アーチャー……衛宮士郎の生涯は波乱に満ちたものだった。第四次聖杯戦争によって引き起こされた大災害を生き残った彼は養父である衛宮切嗣の養子となり、彼の夢であった”正義の味方”を目指した。そして第五次聖杯戦争でセイバーとして一人の少女を召喚し絆を深める。そして聖杯の破壊と共にセイバーと永遠の別れを告げた。
そして本来ならば救えなかった人を救う為に世界と契約し英雄としての力を手に入れた彼は救った人々に裏切られ生涯を閉じる。その結末には後悔がなかった。だが、力の代価として押し付けられたのは霊長の守護者としての役割。世界を滅ぼそうとする人間を虐殺し世界を救う内に彼の精神は摩耗していった……。
「行い自体には何の後悔もなかったさ。だが、そもそもの動機は借り物だった。私は養父の夢を継いだに過ぎなかったのだ。だから考えたのさ。過去の自分を殺して過去を変えよう、とな」
アーチャーは気付かぬ内に自分の内心を吐露していた。自分でも何故慎二に話してしまったのか分からない。ただ、もしかしたら慎二の召喚したライダーの影響ではないかとは思っていたが。
(……変わったのは慎二だけではなかった、という事か)
彼の持つ記憶とこの世界には大きな食い違いがある。いや、有りすぎると言って良いだろう。
「……少し話し過ぎたな。しかし馬鹿の見本のような話だろう?」
「……別に。僕は自分でも人の生き方を馬鹿に出来るほど立派な生き方をしてきたとは思ってないよ。でもさ、二つだけ言わせて貰うよ。たとえ理想や夢が借り物だったとしても、それを最終的に選んだのは自分なんだから自分の物じゃないか。それと、此処の衛宮は僕の親友なんだ。その親友を殺そうってんなら未来の
慎二の言葉を聞いたアーチャーは暫く固まり、いきなり腹を押さえて笑い出す。笑い過ぎたのか少し咽せ、呼吸を整えて何時もの皮肉めいた笑みを浮かべた。
「くくっ、これは怖い。せいぜい肝に銘じておこう。……所でなんで私が
「いや、桜が思いっきりお前を先輩って呼ぼうとしてたし、衛宮を見る目と同じ目でお前を見てたからな。……それとライダーが衛宮を見て”なんでアーチャーが二人居るんだ?”って、言ってたんだよ」
「……ライダーか。あれは不思議な奴だな。確か願いは”一刻も早く目覚めて友達と遊ぶ”、だったか? 無邪気な事だ。まあ、奴の願いの邪魔はしない様にするさ。この聖杯戦争には口煩い親友も居る事だしな」
アーチャーは再び笑みを浮かべると霊体化して消えていく。慎二も話に夢中で見ていた番組の内容が頭に入っていなかったのでテレビを消すと寝室に戻っていった。
「なあ、士郎。俺の友達の話を聞いてくれないか?」
「親友? ああ、別に良いけど?」
アーチャーと慎二の会話から少し遡った頃、同室で寝ようとしていた士郎にサキューンは一人のヒーローの話しをし始めた。彼はヒーロー一族の出身で所謂”お坊ちゃん”だったのでヒーロー養成施設の同期だったサキューンは彼の世話をよく焼き、何時の間にか友人になっていた。二人して立派なヒーローを目指し、同じ先輩に良く世話になったっと話す時のサキューンは本当に楽しそうだった。もっとも、先輩ヒーローが何処ぞのチンピラにしか思えない事について士郎は多少のショックを感じたのだが……。
「でも、俺は彼奴の悩みに気付いていなかった。彼奴は、ナイトマンは子供の頃から怪人になりたかったんだ」
「怪人!? 怪人ってあのヒーローと戦う奴だろ!?」
「ああ、その怪人だ。でも、ヒーローとして生きていくしかないって思ってたからそんな事家族には相談できなくてずっと苦しんでいたんだ。結局、さっき話した先輩に相談して最終的には先輩と敵対している悪の組織に入ったんだ。……そしたら彼奴、生き生きしていたよ」
「え~と、家族は何か言わなかったのか? ずっとヒーローになる為に育ててきたんだろ?」
「……気付いてやれなくて済まなかった、そう言ったそうだ。なあ、士郎。正義の味方ってのは責任感が要るものだ。でも、責任感からなるものじゃない。それに、誰かを助けるだけなら正義の味方である必要もないんだ。本当に自分の心の底からの意思じゃなかったら、失敗した時辛いぞ?」
「……」
サキューンの言葉に士郎は無言で返し、そのまま布団を頭まで被る。サキューンも布団の中に入った。
