めている。って言うか……手伝おうよキャロ…………

 

「そうなんですか?何か大変ですね陸飛さん……」

 

「キャ、キャロは……皆をて、手伝わないのか?」

 

何故か止められてる側がそんな事をキャロに聞いている。それ程キャロの位置は浮いてた。そしてキャロは少し考えるような顔をしてその後ニッコリと鈴木君に笑いかけた。

 

「はい♪陸飛さんの負担になるような事はしません♪それよりこうしてお話しませんか?」

 

キャロ、貴方は強く育ち過ぎだよ!?この状況で鈴木君の味方ってどんだけぇぇぇええええ!?

 

「そ、そうか……ありがとう……な……」

 

「はい♪」

 

ううっ……眩しい、眩しいよ……キャロの純粋な笑顔が…………。でもこのままじゃ本当に止まらない……

 

「あ!そう言えば陸飛さん?この間陸飛さんが無くしたボールペン食堂に落ちてましたよ?はい、返しますね?」

 

そう言ってキャロがポケットから出したボールペンを見た鈴木君は……止まった…………

 

「止まったで……」

 

止まった……

 

「と、止まったの……」

 

その瞬間、立て続けに止まった……っと皆が口ずさむ。

 

『や……や……やったぁぁぁぁあああああああ!!!』

 

今まで鈴木君を止めるのに必死になっていた皆は一斉にハモるように喜びの雄叫びをあげる。でも私はこの時何でこんな事をしていたのか完全に忘れていた。そして……

 

「皆さん……暇ですね♪」

 

突然キャロがそう言った。私達はそれを聞いて何かに亀裂が入るような音が聞こえた気がした……全員顔が硬直しさっきまで上げていた喜びの雄叫びが嘘のように静まりかえる。暇ですね……ほんの純粋な子から出たその言葉は私達の心を抉るには十分だった…………

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

あのくだらない騒動の次の日私は陸士108部隊に顔を出しに来ている。ちょいお願いしたい事があるからや。

 

「ふふふ、愛弟子から師匠へのちょっとしたお願いです。」

 

今私と話しているのは陸士108部隊の部隊長ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐。昔私が研修でお世話になった私の師匠や。ナカジマ三佐と話をしていると部隊長室のブザーが鳴った。

 

「はいよ?」

 

「失礼します!」

 

ナカジマ三佐がそれを許可し部隊長室に入って来たのはうちのリインとギンガやった。

 

「ギンガ!」

 

「八神二佐、お久しぶりです!」

 

この子はギンガ・ナカジマ。ナカジマ三佐の娘や。ちなみにスバルもナカジマ三佐の娘で、ギンガの妹。久しぶりにあったけど元気そうやな。その後お茶を持って来てくれたギンガはリインと席を外してくれた。これから少し大事な話があるからな。

 

 

 

 

〜リインサイド〜

 

ギンガと部隊長室を出た私はギンガの机で話をしている。今はやてちゃんがナカジマ三佐にお願いしている事を少し話しているです。それでそのお願いとはギンガ達に捜査協力をお願いしようかと。

 

「そうですか〜フェイトさんが!」

 

「はいです!六課の捜査主任ですから一緒に捜査に当たってもらう事もあるかもですよ?」フェイトさんと一緒ならギンガもやりやすいでしょうから。

 

「これは凄く頑張らないと行けませんね!」

 

「はい〜!あ、そうだ!捜査協力に当たって六課からギンガにデバイスを一機プレゼントしますですよ!」

 

そう言うとギンガは申し訳なさそうな顔をしてこの後も少し遠慮気味な会話だったですが最後は凄く嬉しそうです。

 

「ありがとうございますリイン曹長!」

 

「はいです!はぁ……陸飛さんもこれくらい素直だったら助かるんですけど…………」

 

私がそう呟いた瞬間、何故かその場の空気が重くなった気がしたです。私は驚いて目の前のギンガをみました。

 

「リイン曹長……今……陸飛さんって……言いました?」

 

「え?い、言いましたけど……ど、どどうしたですか?」

 

ギンガの顔がとんでもない程怒りで歪んでるです!?怖いです!?

 

「あの人は今六課にいるんですか?リイン曹長どうなんですか、いるですか?」

 

どうして二回言ったですか?り、陸飛さん……一体何したですかぁぁぁあああああ!?

 

 

 

 

〜はやてサイド〜

 

「お、おい……今の話本当か……今六課に鈴木の奴がいるのか?」

 

「はい……そうですけど……」

 

話の流れで少し鈴木君の愚痴を漏らしたら何故かナカジマ三佐が驚いてその後何かに怯えている。何や?鈴木君は108部隊にも来たことあるんかいな。

 

「な、なぁ……ギンガを貸すのはべ、別に構わないが……貸してる間起こった事に対する……しゅ、修理代は……そっちで責任持ってくれな?」

 

「はい?あの…何を言ってるのかさっぱり分からないでのですが……」

 

す、鈴木君?私……今もの凄く嫌な予感してるんやけど……大丈夫やろな?大丈夫やろな?

 

「いや……うん。とにかく……頑張れ。」

 

「やめてください!?意味不明な上にそれだと凄く怖いじゃないですか!?」

 

でもその後も結局ナカジマ三佐は何も教えてくれなかった。

 

 




次回もよろしくお願いします。

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