第四次ギャグキャラ戦争 ただしセイバー除く   作:ケツアゴ

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思いつき初回のみ 第2弾  ガチ

「貴様が我を召喚した魔術師か。……詰まらん目をしておるな」

 

 衛宮切嗣が第四次聖杯戦争のために召喚した英霊は傲岸不遜な態度で彼を眺めると鼻を鳴らす。その振る舞いは正しく暴君であり、誰よりも王と呼ぶのに相応しかった。本来ならば届くはずだった聖剣の鞘が飛行機事故で海の藻屑と消えた時は焦った切嗣だが、触媒なしに召喚して現れたのは破格のステータスを持つ英霊。其の代わり、気高い騎士道を掲げる英霊よりも遥かに扱いづらそうだったが……。

 

「我の名前? 貴様、我尊顔を拝見するという名誉を受けながら我が真名に心当たりがないと申すか」

 

 名を問われた黄金の英霊(・・・・・)が不機嫌そうに眉を顰めながら舌打ちをする。この時切嗣はこの英霊とは絶対に上手くいかないと確信するに至った。

 

「まあ良い。特別に教えてやるから感謝せよ、雑種」

 

 初対面の、それもマスターである切嗣に対して見下すような、いや、自分以外の全ての存在を見下しながら彼は口を開いた。

 

「我は英雄王ギルガメッシュ。此度はセイバーのクラスで現界した」

 

(さて、どうするか……)

 

 切嗣は強い不安を感じながらどう勝ち抜くかを思案しだした……。

 

 

 

 

 

「貴様、一体何ものだ?」

 

 ケイネスは触媒なしで召喚した英霊の顔を見上げながら問い質す。現れたのはケイネスの数倍の身長を持つ老人。薙刀と呼ばれる武器を手に持ち、頭には布を巻いている。そしてそのステータスは破格であった。

 

「俺か? 俺は”白ひげ”だ。……しっかし、妙な戦いに巻き込まれちまったもんだ。まぁ、良い。グラララララララ! 精々楽しませて貰うぞ、小僧」

 

 この時、ケイネスは予想もしていなかった。自分が目の前にいる英霊に強い影響を受け、彼を父親のように慕う事になるなどと……。

 

 

 

 

「……さて、予定は狂ったが良しとしよう」

 

 遠坂時臣は今回ばかりはうっかりを発動させなかったが目的の英霊は既に召喚されており、代わりに出てきたのは髪の毛が異様に多い少年。ダボっとしたシャツを着るその姿は一見普通に見えるが、時臣の後ろに立っていた言峰綺礼は彼の目に気付いていた。

 

(あの目は人の目ではないな。あれは殺戮を楽しむ眼だ。……しかし、何故か惹かれるものがある)

 

「へぇ、まさか僕を召喚するとはね。良いよ、一緒に頑張ろう。君の敵は僕が全て消しさってあげるからさ」

 

「それは有難い。……所で君の真名は何かね?」

 

 時臣は目の前の少年の瞳になど気づかず、ただステータスの異様に高い英霊を呼び出せた事に喜んでいるだけだ。そして少年は静かに口を開いた。

 

「僕のクラスはアーチャー。そして真名はクリア、クリア・ノート。全ての魔物を滅ぼすために生まれた存在さ」

 

 

 

 

 そして次は綺礼の召喚の番。できればアサシンを使って諜報活動をさせたい所だが、召喚されたのは一人の男。どう見てもアサシンではない。

 

 

「……まさか人間に召喚されるとはな。この怒り、早く忘れねば」

 

 呼び出された英霊はその場にいた人間三人に侮蔑の視線を向けると共に召喚された椅子に座り込む。綺礼は長年の経験から目の前の存在がマトモな物ではない事を見抜いていた。

 

「どうやら人間が嫌いなようだな。しかし、人間と組まねばお前の願いも叶わぬぞ」

 

「……ふん。まあ、良しとしよう。でも覚えておけ。キャスターとして召喚されたマルド・ギールは人間が大嫌いだ」

 

 

 

 

 

 

「スゲェ! 旦那達、最高にCOOOOOLだよ!」

 

 大勢の子供達の前でひとりの少年が大喜びしている。彼の頭の中では子供達を材料にした芸術作品の設計図が次々に生み出されており、彼のすぐそばには髑髏の仮面を被った集団が立っていた。

 

 

 連続殺人鬼である雨生龍之介は家の蔵から発見した古文書を参考にして殺人現場で召喚の儀式を行った。だが虫食いだらけの為に所々穴があって呪文が全て分からない。それでも遊び半分の演出だったので特に構わず、今日も一人生き残った男児の前で両親の血液を使って儀式を行い、眠っていた魔術師の血に反応して英霊が呼び出された。呼び出されたのはアサシン、そして正史で綺礼が召喚するはずだった”百の貌のハサン”である。

 

 

 気配を消し無数に分身する暗殺者と連続快楽殺人鬼、最悪の組み合わせとして誕生したアサシン陣営はこの日より多くの子供を攫い、冬木市民を恐怖のどん底に陥れる事となった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてさて、次はどのような奴を造るか。おい、マスター。次の部品を持って来い!」

 

(糞っ! なんでこんな事に……)

 

 ウェイバー・ベルベットが今回の聖杯戦争に参加したのは自分を馬鹿にした奴らを見返す為だった。そして触媒なしで召喚して出てきたのはか弱い老人。どうやらライダーらしいが殆どのステータスが最低。だが、その頭脳は最高と言って良いレベルだった。ガラクタ置き場に捨てられた電化製品から下僕となるロボットを作り出したライダーはロボットを使って郊外のスクラップ工場を襲撃、その日の内に強固な要塞と化してしまった。

 

「何をやっている!」

 

「わ、分かったよ!」

 

 そしてウィエバーはこのようにライダーにこき使われている。命呪を使おうにも新しく造り出されたロボット達が怖くて出来ず、ただオドオドしながら従うだけだ。

 

 

「ふははははは! ロックマンさえいなければこの世界は儂のものだっ!」

 

 ライダーの真名はDr.ワイリー。何度負けても懲りずに世界征服を目指す悪の科学者である。

 

 

 

 

 こうしてイレギュラーを抱えたまま第四次聖杯戦争の幕は上がる。今回召喚されたのは人類最古の英雄王、世界を滅ぼす力を持つ大海賊、魔物を滅ぼす為に生まれた魔物、人を雑草同然と見下す悪魔、無数に増える暗殺者、そそして世界征服を目指す悪の科学者。

 

 

 ここで冬木市民代表の一言。

 

「お前ら、他所でやれ」

 

 

 

 

 

セイバー陣営 衛宮切嗣&ギルガメッシュ

 

アーチャー陣営 遠坂時臣&クリア・ノート(金色のガッシュ)

 

ランサー陣営  ケイネス・アーチボルト・エルメロイ&エドワード・ニューゲート<白ひげ>(ワンピース)

 

キャスター陣営 言峰綺礼&マルド・ギール(フェアリーテイル)

 

アサシン陣営  雨生龍之介&ハサン

 

ライダー陣営 ウェイバー・ベルベット&Dr.ワイリー(ロックマン)

 

 

 

 

 なお、間桐家の屋敷から”カカロットー!!”、という叫び声がしたかと思うと屋敷が吹き飛び、其処には何も残っていなかったらしい……。

 

 

 

 




さて、多分被害がとんでもないことになる

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