第四次ギャグキャラ戦争 ただしセイバー除く   作:ケツアゴ

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第四次ギャグキャラ戦争 新バージョン開始です 一人だけ予告と変更


第四次ギャグキャラ戦争 あっ、ランサーさんとキャスターさんの事忘れてました 編
プロローグ


 聖杯戦争。七組の英霊とマスターが聖杯を巡って殺し合う儀式。だが、とある並行世界では異常な性能の英霊と乱入者との戦いとなった。そして、この世界でも一部を除いて異常な英霊が召喚される。

 

 

 

 

 

衛宮切嗣は聖杯戦争で優勝し恒久的な世界平和の実現を成し遂げようとしていた。だが、その望みは初っ端から危機に立たされる。アインツベルンに届いたのは目的の品である英霊召喚の為の聖遺物の発見報告ではなく、既に何者かによって持ち去られていた、との報告であった。

 

「切嗣…大丈夫なの?」

 

「いや、かえって良かったかもしれない。誇り高き騎士様は僕の戦いには反発するだろうし、そうなれば破綻は目に見えていた。なら、聖遺物なしで僕の戦いに賛同してくれそうな英霊が来る可能性にかけた方が良いだろう? ……できればアサシンが良いんだが」

 

 切嗣は心配する(アイリスフィール)に笑みを向けると魔法陣の準備に取り掛かる。

 

「でも、こんな魔法陣で本当に英霊が召喚できるのかしら?」

 

「英霊を喚ぶのは聖杯自身なんだ。僕の役目は英霊を繋ぎ留め、実体化の為の魔力を供給すれば良いだけだよ」

 

 そして切嗣は呪文を唱え、英霊が降臨した。

 

 

「此奴は……」

 

「アンタが俺様のマスターか? ……ん?」

 

 現れたのは少年と言っていい年頃の男。平凡な顔つきの東洋人だ。そして呼出された英霊はアイリスフィールに気付き表情を一変させる。そして次の瞬間……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかゴミ箱に蛇の抜け殻を落とした事に気付かずに捨ててしまうとは……」

 

 遠坂時臣は先祖代々続く固有スキル”うっかり”によって最古の蛇の抜け殻を失ってしまった。呼び出されるはずだったのは世界最古のジャイア……英雄王ギルガメッシュ。ありとあらゆる宝具の原典を持つ彼ならばあらゆる英霊の弱点を突ける為、呼び出せれば優勝はほぼ決まったものだったのだが、時すでに遅し。何時も保っている優雅さも何処かに失くした彼は聖遺物無しで召喚を行った。

 

「……綺礼、この戦争負けたかもしれん。バーサーカーだというだけで厄介だというのに……」

 

 呼び出されたのは耳たぶが長く髪の毛が一本もない男性。そしてそのステータスはほぼ全てが異様に低かった。なお、弟子である綺礼もこの後召喚を行い、見事アーチャーを引き当てた。

 

 

 

「……交換する気あるかね?」

 

「申し訳有りませんがソレと交換は嫌です」

 

「……そうか」

 

 普段は感情の高ぶりなど見せない綺礼も目の前のバーサーカーは嫌だったので全力で拒否をする。時臣も気持ちは理解できるので此処は我慢する事にし、とりあえず作戦の練り直しに入った。

 

 

 

 

 

 

 

「……ふん。既にバーサーカーが召喚されておるとは。じゃが、よりにもよって最弱の英霊(キャスター)とはな」

 

「ぐっ……」

 

 間桐雁夜は全身に寄生させた悍ましい蟲によって引き起こされた苦痛に苛まれながら地べたに這いつくばる。その姿を見下ろす臓硯は実に楽しそうだ。そして呼び出された英霊は雁夜の方を見て魚を思わせる不気味な目をぎょロリと動かした。

 

 

「初めまして。私はキャスターのクラスで限界致しましたジル・ド・レェと申します。貴方が私のマスターで宜しいのですかな?」

 

 蟲に寄生され命と精神を極限まですり減らしたことで雁夜の精神は何処か既に破綻して降り、似たような精神の者が選ばれたのかもしれない。血を吐いて倒れている彼に手を指し伸ばしたキャスターは精神汚染を感じさせる不気味な笑みを浮かべていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……これは魔術師の戦いなのだろうか? しかし、規格外過ぎるだろう……」

 

 今回の聖杯戦争において最強の魔術師と言っても過言ではないケイネス・アーチボルト・エルメロイは呼び出した英霊の宝具によって作られた物体を見て呟く。

 

「細かい事は気にしない方が良いのよね~。更に禿げちゃうわよ?」

 

「誰がツルッパゲだっ!」

 

 誰もそこまでは言っていない。とにかく、ケイネスの呼び出した英霊の宝具はやや欠点があるものの、”規格外”、この一言に尽きた。

 

「こうなったら聖遺物を盗んだ愚か者に感謝しても良さそうだな」

 

 勝利を確信したケイネスは口元に手を当てて含み笑いをする。その横では婚約者のソラウが退屈そうに英霊の作業を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え~と、アンタ、悪魔さん?」

 

 連続殺人鬼である雨生龍之介は家の蔵から発見した古文書を参考にして殺人現場で召喚の儀式を行った。だが虫食いだらけの為に所々穴があって呪文が全て分からない。それでも遊び半分の演出だったので特に構わず、今日も一人生き残った男児の前で両親の血液を使って儀式を行い、眠っていた魔術師の血に反応して英霊が呼び出された。正史ならばもう少し後なのだが、この時偶々上手くいったのだ

 

 

「ちょっと何よコレっ!? まさかアンタが犯人なのっ!?」

 

 英霊は惨状を目にして顔を青ざめると龍之介を睨む。睨まれた龍之介はポカンとしていた。

 

「そうだけど……もしかして悪魔じゃないの?」

 

「当ったり前でしょ! 私の何処を見たら悪魔に見えるのよっ! え~い! 殺人犯覚悟~!! プロトン斬りっ!」

 

「ぐぺっ!?」

 

 頭にモロに竹刀(・・)を食らった龍之介は気を失い、呼び出された英霊は彼を見下ろし気絶しているのを確かめると縛られている男の子に駆け寄った。

 

「大丈夫? すぐ解いてあげるからね」

 

「オバちゃんは誰?」

 

「……お姉ちゃんよ。私はまだお姉ちゃんよぉー!!」

 

 その後、男の子を助けた英霊は警察に連絡した後、聖杯から与えられた知識を参考に冬木教会に向かっていった。

 

 

 

「すっいませーん。保護して貰いたいんですけどー!」

 

 

 

 

 

 

「……やった!」

 

 ウェイバー・ベルベットは自分を馬鹿にしたケイネスから盗み出した聖遺物を使って英霊を召喚する事に成功した。盗み出した鶏の血を使って描いた魔法陣の中心に立っているのは彼が呼び出した英霊。絹のような金髪と綺麗な碧眼の少女にウェイバーは思わず見蕩れる。それほどまでに少女は可憐だった。

 

「―――問おう。貴方が私のマスターか」

 

 呼び出された少女は()を構えながらウェイバーに問うた。

 

 

 

 

 

 今回執り行われるのは正史とは違い、並行世界の異常な英霊戦争とも違う戦い。そして、この世界に乱入者は存在しないのでマスターと英霊同士だけでの勝負となる。

 

 

 

 

 




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