「……そういえば俺の願いを言ってなかったな。ある日、世界中に支部を置く悪の組織”フロシャイム”の東京支部の”ヘンゲル将軍”の罠に掛かって、日本に居るヒーローとフロシャイムの全面対決になったんだ。俺も当然参戦して……ナイトマン、いや、フロシャイム怪人ナイトールと相討ちになった。ヒーローとしてその事は後悔してない。でも、サキューン個人としては後悔しているんだ。アイツと戦わない道もあったんじゃないかって。……士郎。君も本当に今の道で後悔しないか考えて行動した方が良い」
「……」
サキューンはそれだけ言うと布団を被る。士郎は暫くの間黙って考え事をしていた。
「しかし、他の英霊と会わんなぁ。俺様に恐怖をなして隠れてるのか?」
「いや、お前は一回戦っただけだろう。まあ、頑丈さには驚いただろうな」
拠点に戻ったマークとアサシンは他の英霊を探すも先日のアーチャーの一件以来遭遇しない。作戦を練ろうにもアーチャー以外の能力が分からないので作戦が立てられない。安マンションは壁も薄く声が筒抜けなのでそろそろ寝て、明日別の場所で作戦を話し合おうとなった時、衝撃と共にマンションが崩れた。
「「ぬわぁぁぁぁあああああっ!?」」
二人が居たのは一階。上から降り注いだ瓦礫は運良くサタンを避けるように崩れ、近くに居たマークも運良く助かる。そして息つく暇もなくサタン目掛けて巨大なダーツが襲いかかった。
「ぎょへぇぇぇっ!?」
サタンは悲鳴を上げながら隣の建物の壁に激突してゆっくりズリ落ちる。そのまま頭から落ちたので頭に大きなタンコブができた。大したダメージはない様だが起き上がったサタンは涙目で頭を押さえている。その無防備な姿目掛けて襲撃者は何かを投げる様に手を振り抜く。
「
「サターン!!」
サタン目掛けて無数のナイフや鳩が襲い掛かり、マークは衝撃で吹き飛ばされる。サタンが居た場所に土煙が濛々と舞う中、
「……くだらんな。所詮はこの程度か……さて、あとはマスターを……!?」
ツル・ツルリーナ三世は土煙の中から放たれた力の大きさに固まる。この日、彼は生まれて初めて恐怖というmのがどういう物かを知った。やがて土煙の中にサタン以外の人影が現れる
「……お前、サタン虐めたな」
【CLASS】アサシン
【マスター】マーク
【真名】ミスターサタン(マーク)
【属性】秩序・善
【ステータス】
筋力:D+ 耐久:EX 敏捷:D+ 魔力:E 幸運:
クラス別スキル
気配遮断:E 目立ちたがり屋な上に訓練も受けてないので一般人が息を殺して物陰に隠れる時程度
固有スキル
カリスマ:EX 何度も世界を救った(事になっている)事により、サタンは某金ピカすら超える高いカリスマ性を持つ。そのカリスマは声だけで地球全土の人間を動かせれる程。
ギャグ補正:EX 存在自体がギャグであり、ブゥ(純粋悪)のパンチや超一星龍の飛び蹴りをモロに食らっても痛がる程度で済む。
英雄補正:EX 様々な幸運が重なってサタンの行動は世界を救済する事に繋がり、大衆は彼こそが英雄だと信じる。
宝具
ランク EX
対宇宙宝具
レンジ 全宇宙内
最大補足 測定不能
サタンがピンチに陥った時に自動発動。永遠の親友であるブウを召喚する。なおブウはBランク相当の単独行動を保有。ただし、脅威が去ると宝具は解除される。この宝具の発動にマスターの魔力は消費しない。
本人曰く、『サタン友達。ずっとずっと友達。俺、サタンの事忘れない』、とのこと。その友情はウーブと同化しても消えなかった。
~オマケ~
月で行われる聖杯戦争。記憶を失ったマスター岸波白野は一体のサーヴァントを召喚する
「僕の真名? お前を信用したら教えてやるよ」
頭に金色の輪っかをはめて伸縮自在の棒を持ち、雲に乗る猿のライダーはそう言った。
「仕方ネェナ。マトリスク判明装置作ッテヤルヨ。カレーパン使ウカラ買ッテコイ」
遠坂凛は白衣を着た熊のキャスターを召喚する。
「!!」
「また怒っていますね」
そしてラニⅧはノースリーブの赤白の縦縞模様の服をきて耳に安全ピンを刺した兎のバーサーカーを召喚した
ファイトエクストラ
「ぼくの孫悟空」
「秘密結社鷹の爪」
「ウサビッチ」
近日公開……しません。
意見 感想 誤字指摘お待ちしています
最近フェアリーテイルの二次を始め、キャラ募集も活動報告でやっています
いや、本当に公開しませんからね? フェアリーテイルの感想が増えれば気を良くしたりするかもしれませんが、今のところ公開予定はないですからね?