第四次ギャグキャラ戦争 ただしセイバー除く   作:ケツアゴ

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推奨BGM

キャスター・セイバー 鋼のレジスタンス

ランサー(終盤)   続・溝ノ口太陽族

ライダー       気持ちだよ


もう直ぐ終わりの第八話

立ち上がった深海王の姿はより化物じみた物になっていた。まだ人に見えた顔は完全に凶暴そうな魚の顔になり、全身の筋肉が盛り上がる。そして足に力を込めた瞬間、セイバーはコンテナを数個ぶち抜きながら吹き飛ばされた。

 

「脆いわねぇ。ま、所詮は人間の英霊ね」

 

先程までセイバーがいた場所に深海王は拳を振りかぶった姿で立っていた。

 

「……今、見えなかった」

 

「トランセイザー! こうなったら最後の変身だッチ!」

 

「させると思う?」

 

再び深海王の姿が掻き消え、トランセイザーは衝撃と共に宙を舞う。その真上に跳躍した深海王は再び拳を振り下ろす。地面に叩きつけられたトランセイザーに何発も拳が叩き込まれ倉庫街の地面は衝撃で崩れ出した。

 

「知ってるかしら? ラッシュってのは一発一発に殺意を込めて打つのよ。っ!」

 

深海王は大ぶりの一撃を入れようとしてその場を飛び退く。トランセイザーの手に収まった十得ナイフの様な物から巨大なドリルが飛び出し深海王の肩の肉を抉っていた。

 

「……マルチディメンションスプレッダー。やっぱり便利ね」

 

「……この姿の私に傷を付けるなんて褒めてあげるわ。でも、これで終わりよ」

 

深海王はトランセイザー踏みつけて押さえつけ両腕を振り被る。その時、トランチアーズが深海王を囲むように立っており、それぞれの武器から放たれた光のラインが三角系を描く。

 

 

 

「「「チアーズトライアングルシンフォニー!!」」」

 

三角系の中心居た深海王をエネルギーの球体が包み、トランセイザーは咄嗟に抜け出す。

 

「今だッチ!」

 

「ええ、分かっているわっ!」

 

トランセイザーの体に強力なエネルギーが集まりだし、徐々に体を包んでいく。

 

 

 

 

 

 

「何する気か知らないけど、させると思ったの?」

 

だが、その光が頂点に達しようとした瞬間、深海王が飛び掛かる。チアーズは追撃を掛けるが深海王はそれを無視してトランセイザーに襲いかかる。

 

「トランセイザー!」

 

(拙い! この変身中は身動きが……)

 

「死になさい」

 

チーポが咄嗟に前に飛び出すも盾になどならず直ぐに吹き飛ばされる。そして深海王の鋭利な牙が身動きの取れないトランセイザーに襲いかかった。

 

 

 

 

 

風王鉄槌(ストライクエア)ァァァァァァァッ!」

 

「まだ生きていたの!?」

 

だが、先程吹き飛ばされたセイバーが放ったストライクエアによって一瞬深海王の動きが阻害され、トランセイザーの変身が完了する。その姿は今までの特撮ヒーローではなく、変身魔女っ子を思わせる姿だった。

 

 

「わ、私は偉大なる海の王。貴女なんかに負けないわ……」

 

深海王はトランセイザーから放たれる力に恐怖を覚え、それでもプライドが邪魔をし逃亡という選択肢を取らせない。そのまま恐怖に駆られて殴りかかる深海王に対し、トランセイザーは片手を向けた。その手のひらに強力な魔力が集まりだす。

 

「マジカルプリフィアスターライトォォォォォォォォッ!」

 

そしてその魔力は強烈な光となって深海王を包み込んだ。

 

「ギ、ギャァァァァァァァァァァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セイバーッ!? 貴女、もう魔力が尽きてるじゃないっ!」

 

深海王を打倒したトランセイザーは元の姿である女子中学生の姿でセイバーに駆け寄る。限界を超えて魔力を消費したセイバーは既に限界を超え、もう直ぐ消えようとしていた。

 

「あの様な化物を見過ごし、それで目的を叶えても私は民や騎士達に顔向けできません」

 

「セイバー……」

 

セイバーは消えかけであるにも関わらず、満足したように笑っていた。

 

「それにしても、貴女は女だったのですね。なぜ、あの様な姿を?」

 

「それはだねぇ、いい年して変身魔女っ子に憧れ、アニメ見てたせいで遅刻しそうになってお母さんに怒られて。……ぶっちゃけ、良い年して変身魔女っ子になりたいって思っている奴が他に居なかったっ!」

 

「アンタは黙ってなさい、チーポ!!」

 

「げふぅっ!」

 

チーポは海まで投げ飛ばされ、セイバーはトランセイザーの姿を見て苦笑していた。

 

「……大変でしたね」

 

「……まぁね。でも、今じゃヒーローの姿に誇りを持ってるわ。最初は嫌だったけどね。……ねぇ、セイバー。私の魔力、全部貴女にあげちゃう」

 

「なっ!? キャスター!?」

 

セイバーの体にトランセイザーの全魔力が注ぎ込まれ、セイバーの体は魔力で満たされる。反対にトランセイザーの姿は魔力枯渇で消え始めた。

 

「……良いの。私は望みなんかないまま参加しちゃったし、マスターは偶然召喚した殺人鬼よ? ……頑張って、セイバー。応援してるわ……」

 

そしてトランセイザーは笑顔のまま消えていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「首領パッチ?」

 

桜は目の前の首領パッチの姿に困惑する。体は金色に輝き、手には布が出現していた。

 

「今は”()んパッチ”だ」

 

