第四次ギャグキャラ戦争 ただしセイバー除く   作:ケツアゴ

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さて、これは一部の続きではありませんが、繋がる予定です


第二部 第五次ギャグキャラ戦争 ただしアーチャー、テメェは駄目だっ!! 編
第二部 プロローグ


「満たせ満たせ……」

 

とある屋敷で一人の少女が魔法陣の傍で呪文を唱える。彼女の名前は遠坂凛。彼女は暗記した呪文を唱え、英霊を呼び出そうとしていた。彼女が呼び出したいと思っているのは最優の英霊であるセイバー。

 

「汝はその瞳を混沌に曇らせ……」

 

だが、”うっかり”バーサーカー用の呪文を呼び出し、さらに偶々吹いた風で屋敷が軽く揺れ、幼い頃に”うっかり”逃がして干からびていた蛙が棚から落ちてきた。

 

 

 

 

「ケ~ロケロリ。聖杯があれば地球(ペコポン)侵略なんて簡単であります」

 

「……蛙? しかもかなり弱い。なんでこんな役立たずが出てくるのよ~!?」

 

「なんですとぉっ!? 我が輩、怒ったでありますっ!」

 

呼び出されたのは蛙のような謎生物。ステータスを見たら殆どの能力が最低ランクのE。それでも英霊ならただの人間が勝てる相手ではないのだが、凛は飛び掛ってきた所をあっさりと叩き落とした。

 

「ゲ、ゲロ~」

 

「……終わった。私の十年は何だったのよ~? ……ところでアンタの真名とクラスは?」

 

「はっ! この度バーサーカーのクラスで召喚に応じましたケロロであります!」

 

ケロロは短い手で敬礼の構えを取った。

 

 

 

 

 

 

 

その少年、慎二には魔術の才能が全くなかった。だから後継にする為に家の養女となった義妹の桜に嫉妬し、見返してやろうと自分も無理を承知で英霊を召喚する事にした。

 

 

 

 

「シンジ~、メシ~!」

 

「サーヴァントの分際でマスターである僕を呼び捨てに……」

 

「チャッピー! えさ」

 

「ゴメンなさいゴメンなさい~!」

 

そしてかなりの力を持つライダーを召喚できたのだが全く制御が出来ず、今も宝具である犬に頭を噛まれて血を流している所だ。その傍では体に髑髏マークが有り、”しねじ”という文字の”ね”にバツを付けて横に”め”と、書いた人面キノコが当主である臓見に寄生していた。

 

「おい桜っ! 早く飯作れっ!」

 

「は、はい! 今作ります!」

 

「全く、トロイんだよお前はっ! ……なんだよ」

 

苛立ち紛れに桜に八つ当たりしているとライダーがジッと慎二の顔を見ていた。

 

「なぁ、シンジ。なんで家族なのに仲良くしないんだ?」

 

「お前には関係ないだろっ! なんでそんな事を聞いてくるんだっ!」

 

「だって変じゃないか。仲良くするなんて争うより簡単だって、子供のボクでも分かるぞ。魔術ってそんなに大切なのか? それがあれば友達や家族が居なくても平気になるのか?」

 

「……ちっ! おい、桜! 遅いって言ってんだろ! 手伝ってやるから早くしろよ!」

 

慎二は悪態をつきながらも桜の手伝いをし出す。その光景を一人の男が見ていた。

 

「奴も変わったな。……お前の影響か、ライダー?」

 

「ボクは何もしてないぞ、アーチャー。シンジが変われたなら、それはシンジが強くなったって事だ」

 

「……そうか。さて、私も手伝うとするかな」

 

「じゃあ、僕を煮込むだにゃあ」

 

「貴様は毒キノコだろうがっ!」

 

「失礼な。僕はシメジだにゃあ。ほら、ちゃんと体にしめじって」

 

「悪辣な書き間違えをしておいてよく言うなっ!」

 

この聖杯戦争は自分が知る物と余りにも違いすぎる。腰ミノ姿の少年を見ながらアーチャーは溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァカめ!」

 

「……ウザイ」

 

イリヤスフィール、通称イリヤは目の前の英霊に胃を痛めていた。アーサー王の鎧の欠片を媒体に呼び出したのが目の前の謎生物。白いステッキを持ち、アインツベルン当主をペチペチ叩いている。歌う歌も言動も余りにもウザすぎ、あまつさえ契約をするにおいて千の項目を守って欲しいっと言ってきた。

 

「ねぇ、セイバー」

 

「ヴァカめ! 私の名はエクスカリバーだと言っただろうっ!」

 

「アンタがクラス名で呼べって言ったんじゃない……」

 

「第754項目『私に話しかける時は発音良くエクスカリバーと呼ぶ事』を忘れたか!」

 

「前聞いた時と番号が違うわよ?」

 

「ヴァカめ! 日々更新しているに決まっているだろう!」

 

令呪三つ使って自害させようか、イリヤは本気でそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がっはっはっはっはっ! 俺様に任せとけっ!」

 

(此奴、本当に頼りになるのか? 耐久と運の良さ特化のアサシンなど想定外だ)

 

とある魔術師は聖杯を手にれる為に儀式を行い、一人の男を召喚した。頭はアフロで服は胴着。妙に自信タップリの英霊のクラスはアサシンだ。なお、腰にはチャンピオンベルトを巻いている。

 

「俺様の正体は天下一武道会のチャンピオンにして地球を救ったスーパーヒーロー”ミスターサタン”だっ!」

 

(まぁ、宝具もEXだし何とかなるか? しかし、気配隠す気ないな、此奴……)

 

気配遮断してからの暗殺がアサシンの得意技にも関わらず、ミスターサタンは隠れる気など毛頭もなかった。

 

「よし! まずは飲みに行くぞ、マスター! 前祝いだ!」

 

(悟空さんとかみたいな化物じみた強さの奴は居ないだろうし、俺にも勝ち目があるなっ!)

 

自信満々のサタンは豪快に笑いながら夜の街に繰り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんでさ」

 

衛宮士郎は魔術師としての修行を殆ど受けておらず、最低クラスの魔術師だといえよう。今日は倉の整理途中に手を切り、倉の床に書かれていた魔法陣に飛び散った時、目の前にヒーローが現れた。

 

「私はランサー……いや、正義の味方(ヒーロー)なら正々堂々と名乗ろう。鳥取戦士サキューンだっ!」

 

こうして正義の味方を目指す魔術師見習い衛宮士郎と鳥取を悪の組織シャンシャンから守る砂の戦士サキューンのランサー陣営が結成された。

 

 

 

 

 

 

そして、冬木の教会にて一人の英霊が消えようとしていた。彼の名はギルガメッシュ。間違いなく最強の英霊……だった存在だ。今はこの世から消え去ろうとしており、金髪の髪は無残にむしり取られ、頭の上にラーメンが接着されている。その光景を一人の神父は愉悦混じりの笑みで眺めていた。

 

「……驚いたな。まさか此処までとは」

 

「……フン」

 

ギルガメッシュを倒した男は賞賛の言葉など興味がなさそうに鼻を鳴らすとギルガメッシュの首を掴んで持ち上げる。するとギルガメッシュの体は手品で使うような箱に収まり、中からまたくの別人が出てきた。

 

「さて、何奴が来るかと思いきや貴様か、BB(ビービー)

 

「……」

 

「さぁ! まずは聖杯を手に入れ、この世界とあの世界の全てを手に入れる! このキャスター……いや、ツルツルリーナ三世の名の下にな!」

 

かつてない悪意が混じった聖杯戦争の開幕まであと少し……。

 




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