第四次ギャグキャラ戦争 ただしセイバー除く   作:ケツアゴ

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決着と神の怒り

「……これは厄介だな。ライダーの宝具はアサシンと同じ規格外の様だ。そしておそらく異世界の存在だな」

 

 狙撃銃を構えながら戦闘を見ていた切嗣は軽く舌打ちをする。ライダーが名乗った”ボヤッキー”という名前など聞いた事がなく、明らかに宝具は機械の類だ。彼は夢で見たアサシンの記憶を思い出していた。

 

 GS(ゴーストスイーパー)

 

 オカルトGメン

 

 普通に現れる悪霊や神魔

 

 どれをとってもこの世界では有り得ない。そしてアサシンの話から照らし合わせた彼は有り得ないと思いつつも異世界の存在だと判断した。

 

 その記憶の中でも特に二つの事が彼の頭にこびり付いていた。『宇宙処理装置(コスモプロセッサ)』と『宇宙意思の反作用』。そして、これ次第では彼の目的は破綻する。

 

 

 

 

 

 

『何をやっているライダー。早く乗り込まんか』

 

「あらほらさっさ!」

 

 メカの中から神経質そうな声が響き内部から階段が伸びてくる。メカに慌てて乗り込もうとするライダーを見たアサシンはふと思った。

 

(あれ? アイツが乗り込まないとあのメカ動かないんじゃ?)

 

 そうと気付いてからの彼は俊敏だ。流石にメカには敵わないと判断したのだろう。アサシンの素早さで間合いを詰め背中から切り掛る。アサシンの腕から伸びた刃はスッパリと……、

 

 

 

「いや~ん。エッチ~!」

 

 ライダーのベルトとズボンを切り裂いた。ライダーが思わず振り返った時、アサシンは刃を上空から振り落とした為に膝を付いており、勿論頭の位置は低い。そしてライダーが振り返った為、男の象徴が目前にあった。

 

「ぎょえへぇっ!?」

 

 アサシンは泡を吹きながら転がり落ちライダーはその隙にメカに乗り込む。そして階段が仕舞われた時には操縦席に彼の姿があった。

 

 

 

 

「さあ! やーっておしまいー!」

 

 操縦席にはケイネスとソラウの姿が有り、中央の席に座っている。そして彼女がアサシンとアイリスフィールが映る画面を指さすとメカが海から上がってその姿を完全に顕にした。

 

「今回のメカは日本に始めて来たお二人の為に日本の伝統的主食”米”をモデルにした”シロメッシー”よー!」

 

 その姿を一言で言い表すなら”首長竜”。おそらくネッシーとシロメシを合わせた名前なのだろう。その胴体は首長竜の胴体ではなくお茶碗に入った山盛りのご飯とその上に乗った梅干だ。そして陸に上がったシロメッシーはその見た目からは想像できない速度で前進した。

 

 

 

「ひぃー!! あんなん、どないせぇーちゅーねん!?」

 

 アサシンはアイリスフィールを担ぐと涙と鼻水を出しながら必死に逃げる。そして倉庫に入り込むと巨大な胴体が邪魔するのかシロメッシーの動きが止まった。それを見たアサシンは安堵したのかその場にヘナヘナと崩れ落ちると額の汗を拭った。

 

「た、助かった~」

 

「そ、そうね……」

 

 アイリスフィールも安心したのか胸を撫で下ろす。離れた場所に要る切嗣はケイネスが機内に居ると判断してこれからどうするかを思案しだした。

 

(あの中に居られちゃ狙撃はできないな。随分と厄介な英霊を引き当てたものだ。……ん?)