「ふん。見た目が変わったようだが、それがどうした? やれ!」

 

「スパイクキャノンッ!」

 

「ヘルホーマーッ!!」

 

「……」

 

デビルアイの声と共にドッズ、ホーマス、切嗣が一斉に怒んパッチに襲いかかる。強力なパンチと強酸、そして無数の銃弾が迫る中、怒んパッチは両手にコーラを持って振り始める。

 

 

 

 

 

そして高速で振られたコーラは高水圧の刃となって怪人二体と銃弾を切り裂いた。

 

「何っ!? クソ! おい、マスターを殺せっ!」

 

「させねぇよ」

 

切嗣の銃を蹴り飛ばした怒んパッチはデビルアイに接近し、両手を交差させた状態でデビルアイに触れる。

 

 

「ハジケ奥義……怒雷蜂(どらいばち)っ!!!」

 

怒んパッチの手から強烈な雷撃が放たれた。

 

「ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

デビルアイは強烈な電撃で体を焼かれ、やがて消えていく。それと同時に切嗣が糸が切れた人形の様にその場に倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お父さん」

 

桜は動かなくなった時臣の姿を見て涙を流す。雁夜は其の姿を複雑そうに見ていた。

 

「……なぁ、バーサーカー。俺、時臣が殺したいくらい憎かったんだ。だから、願いもないのに戦争に参加した。……だが、たった今願いが出来たよ。聖杯の力で時臣を蘇らせ、桜ちゃんが家族四人で暮らせるようにする。力を貸してくれるか?」

 

 

 

 

 

「……良いぜ、雁夜。だが、飴ちゃん三個だからな」

 

首領パッチは何処かの世に中を舐めた少年の様な格好をしながら指を三本立てた手を突き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘルネイル!」

 

「マシンガンシャワー!」

 

「アシッドレイン!」

 

それは突然の襲撃だった。ケイネス達が鳥団子鍋を食べ様としたその時、巨大な全裸の中年男性の拳が屋敷に突き刺さったのだ。咄嗟にゲイラスがヴァンプ、ケイネス、ソラウの三人を抱えて飛び上がり、他の怪人達が猛攻撃を掛ける。だが、あまりの巨体に効果が薄く、足や手の一振りで怪人達は吹き飛ばされてしまった。

 

 

「皆逃げてっ!」

 

「……出来ませんよ、ヴァンプ様。俺達が食い止めないと、此奴はきっとヴァンプ様達を追いかける。ゲイラス! 早く逃げろっ!」

 

メダリオはフラつきながら立ち上がり、再び両肩の砲身から砲撃を放つ。だが、少ししか効いた様子がなかった。

 

 

 

「無駄だ。私の名前はターミネーチャン。人間を滅ぼす為に未来からやって来たロボット。貴様らが勝てる存在ではない」

 

「そんなん知るかっ! こっちはなぁ、本気で世界制服を企んでるんだっ!」

 

メダリオが叫んだその時、ターミネーチャンの顔の直ぐ傍にPちゃん・改が現れビームを放った。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

顔面にビームを喰らったタームネーチャンは顔を押さえてたたらを踏み、ゲイラスはその隙に逃げ出そうとする。だが、突如伸びてきたターミネーチャンの手が掴み掛る。ゲイラスは上下左右に避けるが腕が掠り、ヴァンプが真っ逆さまに落ちていった。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ランサー!」

 

「ヴァンプ様っ!」

 

ゲイラスは咄嗟に触手を伸ばすが間に合わない。だが、運良く木の枝に引っかかって落下のスピードが落ち、ヴァンプは少し怪我しただけで済む。だが、その体を踏みつぶそうとターミネーチャンの足が振り下ろされた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!? ……助けて、助けてレッドさぁぁぁぁぁぁん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ったく、悪の組織がヒーローに助けを求めんなってんだよ」

 

そして、ターミネーチャンの足は赤いマスクのヒーローによって受け止められていた。

 

「レ、レッドさん!」

 

「よぅ、ヴァンプ。面白い事になってんじゃねぇか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、どうだウェイバー。綺麗だろ」

 

「……ああ、そうだな」

 

両津とウェイバーは冬木の地を離れ、遠くの海を見に来ていた。二人の後ろには此処まで乗って来た両津の自転車が立てられている。ウェイバーは両津に連れてこられた海をジッと見ていた。

 

「こ~んな海見てると、僕の悩みなんかちっぽけに感じてきたよ」

 

「当たり前だ。人間の悩みなんか海と比べればちっぽけなモンだぞ。お前さん、新しい理論を出して馬鹿にされたんだろ? 何時の世も開拓者は馬鹿にされるもんだ。人間、最後は皆死ぬんだから人生は楽しんだモンの勝ちだぞ」

 

「ああ、僕もそう思い出したよ。本や授業で人生を分かった気になってたけど、知識はそれで学べても、社会ってのは人から教えられないと分からない物なんだな」

 

海を見ながら呟くウェーバーに対し、両津はその頭にそっと手を乗せた。

 

「お前は若いんだからもっと世の中を見とけ。儂なんか、なんでもっと記憶に残して置かなかったんだって悔やむ事ばかりだったぞ。だからもっと遊べ。餓鬼が一丁前に時間なんか気にしてんじゃねぇ。だが、聖杯戦争の事も忘れるなよ? 男が一度始めた勝負事から逃げるのは許されんからな」

 

両津は豪快に笑うと缶コーヒーを一気に飲み干した。

 

 

 

 

 

 

 

 




意見 感想 誤字指摘お待ちしています

あと二話で完結予定です 次は本官さんの活躍予定 ソニックの扱いはワンパンマンと同様に雑ですがね(笑)

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