 

 切嗣はシロメッシーの動きが止まった事を不審に思ってスコープを覗き込んだ。

 

 

 

 

 

「あらら~、困っっちゃったわね~。シロメッシーは陸でも速いけど、コンテナを破壊して進むようなパワーはないのよ~」

 

「だが、敵は目前に居るのだぞ。何とかならんのか?」

 

「大丈夫。梅干メカ出動! ほら、ポチッとな」

 

 ライダーは操縦席に設置されたスイッチを押す。すると梅干が開き、中から足が生えた梅干型のメカが大量に出てきた。

 

『ウメ、ボシ! ウメ、ボシ!』

 

 ボーリングの玉サイズのメカ達はまるで兵隊のように列をなして歩き、アサシン達の前で並列すると体を膨らませる。そして弾丸のような勢いで梅干の種を発射した。

 

「ひぃっ!!」

 

 アサシンは咄嗟にビー玉のような物を投げ、放たれた梅干の種は二人に降りかかり土煙を上げる。

 

 

「やったかっ!?」

 

「……マスターそれフラグなのよね~」

 

 土煙が晴れた時、其処には先ほど投げた珠を中心に展開されたバリアによって梅干の種を防いだアサシン達の無事な姿があった。『護』という文字が出現していた珠が消え去ると共にバリアも消え去り、ケイネスは横から責めるような視線が向けられているのに気付く。

 

「ケイネス……貴方、何をやっているの?」

 

「わ、私のせいではないだろうっ!? ライダー、早く次の攻撃だっ!」

 

 再び梅干メカ達は体を膨らませて種を放とうとする。

 

「ま、また来た~! は、早く次の障壁を……」

 

 アサシンは完全に怯えてしまい先程のバリアも上手く張れない状態だ。絶体絶命かと思われたその時、アイリスフィールの持っていた通信機に連絡が入る。

 

「え、え~と、これどうやって出れば良いのかしら? アサシン、出て!」

 

 だが、アイリスフィールは機械が駄目な典型的な魔術師。使い方が分かるアサシンが出た時、切嗣の助手である舞弥の声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

『此処を切り抜けたら今日着ていた下着を差し上げます』

 

 その瞬間、梅干の種が放たれ、アサシンの魔力が激増した。先程の珠に出現した文字は『爆』。投げられた其れは梅干の種に迫り、梅干メカごと爆発で吹き飛ばした。

 

「よっしゃ~!! 舞弥さんの下着ゲットっ!!」

 

 なんとも最低な発言にアサシン以外が沈黙する中、再びシロメッシーの背中の梅干が開こうとする。だが梅干メカが出てくるよりも前にアサシンは胴体を駆け上がり内部に先程の珠を放り込んだ。その珠に出現した文字は……『壊』。

 

 

 

 

 

 

「あれ? 何かおかしいわね~」

 

「どうした? ライダー」

 

「いや、梅干メカが内部で暴れて……」

 

 シロメッシーの機内で梅干の種が無数の放たれ内部を破壊する。三人が事態に気付いて脱出しようとした瞬間、シロメッシーが大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

「……最低な勝利だな」

 

 切嗣は呆れ顔で狙撃銃から手を放す。流石にあの爆発では英霊のライダーは兎も角、人間であるケイネスは生きていないだろうと経験から判断した。確かに普通(・・)ならそうだろう。

 

 

 

 

 

「「「えいほ! えいほ! えいほ!」」」

 

 だが、残念ながらライダーの影響でケイネスとソラウは普通ではなかった。空を飛べる三人乗りの自転車に乗った一行は闇夜に紛れて逃走を図る。

 

「くそっ! なぜ私がこんな目に……」

 

「ケイネス、真面目に漕いで」

 

 ブツブツボヤくケイネスは爆発の影響でアフロになっており、一番前で漕いでいるソラウは服が際どい事になっている。その時、妙な声が聞こえてきた。

 

 

『お前ら負けたな~。このアカポンタン!』

 

「ド、ドクロベェ様っ!? いや、その、今回の敗北には理由が有りまして……」

 

「ラ、ライダー、何か嫌な予感がするのだが……」

 

 

 

 

 

 

 

『問答無用。ママより怖いお仕置きだべ~!』

 

 その声が響いた時自転車のチェーンが外れ三人は海に落下した。




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